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コスト的にオススメのLLM APIを探す(2026年8月版)
2025年8月の調査から約1年が経過しました。2026年8月現在、主要AI各社のAPI料金体系および今年急速に存在感を増した中国系LLM APIについて、横断的な価格調査を実施しました。
今回の記事でも、実際の運用を想定して
- 「コストパフォーマンス」を基準に考えました。
一般テキスト生成(チャット/会話/コード作成など)を想定し、安価で実用的なモデルを優先しています。
※比較を分かりやすくするため、本記事の概算円は原則として「1M入力+1M出力」の仮想ワークロードで計算しています。実際の費用は入力/出力比率、コンテキスト長、キャッシュ命中率、Batch利用、時間帯などで大きく変わります。
※ユースケースが特殊(画像生成・音声・動画・長文埋め込み)な場合は順位が変わる可能性があります。
※為替レートは 1 USD = 159円、1 CNY = 24円(2026年8月時点の目安)で計算しています。
この1年で何が変わったか?(2025年8月 → 2026年8月の変化)
この1年間の変化を一言で言うと、**「旧世代の格安モデルが維持・移行期に入る一方、新世代モデルの登場・価格帯の細分化・プロンプトキャッシュや時間帯割引の高度化が進んだ」**と言えます。
主な変化のポイントは以下の通りです。
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最安級モデル(GPT-5 nano / Gemini 2.5 Flash-Lite)の現状と世代交代
2025年当時の最安モデル(GPT-5 nano: $0.05/$0.40、Gemini 2.5 Flash-Lite: $0.10/$0.40)は料金が据え置かれています。ただし、GPT-5 nano は 2026年12月11日に提供終了(shutdown)が予告されており、新規・長期運用では後継の GPT-5.6 Luna 等への移行を見据える必要があります。 -
モデルの世代交代スピードの加速
Gemini 2.0 Flash が 2026年6月1日に提供終了となったほか、OpenAIはGPT-5.6シリーズ、AnthropicはClaude 5シリーズへと進化しました。モデルの世代交代が速く、1〜2年以内に置き換え・終了となるモデルも珍しくなくなっています。 -
Anthropicの価格構造の変化
Claude Haikuシリーズは世代交代に伴い安価枠(Haiku 3)が終了し、現行Haiku 4.5($1.00/$5.00)へと移行した一方、最上位モデルのOpus系は Claude Opus 4.5 登場時に旧Opus 4.1($15/$75)から $5.00/$25.00 へと3分の1に大幅値下げされ、現行の Opus 5 でも同価格が維持されています。 -
DeepSeekのV4移行と時間帯割引(オフピーク)の定着
DeepSeekはV4へ移行し、ピーク/オフピーク(50%オフ)の価格体系が提供されています。 -
中国系LLM APIの台頭(無料〜超低価格モデルの登場)
智譜AIの「GLM-4.7-Flash」(公式無料モデル)やByteDanceの「Doubao-Seed-2.0-mini」(最短コンテキスト時 1M入力+1M出力で約53円〜)など、従来の米国系主要APIを下回る超低価格帯の選択肢が広がっています。
2026年8月 最新API価格比較表
以下は主要モデルの入力・出力価格の一覧です(1MトークンあたりのUSD/CNY表記および、1M入力+1M出力を実行した際の概算日本円)。
1. 従来主要4社(OpenAI / Google / Anthropic / DeepSeek)
| 会社 | モデル名 | 入力価格 (USD/1M) | 出力価格 (USD/1M) | 1M入力+1M出力 (概算円) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| OpenAI | GPT-5 nano | $0.05 | $0.40 | 約72円 | オンデマンド最安級。2026/12/11 提供終了予定 |
| Gemini 2.5 Flash-Lite | $0.10 | $0.40 | 約80円 | Free Tierあり、多モーダル対応 | |
| DeepSeek | V4 Flash (オフピーク) | $0.007 (hit) / $0.22 (miss) | $0.66 | 約106円〜140円 | 日本時間 0–10時 / 13–15時 / 19–24時がオフピーク |
| DeepSeek | V4 Flash (ピーク) | $0.014 (hit) / $0.44 (miss) | $1.32 | 約212円〜280円 | 日本時間 10–13時 / 15–19時がピーク |
| OpenAI | GPT-5.6 Luna | $0.20 | $1.20 | 約223円 | 2026年5.6世代軽量モデル(短コンテキスト時。長コンテキストは別料金) |
| Gemini 3.1 Flash-Lite | $0.25 | $1.50 | 約278円 | 2026世代の最新Liteモデル(標準テキスト料金) | |
| Gemini 3.7 Flash | $0.75 | $3.75 | 約716円 | 2026年12月31日までの期間限定特別価格 | |
| Anthropic | Claude Haiku 4.5 | $1.00 | $5.00 | 約954円 | Haiku最新版。精度は高いが旧Haikuより高単価 |
| Anthropic | Claude Sonnet 5 | $2.00 | $10.00 | 約1,908円 | 高性能帯として標準的な主力モデル |
| Anthropic | Claude Opus 5 | $5.00 | $25.00 | 約4,770円 | 最上位。Opus 4.5以降の $5/$25 を維持 |
2. 中国系API(GLM / Doubao / Qwen / ERNIE / Kimi 他)
| 会社 / プラットフォーム | モデル名 | 入力価格 | 出力価格 | 1M入力+1M出力 (概算円) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 智譜AI (Zhipu) | GLM-4.7-Flash | 無料 | 無料 | 0円 | 公式「無料モデル」、200K context |
| Baidu (千帆) | ERNIE-4.5-Turbo [Batch] | 0.32 CNY | 1.28 CNY | 約38円 | 非同期Batch利用時(通常価格の60%オフ) |
| ByteDance (火山方舟) | Doubao-Seed-2.0-mini | 0.2 CNY〜 | 2.0 CNY〜 | 約53円〜約211円 | 入力長による段階料金(Cache hit: 0.04 CNY〜) |
| 智譜AI (Zhipu) | GLM-4.7-FlashX | 0.5 CNY | 3.0 CNY | 約84円 | 200K context対応軽量モデル |
| Baidu (千帆) | ERNIE-4.5-Turbo | 0.8 CNY | 3.2 CNY | 約96円 | 通常オンライン従量料金 |
| Alibaba (Model Studio) | Qwen3.7-Plus | 1.6 CNY | 6.4 CNY | 約192円 | ≤256K・20%割引適用時(Global/Japanで条件差あり) |
| MiniMax | MiniMax-M2.7 | 2.1 CNY | 8.4 CNY | 約252円 | 約60 tokens/sの高速応答 |
| Moonshot AI | Kimi K2.7 Code | $0.95 | $4.00 | 約787円 | コード特化型、256K context(Cache hit: $0.19) |
| Alibaba (Model Studio) | Qwen3.8-Max | $1.65 | $4.95 | 約1,049円 | 最新フラッグシップ。1M context対応(Cache input: $0.206) |
| Moonshot AI | Kimi K3 | $3.00 | $15.00 | 約2,862円 | フラッグシップ多機能モデル、1M context(Cache hit: $0.30) |
オススメのAPI比較&見方
視点1:従来の主要4社(OpenAI, Google, Anthropic, DeepSeek)で選ぶなら
「実績と信頼性のある主要米国系・グローバルAPI」の範囲で考える場合、用途に応じて以下の選択がおすすめです。
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短期的な絶対単価最安: OpenAI の GPT-5 nano
- 理由: 入力$0.05 / 出力$0.40 と、有料オンデマンドの単価比較では最安級。
- 注意点: 2026年12月11日に提供終了(shutdown)が予定されているため、これから新規に構築する長期運用システムでは、後継の GPT-5.6 Luna 等を前提に設計するのが安全です。
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最新世代×コスパ・バランス派: OpenAI の GPT-5.6 Luna または DeepSeek V4 Flash
- 理由: GPT-5.6 Luna は短コンテキストで $0.20/$1.20 と最新世代として非常に高コスパ。DeepSeek V4 Flash はオフピーク時間帯(日本時間 0–10時、13–15時、19–24時)かつプロンプトキャッシュ命中時の入力単価($0.007/1M)が極めて安価です。
- 向いている人: 2026年の最新AI性能を享受しつつ、コストを低く抑えたい開発者。
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多機能・無料枠重視: Google の Gemini 2.5 Flash-Lite / 3.7 Flash
- 理由: 依然としてFree Tier(無料枠)が存在するため、小規模検証なら手軽に利用可能。また Gemini 3.7 Flash は2026年12月末まで導入特別価格($0.75/$3.75)で提供されています。※検索連携(Grounding)等を利用する場合は別途追加料金や個別条件が適用されるため確認が必要です。
- 向いている人: マルチモーダル処理、プロトタイプ開発。
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精度重視・ビジネスユース: Anthropic の Claude Sonnet 5
- 理由: Haiku 4.5($1/$5)に対して、Sonnet 5($2/$10)は高性能帯として非常にバランスが取れています。旧Opus 4.1時代の高価格帯と比べると、上位モデルの実用的な採用ハードルが大きく下がりました。
視点2:中国系APIも含めて検討する場合の見方
2026年は中国系APIが本格的に実用段階に入り、コスト競争が激化しています。
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「従量料金なしで試す」なら: 智譜AI (GLM-4.7-Flash)
- 2026年8月時点で公式に「無料モデル」として提供されており、200Kコンテキストに対応しています。検証・テスト用途として非常に扱いやすい選択肢です。
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「低価格な有料従量(リアルタイム)」なら: ByteDance (Doubao-Seed-2.0-mini)
- 最短コンテキスト帯であれば 1M入力+1M出力で約53円(0.2元/2元)から利用可能で、通常従量APIの最低価格帯として強力です(※入力長によって段階的に単価が上がります)。
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「非同期大量処理(Batch)」なら: Baidu (ERNIE-4.5-Turbo)
- 通常料金(0.8元/3.2元)も手頃ですが、リアルタイム性を求めないバッチジョブであれば Batch API の適用により 0.32元/1.28元(1M入力+1M出力で約38円)まで下がります。
⚠️ 中国系APIを検討する際の注意点
- 「中国系=すべて激安」ではない: Kimi K3($3/$15)のように長文・マルチモーダル対応の最上位フラッグシップモデルは高価格帯です。
- 定額制プラン(Coding Plan等)の利用規約: Alibaba Cloud Coding Plan などの定額プランは対話型開発ツールでの利用を想定しており、アプリのバックエンドからの自動・非対話的API呼び出しが制限・禁止されている場合があります。通常の従量課金APIとの規約の違いに注意してください。
- リージョンとデータ配置条件: Alibaba Cloud Model Studio のように東京から利用できるエンドポイントもありますが、「Global deployment」と「Japan deployment」では適用料金やデータの取り扱い条件が異なる場合があるため、企業利用時は事前の確認が必須です。
2026年8月版 総合まとめ&おすすめ
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とにかく「無料」枠で検証・試作したい
👉 GLM-4.7-Flash(公式無料モデル) または Gemini 2.5 Flash-Lite(Free Tier利用) -
主要米国系APIで手軽に最安運用したい
👉 OpenAI GPT-5 nano(短期的な単価重視) / 長期運用を見据えるなら GPT-5.6 Luna -
2026年の最新モデルをコスパ良く使いたい
👉 OpenAI GPT-5.6 Luna($0.20/$1.20 ※短コンテキスト) または Gemini 3.7 Flash(年末までの特別価格) -
長文RAGやオフピーク処理を安く回したい
👉 DeepSeek V4 Flash(オフピーク時間帯&プロンプトキャッシュ活用) -
同期・非同期を問わず本記事の比較条件内で最低コストを追求したい
👉 リアルタイム従量なら ByteDance Doubao-Seed-2.0-mini(約53円〜) / 非同期なら ERNIE-4.5-Turbo [Batch](約38円)
個人的な感想
1年前と比べ、2026年の現在では単なるベース単価の比較にとどまらず、「プロンプトキャッシュの活用」や「オフピーク(時間帯割引)の利用」、さらには「バッチモード(非同期割引)」の組み込みが、コスト削減の当たり前のテクニックになりました。
特にプロンプトキャッシュは、同一のシステムプロンプトや参照文書を繰り返し再利用するタスク(RAGや反復的なコード解析など)において、DeepSeekやQwen、GPT-5.6などで大幅なコスト削減を実現してくれます。
単に「1トークンいくらか」という表上の数字だけでなく、同一プレフィックスの再利用率を高められるか、バッチ処理に回せるタスクかというシステム設計上の工夫を凝らすことで、2026年のLLM APIは1年前よりもはるかに安く、そして賢く運用できるようになっています!