この記事は SUPER STUDIO Advent Calendar 2025 の25日目の記事になります。
はじめに
ご縁あって、今年は執行役員となり、SUPER STUDIOの柱であるecforceの開発・運用を管掌することになりました。配下のメンバーが増え、エンジニアを採用したり評価したりする機会が格段に増えた一年でした。
自分自身、インフラエンジニアからAWSエンジニア、SREグループマネージャというキャリアを歩んできましたが、今年は開発組織も担当範囲となり、異なる文化のチームを見ることで、より立体的にエンジニアの評価軸を考える機会を得ました。
本記事では、エンジニアの評価を判断する軸について整理し、自分の立ち位置を認識して今後どのようなスキルを身につけていくかを考える参考になればと思います。
前提:サービスを作ることを仕事とするエンジニア
本記事で扱う「エンジニア」は、弊社のようなSaaSサービスを作ることを仕事とするエンジニアを前提としています。
エンジニアの5つのスキル領域
エンジニアのスキルアップには、以下の5つの領域があると考えています。
1. エンジニアリング能力
最も基本となる技術力です。
- プログラムを作成する力:要件を満たすコードを書ける
- サービスに関する知見:担当するサービスのドメイン知識を持っている
- プログラミング言語やミドルウェアへの精通:使用する技術スタックを深く理解している
この領域は、エンジニアとしてのベースとなるスキルです。ジュニアエンジニアからシニアエンジニアへのステップアップには、まずこの領域を固めることが重要です。
2. プロジェクト推進力
技術力だけでは、サービスは完成しません。プロジェクトを前に進める力が求められます。
- 必要なメンバーを巻き込む力:デザイナー、PM、他チームのエンジニアなど、必要な人を適切に巻き込める
- 関係者からの信頼:日々の仕事を通じて信頼を積み重ねている
- 調整・説得力:必要に応じて交渉や調整を行える
- 完遂力:プロジェクトを最後まで持っていく粘り強さ
「コードは書けるけど、プロジェクトが完了しない」というケースは、この領域のスキル不足が原因であることが多いです。
3. ビジネス理解
エンジニアとして、会社のビジネスを理解することも重要なスキルです。
- ビジネス目標の理解:会社が目指す方向を理解し、それに沿った行動や優先順位の選択ができる
- 売上への貢献:売上に直結する成果を意識して上げられる
技術的に最高の選択と、ビジネス的に最適な選択は必ずしも一致しません。この領域のスキルが高いエンジニアは、技術とビジネスのバランスを取った意思決定ができます。
4. ユーザ理解
サービスを使うユーザの視点を持つことも大切です。
- ユーザ心理の理解:ユーザがどう感じるか、何を求めているかを考え、行動や優先順位を選択できる
- 適切なコミュニケーション:ユーザに対する説明や案内を適切に行える
「技術的には正しいが、ユーザにとっては使いにくい」という状況を避けるために、この領域のスキルが役立ちます。また、障害時にユーザが何を不安に感じ、どのような情報を必要としているかを理解し、迅速かつ誠実に対応できることも、ユーザ理解の重要な要素です。
5. 組織人としての行動
チームや会社全体に良い影響を与える力です。
- 周囲への良い影響:会社全体や同じチームのメンバーに良い影響を与え、全体のアウトプットを向上させる
- チーム管理:チームの管理者として、チームの目標を達成する
- 規範となる行動:チームの規範となる振る舞いをする
- タスクの委譲:自分のタスクを配下のメンバーでもできるようにする
- メンバーの育成:チームメンバーを育てる
個人の成果だけでなく、組織全体の成果を最大化する視点が求められます。
スキル領域のバランスを考える
これら5つの領域は、どれか一つを極めれば良いというものではありません。キャリアのステージや役割によって、求められるバランスが変わってきます。
| キャリアステージ | 重視される領域 |
|---|---|
| ジュニア | エンジニアリング能力 |
| ミドル | エンジニアリング能力 + プロジェクト推進力 |
| シニア | 全領域のバランス |
| リード/マネージャ | プロジェクト推進力 + 組織人としての行動 |
もちろん、これは一例であり、会社やチームの状況によって異なります。
おわりに
エンジニアとしてキャリアを積んでいく中で、「次に何を身につければいいのか」と悩むことがあると思います。そんなとき、この5つの領域を参考に、自分の現在地を確認し、伸ばすべきスキルを考えてみてください。
皆さんのキャリアの参考になれば幸いです。