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侍エンジニア塾の解約・返金に成功したので公開するby弁護士プログラマ

はじめまして。

弁護士プログラマのイッテルビウムです。

今回は玄人な方には全く関係のないニッチな話題ですが・・

プログラム初心者のみなさま!

侍エンジニア塾の高額コースを契約して後悔しているみなさま!!

侍エンジニア塾を解約できましたーー!!!

そうなんです。

私、何かと炎上している侍エンジニア塾との契約解除・返金交渉に成功しました。

同じように悩んでいる方のお役に立てたらと思っております。

弁護士という肩書は出さなかったので、どなたの役にも立つと思います。

そして、円満にいったので、特に恨みもなく、いい終わり方ができました。

皆様にくわしく紹介します。

侍エンジニア塾とは

侍エンジニア塾とは、日本初マンツーマン指導のプログラミング学習塾です。

2019年2月4日現在のホームページによりますと

4か月でフリーランスとして独立できたり

3か月でフルスタックエンジニアになれたり

といった非常識な結果を出せるプログラミングスクールです。

そして、注目すべきはそのコースの価格です。

プログラミング全般は

3か月で438000円

6か月で698000円

AIコースは

3か月で580000円

6か月で980000円

という破格!!

これだけでもパンチが効いていますが、さらに凄いのが、そのSEO対策の能力で、技術系の検索をすると検索上位に関連サイトが次々表示されます。

また、Javascriptを駆使した景表法違反事件でも炎上しましたね。

炎上を取り上げた株式会社アクシア様のブログ

さてさて、前置きはこれくらいにして、解約までのストーリーを公開します!

侍エンジニア塾に入塾

2018年冬のことでした。

2年以上、Pythonで機械学習やったり、LineBot作ったりしながら遊んできた私、とうとう肩書にプログラマを加えたいと思うようになりました。

そのためにはプログラミングでカネを稼がなければいけません。

そこで、コードを書いてとりあえずデプロイして少人数で遊ぶレベルから、プロダクト制作できるレベルにアップしようと決めました。

保守・運用・コスト管理などの総合的スキルを身に着けたい+ハクをつけたいと思い、プログラミングスクールを物色。

ほとんどが初心者向きスクールだった中、侍エンジニアだけがマンツーマンでした。

ここで、プロに教えてもらって、保守・運用・コスト管理をできるようになって、サービスを立ち上げてやろうと決意しました(本業どうすんねん!!)。

70万円・・

なかなかな値段だ・・

しかし、節税にもなってプログラマにもなれて本業の幅も広がって一石三鳥だぜ!

と思っていたので、金額は気にせず。

早速、スカイプでの面談を申し込みました。

面談では、いかにも営業が上手そうなオニーサンが、饒舌に話しておりました。

「月60万は最低稼げます」

「最高の講師陣で、この人に仕事してもらおうとしたら月100万円じゃ足りません」

「中級の人にも合わせた講師を選べますよ。

そういったスクールはこのマンツーマンコースしかないですよ。」

とか言っていたような。

その一方、

「Google Cloud Platform」を使える人が希望です

と言うと、

「なにそれ??」

となっていて、やっぱり営業に特化した人にやらせてるんだなーと感じました。

さて、面談は1時間ほどで終わりました。

中級対応してくれるとのことだったので、6か月コース70万円に申し込みました。

クラウドサインというメールだけで契約を結べるシステムで契約した。

その契約書がなかなかヤバイ代物でした・・

ヤバイ契約書

契約書には、次のようなすごい文言が含まれていました。

すごい文言1

契約金の支払い期日は1週間後とする

遅れた場合、違約金50%を支払い、契約は解除となる

どひゃーっ!

当時70万円のコースを契約していた私が、もし1週間後の支払いに遅れていたら、35万円を支払った上で、契約は解除、つまりレッスンは受けられないとのこと。

なんということでしょう。

普通の会社だと絶対に含めない鬼畜文言です。

はじめて見ました。

ちなみに、講師が決定するのに1か月程度はかかるらしいです。

つまり、講師も決まっていないような最初の1週間の段階にもかかわらず、侍エンジニア側には相当な費用がかかるんだからちゃんと弁償しろよ、ということです。

どんな費用がかかるんだろうか・・??

すごい文言2

受講者は契約期間中に解約を申し出ることはできない

ええーっ!

解約不可条項!

コレもはじめて見ました。

しかも、主語は受講者

侍エンジニア側は解約できるけど、受講者は解約できないんです。

理不尽〜!

さらにもういっちょ。

ただし、侍エンジニアは、契約期間の満了時に

乙が提示されたカリキュラムを修了したのに
プログラミングスキルの上達が全く認められなかった場合
契約金全額を返金する

なんだコレ!

一見譲歩してくれているように見えますが、そんなことはありません。

カリキュラムを修了+スキルの上達が「全く」認められない

という条件を満たすのは不可能です。

すべてのレッスンを100%頭イッた状態で受講し(1%でも正気だとスキルあがっちゃう!)

かつ

課題を無意識で完成させつつ(修了しないといけないからね。しかも、意識的に完成させたらスキルあがっちゃう!)

かつ

半年間受講

したことを証明しなければなりません。

「全く」ですからね。

しかも、この文言は裏から読まなければいけません。

これが落とし穴で、反対解釈というやつです。

つまり、カリキュラム修了+スキルの上達が「全く」認められない場合は全額返金

→裏を返せばそれ以外は、一切返金しないということです

カリキュラムが修了できなかった場合、スキルが微かに上達した場合、返金はナシです。

なんてこったい。

それでもサインした

それでも私は迷わずサインしました。

なぜなら、自分が弁護士だからです。

こんな露骨に不利な契約、おそらく特定商取引法とか消費者契約法とかを駆使すればひっくり返せる!!

後日紛争になったら、お客様の気持ちも分かるようになって本業のスキルも上がる!!

という直感です。

あとは単純に

他に良い選択肢がない

からでした。

でも、もし自分が弁護士じゃなかったら、上の2つのメリットがなくなるので、恐ろしすぎてスタコラさっさと逃げ出していたと思います。

レッスン開始〜解約交渉まで

ここは人それぞれなのでアレですが、私の場合は、中級向けの内容を指導できる講師が見つからず、

最初の講師を変更してもらったものの、なかなか次の講師が決まりませんでした。

1か月待たされた段階で、解約を決意し、行動に着手しました。

解約申し出

カスタマーサポートに次のようなメールを送りました。

講師がなかなか決まらないので、当初の受講予定期間を過ぎてしまいました。

困ります。円満に合意解約の上、適切な返金をおねがいします。

まずは、弁護士力を使わずに、一般のユーザーとしてアプローチしてみました。

それでダメなら弁護士に属性変更する計画です。

ここでのミソは

1. うまく相手の非にもっていったこと

2. 内容面へのクレームだと水掛け論になるので、誰も文句の言えない期間という目印を提示したこと

3. 適切な返金&円満解決を希望したこと

4. 合意解約というキーワードを使ったこと

です。

内容についてのクレームはスジ悪です。

全部録音しないと証拠にできないし、客観性も微妙です。

期間など、客観的な目印が必要です。

円満解決というワードは、とても大切です。

こっちは個人、相手は会社です。

ゾウとアリほどの力の差があります。

相手に利益がある提案をしなければ、飲んではもらえません。

この場合、会社は評判命です。

適切な返金&円満解約であれば、評判がめっちゃ重要な相手は飛びつきたくなります。

また、「適切」「円満」というのは、100%の譲歩は求めないということを意味しています。

これは、担当者への配慮です。

つまり、全額返金になって会社に赤字を出せば、担当者は怒られてしまいます。

そうなると、担当者は上にあげずにもみ消そうと必死になってくるかもしれません。

そうならないように配慮を見せないといけません。

最後に、「合意解約」というのも重要なキーワードです。

最初の契約では解約不可でしたが、契約は後から双方が合意すれば変更できます

これを法律用語では更改といいます。

当事者の合意で結ぶのが契約なので、当事者が合意しさえすれば、どんな風にでも契約は変更できてしまうんです!

これめっちゃ重要なポイントです。

なので、「合意解約書」という契約を新しく結べば、元の契約は変更できるんです!

めっちゃ重要です!

ここで特定商取引法とか消費者契約法とかを持ちだして解約できないのはオカシイ!と喧嘩するのはオススメできません。

落ち着いてください。

この契約書は、侍エンジニアの幹部クラスが何人も頭をひねって作ったはずです。

あっけなく無効だと認めたら、受講者全員に影響が出て、幹部の顔もつぶれます。

そうなると、徹底的に争ってくるおそれもあります。

そうなると、弁護士費用数十万円+1年程度の裁判を覚悟です。

勝っても大赤字ですね。

これらのポイントを押さえつつ、ボールを相手に投げました。

担当者からはすぐさま返信があり、「社内協議の上、1週間で回答します。」とのこと。

果たしてどんな返球が来るのでしょうか・・・!

返事キターー!

1週間後、次のような趣旨の返信が来ました。

ご迷惑おかけしました。今回は弊社にも非があります。

本来は解約できない契約ですが、合意解約の上、手数料を差し引いた56万円を返金します。

やったーー!

70万円中56万円、返金率80%です。

50%以上の返金があればいいと思っていたので、万々歳です。

弁護士の出番ナシです。

迷わず、私は承諾しました。

ここで、あと14万円を釣り上げようとはしませんでした。

なぜなら、ここで揉めると1円も返してもらえないまま、長い時間を要します。

しかも、相変わらず「本来は解約できない」という見解を主張してきているので、そこを解約させようとすれば、本格的に法律を駆使して相手の契約書をひっくり返さないといけません。

負ければ会社に大打撃が及ぶレベルの紛争なので、双方に弁護士を投入した激戦が予想されます。

控訴、上告してくるでしょうから、最高で費用は100万円近く、期間は3年見といたほうがいいでしょう。

さらに、もっとヤバイのが、その3年の間に侍が倒産したら、回収できるお金はゼロです。

最近の炎上問題とかを見ていると、その可能性を否定できないと私は思いました。

とてもじゃありませんが、そんな不毛な戦いをしたくはありません。

いざとなったら裁判やろうとか威勢のいいこと言ってたけど、やっぱりメンドクサイ

80%、いいじゃないですか!

ありがとうございます!

その後の流れ

クラウドサインで、合意解約契約を結びました。

念の為もう一度言いますが、最初の「解約できない」という契約も、後から双方が同意すれば解約できます!

これは基本中の基本で、消費者契約法とかややこしい法律は一切関係ありません。

法律界のスーパー常識なのです。

その後、10日ほどで、無事口座にお金が戻ってきました・・・!

全部メールだけのやり取りで、電話をする必要もありませんでした。

侍エンジニアさん、ありがとうございました!

契約内容は結構ツッコミどころ満載でしたが、トラブル対応はそれなりに誠実でした。

契約でトラブったときは、喧嘩するのはオススメできません!

担当者、幹部のメンツ、会社の経営への影響、金銭回収にかかるコストと回収の可能性を全部考慮に入れて、紳士的に進めれば、お互いうまくいくはずです。

結局、クレーム申し出→解約提案への同意→合意書の締結で、3通のメールのやりとりをしただけで、2週間で返金されました。

同じようなケースで困っている方がおられたら、コメントしてくだされば、一般人として相談のりますよ。

それでは、皆様、よいプログラミングライフをお過ごしください。

ご希望があれば、消費者契約法及び特定商取引法に基づくガチガチの争い方の記事も公開したいと思っています。