NVIDIA Jetson Orin Nano Superという小規模エッジデバイスのAIワークロード向けの開発者キット(シングルボードコンピュータ)がある.
こいつは,Armv8.2アーキテクチャを採用した6-core ARM Cortex-A78AE 1.7GHz CPU,NVIDIA Ampereアーキテクチャ(RTX 30と同世代)を採用した小規模GPU(1024 CUDA cores / 32 tensor cores),8 GB 128-bit LPDDR5 102GB/s(CPU/GPU共有)を搭載しながら,僅か7–25 Wで動作する省電力マシンである.実際,このSBCには通常のデスクトップPCにおけるようなPSUは不要であり,付属のACアダプター直挿しで動作する.
Jetson Orin Nano SuperのMSRPは249USDであり,Raspberry Pi 5の8GBモデルより高く,16GBモデルより安い,という微妙な価格帯である.AIワークロードを動かすならばGPUを備えたJetsonが有利である.
これが秋月にて52800円(税込)1で売られていたので衝動買いした.というのも,Arm TrustZoneを弄り回したり,SLMをserveしてみたりと,色々と遊べそうであったからである.最近は数学で忙しいので遊んでいる暇はないのだが.
手頃で買える販売代理店が他になく,さらに値上げされる可能性も大いに有り得たため2,とりあえず秋月で買うことにした.2個.何故?
開封
驚くほど小さい(103mm × 90.5mm × 34.77mm).
組み立て
特に追加パーツを取り付けるのでない限り工具は不要である.付属のACアダプターを繋ぎ,右端にあるUSB-Cをホストマシンと繋げば準備完了である.秋月で購入した場合,ACアダプターがPSE適合品に置き換えられる(DC19V/2.37A/センタープラス).ただし,ACアダプターからコンセントを繋ぐケーブルが米国仕様(C5コネクタ→Aタイプ3ピン)のため,Aタイプ3ピンから2ピン+アース線への変換アダプタを噛ませるか,以下のようなケーブルで置き換えが必要である.
なお,PCIeスロットが3つ(M.2 Key M slot with x4 PCIe Gen3,M.2 Key M slot with x2,M.2 Key E slot)あり,M.2 SSDが利用可能である.ストレージにはmicroSDカードも使えるが,性能的にはM.2 SSDを使ったほうが望ましい.高騰しているSSD価格に目を瞑ればであるが.
高信頼性・必要最低限の容量・低価格のSSDを探すも存在せず,やむを得ずWestern Digital製SSD 1TB(WD Black N7100)を購入して取り付け.オーバースペックに過ぎる.約34000円が飛ぶ.
罠
"KKSB Jetson Orin Nano Super Developer Kit Case" と称する以下のケースを試してみたところ不適合.どういうことだ.
以下の画像の通り奥行きが足りていない.
旧仕様のJetson Orin Nano Developer Kitはサイズが100mm × 79mm × 21mmであり,新仕様(Super)とは奥行きが11.5mm違う.無印用ケースがSuper用ケースとして売られている疑いがある.
キャリアボードをベースから外す必要があるようだ.そのためにはベース側に嵌め込まれたアンテナをベースから外す必要がある.しかし,アンテナ基板に曲げモーメントをかけずに外せる気がせず,また無線通信を使う予定もないことから,アンテナは除去することとした.
何とか組み込み.
正面にはmicroSDカードスロット及びJ14ボタンヘッダがある.Jetson Orin Nano Superはデフォルトでは電源供給があると自動で起動する設定(Auto-Power-On)となっている.キャリアボードのJ14ボタンヘッダ5-6番を短絡させると上記設定が無効化される.そして11–12番を短絡させると起動する.よって,電源を外部制御したい場合,5–6をジャンパピンで短絡させ,11–12番にモーメンタリ(押下中のみ導通する押しボタンスイッチ)を噛ませればよい.
背面には各種インタフェースがある.左から電源,DisplayPort 1.2 with MST3,4×USB-A,Ethernet(RJ45),USB-C(ホストデバイスとの接続用)である.




