さくらインターネット - Qiita Advent Calendar 2025 - Qiita 3日目の記事です。
さくらインターネットに出向して4年目になる井田です。
日報置き場に悩んだ結果、plain text形式で管理してLLM活用したら意外と良かったよって話書きます。
課題
現代ではリッチなドキュメント管理ツールが様々あります。私も日報置き場としていくつかのドキュメント管理ツールを試してきました。しかしながら、どれも以下のような一長一短がありベストなツールに悩んでいました。
- Markdownに対応していない
- 共有範囲が限定的
- 特殊なフォーマットでデータ移行が難しい
- 好きなエディタで編集できない
- 柔軟にLLMと連携しにくい
また、そもそも利用するツールが増えるとウィンドウを切り替える手間増えることにも不満がありました。
解決方法
「達人プログラマ」でも推奨されているように、plain text は最強のポータブルフォーマットです。
その思想に立ち返り、シンプルにCLIを組み合わせて plain text として日報管理する仕組みで課題を解決してみようと考えました。
nippo
日報管理リポジトリ名を nippo とし、次の特徴を詰め込みました。
- Markdown形式で日報ファイルを1ファイル/日で管理
- テンプレートファイルから日報ファイルを生成
- GitHubで日報を公開
- LLMと連携し、日報からスプリントレビュー用KPTを自動生成
- タスクランナーとしてjustを採用
- (Makefileでもよかったんですが、そもそもビルド用ツールを都合よくタスクランナーとして使い続けるの見直したい気持ちがあったのでjust採用してます)
以下コマンド例です。
日報を作成
template.md をベースにその日の日報を作成する。
just open
fzfで日報ファイルを選択して編集。
just edit
更新した日報をGitHubにコミット・プッシュ
just taikin
レトロスペクティブ
日報ファイルを qwen-code に読み込ませて振り返り用のKPTを作成。
just kpt <sprint_start> <sprint_end>
このタスクランナーは以下のように定義されている。
kpt sprint_start sprint_end:
qwen -s "今回のスプリントの振り返り用に、日報ファイル(){{sprint_start}} {{sprint_end}})からKPTを生成してください。"
ちなみに qwen-code から さくらのAI Engine を利用しています。
結果どうなのか
2ヶ月ほどこの運用を試していますが、思ったよりもしっくりきています。どのドキュメント管理ツールを使っていても不満やノイズがあるのに対して、このシンプル運用であれ柔軟に不満を解消できる心強さがあります。
plain textであるためプロダクトに依存することなくフォーマットも自由ですし、好きなエディタ(私はneovim)から離れずにコードを書くときと同じ感覚で作業できるのは嬉しい限りです!
そして何よりLLMとの連携が非常にやりやすい!「ただの日報」が「振り返り/ナレッジ資産」に変わる手応えを感じています。
まとめ
当初解決したかった問題はCLIを組み合わせる運用で解決しました。今後はKPTのようなLLMを活用した便利コマンドを追加して、日報データを活用できる機会を増やしたいです。日報を充実させてLLMを活用することで、次回の考査時には自己評価作成楽になるんじゃないかな〜と期待してます。
リッチなドキュメント管理ツールもいいですが、皆様もシンプルさを取り戻してみてはいかがでしょうか?