前回の続き。
交流電力を計測するデバイスを製作する。
使用するCT型電流センサの使い方について。
#CT電流センサによる交流回路の測り方
CT型電流センサーのコアで測定対象の導体を挟むと、対象の電流Iに比例して、二次電流I2が流れる。
二次電流のラインに抵抗Rを挟めば、Rに二次電流I2が流れることになる。
抵抗Rの電圧を測ることで、電圧と抵抗値から、オームの法則によってRに流れる二次電流I2を求めることができる。
最終的にCT型電流センサの巻数比を計算することで、測定導体の電流を測ることができる。
参考:https://www.jemima.or.jp/tech/3-01-01.html
使う上で必要となる準備が2つある。
1つ目は、計測対象が交流のため、
半分の時間は電圧がマイナスとなるが、ADコンバータはマイナスは測れない。
そこで、同じ抵抗値で分圧し、1/2Vを中心に電圧が変化するようにする。
2つ目は、日本の家庭の多くは単相3線式で似系統で電力供給している。
単相3線式では、電圧線が2本あるため、家庭全体の電力を測る場合には2本とも計測しなければならない。
したがってセンサは2つ必要となる。
ただ今回は、1つの電化製品の消費電力を測るだけなので、センサーは1個でOK。
ピッチ変換基板とのつなぎ方
●製品ページ
電流センサ(SFE-SEN-11005):https://www.switch-science.com/catalog/840/
オーディオジャックとピッチ変換基板のセット(SFE-PRT-10588+PRT-08032):https://www.switch-science.com/catalog/619/
本に書いていないことだが、電流センサとピッチ変換基板とのつなぎ方が分からないので記載する。
電流センサの出力はオーディオプラグであり、そのままマイコンと接続するのは難しい。
よって、オーディオジャックとピッチ変換基板のセットを使用する。
ピッチ変換基板のピンの仕様
ピン | 意味 |
---|---|
GND | グランド |
TIP | 信号線 |
RNG | 1線通信(モノラル)の場合はN/A。2線通信(ステレオ)の場合逆相。 |
TSH | TIPシャント。TIPと導通している。 |
RSH | RINGシャント。RINGピンと導通している。 |
データシートを確認すると、電流センサがGNDともう1本しかないので、TIPとGNDしか使わないと判断できる。
次回はADコンバータを使用して、電圧を計測してみる。