はじめに
技術評論社の Software Technology シリーズで出ていた Pascal 関連書籍の書評を書きました。
Turbo Pascal (Object Pascal) によるオブジェクト指向プログラミング
そしてこう書きました。
Software Technology シリーズを
Pascal
という観点から見た場合に残念なのは Turbo Pascal 5.5 以降での Object Pascal 拡張部分がキレイに抜け落ちている事ですかね。『はじめての Object Pascal』なんてのがあれば完璧だったのですが。
Software Technology シリーズではないのですが、あるにはあるのです、これが。
番外編 ゲーム&&オブジェクト指向プログラミング
『#20 はじめての Delphi』『#21 Delphi 応用プログラミング』『#22 Delphi オブジェクト指向プログラミング』著者による書籍。こっそり (?) Turbo Pascal 5.5 以降に対応しています。
No | タイトル | 著者 | ISBN-10 (Amazon) |
出版年 |
---|---|---|---|---|
N/A | ゲーム&&オブジェクト指向プログラミング | 塚越 一雄 | 4874085644 | 1993/5/25 |
書評
Chapter 1 が プログラミング・パラダイム
なので嫌な予感 (?) しかしないと思うが、本書は Turbo Pascal にも対応したオブジェクト指向プログラミングの本である。Software Technology シリーズと同じ技術評論社から出版されている。
全体的な構成はヒット&ブローのようなテキストベースのゲームを題材とし、それを C++ (と Object Pascal) のソースコードで説明するものとなっている。奇数章だけを読むとゲーム部分のないオブジェクト指向プログラミングの概念だけを説明したものとなっている。
ゲーム (偶数章) && オブジェクト指向プログラミング (奇数章)
タイトルに偽りはない。
C++ はこの本を出版するためのオマケというか、Turbo Pascal のオブジェクト指向本を書くための隠れ蓑である。この事は『#20 はじめての Delphi』のまえがきにちゃんと書いてある。
C++ でのオブジェクト指向プログラミングを目的として読んだ人には Turbo Pascal のくだりが邪魔だっただろうし、Turbo Pascal でのオブジェクト指向プログラミングを目的として読んだ人には C++ のくだりが邪魔だっただろう。『#9 はじめての Pascal』のように同じ言語ならまだしも、異なる言語だとどうしても冗長に感じてしまう。加えて奇数章/偶数章のギミックがあるのでお世辞にも読みやすいとはいえない。
それでもある程度のまとまりがあるのは、対象言語が Borland / Turbo C++ と Turbo Pascal という Borland 系の言語で統一されているからだろう。
個人的な評価: ★★★☆☆
おわりに
評価が低いのは、今となっては内容がモロ被りしている『#22 Delphi オブジェクト指向プログラミング』を読んだほうが手っ取り早いからです。Pascal 側から読むと微妙かな、と。
ただ、本書を読むと『#22 Delphi オブジェクト指向プログラミング』を読んだ時に「???」となる箇所が減るのではないかとは思います。
See also: