CodeIgniterは、ログ機能が貧弱ですが、Monologを使うことで解決ができます。
Monologを使えば、簡単に付加情報を出力したり、Syslogに出力したりできます。

概要

アプリケーションログを、Monologで出力する
CodeIgniter自身のログも、Monologで出力する

前提

CodeIgniter 3.1.6
Monolog 1.23.0
PHP 7.2.1

composerでMonologをインストール

applicationディレクトリで、composerを実行します。
すると、application配下にvendorが作成され、vendor内にMonologとautoload.phpが作成されます。

$ cd application
$ composer require monolog/monolog

これは、CodeIgniterのcomposer_autoloadを有効にするだけで、自動的にロードさせるためです。
CodeIgniterのautoloadは、標準でapplication/vendor/autoload.phpをロードします。

CodeIgniterの設定

CodeIgniterのautoloadを有効にします。

application/config/config.php

$config['composer_autoload'] = TRUE;

ログ出力

アプリケーションログをMonologで出力させるだけであれば、必要な個所でLoggerを生成するだけです。

application/controllers/Welcome.php

<?php
defined('BASEPATH') OR exit('No direct script access allowed');

// Monologをuseします
// Processorsなど必要であれば、useを追加します
use Monolog\Logger;
use Monolog\Handler\StreamHandler;
use Monolog\Formatter\LineFormatter;

class Welcome extends CI_Controller {

    public function index()
    {
        // Monologのオブジェクトを生成します
        $log = new Logger('Sample');
        // Syslogなどに出力する場合は、Handlerを変更することで可能です
        $stream = new StreamHandler('./path/log.log');
        $stream->setFormatter(new LineFormatter("%message%"));
        $log->pushHandler($stream);
        // ログを出力します
        $log->info('test');

        $this->load->view('welcome_message');
    }
}

しかし、これだけではCodeIgniter自身で出力されるログが、Monologで出力されません。

CodeIgnierのログ出力

CodeIgniterでは、log_message()によってログが出力されます。
つまり、log_message()の処理を、Monologでの出力に変更する必要があります。

log_message()は、system/core/Common.phpでwrite_log()を呼び出していることがわかります。
そして、write_log()はsystem/core/Log.phpで定義されています。

system/core/Common.php

$_log[0]->write_log($level, $message);

system/core/Log.php

public function write_log($level, $msg)

Log.phpのwrite_log()をオーバーライドすれば、すべてのログ出力をMonologに変更できることがわかります。
CodeIgniterには、coreクラスを自作のcoreクラスに置き換えることが簡単にできる仕組みがあります。

Monolog出力用のログクラスを作成

coreのログクラス(CI_Log)を継承して、Monolog用のログクラス(MY_Log)を作成します。
write_log()をオーバーライドすることで、log_message()を変更します。

coreクラスを作成する際のプレフィックスは、configに設定されています。

application/config/config.php

$config['subclass_prefix'] = 'MY_';

自作のログクラスです。

application/core/MY_Log.php

<?php
defined('BASEPATH') OR exit('No direct script access allowed');

// Monologをuseします
// Processorsなど必要であれば、useを追加します
use Monolog\Logger;
use Monolog\Handler\StreamHandler;
use Monolog\Formatter\LineFormatter;

class MY_Log extends CI_Log {

    protected $log;

    public function __construct()
    {
        // Monologのオブジェクトを生成します
        $log = new Logger('Sample');
        // Syslogなどに出力する場合は、Handlerを変更することで可能です
        $stream = new StreamHandler('./path/log.log');
        $stream->setFormatter(new LineFormatter("%message%"));
        $log->pushHandler($stream);
    }

    public function write_log($level, $msg)
    {
        $log->{$level}($msg);
    }
}

ログ出力は、通常と同じくlog_message()を呼び出すだけです。