Charles Li / HumanPen
英語プログラムのレポート画面で、ファイル全体は厚いのに AI 文章率が「高く見える/低く見える」と議論が割れることがある。多くの場合、争点は類似度と AI の二系統の混同ではなく、分母 だ。AI writing 指標は提出物の全バイト比率ではなく、採点対象の連続散文(qualifying continuous prose) に対する推定である。
本稿はその分母リテラシーの技術メモである。類似度 2% と AI 21% を並べて読む話ではない(それは別稿)。カバレッジ地図や薄いハイライトの話でもない。スコアを約束しないし、検知すり抜けの手順でもない。
何が「散文として採点されにくいか」
製品ドキュメントや機関向け説明で繰り返し出る除外/別扱いの例は次に近い。
| ブロック | よくある扱い | 学生側の誤解 |
|---|---|---|
| Methods の箇条・手順リスト | 連続散文として扱われにくい | 「方法章が空白=クリーン」 |
| 表セル・数値だけの行 | 採点対象外になりやすい | 「表を直せば率が下がる」 |
| キャプション・図注 | 除外されがち | ポータルに色が無い=承認 |
| コードフェンス・疑似コード | 散文パイプライン外 | 「コード章がスコアを下げた」 |
| 参考文献・付録・書誌 | 多くの設定で対象外 | 付録を徹夜で言い換え |
ヘッダのパーセントは、これらの上に載った 残った連続散文 の要約に近い。ファイルが 40 ページでも、採点対象が 8 ページ分の prose なら、その 8 ページの分類結果が数字を支配する。
なぜ Methods/付録で特に起きやすいか
理工・社会科学の英語課題では、本文の議論散文より、手順・表・付録がページを膨らませやすい。学生が「厚いのに AI が高い」と感じるとき、実際には 薄い prose コア が高密度で分類されていることがある。逆に、議論散文が短く、Methods/表が多い提出では、ヘッダ数字が「ほとんど何も見ていない」ように見えることもある——未採点が多いからであって、合格印ではない。
実務の帰結:
- 空白ページ ≠ 永久クリーン。 PDF で灰色/未評価と明示された帯は、「そこは prose として採点していない」という意味であり、「教員が承認した」ではない。
- 付録を言い換えても分母が動かないことが多い。 AI マップに載っていないブロックを書き直しても、ヘッダ % の作業面にならない。
- 直しどころはフラグされた連続散文。 Methods のリストを美しくしても、Discussion のハイライト prose が残れば数字の核は残る。
分母を確認する五分チェック
オフィスアワーや再提出の前に、次だけ埋める。
- 正式な AI Writing Report(全文 PDF/機関エクスポート)を開く——ポータルのチップだけにしない。
- 凡例で「excluded / unscored / not qualifying prose」の表記を探す。
- Methods・表・付録・参考文献がハイライト地図に載っているかページ単位でめくる。
- ヘッダ % の近くに「based on qualifying text」系の注があればそのままメモする。
- 修正リストは ハイライトされた連続散文 だけに書き、除外ブロックは別メモ(触らない/事実誤りのみ)。
Similarity レポートの色付きソース一覧を、AI の分母確認の代わりに使わない。照合と分類は別系統だ(詳細は類似度 vs AI の別メモへ)。
キャンパスでよくある四つのショートカット
- 「付録を消したら率が下がるはず」 — 付録が分母外なら、消してもヘッダは動かないことがある。
- 「Methods が空白だから章はセーフ」 — 空白は未採点のことが多い。セーフ宣言ではない。
- 「ファイルが厚いのに % が高い=誤検知」 — 厚いのは表と付録で、prose コアだけが分類されている、という説明の方が先に来る。
- 「全部同じ色で塗り直す」 — 対象外ブロックまで均一に触ると、引用・数値・再現手順を壊しやすい。単位はフラグ prose。
再提出のスコープを一文で決める
指導教員/TA に渡すとき、次の型が使える。
「全文エクスポート上、Methods・表・付録は未採点/除外に見え、ハイライトは Discussion と Literature review の連続散文に集中しています。再提出の編集範囲をその prose に限定してよいか確認したいです。」
(“On the full export, Methods/tables/appendices appear unscored or excluded; highlights concentrate in continuous prose in Discussion and Literature review. May I limit revision scope to that prose?”)
メモに残す:attempt 番号、report ID、export 時刻、除外と判断したブロック、フラグ prose の節タイトル。次の数字の保証は求めない。
HumanPen との接点(約束なし)
すでにフラグされた連続散文だけを直す必要があり、引用・表・レイアウトは壊したくない——その作業面向けのドキュメント単位フローが HumanPen にある。AI Writing Report を取り込み、マーク箇所単位で書き換え、体裁を保つ。スコア保証はしない。「過検」「undetectable」といった約束もしない。
(EN note)Denominator in one paragraph
AI writing percentages usually summarise qualifying continuous prose, not every byte of a thick submission. Methods lists, tables, captions, code, references, and appendices are often unscored or excluded. Blank pages on the map are not permanent approval. Edit flagged prose first; do not rewrite unscored appendices hoping the header will move. No score promises.
まとめ
- AI 文章率の分母は「提出物全体」とは限らず、連続散文 に寄る。
- Methods・表・付録・書誌は未採点になりやすい——空白=合格ではない。
- 修正リストはハイライト prose に限定し、除外ブロックは別扱い。
- オフィスアワーでは分母の話を先に言語化する。
- 詳細は HumanPen のレポート読みフローへ(数字の約束なし)。