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知識ゼロでknative使ってみた

Last updated at Posted at 2024-06-01

はじめに

kubernetes関連の業務を担当していると時折聞いていたknativeについて今回調べて検証してみました。
knativeの検証はサーバレスの部分のみとし、最近はやっているChatGPT (GPT 4o)を利用してできるだけ楽をします。

Knativeとは

Kubernetes上でのサーバーレス環境を実現するためのソフトウェアです。
主なコンポーネントは以下2つ。 (場合によってはFunctionsが含まれて3つとしていることもあるが、ここでは2つとしている)

  • Serving
    • サーバレスアプリケーションのデプロイを可能にする
    • Servingには主に4つのリソースがある
      • Services
      • Routes
      • Configurations
      • Revisions
  • Eventing
    • イベント駆動型のアーキテクチャを構築する際に利用
      • 今回は検証の対象外
    • Servingの機能を補強するイメージ
      • (イベント駆動型のアーキテクチャとサーバレスの相性がいいためKnativeの主なコンポーネントになっている認識です)

Serving 4つのリソース

  • Services
    • アプリケーションのデプロイと管理のためのリソース
    • Routes, Configurationsを管理する
  • Routes
    • アプリの異なるバージョン(リビジョン)へのトラフィックを制御
  • Configurations
    • アプリのデプロイ設定を保持し、更新時に新しいリビジョンを作成
    • Revisionsを管理する
  • Revisions
    • デプロイされた設定を保持
    • このリソースは不変

image.png
図. Knative Servingコンポーネント
出典:https://knative.dev/docs/concepts/#what-is-knative

上記リソースの関係を文字だけでまとめると以下になります。
Services (管理)-> Routes
Services (管理)-> Configurations
Configurations (管理)-> Revisions

検証準備

ということでKnativeのServingを検証するための環境を構築していきます。
Kubernetes環境を構築するところから始めますが、インストール自体は省略します。具体的なインストール方法については適宜記載するURLを参照ください。

実行環境とソフトウェア

検証に利用したソフトウェアとバージョンを以下に列挙します。また、Container RegistoryにはDocker Hubを使用しました。

実行環境

  • Windows 11
  • wsl ubuntu

利用ソフトウェア

  • knative 1.14.0
  • kubernetes v1.30.0
  • kubectl v1.29.2
  • Docker Desktop 4.30.0
  • docker 26.1.1
  • kind v0.17.0
  • Python 3.11.9
  • Flask 2.2.5 (Pythonのweb framework)

GitHub

今回使う資材は以下に置いてあります。

kindを利用してkubernetesクラスタを構築

kindを使ってkubernetesクラスタを構築します。configファイルを準備すればすぐに作成できます。
kindインストールはこちら:https://kind.sigs.k8s.io/docs/user/quick-start/

kind: Cluster
apiVersion: kind.x-k8s.io/v1alpha4
name: my-cluster
nodes:
- role: control-plane
  image: kindest/node:v1.30.0
- role: worker
  image: kindest/node:v1.30.0

実行します。

kind create cluster --config .\config.yaml

アプリの作成

ChatGPTに「postメソッドで加算する」、「Flaskを使ったPython」を指定してプログラムを出力し、細かいところを修正しただけです。
最終的に以下のようになりました。(ブラウザからの確認用にhello関数を追加してます)

from flask import Flask, request, jsonify

app = Flask(__name__)

@app.route('/add', methods=['POST'])
def add():
    data = request.get_json()
    num1 = data.get('num1')
    num2 = data.get('num2')
    if num1 is None or num2 is None:
        return jsonify({"error": "Please provide num1 and num2"}), 400
    try:
        sum = float(num1) + float(num2)
    except ValueError:
        return jsonify({"error": "Invalid numbers"}), 400
    return jsonify({"sum": sum})

@app.route('/hello', methods=['GET'])
def hello():
    return "hello!"

if __name__ == '__main__':
    app.run(host='::', port=8080)

動作確認です。想定通り動いていることを確認できました。

python add.py
 * Serving Flask app 'add'
 * Debug mode: off
WARNING: This is a development server. Do not use it in a production deployment. Use a production WSGI server instead.
 * Running on all addresses (::)
 * Running on http://[::1]:8080
Press CTRL+C to quit
curl localhost:8080/hello
hello!

curl -H "Content-Type: application/json" -d '{"num1":"4","num2":"5"}' localhost:8080/add
{"sum":9.0}

Knative検証

Knative インストール

まずはKnativeをインストールするところからやります。
今回はKnative-Operatorを使います。
https://knative.dev/docs/install/operator/knative-with-operators/#install-the-knative-operator

kubectl apply -f https://github.com/knative/operator/releases/download/knative-v1.14.2/operator.yaml

# "knative-operator" があるかを確認
kubectl get deployment -A

Serving リソースを使えるように以下のファイルを適用します。

# knativeserving.yaml
apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: knative-serving
---
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1
kind: KnativeServing
metadata:
  name: knative-serving
  namespace: knative-serving
kubectl apply -f knativeserving.yaml

コンポーネントがデプロイされるまでに少し時間がかかるので待機。各コンポーネントは以下で確認可能

kubectl get deployment -n knative-serving
NAME                     READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
activator                1/1     1            1           7d
autoscaler               1/1     1            1           7d
autoscaler-hpa           1/1     1            1           7d
controller               1/1     1            1           7d
net-contour-controller   1/1     1            1           7d
webhook                  1/1     1            1           7d

アプリのデプロイ

Knativeのインストールができたらアプリをデプロイして疎通確認します。
アプリをKubernetes上にデプロイするためにはDocker Image化とそのImageをContainer Registryに格納必要があります。

まずはDockerfileを作成します。
ChatGPTにDockerfileを出力してもらいました。

requirements.txt(Dockerfileのビルドに必要)
Flask==2.2.5
FROM python:3.11-slim

# Set the working directory
WORKDIR /app

# Copy the requirements file to the working directory
COPY requirements.txt .

# Install the dependencies
RUN pip install --no-cache-dir -r requirements.txt

# Copy the rest of the application code
COPY ./src .

# Expose the port the app runs on
EXPOSE 8080

# Define the command to run the app
CMD ["python", "add.py"]

Imageのビルドをします。今回はDocker Hubを利用するので以下のような形式になります。

docker build -t <username>/web-app:v1
docker push <username>/web-app:v1 

※DockerHubの補足。docker imageをアップロードする際にログインが必要な場合は以下の手順でアクセストークンを取得してからdocker imageをアップロードする。
「My Account」 -> 「Security」 -> 「Access Tokens」

# 以下は
docker login -u <username>
Login with your Docker ID to push and pull images from Docker Hub. If you don't have a Docker ID, head over to https://hub.docker.com to create one.

Knativeのマニフェストファイルを作成してアプリをデプロイします。

add.yaml
apiVersion: serving.knative.dev/v1
kind: Service
metadata:
  name: test-web-app-serverless
  namespace: webapp
spec:
  template:
    spec:
      containers:
        - image: <username>/web-app:v1.0.1
          ports:
            - containerPort: 8080
          readinessProbe:
            httpGet:
              path: /hello
              port: 8080
            initialDelaySeconds: 10
            periodSeconds: 30
kubectl apply -f add.yaml

これでKnative上にデプロイされたアプリにアクセスできるようになりました。
kubernetes上に疎通確認用のPodを作成します。

kubectl --rm -it run conn-test --image=nginx -- bash

# 疎通確認
curl http://test-web-app-serverless.webapp.svc.cluster.local/hello
hello!
root@nginx:/# curl -H "Content-Type: application/json" -d '{"num1":"4","num2":"5"}' test-web-app-serverless.webapp.svc.cluster.local/add
{"sum":9.0}

検証は以上になります。
今回はネットワークの設定をしていないので、外部からのアクセスができませんが、Ingressを設定することで外からの疎通も可能です。

まとめと余談

knativeの概要を説明し、実際にkubernetes環境の構築からアプリケーションの作成を含め準備しました。
その後、knativeを使って実際にアプリケーションをデプロイし、疎通確認まで行いました。

余談ですが、当初は一言で言えば「knative with wasmをChatGPTに質問するだけで作ってみた」のような記事を書きたかったです。
しかし、Axumを使ってRustのwebappを作成するところは簡単にできたのですが、それをwasmにコンパイルするのがChatGPTに質問するだけでは難しく、またトラブルシュートもRustの知識がかなりないと厳しかったです。Rust on Wasmはあきらめ、Python on Wasmをpy2wasmを使って実装を試みました。
https://wasmer.io/posts/py2wasm-a-python-to-wasm-compiler
余談の余談になってしまうのですが、pythonの場合はwasmを使うよりもpythonを実行した方がはやいんですかね。上記ページではCpython (Native)がwasmを使った実装よりもパフォーマンスがよい。wasm周りに詳しい方いらっしゃいましたら教えてください。。。

py2wasmでのwasm実装は実行時にエラーが出てしまい、デバッグ方法が全く分からなかったのであきらめました。ChatGPTに聞いてもよい返事を得られませんでした。

$ pip install py2wasm
$ py2wasm <myflaskapp>.py -o <myflaskapp>.wasm  # <-ここまではうまくいく
$ wasmer run <myflaskapp>.wasm  # <- ここで失敗する

という感じでwasmをあきらめて結局knativeの検証となりました。

検証後、knativeについて体系的に理解したいと思い以下の書籍を読みましたが、非常に良かったです。執筆時一部参考にさせていただいてます。

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

参考

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