この記事は さくらインターネット Advent Calendar 2024 Part2 22日目の記事です。さくらインターネットに出向している井田です。
業務内容に関係ないですが、ポモドーロテクニックを利用した作業量分析について共有します。
ポモドーロテクニックとは?
ポモドーロテクニック知ってるよって方は飛ばして大丈夫です!
ポモドーロテクニックとは「集中作業時間」と、「短い休憩時間」を交互に実施することで集中力維持やモチベーションの向上、時間あたりの生産性改善を目指す時間管理術です。制限時間を設けることで時間内にタスクを終える意欲や達成感が高まり、適度な休みを取ることで脳や身体への疲労やストレスを軽減できるというメリットがあります。また、「25分だけ集中すれば休憩!」という心理的な区切りが、作業に取り掛かるハードルを下げることに役立ちます。
具体的な実施方法
一般的に以下のサイクルを繰り返します。各フェーズではタイマーを設定し、タイマーが鳴ったら次のフェーズに移ります。「集中作業」の時間をポモドーロと呼びます。
- 集中作業(ポモドーロ): 25分
- 短い休憩: 5分
- ポモドーロを4つこなしたら長い休憩: 15分-30分
ポモドーロの途中で急用が入りタスクを中断した場合は、タイマーをリセットして、そのポモドーロをやり直します。
ポモドーロテクニックの真価
ポモドーロテクニックは集中を維持するためやタスクに取り掛かるハードルを下げるために利用されるという認識が一般的であるように見受けられますが、メリットはそれだけではありません。
「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の第38章ではポモドーロテクニックの応用方法について言及されていました。目から鱗の使い方だったので引用して紹介します。
ポモドーロテクニックの本当の力は、作業量を見積り、計測するためのツールとして使った時に現れる。一日に実行したポモドーロの数を記録し、1日にどれぐらい一生懸命仕事をしたか、自分の本当の能力はどれだけかを正確に測れるようになる。
そうです。こなしたポモドーロを記録することによって、自身の作業量を可視化し、作業量の見積もりに役立てることができるのです!
この応用手法は以下のケースに役立ちます。
- 「もっと多くの仕事をこなせたはずだ」という罪悪感を抱えがち
- 仕事した実感が湧かない
- 一週間の作業量を見積もりたいが、基準がない
このような問題は消化できたポモドーロを記録することで解決できる可能性があります。
以下で、実際にやってみましょう。
実践
とりあえず1ヶ月ほど実践してみました。
自分が利用する道具
利用するツールなどはあくまで自己流なので、自分の好みに合わせて自由に記録してみましょう。キッチンタイマーと紙とペンでも十分です。
KanbanFlow
カンバンとポモドーロタイマーが一緒になっているタスク管理ツールです。ポモドーロテクニックを活用する上で便利。タスクが中断した場合の中断理由も記録して分析できたりと多機能。
KanbanFlow - Lean project management. Simplified.
Notion
言わずと知れたドキュメントツール。KanbanFlowにも消化したポモドーロの統計ページはあるが、NotionのDBやチャート機能の方がカスタマイズできて良い。
Wiki、ドキュメント、プロジェクトがつながるコネクテッドワークスペース | Notion (ノーション)
記録の取り方
私はKanbanFlowにタスクを追加し、必要なポモドーロ数の見積もりを記載しています。KanbanFlowのタイマーを使ってポモドーロを記録していきます。途中で割り込みが入ったり集中が切れたら潔くタイマーを止めます。
私はNotionに簡単な日報を書いているので、そのデータベースに消化したポモドーロ数を記録しています。リモート勤務と出社時の集中力の違いも気になったので、それ用のプロパティを作成しました。
可視化
Notionのチャート機能を使って棒グラフで可視化してみました。
日毎のグラフ
日毎のグラフ(出社 or リモート)
週毎のグラフ
考察
残業
※定時を過ぎての作業有無はNotionに記録しておりません。
出社して残業した翌日は、パフォーマンスが大きく低下する傾向にありました。次の日に向けて体力を温存させることが重要なのかな?
出社 vs リモート
意外な結果でした。リモート平均: 4.44、出社: 5.58でした!そんなに変わらないw てかもっと集中してw
曜日毎の比較
木曜日、金曜日は比較的会議が多くあまり作業時間が取れません。それがグラフからも読み取れます。しかし、不思議と木金の方が「仕事してる感」はありました。おそらくですが、会議によって「やってる感」を感じてしまっているだけなのかな?裏を返せば月曜日は能率上がらないから全然仕事してないと思っていましたが、意外と健闘していますね。週の最初の方でがっつり作業して逃げ切る戦法とかありかも。
まとめ
ポモドーロ記録を使って作業量を可視化することによって、自分の「やってる感」と実際の作業量の乖離を再確認することができました。また、この記事では触れませんでしたが各タスクの見積りの誤差を分析することで、今後の見積り精度向上に貢献できると思います。皆様もぜひお試しください。