VSCodeとマークダウンでEPUB、pdf出力を活用する(3)-AIを利用した推敲
前回は、マークダウンを書籍の出版へ応用する場合の、表現の問題点についてお伝えしました。
そして、VSCode、markdown-preview-enhanced(MPE)で問題に対応するJavaScriptのサンプルを紹介しました。
今回は文章の推敲について解説したいと思います。
推敲の種類
文章の修正を重ねて良くすることを推敲と言います。
さらに以下のような作業に分類されます。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 校閲 | 文章や画像が伝えている内容が正しいことをチェックします |
| 添削 | 文章を読みやすくしたり、パブリックな文書として炎上するような表現を修正します |
| 校正 | 誤字、脱字、表現のゆらぎなど、文章表現のミスを修正します |
校閲では、客観的に確認される事実なのか、著者の意見なのかを区別し、誤った内容を伝えないよう文章や図を修正していきます。
事実であれば「です」と言い切る文章になり、著者の意見であれば「考えられます」「思われます」という文章になります。
添削では、文章を自然な流れで読み進められるように、言葉の使い方を修正します。
著者の主観から来る強い表現など、社会的に問題になる文章も修正します。
校正では、プレビューや校正刷りを一通り見ながら、文章の誤りを修正します。
誤字、脱字、表現の揺らぎを解決します。
textlintの活用
助詞の使い方など、文章の校正を助ける静的解析ツール「textlint」というものがあります。
次のような手順で設定し、利用できます。
- CLIからNode.jsのtextlintモジュールをインストールします
- CLI上で動作オプションを定め、正常動作を確認します
- VSCode拡張機能のtextlintをインストールします
- .textlintrcファイルを記述します
- VSCodeの設定でtextlintの動作オプションを設定します
- マークダウンファイルを開いて編集すると、指摘事項が表示されます
設定を書き換えてVSCode拡張機能のtextlintがクラッシュする場合は、VSCodeを再起動します。
とにかく一筋縄ではいかないかもしれませんが、話が細かくなりすぎるため本稿では詳細を割愛します。
AIの活用
校閲、添削、校正をAIにプロンプトで指示すると、処理した結果を応答させることができます。
ただし、チャット形式では回答できる量が制限されるため、長文は分割して与える必要があります。
また、マークダウンファイルを送信した回答では、マークダウンがレンダリングされて不自然な見た目になります。
回答の下に表示されているコピーアイコンをクリックし、回答内容をクリップボードへ取り込んで別のファイルに貼り付けてから参照するような煩雑な扱いになります。
ClaudeやChatGPTへの信頼が厚いところではありますが、別の方法を紹介します。
Google AI Studioを開きます。
次に、画面左のBuildをクリックします。
以下のようなプロンプトを与えて、校正機能を持つAI Webアプリを生成させます。
- .mdのマークダウンファイルを1つアップロードできる。
- アップロードされたマークダウンを書籍の原稿として、「校閲」または「添削」または「校正」または「誤字、脱字、スペルミスの校正」を処理できる。
- アップロードは5万文字などの文字数が可能。
- 校閲は以下の内容で行う。
- 校閲とは、記載された内容の正しさを検証すること。
- 校閲は各項の各段落の内容を確認し、検証の結果を回答すること。
- 結果は段落ごとにまとめて一覧として表示・レンダリングし、マークダウン形式でコピーまたはダウンロードできる。
- 添削は以下の内容で行う。
- 添削とは、以下のような観点から語句を追加、削除、修正して文章の言い回しを変えたり、文章を本質的に改善すること。
- 結果は添削後の文章を回答し、全体を1つのコードブロックとして、マークダウンファイルでコピーまたはダウンロードできる。
- 簡潔性を向上させること。
- 文体を洗練すること。
- 本文の「です・ます体」または「だ・である体」は原文に従うこと。
- 論理構造を明確化すること。
- 具体性と正確性を向上させること。
- 読みやすさを改善すること。
- 表現を適正化すること。
- 社会的に問題視される表現や、炎上する表現も、問題を回避するよう、言い回しを変える対象に含めること。
- 校正は以下の内容で行う。
- 校正とは、文章表記の誤り、言葉の用い方の誤り、文章の構造的な問題を検証すること。
- 結果は校正後の文章を回答し、全体を1つのコードブロックとして、マークダウンファイルでコピーまたはダウンロードできる。
- 誤字、脱字、スペルミスの校正は以下の内容で行う。
- 誤字、脱字、スペルミスを検証すること。
- 結果は修正が必要な箇所の一覧として表示・レンダリングし、マークダウン形式でコピーまたはダウンロードできる。
AIによる校閲では、広い知識から解釈を改めて問うような指摘もあり、驚くことがあります。
添削や校正は、AIが人間に対して自然な文章を生成する上で最も得意な分野なので、役立つことでしょう。