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ArduinoAdvent Calendar 2015

Day 23

安価な Arduino 互換機たち

Last updated at Posted at 2015-12-22

Arduino は「Arduino」という名前は商標で守られていますが、回路図、基板図、ブートローダ、ファームウェア等々はオープンソースハードウェア、ライセンス的には CC-BY SA で公開されているため、商用として同等製品を作って売ることや、好きに変更して売ることが可能です。

そのため、オフィシャル設計に代替チップを載せた安価なハードウェアや、同等のチップやブートローダで構成されているけど、オフィシャルラインナップには無いハードウェア等々、様々な Arduino 互換機が売られています。

20151220-DSC04722.jpg

本エントリーでは、私が購入してた安価な Arduino 互換機を ebay.com の購入リンクと一緒に紹介します。なお価格は特に記載が無い限り、2015年12月時点(1USD = 121.1円)の価格で、日本への送料無料です。

SainSmart Uno

20151220-DSC04676.jpg

SainSmart は日本の Amazon にもショップを持つ、大手(たぶん…)の基板開発元です。シリアルUSB変換チップも安価な代替品を使っておらず、本家と同等の Ateml ATmega16U2 を使っています。

本家との違いは、本家の Arduino Uno R3 はピンソケットに解りやすい印刷があるのですが、SainSmart UNO にはありません。

SainSmart Uno (Starter Kit)

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こちらは SainSmart 社が出している Starter Kit に同梱されている UNO です。単体で買うと高い…。通常の UNO の取り外し可能な DIP ではないマイコンのATMega328P-AUがのっています。また各種 GPIO の横にピンヘッダが出ており、通常のポートの他 VDD と GND のピンが沢山はえていること、電源横のスイッチで電圧を5V(標準)と3.3Vに切り替えられることが特徴的です。

SainSmart Mega 2560

20151220-DSC04680.jpg

名前の通り、Arduino Mega 2560 の互換品です。なお Arduino Mega 2560 はマイコンに Amtel ATMega ATmega2560 を利用しており、 GPIO が沢山あるのでマイコンで沢山制御をしたい場合に利用します。

ちなみに私が購入した物は、DCアダプタ用ジャックがそこそこ曲がっていました…。

ノーブランド Uno

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NHduino UNO と基板上に書かれたノーブランドの Uno です。安価な製品になるとUSBシリアル変換チップに OSX でドライバーなしで使える ATmega16U2 や FTDI などメジャーなチップはのっておらず、OSX の利用では癖のある CH340Gがのっていることが多く、ご多分に漏れずこの Uno も CH340G でした。

そして CH340G なのは別にかまわないんですが、Uno と大きく違うところが USB コネクタが Mini-B なところ!えええ、どうせ小型にするなら Micro-B にしてよというトホホな感じですね…。

他にも気になる点としては、電源オン時の LED が淡い黄緑から強い赤に変わっていることでしょうか。暗い場所では赤の光量が強すぎて、個人的には好きではありません。

また基板上の回路レイアウトもオフィシャルの Uno とは、ATMega328P-AU を使ってるからか異なります。

ただし安い。

ノーブランド Mega

USBシリアル変換チップが CH340G、基板配線が違う、オンボードLEDの色が違う(今度は13ポートのオンボードLED まで赤になっていた)のは想定内でした。しかし普通に Arduino IDE で Mega を選んでコンパイルしてアップロードしようとすると失敗する… oh 何故だ…。

とよくよく基板を見てみると、外部クロックが 12MHz だよこれ!!!通常の Mega 2560 は 16MHz のクロックを使ってるので、うまくいかないはずですね…。

20151220-DSC04692.jpg

手っ取り早く設定でクロックを変えられる PlatformIO を使い board_f_cpu = 12000000L を指定することで、問題なく(?) 動かすことが出来ました、めでたしめでたし。

しかし商品ページに 12MHz のクロックを使ってると明記されてるわけでも無いし、外部クロックの 16MHz と 12MHz がコストを大きく削減されるほど差があるわけでは無いので、普通に間違って生産しちゃったてへっ、というパターンなんじゃ無いだろうか…。

ノーブランド Nano

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USBシリアル変換チップが CH340G、基板配線が違う、オンボードLEDの色が違う(強い赤)以外はオフィシャルの Nano とほぼ同等に使えます。10個買って(それでも2,800円…)6個使いましたが、どれも特に問題なく使えてます。

本家の Nano 自体が USB コネクタが Mini-B なので、Micro-B に比べて汎用性が低い部分は残念ですが、1個300円弱という値段のバランスを考えると、とりあえず AVR マイコンで何かしたいときに使い勝手が良く、個人的にはイチオシです。

なおピンヘッダは同梱されてますが、ハンダ付けが必要です。

ノーブランド Pro Mini っぽいけど Nano V2

Arduino Pro Mini は USB シリアル変換機がついておらず、その代わりかなり小さなサイズの Arduino です。

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そんな Pro Mini 互換機が 5つで 1,010円!というわけで内容を良く確認せず買ってみたら、まずチップが ATMega328 ではなく ATMega168 だったことにがっくり、そして Pro Mini 互換機(サイズ的には Pro Mini )ではないことにがっくり…。商品タイトルが "Pro Mini Atmega168 5V 16M For Arduino Nano replace Atmega328" だったのでよく考えるべきだった…。がっくり度高し。

IDE のボード設定は Nano や Mini で、プロセッサを ATMega168 にすることでコンパイル & 書き込みがうまくいきます。

ノーブランド Pro Micro

20151220-DSC04703.jpg

Pro Micro はオフィシャルな Arduino ラインナップには無い、SparkFun が販売している Arduino Leonardo 互換機です。Arduino Pro Mini のチップを USB 関連の機能が無い ATMega328p から USB 機能がある ATMega32u4 に変え、Micro USB のインターフェイスをつけた、小型でバランスの良いボードですね。

そのさらに互換機がこちら。Pro Micro には 3.3V/8MHz と 5V/16MHz なタイプがあるみたいですが、こちらは 5V/16MHzでした。

ノーブランド LilyPad

LilyPad はウェアラブルな位置づけの Arduino で、特徴的な GPIO に現れてるように導電糸で縫い付けてつかったりします、たぶん。

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で、届いて最初に思ったのが思っていたサイズより大きいこと。これは互換機がというより、LilyPad 自身がもっと小さい物かと勝手に思っていたけど意外と大きかった。また、基盤の断面の処理が粗く、手に引っかけると普通に痛いのでやすりで磨くことが必要そう。そして写真のとおり、LilyPad Arduino と互換機なのに入っていて、販売元がライセンス的にまずい感がありますね…。eBay の商品写真上だとのってないのに…。

ボード自体は問題なく動いてます。

USB に直接刺せる Leonardo 互換機

小型の USB に直接させる Leonardo 互換機。Leonardo 互換機、すなわち ATMega32U4 なので USB シリアル変換がマイコンで可能なため、刺すだけで開発できます。

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そして Leonardo は USB のキーボード・マウスデバイス(HID)としてドライバいらずで認識させることが出来るので、さすだけでマウスカーソルを動かしたり、キーボードから自動入力するプログラムを作ることが出来、嫌がらせからマクロ的な操作まで、いろんなことができるのが面白いですね。

コンセプト的には digispark に似てるんだけど、ハードウェアはだいぶ違うし、どこかの互換機のコピー品かと思ったんだけど見つからなかったです。オリジナルの情報を知ってる人が居たら教えてください!

おわりに

本エントリーでは、安価な Arduino 互換機を中心に紹介しました。ebay を利用することで、中国から気軽に購入が出来、届くまでに 1~3 週間程度かかるとはいえ、安価に互換機を購入できます。

実際に買ってみると、クロックが違ったり等々はありましたが、そもそもハードウェアがおかしくて使えない商品は今のところ運が良いのかどうか解りませんが、当たっていません。

また ebay で購入するときに paypal を決済に利用することで、ebay と paypal のバイヤープロテクションを利用することでき、トラブルの時に解決がしやすいとのことです。(私はトラブルにまだ当たったことが無いので解りませんが…)

正規品は正規品でオフィシャルのサポート等々が受けられる、品質良い(たぶん…)等のメリットがありますが、互換機は互換機で安さが魅力です。また安いが故に、壊れる可能性がある用途にもどんどん使っていけます(もう2枚は高電圧をかけ壊しました…)。

まず正規品の Arduino に慣れたら、用途によっては互換機を使ってみると良いのでは無いのでしょうか。このようにいろいろな互換品が登場するのも、Arduino・オープンソースハードウェアならではの面白さですね。

なお SainSmart の Uno 互換機と、ノーブランド Nano は個人的に多用してるので、手元にいくつか置いてあると便利でおすすめです :dancers:

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