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エッジプラットフォームとAWS IoT Coreの連携

Last updated at Posted at 2024-03-18

はじめに

以前、二酸化炭素濃度モニタリングリモートデモシステムのデータをSiemensの産業向けエッジプラットプラットフォーム"Industrial Edge"へアップロードしプラットフォーム上で動作するアプリケーションPerfomance Insightで可視化を行いました。
今回、このデータをIndustrial EdgeのCloud Connectorを用いてAWS IoT Coreと連携してみましたので、その方法を紹介します。

構成

今回の構成およびデータフローを図1に示します。
二酸化炭素濃度センサーを用いてデータ(二酸化炭素濃度、室温、湿度)をPLCで取得します。このデータをS7 Connector(S7はSiemens PLCの標準プロトコル)を用いてIE Databusへ送ります。IE Detabusではデータの統合および変換を行いCloud Connectorへ転送します。Cloud ConnectorはAWS IoT Coreとの接続を確立しAWS IoT Coreへデータを転送します。
また、Industrial Edge Device(以下、IEDと略します。)の設定・管理はIndustrial Edge Management(以下、IEMと略します。)で行います。

データフロー図.png
図1. 構成図

構築フロー

構築の流れとしては図2の通りです。
構築順序図.png
図2. 構築フロー

構築手順

具体的な構築手順を以下に記述します。

Industrial Edge SIMATIC S7 Connectorの設定

SIMATIC S7 Connectorの設定手順は以前の投稿で実施しておりますので割愛します。(参考リンク 設定手順 ①項)
SIMATIC S7 Connectorの設定完了後の画面は図3の通りです。
S7 Connector.png
図3. SIMATIC S7 Connector設定

Industrial Edge IE Databusの設定

IE Databusの設定についても以前の投稿で実施しておりますので割愛します。(参考リンク 設定手順 ②項)
IE Databusの設定完了後の画面は図4の通りです。
IE Databus.png
図4. IE Databus設定

※参考リンク
Siemens Industrial EdgeのPerformance Insightによる可視化とNotifierによる異常通知

AWSの設定

データの受信側(AWS)の設定を行います。

  1. AWS Consoleホームから IoT → IoT Coreをクリックします。
    01 AWS_Console Home.png
    図5. AWS Consoleホーム
  2. ナビゲーションペインで設定をクリックします。
    02 AWS_IoT.png
    図6. AWS IoT画面
  3. エンドポイントを確認し、コピーボタンをクリックします。クリップボードにコピーされるので、メモ帳などに貼り付けておきます。この情報はIndustrial Edgeの設定で後ほど使用します。
    次にセキュリティ → ポリシーをクリックします。
    03 AWS_IoT.png
    図7. AWS IoT設定画面
  4. Industrial EdgeがAWS IoT Coreにアクセスするための権限を設定します。ポリシーを作成をクリックします。
    04 AWS_IoT.png
    図8. AWS IoTポリシー画面
  5. ポリシー名に任意のポリシー名(CCC_AWS_Policy)を入力します。ポリシードキュメントでポリシー効果を許可、ポリシーアクションをiot:Connect、ポリシーリソースを*とします。
    新しいステートメントを追加をクリックすると入力行が追加されるので、ポリシードキュメントでポリシー効果を許可、ポリシーアクションをiot:publish、ポリシーリソースを*に指定して、作成をクリックします。
    05 AWS_IoT.png
    図9. AWS IoTポリシー作成画面
  6. CCC_AWS_Policyが作成されました。ナビゲーションペインで管理 → すべてのデバイス → モノをクリックします。
    06 AWS_IoT.png
    図10. AWS IoTポリシー画面
  7. Industrial Edgeと連携するモノを作成します。モノの作成をクリックします。
    07 AWS_IoT.png
    図11. AWS IoTモノ画面
  8. 1つのモノを作成を選択し次へをクリックします。
    08 AWS_IoT.png
    図12. AWS IoTモノ作成画面
  9. 任意のモノの名前(CCC_AWS)を指定し次へをクリックします。
    09 AWS_IoT.png
    図13. AWS IoTモノ作成プロパティ指定画面
  10. 新しい証明書を自動生成(推奨)を選択し、次へをクリックします。
    10 AWS_IoT.png
    図14. AWS IoTモノ作成デバイス証明書設定画面
  11. 証明書にポリシーをアタッチします。項番5で作成したポリシー(CCC_AWS_Policy)をチェックしてモノを作成をクリックします。
    11 AWS_IoT.png
    図15. AWS IoTモノ作成ポリシーアタッチ設定画面
  12. デバイス証明書およびプライベートキーのダウンロードをクリックし保存します。ルートCA証明書に関してはInduatrial Edgeにデフォルトでインポートされているため不要です。
    12 AWS_IoT.png
    図16. AWS IoTモノ証明書ダウンロード画面

以上でAWS IoTの設定は完了となります。
次にIndustrial EdgeのCloud Connectorの設定を行います。

Industrial Edge Cloud Connectorの設定

データの送信側(IED)の設定を行います。

  1. IEMのManagement UIへアクセスします。ブラウザからIEMのIPアドレスにポート番号9443でアクセスします。
    13 IEM Management ブラウザ.png
    図17. IEM Management UI アクセスブラウザアドレスバー
  2. 以下の画面が開きます。右上のSign inをクリックします。
    14 IEM Management home.png
    図18. IEM Managementホーム画面(Sing in前)
  3. 所定の電子メールアドレスおよびパスワードを入力しSing inをクリックします。
    15 IEM Management ブラウザ.png
    図19. IEM Management Sign in画面
  4. ナビゲーションメニューのData Connectionsをクリックします。
    16 IEM Management.png
    図20. IEM Managementホーム画面(Sing in後)
  5. Cloud Connectorをクリックします。
    17 IEM Management.png
    図21. IEM Management Data Connections画面
  6. 以下の画面が開きます。AWS IoT Coreと接続するIEDを選択し、Launchをクリックします。
    18 IEM Management.png
    図22. IEM Management Data Connections Cloud Connector Launch画面
  7. Cloud Connector Configurator画面が開きます。Cloud ConnectorはIEMで設定を作成し、その設定をIEDにデプロイすることでIED上で動作します。Add Topicをクリックします。
    19 IEM Management.png
    図23. Cloud Connector Configurator画面
  8. Cloud ConnectorとIE Databusでデータのやり取りを行うMQTT Topicを指定します。UsernameとPasswordはInduustrial ED IE Databusの設定(図4参照)で作成したものを入力します。Metadata for Subscriptionにはサブスクライブするメータデータを指定します。今回はデータの取得を行うのでie/m/j/simatic/v1/s7c1/dpを選択しました。選択したらList Data Topicsをクリックします。
    20 IEM Management.png
    図24. Cloud Connector Configurator Topic指定画面
  9. トピックの検索が実行されます。
    20-2 IEM Management.png
    図25. Cloud Connector Configurator Topic指定画面
  10. 検索が完了すると実行中インディケータが消えます。List Data Topicsボタンが反転するのでそれをクリックします。
    20-3 IEM Management.png
    図26. Cloud Connector Configurator Topic指定画面
  11. 該当するTopicが表示されるのでチェックボックスをチェックしADDをクリックします。
    20-4 IEM Management.png
    図27. Cloud Connector Configurator Topic指定画面
  12. Select Data Topicsに前項で選択したTopicが表示されるので、SAVEをクリックします。
    20-5 IEM Management.png
    図28. Cloud Connector Configurator Topic指定画面
  13. Cloud ConnectorとAWS IoTを接続するためのCloud Clients設定を行います。Add Clientをクリックします。
    21 IEM Management.png
    図29. Cloud Connector Configurator画面
  14. Client TypeでAWSを選択し、Client Nameは任意の名前を入力します。今回はAWS_IoTとしました。
    22 IEM Management.png
    図30. Cloud Connector Configurator Cloud Client設定画面
  15. AWSを選択することで、以下の画面が展開されます。Thing CertificateにはAWSの設定の項番12で保存したデバイス証明書を指定します。Private Keyには同様にAWSの設定の項番12で保存したプライベートキーファイルを指定します。HostnameにはAWSの設定項番3で確認したエンドポイントを入力します。以上を設定したらSAVEをクリックします。
    23 IEM Management.png
    図31. Cloud Connector Configurator Cloud Client(AWS)設定画面
  16. MQTT Topic(IE Databus)とCloud Client(AWS IoT)の紐づけを行うことで、データのルート(IE Databus---Cloud Connector---AWS IoT)が確立します。Add Routeをクリックします。
    24 IEM Management.png
    図32. Cloud Connector Configurator画面
  17. Route Nameに任意のRoute名を入力します。今回はRoute_for_AWS_IoTとしました。
    25 IEM Management.png
    図33. Cloud Connector Configurator Route設定画面
  18. Route_for_AWS_IoTをクリックすると青色に反転し、TopicとClientが選択可能になります。
    26 IEM Management.png
    図34. Cloud Connector Configurator画面
  19. 作成したTopicとClientのチェックボックスをチェックして、Save Routeをクリックします。
    27 IEM Management.png
    図35. Cloud Connector Configurator画面
  20. 右上にSaved Successfullyと出れば、ルートの設定は完了です。
    28 IEM Management.png
    図36. Cloud Connector Configurator画面
  21. この設定をIEDに適用します。Deployをクリックします。
    29 IEM Management.png
    図37. Cloud Connector Configurator画面
  22. 以下の画面が表示されるので、Deployをクリックします。
    30 IEM Management.png
    図38. Cloud Connector Configurator Deploy画面
  23. 設定の適用が開始します。適用中はDeploy is in progress...と表示されます。
    31 IEM Management.png
    図39. Cloud Connector Configurator画面
  24. 完了するとConfigration is deployed successfullyと表示され、問題なく接続ができていればTopicおよびClientのインディケーターが緑色のチェック表示になります。
    32 IEM Management.png
    図40. Cloud Connector Configurator画面

以上で全ての設定は完了となります。

動作確認

AWS IoT Coreにてデータが取得できていることを確認します。

  1. AWS Consoleホームから IoT → IoT Coreをクリックします。
    33 AWS_Console Home.png
    図41. AWS Consoleホーム
  2. ナビゲーションペインのテスト → MQTTテストクライアントをクリックします。
    34 AWS_IoT.png
    図42. AWS IoT画面
  3. トピックのフィルターに#を入力し、サブスクライブをクリックします。
    35 AWS_IoT.png
    図43. AWS IoT MQTTテストクライアント画面
  4. サブスクリプションに受信データが表示されます。
    36 AWS_IoT.png
    図44. AWS IoT MQTTテストクライアント画面

以下は図44の赤枠部分を拡大したものです。
Cloud ClientのClient ID "AWSIKTEZLD"(図28参照)からデータを受信しており、二酸化炭素濃度、室温、湿度データがそれぞれ確認できます。
37 AWS_IoT.png
図45. 取得データ

おわりに

エッジプラットフォーム(Siemens Industrial Edge)とクラウドプラットフォーム(AWS IoT)とのデータ連携を行うことができました。
拠点ごとに特化した管理・データ分析をSiemens社のエッジデバイスで行い、複数拠点の一括管理・データ分析をSiemens社以外のクラウド基盤(AWS)で行うことができます。。

※ SiemensおよびIndustrial Edgeは、Siemensの登録商標または商標です

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