はじめに
「スクラムガイド」はスクラムの公式ルールをまとめたドキュメントです。スクラムでの各役割について詳しく載っています。
今回は、スクラムガイドを読んで得た知識をまとめていきたいと思います。
スクラムガイドの目的
- 世界中の人達がスクラムを理解できるようにするため
- スクラムの定義が書いてある
- ルールに従わないとスクラムのメリットが得られない
スクラムの定義
- 複雑な問題を解決するための軽量なフレームワーク
- フレームワークはスクラムの理論を実現されるための最低限必要なことが定義されている。関係性や相互作用をガイドする
- スクラムは現在の環境の改善をすることができる
スクラムの理論
- スクラムは「経験主義」と「リーン思考」に基づいている
- 経験主義:知識は経験から生まれ、決定は観察に基づく
- リーン思考:無駄を省き、本質に集中する
- 予測とリスク制御のために、「反復的」「徐々に増加」のアプローチを持つ
- 「スプリント」は検査と適応のための4つのイベントがある
- イベントでは「透明性」「検査」「適応」を実現している
透明性
- 3つの作成物があるが、透明性が低いと価値が下がり、リスクを高める
- 透明性があることで検査できる
検査
- 作成物と進捗状況を頻繁に確認する
- 検査は5つのイベントで行う
- 検査があることで適応が可能になる
適応
- 検査で問題がわかった場合、プロセスや構成要素を調整して適応する
スクラムの価値基準
- スクラムは5つの価値基準を重視
- 確約:ゴールの達成、サポートを確約する
- 集中:スプリントの作業に集中する
- 公開:チームとステークホルダーは作業や課題を公開する
- 尊敬:お互いに能力のある独立した個人として尊敬する
- 勇気:正しいことをする勇気や困難な問題に取り組む勇気を持つ
- これらの5つはチームの作業・行動振る舞いの方向性を示す
- これらの5つが具体化されると経験主義のスクラムの「透明性」、「検査」、「適応」が実現できて信頼が構築される
スクラムチーム
- スクラムチームは、スクラムマスター、プロダクトオーナー、開発者で構成される
- スクラムチームは、アプリやインフラなどスキルを持つ人が集まっている
- スクラムチームは、開発に関するすべての活動に責任を持つ
開発者
- 各スプリントで利用可能なインクリメントを作成することを確約する
- スプリントバックログを作成する
- 完成の定義をして作る
- スプリントゴールに向けて計画を適応させる
- お互いに責任を持つ
プロダクトオーナー
- プロダクトオーナーはプロダクトの価値を最大にする責任を持つ
- プロダクトバックログの管理にも責任を持つ
- プロダクトゴールの策定
- プロダクトバックログアイテムの作成、管理
- プロダクトオーナーの決定は、プロダクトバックログの並び順、インクリメントによって見える化される
スクラムマスター
- スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されいてるスクラムを確立させることに責任を持つ
- スクラム理論と手法を全員に理解してもらうようにする
- 「スクラムチーム」を支援する
- 自己管理型、機能横断型のメンバーをコーチする
- メンバーが作業に集中できるように支援、障害排除を行う
- スクラムイベントを開催、ルール(タイムボックスなど)を守ってもらうようにする
- 「プロダクトオーナー」を支援する
- 効果的なプロダクトゴールの定義、プロダクトバックログの管理を支援する
- プロダクトバックログアイテムの必要性について、チームに説明する
- プロダクト計画の策定を支援する
- ステークホルダーと協力を促進する
- 「組織」を支援する
- 組織へのスクラムの導入を指導・トレーニング・コーチする
- スクラムの実施方法を計画・助言する
- 経験的なアプローチを社員やステークホルダーに理解・実施してもらう
- ステークホルダーとチームの壁となくす
スクラムイベント
- イベントはスプリントの中で行われる
- イベントは作成物を検査・実行の適応の機会になる
- イベントは必要な透明性を実現するために明確に設計されている
- 同じ時間・場所でイベントを開催するのが好ましい
スプリント
- スプリントは1ヶ月以内の決まった長さ
- スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブなど、スプリント内で行われる
- スプリントで必要なこと
- スプリントゴールの達成を危険にすることはしない
- 品質を低下させない
- プロダクトバックログを必要に応じて見直す
- スコープを明確化していく
- スプリントで、進捗の検査と適応を行うことで、予測可能性が高まる
- 様々な手法があるが発生したことが未来の意思決定に使える
スプリントプランニング
スプリントの目標と作業内容を決定します。
- スプリントで実行する作業計画を決める
- プロダクトオーナーは重要なプロダクトバックログアイテムが実現できるか確認する
- 意見をもらうためにチーム外の人を招待してもいい
- スプリントプランニングのトピック
- このスプリントはなぜ価値があるか?
- スプリントプライニングまでにスプリントゴールを決める
- このスプリントで何ができるのか?
- 開発者とプロダクトオーナーが話し合いプロダクトバックログからアイテムを選択してスプリントに含める
- 選択した作業をどのように成し遂げるか?
- 定めたインクリメントを作成するための作業計画をする
- プロダクトバックログアイテムを実現するために作業分割(1作業1日以内の粒度)
- このスプリントはなぜ価値があるか?
- スプリントゴール、選択したプロダクトバックログ、計画 → スプリントバックログと言う
- スプリントが1ヶ月の場合、プランニングは最大8時間
デイリースクラム
- 進捗を検査して、スプリントバックログを適応させる
- 15分のイベントで同じ時間・場所で開催する
- デイリースクラムはコミュニケーションの改善、障害物の特定、迅速な意思決定を促進する
- 開発者はデイリースクラム以外でも残作業や再計画について頻繁に話す
スプリントレビュー
- スプリントの成果を検査して、適応を決定する
- ステークホルダーと話して、プロダクトバックログを調整することもある
- スプリントレビューはワーキングセッションで、プレゼンじゃない
- スプリントの最後から2話目のイベント
- スプリントが1ヶ月の場合、レビューは最大4時間
スプリントレトロスペクティブ
- 品質と効果を高める方法を計画する
- 今回のスプリントがどう進んだか検査する
- 検査の結果、効果を大きく改善できるものは次のスプリントのスプリントバックログに追加する
- スプリントが1ヶ月の場合、スプリントレトロスペクティブは最大3時間
スクラムの作成物
- スクラムの制作物は、透明性・集中を高める情報の「確約(コミットメント)」がある
- プロダクトバックログのためのプロダクトゴール
- スプリントバックログのためのスプリントゴール
- インクリメントのための完成定義
プロダクトバックログ
- プロダクトの改善に必要なものの一覧
- スクラムチームの作業の唯一の情報源
確約(コミットメント):プロダクトゴール
- プロダクトゴールはプロダクトの将来を表しており、スクラムチームの計画のターゲット
- プロダクトゴールはプロダクトバックログに含まれている
スプリントバックログ
- スプリントバックログの構成
- スプリントゴール(なぜスプリントをするか、焦点、目標)
- スプリント向けのプロダクトバックログ
- 実行可能な計画
- 開発者による、開発者の為の計画
確約(コミットメント):スプリントゴール
- スプリントゴールはスプリントの唯一の目的
- スプリントゴールは、一貫性と集中を作り、開発者の作業を促すもの
- スプリントプランニングで作成、スプリントバックログに追加される
インクリメント
- スプリントで作業をして、動作する状態のプロダクトのこと
- スプリントでは複数のインクリメントを作れ、スプリントレビューで提示する
確約(コミットメント):完成の定義
- 完成の定義は、インクリメントが満たすべき品質基準を表したもの
- 完成の定義を満たすとインクリメントが完成する
まとめ
今回はスクラムガイドを読んでみた内容をまとめていきました。
スクラムプライマー(Scrum Primer)のドキュメントも読んでみたいと思います。