更新履歴
2026-09-23:Anthropic公式発表と移行ガイドに基づいて全面改訂しました(リリース日・価格・ベンチマーク・新機能・API変更点を訂正)。
はじめに
2026年9月1日、Anthropicから Claude Fable 5.1 が一般提供開始されました。6月のFable 5から約3ヶ月でのポイントリリースです。同時に、同じモデルに別のセーフガードを組み合わせた Claude Mythos 5.1 も、審査済みのセキュリティ・ライフサイエンス組織向けに提供されています。
特筆すべきは以下の3点です。
- Fable 5・Opus 5・GPT-5.6 Solを多くのベンチマークで上回る。Terminal-Bench 4.0は55.8%(Fable 5は42.0%)、科学研究タスクのTerminal-Bench-ScienceではFable 5の2倍以上のスコア
- トークン単価は据え置きのまま、キャッシュ読み取りを75%値下げ($1.00 → $0.25 per 1M tokens)。Anthropicによると実効コストは典型的なワークロードで約25%、エージェント型のワークロードでは最大約45%下がる
- 強制ツール使用の廃止と、thinkingブロックをモデル・会話に紐づける preserved thinking の導入で、API上の破壊的変更が3つある
本記事はClaude API・Claude Code・Amazon Bedrock経由でFableを利用している開発者向けに、Fable 5 → 5.1 移行判断に必要な情報をまとめます。
モデルスペック
| 項目 | Claude Fable 5.1 |
|---|---|
| モデルID |
claude-fable-5-1(Bedrockは anthropic.claude-fable-5-1) |
| リリース日 | 2026年9月1日 |
| 入力価格 | $10 / 1M tokens(Fable 5と同一) |
| 出力価格 | $50 / 1M tokens(Fable 5と同一) |
| キャッシュ読み取り | $0.25 / 1M tokens(Fable 5の$1.00から75%減) |
| キャッシュ書き込み | 5分:$12.50 / 1時間:$20(Fable 5と同一) |
| Batch API | 入力 $5 / 出力 $25 per 1M tokens |
| コンテキストウィンドウ | 1M tokens |
| 最大出力 | 128K tokens |
| トークナイザー | Fable 5と同一(トークン数は変わらない) |
| デフォルトeffort | API・Claude Codeは high、claude.ai・Claude Coworkは medium
|
| 提供形態 | Claude API / Amazon Bedrock / Claude Platform on AWS / Google Cloud Vertex AI / Microsoft Foundry(Anthropicホスト) |
| 提供製品 | claude.ai / Claude Code / Claude Cowork / Claude Enterprise |
| Priority Tier | 非対応(Fable 5は対応していた) |
| データ保持 | 30日間の保持が必須。ゼロデータ保持(ZDR)の組織では使えない(Anthropicの明示的な許可がある場合を除く) |
| レート制限 | Fable 5と共通の「Fable 5.x」枠 |
キャッシュ読み取りの単価は入力単価の2.5%です。他のモデルは10%なので、Fable 5.1だけ特に安く設定されています。Opus 5($0.50)と比べても半額です。なお、Fast ModeはOpus系(Opus 5 / 4.8)のみの機能で、Fable 5.1では使えません。
主要な新機能・変更点
1. キャッシュ読み取りの75%値下げ
今回のリリースで最もコストに効く変更です。長時間のエージェントセッションでは、キャッシュ済みのプレフィックス(システムプロンプト・ツール定義・それまでの会話)を毎ターン読み直すため、入力コストの大半がキャッシュ読み取りになります。この単価が1/4になったことで、**典型的なワークロードで約25%、高度にエージェント的なワークロードで最大約45%**の実効コスト削減になるとAnthropicは試算しています。
裏を返すと、キャッシュミス(書き込み)が相対的に高くつくようになりました。履歴を途中で書き換えない、ツール定義を途中で変えない、といったキャッシュを温かく保つ設計の重要性が増しています。後述する新しいbeta機能(メッセージ単位のeffort、ターン限定のsystemメッセージ)は、まさにそのための機能です。
2. Fable 5.1とMythos 5.1
Mythos 5.1(claude-mythos-5-1)はFable 5.1と同じモデル・同じ価格・同じAPI仕様で、セーフガードだけが異なります。サイバーセキュリティとライフサイエンスの専門的な作業向けに調整されたセーフガードを持ち、次の2つの信頼済みアクセスプログラム経由でのみ提供されます。
- Cyber Verification Program(CVP):防御目的のセキュリティ専門家向け
- Life Sciences Verification Program(LSVP、新設):審査済みの研究者向け。現時点では一部の米国組織に限定
一般の開発者は claude-fable-5-1 を使えばOKです。
3. 長時間のエージェント作業を中心とした性能向上
Anthropicは次の6領域で改善を挙げています。差はeffortが高いほど大きく、low / medium でもFable 5と同等以上の結果をより低コストで出します。
- 長時間のエージェント型コーディング:複数ファイルにまたがる機能追加、大規模リファクタリング・移行、デバッグ、数時間に及ぶコードレビュー
- ドキュメント・スプレッドシート・スライドを使うナレッジワーク:最初の質問から、完成したドキュメントや数式入りのスプレッドシート、白紙から作るスライドまで
- リサーチ・検索:見つけた情報を追いかける多段階のWebリサーチ
- 画像認識:密度の高いチャート、開示書類、PDF内の入れ子の表(トリミング・拡大ツールがあると特に強い)
- 1Mコンテキストの深い位置からの情報検索
- コンピュータ操作:ブラウザやデスクトップアプリをより確実に操作し、失敗したステップから立て直す
科学研究の事例としては、タンパク質設計で12ターゲット平均の成功率が約50%(通常は10〜15%程度)、7つのモデルのGPU処理を最大2.5倍に高速化などが紹介されています。
4. 新しいAPI機能(beta)
いずれもbetaヘッダーが必要な任意機能です。移行自体はこれらなしでも動きますが、1と2はキャッシュを維持し、preserved thinkingを壊さないための機能なので、エージェントループを持つ場合は目を通しておきましょう。
① メッセージ単位のeffort変更(mid-conversation-output-config-2026-07-01)
中身が空の role: "system" メッセージに output_config を付けると、そこから先のeffortだけをプロンプトキャッシュを維持したまま変更できます。トップレベルの effort をリクエスト間で変えるとキャッシュが無効になるうえ、Fable 5.1では指示の効きも弱いため、こちらが推奨です。
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
response = client.beta.messages.create(
model="claude-fable-5-1",
max_tokens=16000,
betas=["mid-conversation-output-config-2026-07-01"],
output_config={"effort": "high"},
messages=[
{"role": "user", "content": "移行計画を立ててください"},
{"role": "assistant", "content": "計画は次のとおりです: ..."},
# 空のsystemメッセージで、ここから先のeffortだけを下げる(キャッシュは維持)
{"role": "system", "content": [], "output_config": {"effort": "low"}},
{"role": "user", "content": "設定ファイルの名前を変更してください"},
],
)
effortを下げる方向は確実に効きます。上げる場合は low → xhigh のように大きく変えると効果が出やすいとされています。
② ターン限定のsystemメッセージ(mid-conversation-system-clear-at-2026-08-21)
「受信箱を確認してからコードを実行して」のようなそのターンだけ有効な指示を入れたいとき、挿入して次のリクエストで削除すると履歴の編集になり、キャッシュが無効になるうえ、Fable 5.1ではそれ以降のthinkingブロックも無効になります。clear_at: "next_user_message" を付けたsystemメッセージなら、次のuserメッセージが来た時点で自動的に表示されなくなるため、削除せずに履歴に残したままにできます(表示されなくなったメッセージは入力トークンとしても課金されません)。
response = client.beta.messages.create(
model="claude-fable-5-1",
max_tokens=16000,
betas=["mid-conversation-system-clear-at-2026-08-21"],
tools=tools,
messages=[
{"role": "user", "content": "分析スクリプトを実行してください"},
{"role": "assistant", "content": [{"type": "tool_use", "id": "toolu_01", "name": "bash",
"input": {"command": "python analyze.py"}}]},
{"role": "user", "content": [{"type": "tool_result", "tool_use_id": "toolu_01",
"content": "分析完了。レポートを書き出しました。"}]},
# このターンだけ有効な指示。次のリクエストでも削除せず、そのまま再送する
{"role": "system", "clear_at": "next_user_message",
"content": "結果が受信箱に届いています。追加のコードを実行する前に確認してください。"},
],
)
③ ツール呼び出し間の進捗報告(thinking-display-updates-2026-08-18)
Fable系は、ツール呼び出しの合間に書く進捗報告(「〜が分かったので次に〜します」)を thinking ブロックとして返すため、デフォルトの display: "omitted" では中身が空になり、長いエージェントターンの間UIが無言になります。display: "updates" を指定すると、推論は隠したまま進捗報告だけをテキストで受け取れます。全プラットフォームで利用可能です。
response = client.beta.messages.create(
model="claude-fable-5-1",
max_tokens=16000,
betas=["thinking-display-updates-2026-08-18"],
thinking={"type": "adaptive", "display": "updates"},
tools=tools,
messages=[{"role": "user", "content": "課金サービスに出ているPRをレビューしてください"}],
)
for block in response.content:
if block.type == "thinking" and block.thinking:
print(f"[進捗] {block.thinking}") # 空でないthinkingブロックが進捗報告
5. コンテンツ来歴(電子透かし)
Fable 5.1が生成したテキストには全プラットフォームで統計的な電子透かしが入ります(余分なトークンや隠し文字は追加されず、組織の情報も含みません)。コード実行サンドボックスで生成した画像・音声・動画をClaude APIのFiles API経由でダウンロードすると、署名付きのC2PA Content Credentialsが付きます。そのため、ダウンロードしたファイルはコンテナ内のファイルとサイズ・チェックサムが一致しなくなる点に注意してください(テキスト・PDF・Officeファイルは署名されません)。EU AI法の要件に沿った透かし検出APIも、対象組織向けにプライベートプレビューで提供されています。
6. Enterprise Frontier Safeguards(EFS)
ゼロデータ保持を維持しながら不正利用の検知を行える新しい仕組みです。監視データを顧客自身のAWS・Azure・Google Cloud環境に、顧客管理の暗号鍵で保存できます。追加料金はなく、今秋から段階的に展開されます。
ベンチマーク結果
| ベンチマーク | Fable 5.1 | Fable 5 | Opus 5 | Mythos 5.1 | GPT-5.6 Sol |
|---|---|---|---|---|---|
| Terminal-Bench 4.0(エージェント型コーディング) | 55.8% | 42.0% | 52.3% | 60.9% | 37.3% |
| Terminal-Bench-Science 0.1(科学研究) | 52.6% | 24.7% | 29.0% | — | 22.4% |
| GDPval-AA v2(ナレッジワーク) | 1,853 Elo | 1,723 Elo | 1,824 Elo | — | 1,711 Elo |
| OSWorld 2.0 partial(コンピュータ使用) | 77.9% | 72.9% | 75.4% | — | — |
| OSWorld 2.0 strict(コンピュータ使用) | 41.7% | 36.1% | 39.6% | — | — |
| Humanity's Last Exam(ツールなし) | 60.9% | 57.8% | 56.6% | — | — |
| Humanity's Last Exam(ツールあり) | 65.0% | 63.8% | 63.6% | — | — |
| AutomationBench(業務ワークフロー) | 31.4% | 17.1% | 26.9% | — | 19.6% |
| CursorBench 3.2.0(エージェント型コーディング) | 73.4% | 70.5% | 70.0% | — | 67.2% |
※ Anthropic公式発表の数値です。Opus 5記事時点の数値(GDPval-AA v2でOpus 5が1,861 Eloなど)とは再計測により若干異なります。
注目ポイント①:科学研究タスクで2倍以上 ― Terminal-Bench-Scienceで52.6%を記録し、Fable 5(24.7%)の2倍以上、Opus 5(29.0%)も大きく上回りました。
注目ポイント②:業務ワークフロー自動化で大幅改善 ― AutomationBenchでFable 5比+14.3ptと、今回最も伸び幅の大きい項目の1つです。
注目ポイント③:Opus 5との差はタスクによって小さい ― Terminal-Bench 4.0(+3.5pt)やGDPval-AA(+29pt)では差が小さく、価格は倍であることを考えると、まずOpus 5で評価し、高effortでも足りない場合にFable 5.1を使うというAnthropicの位置づけに沿った使い分けが現実的です。
2026年9月22日には、多くのベンチマークでFable 5.1を上回る Claude Opus 5.5(入力$4 / 出力$20)がリリースされています。詳しくはOpus 5.5のリリースまとめ記事を参照してください。
API移行時の注意点(Breaking Changes)
Fable 5からの破壊的変更は3つです。
⚠️ 1. 強制ツール使用(tool_choice の any / tool)が400エラー
tool_choice: {"type": "any"} と {"type": "tool", "name": "..."} は、Messages API・Batch API・トークンカウントのすべてで400エラーになります。auto(デフォルト)と none は従来どおりです。disable_parallel_tool_use: true は auto と併用できますが、意味は「必ず1回」ではなく「最大1回」になります。
# Before(Fable 5.1では400エラー)
response = client.messages.create(
model="claude-fable-5",
max_tokens=4096,
tools=[get_weather_tool],
tool_choice={"type": "tool", "name": "get_weather"},
messages=[{"role": "user", "content": "東京の天気を調べて要約してください"}],
)
# After(auto + プロンプトでツールを指名し、strictで引数のスキーマ準拠を保証)
get_weather_tool["strict"] = True # スキーマは additionalProperties: false が必要
response = client.messages.create(
model="claude-fable-5-1",
max_tokens=4096,
tools=[get_weather_tool],
tool_choice={"type": "auto"},
messages=[{"role": "user", "content": "get_weatherツールで東京の天気を調べて要約してください"}],
)
JSONを取り出すためだけに強制ツール使用をしていた場合は、構造化出力(output_config.format)への置き換えが素直です。
⚠️ 2. thinkingブロックが生成したモデルに紐づく
thinkingブロックには生成したモデルが記録され、Fable 5.1のthinkingブロックを読めるのはFable 5.1とMythos 5.1だけです。ルーターによるモデル切り替えや、拒否時のフォールバックでOpus 5 / 4.8に移った場合、APIは読めないブロックを捨ててから処理します。リクエストは成功し、捨てられたブロックは課金されませんが、切り替え後のモデルはFable 5.1の推論内容なしで再計画するため、切り替え直後のターンはコストとレイテンシが上がります。
逆方向、つまりOpus 5・Fable 5・それ以前のモデルからFable 5.1に乗り換える会話は推論内容を引き継げます。いずれの場合も、thinkingブロックは自分で取り除かず、そのまま再送してください。自分で消すと順序や署名の検証で400エラーになることがあります。
⚠️ 3. thinkingブロックが生成した会話に紐づく(preserved thinking)
thinkingブロックの署名には、生成時の**system プロンプト・tools の集合・それ以前の全メッセージ**が記録されます。再送時にこれらが変わっていると、そのブロック以降のthinkingブロックがすべて無効になります。
2026年8月31日以降に作成されたアカウント(Claude APIの組織、Bedrockアカウント、Google Cloudプロジェクト、Foundryリソース)ではデフォルトで検証され、不一致は400エラーになります。それより前のアカウントは、betaヘッダーと設定でオプトインできます。
response = client.beta.messages.create(
model="claude-fable-5-1",
max_tokens=16000,
betas=["thinking-binding-controls-2026-08-01"],
thinking={
"type": "adaptive",
# "error"(400で止める)か "drop_block"(不一致以降のブロックを捨てて続行)
"block_binding": {"prefix_mismatch_behavior": "drop_block"},
},
messages=history, # thinkingブロックを含む履歴を「そのまま」再送する
)
# 捨てられたブロックがあれば input_transformations に記録される
# reason: "prefix_binding_mismatch"(履歴が変わった)/ "model_binding_mismatch"(モデルが切り替わった)
Claude Code・claude.ai・Managed Agents・Agent SDKは対応済みですが、messages を自前で組み立てているハーネスは移行前の確認が必須です。公式の推奨手順は次の3ステップです。
- 数ターン分の実際のリクエストボディを保存し、連続するリクエスト間で
system・tools・messagesの共通部分がバイト単位で一致しているか比較する -
prefix_mismatch_behavior: "drop_block"で通常のセッションを流し、毎回input_transformationsをログに出す。空配列なら問題なし(CIでは"error"にして失敗させる) - 本番用の設定(
"error"か"drop_block")を明示的に指定して監視する
よくある問題パターンと、append-onlyな置き換え方は以下のとおりです。
| 履歴を壊すパターン | 置き換え方 |
|---|---|
セッション途中で system プロンプトを書き換える |
system はセッション開始時に固定し、role: "system" メッセージを追記する |
セッション途中で tools を追加・削除する |
最初に全ツールを宣言し、tool_addition / tool_removal ブロック(beta)で切り替える |
| ターンごとのリマインダーを挿入し、次で削除する |
clear_at: "next_user_message" のsystemメッセージを使い、履歴に残す |
| 古いツール結果や古いターンをクライアント側で削る | サーバーサイドのコンテキスト編集(ツール結果のクリア)かコンパクションを使う |
| 古いターンを要約し、新しいターンはthinking付きで残す自前コンパクション | サーバーサイドのコンパクションか、「履歴全体を1つの要約に置き換え、それ以前は何も再送しない」シンプルな方式にする |
| 画像・ドキュメントをURLで複数ターンにわたって参照する | Files APIに一度アップロードして file_id で参照する(またはbase64) |
この対応はプロンプトキャッシュのヒット率向上にもつながり、しかもOpus 5.5でも同じ検証が導入されているので、古いアカウントでも今のうちに対応しておく価値があります。
⚠️ Priority Tierが使えなくなる
Fable 5はPriority Tierに対応していましたが、Fable 5.1は非対応です。Priority Tierを使っているワークロードは移行時に失われる点に注意してください。
⚠️ Opus 5から移行する場合の追加の注意点
Opus 5からFable 5.1に移る場合は、上の3つに加えて次の点が変わります。
-
thinking: {"type": "disabled"}はeffortに関係なく400エラー(Opus 5ではhigh以下なら使えた)。thinking指定を削除し、コストはeffortを下げて調整する -
ツール呼び出し間の途中報告が
thinkingブロックで返る(Opus 5ではtextブロック)。表示していたUIはdisplay: "updates"に対応する -
安全性分類器の範囲が広がる:
cyberに加えてbioとreasoning_extractionでも拒否されうる - ゼロデータ保持が使えなくなる(Opus 5はZDRで利用可能)
- 価格は2倍($5 / $25 → $10 / $50)。ただしキャッシュ読み取りはOpus 5の半額
✅ Fable 5から変わらないもの
-
thinkingは常に有効。
{"type": "disabled"}とbudget_tokensはどちらも400エラー(Fable 5と同じ)。思考量はeffort(low/medium/high/xhigh/max)で調整する -
displayのデフォルトは"omitted"。生の思考過程は返らない -
assistantプリフィル非対応、
temperature/top_p/top_k非対応 - 1Mコンテキスト・128K最大出力・トークナイザー・トークン単価
- 最小キャッシュ長512トークン、会話途中のsystemメッセージ・ツール変更
- 拒否(
stop_reason: "refusal")の扱いと分類カテゴリ(cyber/bio/reasoning_extraction)
✅ フォールバックは引き続き利用可能
拒否されたリクエストを別モデルで自動再実行するサーバーサイドフォールバックは、Fable 5と同様に使えます。フォールバック先は claude-opus-4-8 と claude-opus-5 です。
response = client.beta.messages.create(
model="claude-fable-5-1",
max_tokens=16000,
betas=["server-side-fallback-2026-07-01"],
fallbacks="default", # 拒否カテゴリごとにAnthropic推奨のモデルで自動再実行
messages=[{"role": "user", "content": "..."}],
)
if response.stop_reason == "refusal" and response.stop_details:
# フォールバック先も拒否した場合のみここに来る
print(f"拒否カテゴリ: {response.stop_details.category}")
フォールバック先のモデルはFable 5.1のthinkingブロックを読めない(⚠️2)ため、推論内容なしで実行されます。Bedrock・Vertex AI・Foundryではサーバーサイドフォールバックが使えないため、SDKのクライアントサイドミドルウェアを使います。
✅ 全主要クラウドで即日GA
Claude APIに加え、Amazon Bedrock・Claude Platform on AWS・Google Cloud Vertex AI・Microsoft Foundry(Anthropicホスト)で同日GAです。
プロンプト調整のヒント
API上の破壊的変更ではありませんが、Fable 5から挙動が変わっている点がいくつかあります。
-
effortは
highから始めて評価し直す:同じeffort名でもモデル間で思考量は同じではない。mediumならFable 5と同程度の品質をより低コストで出せるので、品質が保てるルートは下げる -
xhigh/maxでの長い成果物に注意:長いドキュメントや完全なコードファイルを1回で頼むと、思考の中で下書きしてから回答で書き直すことがあり、出力トークンがほぼ2倍になる。まずはhighで実行する - 並列ツール呼び出しが減ることがある:明示されていない独立した読み取りを1ターン1回ずつ呼ぶ傾向がある。複数ツール呼び出しを含むターンの割合を測り、低ければ各ターンのツール結果の後に「次に必要なものを非公開で列挙し、互いに依存しないものはこの応答でまとめて要求して」と追記する
-
途中報告が減る:まず
display: "updates"を受け取れるようにし、「途中経過を書かないで」といった旧モデル向けの指示を削除する。それでも足りなければ、いつ報告してほしいかをsystemプロンプトで具体的に指定する - ファイル全体の書き直し:部分編集で済む変更でもファイル全体を書き直すことがある。「結果が変わらない限り、ファイル全体ではなく必要な箇所だけを編集して」と指示すると改善する
- 書式は控えめになる:太字・見出し・箇条書きが減る。書式を抑える指示が入っていれば削除し、「いつ書式を使うべきか」のルールに置き換える
安全性
- サイバーセキュリティの誤検知が約60%減少(Claude Codeのセッションあたり)。ソースコードの脆弱性発見は可能だが、エクスプロイト開発はできない
- 生物学のセーフガードは、初歩的な生物学・医療に関する無害な質問で発動する頻度が約85%減少
- 外部テストでは重大度criticalのジェイルブレイクは見つからなかった
- Mythos 5.1はMythos 5と比べ、ほとんどの指標でアラインメントが改善。許可されていないリソースへのアクセスや、動機づけられた推論(結論ありきの推論)が大幅に減少
- 化学・生物リスクの評価では、Mythos 5.1は次のリスク段階には達していないと判定。研究用途の生物学へのアクセスは、Mythos 5と同じセーフガードで制限されている
- ライフサイエンス研究者向けの Life Sciences Verification Program を新設
まとめ
Fable 5.1は、トークン単価を据え置いたままキャッシュ読み取りを75%値下げし、実効コストを下げつつ性能を上げたポイントリリースです。Fable 5を本番運用しているチームは、以下の観点で移行を検討しましょう。
-
tool_choiceのany/toolを置き換え:auto+strict: true+ プロンプトでの指名、または構造化出力へ - 自前ハーネスはpreserved thinkingに対応:履歴をappend-onlyにし、3ステップの確認を実施。8/31以降に作成したアカウントでは必須
- thinkingブロックは常にそのまま再送:モデル切り替え時も自分で取り除かない
- Priority Tier依存のワークロードを確認:Fable 5.1では非対応
- キャッシュ設計の見直し:読み取りが安くなったぶん、キャッシュミスが相対的に高くつく。メッセージ単位のeffortやターン限定のsystemメッセージを活用する
- 途中報告を表示しているUIは
display: "updates"に対応
特に長時間のエージェント型コーディングや、キャッシュを多用する長いセッションでは、コストと品質の両面でメリットが大きいリリースです。一方、9月22日にはより安価で多くのベンチマークでFable 5.1を上回るOpus 5.5も登場しているため、新規採用ならOpus 5.5との比較評価をおすすめします。