はじめに

こんにちは！ITスクールRareTECHにてCS（Customer Support）を担当している池村です。今回の記事はVimについてです。Linuxにはほぼ標準でついているこのエディタです。このエディタを使いこなせると、他のエディタよりも迅速に開発ができるようになります。

コーディングするには、VSCodeでも十分だとは思っています。
エディタ論争をする気はなく、シェルが好きな人はこっちの方が良いと思っているだけです。

Vimを使い始めてみて

初めてVimを触った時は、こんな使いにくいエディタでコーディングなんて無理だろうと思いました。実際私も初期はVSCodeを使っていましたし、今でも良いエディタだと思っています。

しかし、弊社のCTOのVimの操作を見て感動を覚えてしまい、しどろもどろな状態でVimを触り始めました。私自身まだまだVimを使いこなしていないのですが、やはり速いと感じます。

Vimを使うと決めたからには、慣れない間、ストレスを感じながら作業をすることになります。その覚悟があるか、業務に支障がないかを考えて挑むようにしましょう。

基本的な要素として

Vimの特徴として、まずモードがあります。
これはモードを切り替えることで、効率よくファイルを編集できるようにする、モーダルエディタと呼ばれるものになります。

Vimに存在するモードは以下になります。

モード	説明
ノーマルモード	カーソル移動、コピー、ペースト等の操作
インサートモード	実際のテキスト入力
ビジュアルモード	テキストの範囲選択
コマンドモード	ファイル保存や終了などのコマンド実行

ノーマルモード

まずこれが基本のモードです。Vimでファイルを開くと、まずこのノーマルモードで開かれます。このモードを使いこなすのが、熟練者への道になります。

インサートモード

このモードでは、実際にファイルに文字を入れることができる状態になります。
初心者ほどこのモードでいることが多く、熟練者ほどインサートに入ることは少なくなります。ただ、このモードが一番普通のエディタのように扱えるので、VSCodeなどに慣れている人は滞在してしまうモードになります。

ヴィジュアルモード

このモードは範囲選択などを行うモードになります。
ノーマルモードに慣れてくると、こちらのモードも活用しつつ、さらに効率的な編集を行うことができるようになります。

コマンドモード

このモードは、ファイルの保存や閉じるなどのコマンドを打って命令ができるモードです。これに関してはモードとして意識することはあまりありませんが、大事な要素です。

初心者はまずこれだけやれればOK

初心者がまずやるべきことは以下です。

Vimでファイルを開く
インサートモードに入る
編集したいところを編集する
保存して閉じる

はい。おしまいです。

ここまでで使っているのはヴィジュアルモード以外の全てのモードです。
実際に実行していきましょう。

今回のハンズオン環境は、一応Gitで管理します。

Gitの初歩を学びたい方は、以下の記事を参考にしてください。

ハンズオン

① ファイルを開く

クローンしてきたディレクトリで、ファイルを開きます。

使い方

vim test.txt

ファイルを開くと、Vimで開かれます。

まだ何も書かれていないファイルですね。保存するまでは、このファイル自体、まだ存在していません。

私の環境ではNVIMを使っているので、見た目は若干違うものになっています。操作方法は一緒ですのでご安心ください。

まず、ファイルを開いた状態ということはノーマルモードにいるということです。

② インサートモードに切り替える

次にキーボードのiを入力して、インサートモードに入ります。

カーソルが若干変わりました。

※ノーマルモードの場合

設定によっては、見た目が変わらない時もあります。

では適当に入力してみましょう。

さて、ファイルの編集が終わりました。

次に保存して、ファイルを閉じたいと思います。

③ ファイルを保存、閉じる

ファイルを保存して、閉じる命令をするには、コマンドモードで行う必要があります。
これはインサートモードではできず、ノーマルモードで行えるものです。

ですので、ノーマルモードに戻ります。そのためにはescキーを押しましょう。
ノーマルモードに戻りますので、その状態で、:wqと入力して実行（Enter）しましょう。すると、ファイルが保存されて、ファイルを開いていたVimが終了します。

本当に保存がされているかどうか、実際に中身を確認しましょう。

使い方

cat test.txt

中身が編集されているのが確認できましたね。
初心者はここまでキャッチアップできていればOKです。ですので、Vimをとりあえず使いたい方は、ここまでみていただければ、とりあえずファイルの編集が可能です。

インサートモードについて

インサートモードに入るにはiキーを使うと言いました。iキー自体はインサートのiだとわかりやすいのですが、iキー意外にもインサートモードに入る方法があります。

`i`キーからのインサートモード

こちらはよく使われますが、ノーマルモードからインサートに入る際、カーソルの左から始まるのがiです。これが何を行っているのかというと、まず以下の画像をみてみましょう。

この画像では、現在ノーマルモードで、かつイにカーソルが当たっている状態です。ここでiキーを押すと、以下の画像のようになります。

イの左にカーソルが当たっているのがわかるでしょうか？

ノーマルモードでのカーソル位置が大事になってきます。

`a`キーからのインサートモード

こちらのaキーは、ノーマルモードからインサートモードに入る際、カーソルの右から始まるものです。これも画像をみてみましょう。先ほどと同じようにイにカーソルを当てた状態でaキーを押してみます。

今度はイの右側にカーソルがありますね。

このiとaの使い分けが重要です。

`o`キーからのインサートモード

oキーでは、ノーマルモードからインサートモードに入る際、カーソルがある行の下の行に改行した上でスタートします。これも画像をみてみましょう。

今回はデビューという文字列のビにカーソルが当たった状態で、oキーを押してみます。

画像の通り改行がされて、2行目からインサートモードに入りました。

`O`キーからのインサートモード

Oキーからインサートモードに入ると、現在カーソルが当たっている行の上の行が空白行となってスタートします。これも画像をみてみましょう。
今回は先ほどの空白行を消して、再度2行しか書かれていない状態に戻します。カーソルはVにあるとします。

これでVの上の行にカーソルがいきました。

o、Oの二つもよく使います。これも使えるようになると、選択肢はかなり増えます。

`I`と`A`からのインサートモード

まだあります。今度はIキーとAキーです。これはまずIが行頭からインサートモードに、Aが行末からインサートモードに入ります。

ではまた、イにカーソルがある状態から試してみます。

`I`の場合（行頭）

`A`の場合（行末）

インサートモードの入り方まとめ

コマンド	動作
`i`	カーソルの直前から挿入
`I`	カーソルがある行の先頭から挿入
`a`	カーソルの直後から挿入
`A`	カーソルがある行の末尾から挿入
`o`	現在の行の下に新しい行を作って挿入
`O`	現在の行の上に新しい行を作って挿入

インサート->ノーマルに戻るのも癖つけていきましょうね

おわりに

今回はVimのススメ①ということで、初心者がまず覚えるところ、インサートモードについてご紹介しました。次はノーマルモードですね。ここが一番難しいところです。一つ一つ説明しますので、しっかり覚えていきましょう。