初めに
KiCADで基板の図面を書いて、中国の基板製造会社に作ってもらうだけ、はネットで探せばいくらでもあるので、部品実装までやってもらう場合のノウハウを記述
なぜPCBGOGOなのか
日本語が通じる現地スタッフがいるからです。基板だけを作るのでは、CADデータがちゃんとしていれば、ほぼちゃんと製造してくれます。しかし、部品実装になると図面に落とせない部分が発生し、打ち合わせが必要な事があります。また、細かい指示を英語や中国語で出すのが不安であり、日本語が通じる方が良いと思ったからです。
また、PCBGOGOのスタッフがTwitterをやっていて、疑問点を事前に聞けたのも良かったと思います。
部品実装サービスを発注する
KiCADで基板が出来ていて、発注前の段階だと思ってください。
部品実装のお見積もり依頼フォームから、必要事項を入れます。
部品調達方法
PCBGOGOに部品を買ってもらいそれも見積もりに入れるか、自分で部品を購入し送るか、その両方かを選択します。
今回は、「代理購入」を選択し、全て購入してもらう事にしました。部品は、中国国内で手に入る物に限ります。DigiKeyやMouserで購入できる事が目安であり、日本国内でしか買えないものがあったら、「その両方」を選択し、送りましょう。
実装枚数
必要枚数を入力します。
取付の種類
基板の両面に部品が付くか、片面だけなのかを選択します。
表面実装(SMT)の総数
先方に実装して欲しい表面実装部品の個数を入力します。
挿入実装(IMT)の総数
先方に実装して欲しいスルーホール部品の個数を入力します。
他の依頼事項
基板のレジストの色を入力する部分がありませんので、ここに書いておけばスムーズです。(例:レジスト色は赤・板厚1.6mmでお願いします)
また、50枚と100枚だった場合など、複数の見積もりが欲しい場合は、こちらに書いておくと要望を聞いてくれます。
私は、スルーホール部品の実装無しにしたら安くなるか?と聞きました。今回の場合は、変わらないと返事をもらいました。
BOMをアップロードする
基板実装において必須な入稿データ一覧の「BOMの例」というExcelファイルをダウンロードします。
実装して欲しい部品と型番を記述していきます。
向きがある部品は、実装時に注意が必要ですので、説明に記述する事と、実際に実装した写真などを貼り付けると分かり易いと思います。
また、アップロードはRAR、ZIPファイルのみしか受け付けてくれませんので、ExcelファイルをZIPなどで圧縮します。
ガーバーデータをアップロードする
普段、中国へ基板を発注する時と同じです。
見積もり依頼後
なにかあれば、メールかTwitter(事前にTwitterでやり取りをしていたので、お互い知っていた)で連絡が来ます。
「基板をこう直すと、製造が安くなりますよ」という連絡がきたので、直してメールで送り直しました。こういう時、日本語が通じると大変助かります。
見積もりがメールで送られてきます。1日で来ました。
内容は問題なかったので、発注をするという旨のメールを返すと、「このPayPalアカウントに支払して、支払い画面をキャプチャして送ってください」と連絡があったので、お金を支払いその趣旨の連絡を返します。
今回の実装は自動実装するから、座標データをくれと言われ、KiCADのPcbnewの[ファイル]→[各種製造用ファイル出力]→[
フットプリント位置情報ファイル]から出力したものを送ります。
中を見ると、実装しないとならない部品で無いものがあり、その事を先方に伝えると、「こちらで合わせます」と言ってくれたので、助かりました。
後で、調べてみると、フットプリントの属性が「標準」になっているとファイルに反映されず、「ノーマル+挿入部品」にしておかないとならないようです。
基板を製造し部品を調達して実装するまで18日という事だったので、気長に待ちます。
完成品を検品
12/17に発注して1/5に不在連絡票が入っていました。予定よりちょっと早く仕上がった計算です。
今回はクオリティーチェックはお願いしていないので、こちらで目視チェックと動作確認をします。
50枚中、1枚不良がありましたが、部品起因によるものですので、部品を取り換えれば問題ありませんでした。