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GPU1枚で始めるLLMファインチューニング:ノーコード4ステップ実践

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Last updated at Posted at 2026-02-25

はじめに

前回の記事、
「RAGだけで詰んだ人へ:LLMファインチューニングの“適用判断”を設計図にした」
では、ファインチューニングをやるべきかどうかの判断基準を整理しました。

今回はその続編です。
ファインチューニングを「やる」と決めたなら、次は構築です。

  • GPUは何枚必要なのか。
  • データはどの形式を選ぶべきか。
  • トレーナーは何を使うべきか。

本記事では、FPT AI FACTORYを使い、
オープンモデルのファインチューニングを
ノーコード・4ステップで実行する手順を解説します。

まずは 小さく回す
それから 大きく育てる
そのための具体的な手順をまとめました。

この記事を読むとできるようになること

  • GPU1枚でファインチューニングを実行できる
  • オープンモデルを自分仕様に調整できる
  • 「小さく試して大きく育てる」運用の流れが理解できる

この記事はこんな人向け

  • RAGだけでは出力が安定しなかった
  • プロンプト調整に限界を感じている
  • 環境構築せずにファインチューニングを試したい

なぜノーコードでやる価値があるのか?

通常のファインチューニングでは、

  • GPUサーバーの準備
  • CUDAや依存ライブラリの調整
  • 学習スクリプトの修正
  • ログの可視化
  • 実行管理

といった 環境構築の壁 があります。

FPT AI FACTORYではこれらを抽象化し、

「モデル」「データ」「GPU」

の3つに集中できます。

つまり、本質にだけ向き合える環境です。
インフラ構築ではなく、モデル設計やデータ品質の改善に時間を使えることが重要です。

前提

  • FPT ID を取得済みで、FPT AI FACTORYにログインできること
  • クレジットカードを持っていること(無償バウチャーの範囲内であれば不要)

スタータープラン等で「カード登録」が必要なケースがあります。
※利用条件・キャンペーン条件は変更される可能性があるため、必ず公式ページをご確認ください。

全体フロー(4ステップ)

  1. 基本モデル&トレーナーを選ぶ
  2. データセットを選び、学習データをアップロードする
  3. トレーニング設定(ハイパーパラメータ・インフラ)を決める
  4. 完了(パイプライン名などを設定して保存)→ 実行

事前準備:ファインチューニングのパイプライン画面操作

  1. FPT AI FACTORY にログインします
  2. サイドバーから FPT AI Studio > モデルファインチューニング > パイプラインの微調整 を開きます
  3. 「+パイプラインを作成」 ボタンを押下します

image.png

① 基本モデル&トレーナー(ノーコードでファインチューニングができる!)

1. ベースにするオープンモデルを選択

モデルカタログから、ベースとなる オープンモデル を選択します。

  • 最初は 小さいモデル で試す
  • 期待通りの回答品質が出たら 大きいモデル に移行する
    → コストと試行回数のバランスが良いです

本手順では例として Gemma の小さいモデル を選択します。

2. トレーナーを選択

トレーナーは下表の3種類から選べます。

トレーナーの種類 説明 具体例
SFT(Supervised Fine-Tuning) 教師ありファインチューニング。
人が 「正しい答え」 を示したデータ(質問と模範解答のペアなど)を使って、モデルにより具体的な振る舞いを学習させる。
ユーザーの質問に対して望ましい返答をするよう学習する。
DPO(Direct Preference Optimization) 直接選好最適化。
人間が 「どちらの回答がより良いか」 と判断したデータを使い、モデルに 「より好ましい応答」 を直接学ばせる方法である。
2つのAIの返答のうち、どちらが良いかを人が選び、その選択を元にモデルを調整する。
Pre-training 事前学習。
AIモデルが 大量のデータから「言葉の使い方」や「知識」を学ぶ 最初の学習ステップである。
Wikipediaや本、Web記事などから膨大な情報を学習する。

SFT と DPO は既存モデルを調整するファインチューニング手法であり、
Pre-training はモデルの基礎能力を獲得するための事前学習フェーズです。

本手順では SFT を選択します。
トレーナーとデータセット形式の詳細は、以下の公式ドキュメントをご確認ください。
Select dataset format(Trainer / Dataset形式)

3. ボリュームを選択

  • マネージドボリューム
  • 専用ネットワークボリューム

本手順では マネージドボリューム を選択します。
目安として、データセット容量が 20GB未満ならマネージド、20GB以上なら専用ネットワークを検討すると分かりやすいです。

4. 「次のステップ」を押下

設定できたら 「次のステップ」 ボタンを押下します。

image.png

② データセット

1. データセット形式を選択

利用できるデータセット形式は以下の通りです。

形式 説明
Alpaca 指示(Instruction)と応答(Response)のペアからなる単一ターン形式。主に指示応答タスクのファインチューニングに用いられる。
ShareGPT ユーザーとAIのマルチターン(複数往復)の対話ログをまとめた形式。会話の流れや文脈を学習させる場合に適している。
ShareGPT-Image 画像を含む対話データセット。画像入力に対する応答を学習させるマルチモーダル形式。
Corpus 膨大な文章・テキストの集まり。小説、ニュース、ネット記事など幅広い内容を含み、主に事前学習に用いられる。

本記事ではファインチューニングを前提とするため、Alpaca形式を使用します。
データセットの詳細は以下の公式ドキュメントをご確認ください。
Select dataset(Dataset形式の選び方)

2. トレーニングデータをアップロード

トレーニングデータは以下の2種類で設定できます。

  • ファイルをアップロード(ローカルから)
  • データハブ(事前登録された保管場所から)

本手順では ファイルをアップロードを選択します。

  • ブラウザからアップロードできる容量は 最大100MB
  • 100MB以上の場合は、別途 Object Storage の利用を検討してください

3. (任意)評価データをアップロード

評価データ(学習結果のチェック用データ)も、トレーニングデータと同様に

  • ファイルをアップロード
  • データハブ

から選択できます。
こちらも 100MBを境にアップロード方法を切り分けるのが分かりやすいです。

image.png

③ トレーニング設定

1. ハイパーパラメータを設定

ハイパーパラメータは「学習の回し方」を決める設定です。
デフォルトでは 「一般」「LoRA」 が選択されています。

  • LoRA:モデル全体を更新せず、一部のパラメータのみを学習する軽量なファインチューニング手法

本手順では デフォルト設定のまま進めます。
ハイパーパラメータの詳細はこちら(公式)。
Set up hyperparameters(ハイパーパラメータ設定)

image.png

2. インフラストラクチャを選択

  • シングルノード:1台のサーバーで学習(1~8基までGPU数を選択可能)
  • マルチノード:複数台のサーバーで学習(1ノードあたりGPU8基を基準にノード数選択)

本手順では シングルノード:1ノード GPU 1基 を選択します。
まず小さく試してコストと時間を把握し、必要に応じて増やすのが安全です。

image.png

④ 完了(保存して実行できる状態にする)

  1. パイプライン名を設定します(任意の名前でOK)
  2. (任意)パイプラインの説明も設定できます
  3. (任意)メール通知でパイプライン状況を受け取れます(必要に応じて設定)
  4. 最後に 「保存」 ボタンを押下します

これでファインチューニングの パイプライン設定は完了です。
あとは 実行するだけです。

image.png

パイプラインを開始する(実行)

作成したパイプラインの 三点リーダーを押下し、開始を押下します。(下図赤枠箇所を押下)

image.png

これでファインチューニングが実行されます。

おまけ:ファインチューニングデータの作り方(Alpaca形式)

ファインチューニングの元ネタが無い場合に、以下のプロンプトを参考にデータセットを生成してみて試してみてください。
ChatGPTやGeminiなどに、以下のプロンプトで指示してみてください。

# システムプロンプト
あなたは、業界別のファインチューニング用データを作成するプロフェッショナルです。
トレーニングデータと評価用データをJson形式で作ることが得意です。
データセット形式:Alpaca

# 指示
業界を指定するから、ファインチューニング用のトレーニングデータと評価用データをJsonファイルで出力してください。

※新規チャットで前述のプロンプトを一発実行したうえで、以下の例のように追加指示を実行すると良いです。

例)半導体業界向けのファインチューニングのデータセットを作る場合
業界:半導体

まとめ

まずは小さく回し、効果を確認してから拡張するのが現実的なアプローチです。

  • ノーコードで、オープンモデルをベースにしたファインチューニング環境を構築できます
  • 4ステップで「モデル選択 → データ投入 → 学習設定 → 保存・実行」まで完了します
  • 最初は 小さいモデル・小さいデータ・単一GPUで試すと、失敗コストが低く安全です

次回予告

ファインチューニングは「回したら終わり」ではありません。

大事なのは、
✔ 本当に出力が改善したのか
✔ 期待通りの振る舞いになっているか
✔ プロンプト依存から脱却できているか
を確認することです。

次回は、今回作成したモデルを FPT AI FACTORY の「モデルテスト > 対話型セッション」 で検証します。
学習前と学習後を並べて比較し、 改善 を可視化します。

FPT AI FACTORY(リンク集)

ファインチューニングの実行環境へ、いってらっしゃい!

無料バウチャー(期間限定)

※新規ユーザー向けに100ドル分のクレジットが提供されています。
詳細は公式ページをご確認ください。

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