はじめに
前回こんな記事を書いてみました「まだGoogle翻訳で消耗してるの?」。
今回は今高い翻訳能力で話題のDeepLを前回の記事に沿って精度を見ていきたいと思います。
著者紹介
略歴
20才で高専の電気情報工学科を卒業後、技術商社で仕様書などの翻訳、海外メーカ来日時の通訳、法人営業などを行いながら、土日9時間と平日の1時間の英語の自己学習を1年ほど継続しTOEIC900超え、IELTS7.5を取得しました。
その後、ちょっと留学してみたいと思いマレーシアへ会計専攻で留学、留学前から久々にやりたかったプログラミング勉強も同時に開始し、友人などの知り合いから案件を少しずつ頂きはじめました。
在学中マレーシアで英会話講師とプログラミングの仕事を受け始めて収入が安定し、プログラミングにハマりでしたので大学中退し帰国、本格的にプログラマーとしてAIのモデル開発(python)、iOSアプリの開発(swiftUI)、そしてwebアプリケーション開発(django/flask)の仕事を頂いてきました。来年からは海外で仕事を始める予定をしております。
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前置きが長くなりましたが、本題に入っていきたいと思います!
目次
- Google翻訳との比較
- 1.日本語独自の表現
- 2.英語独自の表現
- 3.細かなニュアンス
- 終わりに
Google翻訳との比較
1. 日本語独自の表現
前回の記事で使用した文章を使いまわしていきたいと思います。
まずはGoogle翻訳の結果がこちら。

はい、
何に対する感謝やねん!というツッコミを入れたくなりますよね。
まず始めに注目頂きたいのはこちら
DeepL
My name is Tanaka, and I'm a new employee
Google
I am Tanaka, a new employee
こちらは簡単な英文なのでこれだけでご理解頂けると思いますが、DeepLの方が明らかに文章として正しくなっています。and I'm a new employeeとかなり口語的に自然な形で表現されているとことが注目ポイントです。
そのあとのよろしくお願いします。 については、潔く、英語にない表現はバッサリ省いて翻訳されましたね。これはある意味、正解かもしれません。
ただ、読点(、)を句点(。)に変換した場合は、下記のように翻訳されました。

だから、何に対する感謝やねん!
私であれば、I look forward to working with youなど話し相手との関係性や雰囲気に応じて言う内容を変えますが、コンテキストを与えられていないのであれば、やはり翻訳は難しいと思います。
2. 英語独自の表現
はい、なんのこっちゃねん。という感じですね。
!?!?
さらに訳が分からなくなりました。〜していてもという言葉はなぜ現れたのでしょうか?
まだDeepLへの学習が足りていないのか、こちらはGoogle翻訳の勝利と言えそうです。
3. 細かなニュアンスは伝わりきらない
こちらのAIフレームワークに対するGithubにあったコメントを翻訳していきます。

....
はい、前回の記事で詳しく解説しましたが、相変わらずモーセしちゃってますね。
続いてDeepL
おおおおっ!?
いくつか気になる点がありますが、まず始めに
Caffe is the mose silliest python module I have ever seen.
に対する翻訳、
Caffeは私が今まで見た中で最も愚かなpythonモジュールです。
ですが、こちらが素晴らしい出来かと思います。注目すべきはtypoとなるmoseを最上級の手前で使用されたことからmostのtypoであることを認識し、正しい日本文へ翻訳できています。
次に、日本語独自表現同様、ある部分を大幅にカットしちゃっています。こちらでのページでは長い文章だと省略しちゃうのでしょうか?細かく切って、試してみます。
むむむ??ちょっとひどいで翻訳が出てきちゃいましたね。分解していきましょう。
It has been two days I spent my time to install this stupid module
それは私はこの愚かなモジュールをインストールするために私の時間を費やした2日間されています
はい、原文を読まないと何が言いたいか意味が分からないですね。今回はただのgithubのコメントなのでまだしも、これがドキュメントの重要な部分だとすると致命的です。
こちらですが、私の翻訳としては
このクソモジュールをインストールするのに二日間も自分の大事な時間を費やしてもうたわ
って感じです。
ポイントは単にインストールに二日間かかったと表現したい場合は、I spent 2 days to install xxxだけでいいのですが、わざわざmy timeと言ったり、it has been 2daysと時間の経過を伝えたりしているので大事な時間という表現を使用し、怒りを表すためにしてもうたわという関西弁に翻訳しました。(私が関西出身だから使いたいだけです。)
続いて下記の文
facing numerous issues, errors you name it.
多数の問題に直面して、あなたはそれに名前をつけるエラー
ん〜、惜しい。多数の問題に直面してまでは良かったのですが、あなたはそれに名前をつけるエラーってなんでしょう??
一応ですが、faceというのは 直面する、you name itというのは、思いつくものはなんでもみたいな意味です。
つまり自然な形の文章に翻訳するとイシューやらエラーやらなんやらいろいろありすぎやねん!って感じです。faceと調べると直面するとよく出ますが、こういうコンテクストで直面するって言わないので、ただ存在する、ある、とは違った表現として、ありすぎやねんを採用しました。
んー、DeepLもまだまだ問題があるようですね....
4. 終わりに
いかがだったでしょうか?DeepLすごい!これからこれ使えば無敵だ!と英語学習0の人が思っているかもしれませんが、蓋を開けたらこんな感じということがわかりました。
読みたい英語文献に対してある程度すでに理解があればあなたの頭にあるコンテクストが誤訳を正してくれるかもしれませんし、技術書を理解しなくてもいいけど、雰囲気わかりたいレベルであればこれでも問題ないのかなと筆写的には思いました。
しかし、リーディングはなんとかなってもやはり、対人でのメールや会話などのコミュニケーションや、ライティングに関してはまだまだ機械まかせでは難しいかなと思います。
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