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RAD Studio / Delphi / C++Builder を新規購入したらやるべき事

Last updated at Posted at 2025-03-10

はじめに

10 年ぶりに Delphi を新規購入した (2025/03) ので 1、購入と手続きについて記事にしてみました。

購入と手続き

RAD Studio / Delphi / C++Builder 共通の話となっています。

image.png

1. 製品の購入

RAD Studio / Delphi / C++Builder (以下 "製品") は優待販売のキャンペーンをやっている事があるので、まずはキャンペーンページを確認します。

image.png

Embarcadero の直販サイトか ComponentSource さんから購入する事になると思います。

製品のエディションによる違いについてはこちらから確認してください:

2. 注文確認

注文確認のメールとは別に Order Confirmation: ~ で始まるダウンロード先とシリアルナンバー (ライセンスキー) の書かれたメールが Embarcadero から届きます。祝日や週末に購入してしまうと営業日の関係でなかなかメールが届きません

embarcadero.com からのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認しましょう

3. EDN アカウントの新規作成

1 ライセンス毎に 1 Embarcader Developer Network (EDN) アカウントが必要です。

image.png

カスタマーポータルへ行き、Create account からアカウントを作成します。

別のライセンスを同じアカウントに紐付けるとトラブルの元なのでやめておいた方が無難です。メールアカウントの管理が面倒なのでしたら、別アカウント + 拡張メールアドレス 2 にしておきましょう。

登録が済むと、Your requested Idera information. というタイトルの認証メールがアイデラから届くのでリンクをクリックしてアカウントを有効化します。

idera.com からのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認しましょう

See also:

4. 製品をインストールせずに製品登録

製品をインストールせずに製品登録だけ先に済ませます。

  1. 使用許諾コードの登録ページへ行く
  2. Serial Number: にメールで届いたシリアルナンバーを、登録キー (コード/Registration Code): にダミーの 12345 を入力して [次へ] を押下
    image.png
  3. (ログインしていなければ) EDN ログインを促されるので、EDN のアカウント情報を入力して [次へ] を押下
    image.png
  4. [使用許諾ファイルのダウンロードまたは電子メール送信] で ダウンロード を選択して [登録] を押下
    image.png
  5. ダウンロードされた使用許諾ファイルはダミーの登録コードで生成されていて無効なので破棄する

正しく登録されると、カスタマーポータルの登録製品ページで製品名やシリアルナンバーが見られるようになります。

2025/03 現在、RAD Studio / Delphi / C++Builder を購入すると発行されるシリアルナンバーは実際には XE8 のものです。そして、このシリアルナンバーは 10.3 以降共通で使えます。つまり、XE8, 10.3 Rio, 10.4 Sydney, 11 Alexandria, 12 Athens... は同じシリアルナンバーです。

See also:

5. 旧バージョンの入手

製品を購入すると旧バージョンのライセンスが貰えます。

旧バージョンのライセンス取得は、製品購入から 180 日以内に行う必要があります。

例えば Delphi 12 Athens (*) の場合、追加で次のバージョンが利用可能です。

  • 11 Alexandria (*)
  • 10.4 Sydney (*)
  • 10.3 RIo (*)
  • 10.2 Tokyo
  • 10.1 Berlin
  • 10 Seattle
  • XE8 (*)
  • XE7
  • XE6
  • XE5
  • XE4
  • XE3
  • XE2
  • XE
  • 2010
  • 2009
  • 2007 R2
  • Delphi 7.1

(*) の付いたバージョンはシリアルナンバーが同一なためライセンス取得を行う事無く利用可能です。言い換えれば (*) の付いたバージョンは旧バージョンのライセンス取得を忘れていたとしても利用可能 という事になります。

旧バージョンのライセンスを取得

各製品の旧バージョンページに行って、(概要を確認して) ライセンスを取得するためのリンクをクリックします。

製品のエディション / アカデミックか否かによっていずれかへ進みます。

購入した製品のシリアルナンバーを入力し、[無償製品の選択] ボタンを押します。

image.png

[無償製品の選択] で ** や * の付いていない製品を選択し、電子メールアドレス: にメールアドレスを入力して [取得] ボタンを押すと電子メールアドレス宛に取得した旧バージョンのシリアルナンバー (控え) が送られます。

image.png

メールアドレスに 拡張メールアドレス 2 を使うと不正なメールアドレスと怒られてしまいます。送られてくるのは控えなので、拡張メールアドレスの元になったメールアドレスを入力すれば OK です。

もう一度旧バージョン取得ページで確認してみると、選択できる製品が減っていると思います。** の付いている製品はダウンロードできない重複した製品です。* の付いた製品は追加でダウンロード可能です。ダウンロード可能な旧製品がなくなるまでこれを繰り返してください。

Delphi / C++Builder Professional の場合には、最終的に XE8 用モバイルアドオンだけが残ります。2025/03 現在、XE8 用モバイルアドオンは Delphi / C++Builder Professional (XE8) のライセンスに含まれているため、残っていても大丈夫です。

See also:

6. 製品のダウンロード

カスタマーポータルのダウンロードページで製品のインストーラーや ISO、修正パッチ等が入手できます。

image.png

最近のインストーラーは方式毎に 2 種類あります。RAD Studio / Delphi / C++Builder およびすべてのエディションでインストーラーは共通となっています。

  • Web インストーラー / ESD (Electronic Software Delivery) インストーラー
  • ISO インストーラー

目的の製品がダウンロードできない場合には、カスタマーポータルの登録製品ページでシリアルナンバーが存在するか (ライセンスを所有しているか) を確認してみてください。

時間がある時にダウンロードできるものは全部ダウンロードして、余ってる HDD にでも保存しておくといいかと思います。

See also:

旧バージョンのダウンロードに関する注意点

  • 旧バージョンの中には製品 / エディション毎にインストーラーが分かれているものがあります
  • RAD Studio のライセンスをお持ちの場合、Delphi と C++Builder のインストーラーが別々に存在する事があります。これらを一緒にインストールする事でミニ RAD Studio にする事ができます
  • 旧バージョンのうち、当時 RAD Studio 製品に含まれていた .NET 関連の製品 (Delphi for .NET, C# Builder, Delphi Prism) はダウンロードできません

7. 製品のインストール

任意の製品をインストールしてください。複数のバージョンをインストールする際には古いバージョンからインストールする事をお勧めします。

古いバージョン (10.3 Rio 以前) の場合、2 種類のインストーラー (ISO, Web) のどちらでインストールしたかを覚えておく必要があります。インストーラーの種類を変更したい場合には、一旦完全アンインストールを行う事をオススメします

Web インストーラーの場合

  • インストーラー (*.EXE) をそのまま実行

ISO インストーラーの場合

  • ISO イメージファイルを DVD に焼き、インストーラー (*.EXE) を実行
  • ISO イメージファイルを仮想ドライブとしてマウントし、インストーラー (*.EXE) を実行

image.png

インストールの途中で製品登録画面が出てくると思いますので、ライセンス情報を入力します。シリアルナンバーはカスタマーポータルの登録製品ページでいつでも確認できます。

ここから EDN アカウントを作る事もできるのですが、旧バージョンを取得するのであれば、あらかじめ EDN アカウントを作っておいた方が作業を効率的に行えます。

旧バージョンのインストールに関する注意点

旧バージョンは Web インストーラーが用意されていたとしても ISO イメージからインストールする必要があります。古い ESD 用サーバーが存在しない事があるからです。

また、XE2 以前の製品は %ProgramFiles(x86)%\Embarcadero\Studio\ 以下ではなく、UAC の影響を受けない C:\Embarcadero\Studio\ 等へインストールし、管理者権限で実行するとトラブルが少なくて済むと思います。

image.png

最近のインストーラは [オプション] ボタンでインストール先を変更できます。ちょっと判りにくいですね。

image.png

See also:

GetIt インストーラー

10.4 Sydney 以降ではインストーラーが統合され、インストーラーの種類を切り替える事が可能になりました。

オンライン(ESD)へ切り替え
GetItCmd.exe -c=useonline
オフライン(ISO)へ切り替え
GetItCmd.exe -c=useoffline

ISO でインストールした環境でインストールディスクを挿入 (あるいは ISO をマウント) していないと、[ツール | 機能の管理...] でエラーになりますが、オンラインモードへ切り替える事でこれを回避できます。

image.png

ファイルが更新されている可能性があるので、機能追加はオンラインモードで行なった方がいいかと思います。

8. ライセンス情報の確認

Windows 上でのライセンス情報を確認するには IDE のメニューから [ヘルプ | ライセンスマネージャ...] を表示します。

image.png

IDE が起動しない場合には インストールフォルダ\bin にある LicenseManager.exe を直接起動する事もできます。

See also:

9. 製品のアップデート

アップデータが提供されている場合には必ず適用しておきましょう。

  • メジャーバージョンのアップデートの場合には既存のバージョンと共存できます。 例えば 12.x Athens と 11.x Alexandria は共存可能です。11.x Alexandria を残す事もアンインストールする事もできます。
  • 古い製品を除いて、マイナーバーションのアップデートはアンインストール&インストールです。 例えば 12.0 Athens をインストールしていて 12.1 Athens がリリースされた際には 12.0 をアンインストールしてから 12.1 をインストールする必要があります。
  • アップデータやパッチは EXE や ZIP で提供されており、カスタマーポータルから入手できます。
  • 最近の製品のアップデータやパッチは GetIt パッケージマネージャでインストール可能です。
  • 製品とアップデータやパッチが一緒になったインラインインストーラーという形で提供される事があります。例えば 12.2 Athens Patch 1 はパッチですが、インラインインストーラーなので、適用には 12.x のアンインストール&インストールが必要です。

See also:

おわりに

製品を購入して最新バージョンだけを使う分には特に難しい事はないと思いますが、折角なので旧バージョンのシリアルナンバーを取得しておきたい所です。

ソースコード付きで公開されているソフトウエアや、マイグレーションの際の元プロジェクトを変換なしに開く事ができると作業が捗りますよ。

カスタマーポータル

カスタマーポータル (https://my.embarcadero.com) は各ページに直接リンクできないような気がします。サイト左側にあるメニューアイコンをクリックしてください。

アイコン ページ
image.png アカウント情報
(Account Info)
image.png 登録製品
(My Registered Products)
image.png ネットワークライセンス
(My Network Licenses)
image.png ダウンロード
(My DownLoads)

See also:

  1. 昨年まではアップデートサブスクリプションを継続していました。新規購入が 10 年ぶりになります。

  2. メールアドレスのエイリアスの事。例えば GMail の場合、foo@gmail.com の拡張メールアドレスとして foo+abc@gmail.com が使え、どちらも同じメールアカウントで管理できる。プロバイダによっては +abc 部分を事前に登録しないと使えなかったり、そもそも拡張メールアドレスに対応していない事がある。 2

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