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RAD Studio / Delphi / C++Builder 12 Athens スタートアップ FAQ

Last updated at Posted at 2023-11-14

はじめに

・2023 年 11 月 8 日 に RAD Studio / Delphi / C++Builder 12 Athens がリリースされました。

インストール時のトラブルも出てきたようなのでまとめてみました。

image.png

※前バージョン (11 Alexandria) のスタートアップ FAQ はこちらになります。

FAQ

Q1: インストーラはどこから入手するの?

A1: アップデートサブスクリプション加入者はエンバカデロの登録製品ポータルから入手できます。

エンバカデロの 登録製品ポータル (Registered Products Portal) はこちらです。

■ アップデートサブスクリプション加入者

登録製品ポータルにログインしたら、左側の雲のアイコンをクリックすると My Downloads ページが開き、有効なライセンスの製品をダウンロードする事ができます。

image.png

■ Community Edition ユーザー

Community Edition をお使いの方は、Community Edition ダウンロードページへ行き、ダウンロードを行って新しいプロダクトキーを取得する必要があります。

image.png

何らかの障害でインストーラをダウンロードできなかった場合には、プロダクトキーが送られてきたメールに書かれているダウンロードリンク から Web インストーラ (ESD インストーラ) を再ダウンロードできます。

Community Edition ユーザーも登録製品ポータルを利用可能ですが、登録製品ポータルからダウンロードできるのはパッチ類のみとなります。

Community Edition は最終マイナーバージョン状態のものがリリースされるため、RTM 時に最新バージョンの Community Edition を入手する事はできません。現状では 11.3 Alexandria がベースになっている Community Edition が最新です。

Q2: Web インストーラ (ESD インストーラ) とオフラインインストーラ (ISO) のどちらでインストールすべき?

A2: 回線状況がいいのなら Web インストーラが簡単です。

10.4 Sydney において、インストーラは統合されており、基本的にはどちらも同じインストーラ (ESD インストーラ) となっています。

但し、オフラインインストーラの場合、インストール後に以下の設定を行う必要があります。

■ Delphi (Enterprise 以上の SKU):

[ツール|オプション|Delphi オプション|ライブラリ]で[64-bit Linux]を選択し、"参照パス" に以下を貼り付け。

$(BDS)\source\rtl\common;$(BDS)\source\rtl\sys;$(BDS)\source\rtl\linux;$(BDS)\source\ToolsAPI;$(BDS)\source\IBX;$(BDS)\source\Internet;$(BDS)\source\Property Editors;$(BDS)\source\soap;$(BDS)\source\xml;$(BDS)\source\Indy10\Core;$(BDS)\source\Indy10\system;$(BDS)\source\Indy10\Protocols;$(BDS)\source\fmx;$(BDS)\source\databinding\components;$(BDS)\source\databinding\engine;$(BDS)\source\databinding\graph;$(BDS)\source\data;$(BDS)\source\data\ado;$(BDS)\source\data\cloud;$(BDS)\source\data\datasnap;$(BDS)\source\data\dbx;$(BDS)\source\data\dsnap;$(BDS)\source\data\Test;$(BDS)\source\data\vclctrls;$(BDS)\source\rtl\posix;$(BDS)\source\rtl\posix\linux;$(BDS)\source\data\datasnap\connectors;$(BDS)\source\data\datasnap\proxygen;$(BDS)\source\DataExplorer;$(BDS)\source\Experts;$(BDS)\source\indy\abstraction;$(BDS)\source\indy\implementation;$(BDS)\source\indyimpl;$(BDS)\source\Property Editors\Indy10;$(BDS)\source\soap\wsdlimporter;$(BDS)\source\Visualizers;;$(BDS)\source\data\rest;$(BDS)\source\data\firedac;$(BDS)\source\tethering;$(BDS)\source\DUnitX;$(BDS)\source\data\ems;$(BDS)\source\rtl\net

■ C++Builder:

[ツール|オプション|C++ オプション|パスとディレクトリ|32 ビット Windows]の[コンパイラ]タブにある "システム インクルード パス" に以下を貼り付け。

$(BDSINCLUDE);$(BDSINCLUDE)\dinkumware64;$(BDSINCLUDE)\windows\crtl;$(BDSINCLUDE)\windows\sdk;$(BDSINCLUDE)\windows\rtl;$(BDSINCLUDE)\windows\vcl;$(BDSINCLUDE)\windows\fmx;$(BDSCOMMONDIR)\hpp\$(Platform)

Q3: インストールできる Windows は?

A3: 12 Athens がインストールできるのは Windows 10 以降です。

32bit Windows 10 もサポート外です。

See also:

Q4: インストール先って変更できないの?以前のオフラインインストーラにはあったけど...

A4: インストール先は変更できますが、わかりづらいです。

インストーラの次の画面にある [オプション] ボタンを押します。

image.png

初期状態ではインストール先が C:\Program Files (x86)\Embarcadero\Studio\23.0 になっているので、任意の場所に変更します。

image.png

ちょっとわかりづらいですね。

See also:

Q5: ISO からインストールすると GetIt に接続できないんだけど?

A5: パッケージマネージャをオンラインモードに切り替える必要があります???

以前のバージョンでは ISO からインストールした場合、GetIt で何かをインストールしようとするとエラーが発生するため、手動でオンラインモードに変更する必要がありました。

試した限り 12 Athens ではエラーが発生せず、モード変更の必要はなさそうなのですが、リリースノートにはこの一文が残っています。

オフライン インストーラを使用する場合、RAD Studio は、ユーザーが「オンライン モード」に手動で切り替えるまで、GetIt パッケージ マネージャにアクセスすることができません。これを行うには、GetItCmd.exe ツールを使用することが推奨されます。

オンラインモードにするには次のコマンドを実行します。

GetItCmd.exe -c=useonline

オフラインモードにするには次のコマンドを実行します。

GetItCmd.exe -c=useoffline

GetItCmd.exe<インストールフォルダ>\bin にあります。

気になる方はオンラインモード切替コマンドを実行しておきましょう。

See also:

Q6: インストール後にオプションで機能を追加したくなった。

A6: [ツール|機能の管理...]から[機能マネージャ] を呼び出します。

[ツール|機能の管理...]から 機能マネージャ を開きます。

image.png

See also:

Q7: Professional 版で Linux が選べちゃうけど?

A7: Professional 版で Linux が選べますが、選んでも Linux 開発環境はインストールされません。

残念ながら。

Q8: C++Builder で iOS / Android を選択したのにインストールされないのだけれど?

A8: C++Builder 12 Athens には iOS / Android 開発環境がありません。

残念ながら。

Q9: C++Builder の新しい Clang 15 コンパイラは?

A9: BCC64X.EXE です。

BCC64X はプレビューコンパイラで、IDE に統合されておらず、VCL アプリケーションや Firemonkey アプリケーションをビルドするのに使う事はできません。

Q10: ビルドすると Invalid PLATFORM variable ってエラーが出る。

A10: HP 製の PC で発生する事があります。

以下の記事に従って問題を解決してください。

Q11: 12 Athens をインストールしたら 11 Alexandria の挙動がおかしい...というか OS の挙動がおかしい?

A11: 環境変数 PATH が長くなりすぎてはいませんか?

短くしましょう。

Q12: 以前のバージョンが ISO インストールできた環境に 12 Athens を ISO インストールしようとするとエラーになる。

A12: 要求されるストレージ量が大きくなっています。

一時的に倍近くのストレージ量を必要とします。このため、インストーラの容量チェックはパスするものの、実際にインストールしてみるとエラーになる事があります。製品やエディションにもよりますが、インストール前に 60GB 以上の空き容量を確保した方が無難でしょう。

Q13: リボンコントロール (VCL) ってどこいったの?インストールオプションにもないんだけど?

A13: GetIt で取得できます。

ありますヨ!

image.png

See also:

Q14: 12 Athens で生成された EXE が Windows XP で動作しないのですが?

A14: EXE の動作要件が Windows Vista 以降になっています。

PE ヘッダーの OS バージョンとサブシステムバージョンは Delphi / C++Builder 2009 以降、ずっと 5.0 (Windows 2000) のままだったのですが、Delphi / C++Builder 11 Alexandria において初期値が 6.0 (Windows Vista) に変更されました。これにより生成された EXE が Windows XP で動作しなくなっています。

12 Athens においてサポートされているターゲットプラットフォーム (Windows) は Windows 7 SP1 以降です。

Windows XP での動作が保証される最後のバージョンは Delphi XE2 です。

プロジェクトオプションで PE ヘッダーのバージョンを 5.0 に変更すれば XP / 2000 環境で動作させる事が可能です。

image.png

古いプログラムを最新の Delphi / C++Builder で継続的にメンテナンスしている場合には注意が必要です。

See also:

Q15: GetIt にある FastReport は一つだけですか?

A15: 一つのパッケージに VCL 版と FMX 版の両方が含まれるようになりました。

以前は VCL と FMX で別々のパッケージでしたが、統合されました。

image.png

Q16: Windows 64bit ビルドを実行すると、例外処理で捕捉できないランタイムエラーが発生するのだけれど?

A16: 高エントロピー 64 ビットアドレス空間レイアウトのランダム化 (ASLR) のサポートをオフにしてビルドしてみてください。

11.2 以降で比較的大きな 64bit アプリケーションをビルドすると、例外処理で捕捉できないランタイムエラーが発生する事があります。詳細は不明ですが、回避方法はあります。

image.png

[プロジェクトオプション] を開き、[ビルド > Delphi コンパイラ > リンク] と辿り、[ターゲット] で すべての構成 - Windows 64 ビット プラットフォーム を選択します。高エントロピー 64 ビットアドレス空間レイアウトのランダム化 (ASLR) のサポート のチェックが入っていると思うので、チェックを外して False にします。

image.png

念のため、[ターゲット] で Debug / Release の Windows 64bit も確認してください。チェックを外し終わったら、ビルドして動作確認を行います。

See also:

Q17: RDP (Remote Deesktop) 環境で IDE が落ちる!

A17: デスクトップの配置を "デフォルトレイアウト" に戻してみてください。

[表示 | デスクトップの配置 | デフォルトレイアウト] で戻せます。

デフォルトレイアウトを上書きしてしまった場合には、IDE を閉じた状態で <インストールフォルダ>\bin にある Default Layout.dst%APPDATA%\Embarcadero\BDS\23.0 に上書きコピーしてください。

(RDP 環境に限らず) IDE が落ちて困っている方は "デフォルトレイアウト" の使用を試みてください。

See also:

Q18: IDE 起動時に "パーソナリティ 'Default.Personality' はサポートされていません." が出て何もできなくなる

A18: ウェルカムページが破損している可能性があります。

IDE を起動すると、"パーソナリティ 'Default.Personality' はサポートされていません." が出て何もできなくなる事があります。

image.png

タスクマネージャで BDS.EXE を終了させ、もう一度 IDE を起動してみます。

引き続きエラーが出るようなら、ショートカットに -np を付けて起動します。こうする事で起動時のウェルカムページを表示させなくする事ができます。

image.png

起動後に [表示 | ウェルカムページ] でウェルカムページを表示させます。

ウェルカムページ左下の レイアウトを編集 を押してレイアウトエディタを開き、

image.png

[デフォルトレイアウトに戻す] ボタンを押すか、GetIt 関連のプラグインを削除してみてください。

image.png

[GetIt での新情報] の左にある ⊖ ボタンを押すと行を削除できます。

image.png

See also:

Q19: 実数の計算がおかしい?

A19: 12 Athens からすべてのプラットフォームで浮動小数点例外が無効になっています

12 Athens では Windows VCL / コンソール 環境であっても浮動小数点例外が無効になるように変更されています。このため、例えば 0 除算エラーを try 文でトラップしているコードがあれば、その部分は意図した動作にならない可能性があります。

この仕様を元に戻すには プロジェクトファイルに System.Mathuses し、次の一文をコードのメインコードの先頭に追加します。

uses
  .., System.Math;

begin
  System.Math.SetExceptionMask([exPrecision, exUnderflow, exDenormalized]);
  ...

次のコードと同等です。

uses
  .., System.Math;

begin
  System.Math.SetExceptionMask(exAllArithmeticExceptions - 
                               [exInvalidOp, exZeroDivide, exOverflow]);
  ...

See also:

おわりに

とにかくまずはインストールノートリリースノートをよく読んでください。

その上でなのですが、英語版のリリースノートには日本語版に書かれていない重要な情報がありますので、こちらにもちゃんと目を通すことをオススメします。

情報入手元

FAQ の主な情報入手元です。

サイト 説明
Embarcadero Technologies Home 製品情報があります。
無料版 Community Edition がダウンロードできます。
メンバーサービス アカウントを管理します。
登録製品ポータル 登録されている製品を管理します。
メンテナンスデリバリーポータル アップデートサブスクリプションを管理します。
Embarcadero ブログ ブログです。
開発ツールコミュニティ フォーラムです。
品質ポータル バグトラッカーです。
Embarcadero DocWiki 製品のオンラインドキュメントです。
Embarcadero Support Wiki 製品のサポートドキュメントです。

See also:

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