はじめに
RAD Studio コマンドプロンプト って使ってますか?
RAD Studio コマンドプロンプトは Delphi 2007 以降のスタートメニューにあります。
RAD Studio コマンドプロンプトとは?
<インストールフォルダ>\bin\rsvars.bat が本体です。例えば 13 Florence の rsvars.bat の内容は次のようになっています。
@SET BDS=C:\Embarcadero\Studio\37.0
@SET BDSINCLUDE=C:\Embarcadero\Studio\37.0\include
@SET BDSCOMMONDIR=C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\37.0
@SET FrameworkDir=C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319
@SET FrameworkVersion=v4.5
@SET FrameworkSDKDir=
@SET PATH=%FrameworkDir%;%FrameworkSDKDir%;C:\Embarcadero\Studio\37.0\bin;C:\Embarcadero\Studio\37.0\bin64;C:\Embarcadero\Studio\37.0\cmake;%PATH%
@SET LANGDIR=JA
@SET PLATFORM=
@SET PlatformSDK=
RAD Studio コマンドプロンプトを起動すると、コンソールウィンドウが開き、自動的に環境変数 BDS がユーザーのインストールディレクトリを指すように設定され、MSBuild の実行可能ファイルのパスが設定されます。
ショートカットのアイコンはインストールフォルダにある Console.ico です。
・用途 1
コマンドラインコンパイラのある場所へパスが通るので、コマンドラインコンパイラでビルドするのに使えます。
GetitCmd.exe へもパスが通るので、特定バージョンの GetIt インストーラーのモードを変更するのにも使えます。
See also:
・用途 2
RAD Studio (Delphi) のインストールフォルダが簡単に開けます。
explorer %BDS%
explorer .\
サンプルプロジェクトのある Sample サブフォルダ、GetIt でダウンロードしたファイルのある CatalogRepository サブフォルダ、実行時パッケージファイルのある bpl サブフォルダのあるドキュメントフォルダを開くのも簡単です。
explorer %BDSCOMMONDIR%
・用途 3
Delphi を購入すると貰える旧バージョンをすべて同一 PC にインストールしようとすると環境変数がとんでもない長さになりますが、Delphi を使う時だけ RAD Studio コマンドプロンプトから起動するようにすれば、環境変数 PATH をクリーンな状態にする事ができます。
Delphi 7 から Delphi XE2 辺りまでは管理者権限で動作させた方がトラブルは少ないので、これらのバージョンではショートカットの [詳細設定] から管理者として実行にチェックを入れ、コマンドプロンプト自体が管理者権限で開くように設定します。
RAD Studio コマンドプロンプトから IDE を起動するようにすれば、システム環境変数 PATH から Delphi の bin フォルダと BPL (実行時パッケージ) フォルダへのパスを削除する事ができます。環境変数 BDS や BDSCOMMONDIR も削除して構いません。
RAD Studio コマンドプロンプトのショートカットを一か所に集めるのではなく、各バージョンの rsvars.bat を一か所にコピーして (リネームして)、そのショートカットを別途作って使うと便利です。
例えば私の場合、Delphi 12 Athens の rsvars.bat は rsvars12Athens.bat にリネームしてあり、ECHO で使用方法を表示するようにしています。
@SET BDS=C:\Embarcadero\Studio\23.0
@SET BDSINCLUDE=C:\Embarcadero\Studio\23.0\include
@SET BDSCOMMONDIR=C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\23.0
@SET FrameworkDir=C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319
@SET FrameworkVersion=v4.5
@SET FrameworkSDKDir=
@SET PATH=%BDS%\bin;%BDS%\bin64;%BDSCOMMONDIR%\Bpl;%BDSCOMMONDIR%\Bpl\Win64;%FrameworkDir%;%FrameworkSDKDir%;%PATH%
@SET LANGDIR=JA
@SET PLATFORM=
@SET PlatformSDK=
@ECHO Embarcadero RAD Studio 12 Athens のための環境を設定しています
@ECHO "bds" とタイプすると Delphi 12 Athens が起動します
日本語を使うのであれば ANSI (Shift_JIS) で保存しないと文字化けします。
以前は旧バージョンすべてインストールするのに、別の環境変数を使って環境変数 PATH を短くしていたのですが、Delphi のバージョンが増えたために、この手法も通用しなくなってしまいました。
See also:
おわりに
[ツール | ツールの構成...] で IDE のメニューに RAD Studio コマンドプロンプトを登録しておくのも便利かと思います。
そうそう、Delphi 7 には rsvars.bat がないので、Delphi 7 用に別途作り、
@SET BDS=C:\Embarcadero\Delphi7
@SET BDSCOMMONDIR=C:\Embarcadero\Delphi7\Projects
@SET PATH=%BDS%\bin;%BDSCOMMONDIR%\bin;%PATH%
@ECHO Borland Delphi 7 のための環境を設定しています
@ECHO "delphi32" とタイプすると Delphi 7 が起動します
他のバージョンのように BDS で Delphi を起動するための bds.cmd を Delphi 7 の <インストールフォルダ>\bin にコピーして使っています。
delphi32
delphi32 ってタイプするの何気に長いんですよね...(^^;A







