VSCodeとマークダウンでEPUB、pdf出力を活用する(4)-画像の用意
前回は、マークダウンを書籍の出版へ応用する場合の、文章作成のフローについてお伝えしてきました。
今回は画像の用意について解説したいと思います。
日常業務のレポートなどではペーパーレスが広がっており、スクリーンショットを使った資料をプロジェクターに投影するような場合は、画質について考えることが少ないかもしれません。
しかし、マークダウンの用途を広げ、電子書籍やパーパーバックを販売する場合は話が違ってきます。
画像データの解像度
印刷したり、Kindleペーパーバックを出版する場合は600dpiの画像を用意すれば、画像を高品質にできます。
電子書籍を出版する場合は300dpiです。
電子書籍では、最近のスマホは約400ppiで、Kindle端末でも300ppiの機種が販売されています。
ペーパーバックでは印刷品質として600dpiが推奨されています。
スクリーンショットにテキストを乗せて加工する場合には、本文の解像度と画像のテキストの解像度が近くなるよう、pdf用(ペーパーバック用)には600dpiで作図するとよいでしょう。
Kindleのペーパーバックの表紙ファイル(pdf)は、300dpiで作ると問題なく製本できました。
Affinityなどの画像編集ソフトでは、新規ファイルの作成時に印刷用の寸法と解像度を指定すれば、必要なピクセル数で画像を用意できます。
なお、MPEからエクスポートしたpdfを400%や500%に拡大し、本文のテキストと画像に乗っているテキストの滑らかさが同程度かどうかを見れば、画質が十分かどうかを確認できます。
カラー印刷と白黒印刷の選択
Kindleのペーパーバックでは印刷原価がかかります。
カラーにするか、販売価格を抑えるため白黒印刷にするか、決める必要があります。
両対応は作業量が1.5倍程度になるためおすすめしませんが、実現は可能です。
どちらか一方に合わせるのがよいでしょう。
モノクロ画像の準備
白黒印刷には、白黒2値(2色のみ)の画像データを用意します。
白黒印刷では、黒色はインクで印刷し、白色は印刷せず、中間色は濃さに応じたディザリングの処理が施されて点描状に印刷されます。
したがって、写真のような場合は適切に印刷されますが、アンチエイリアスが有効な文字や図形や、拡大縮小して中間色で補間される画像ではディザリングが発生し、ギザギザにぼやけて印刷されることがあります。
グレースケール化した画像も中間色が使われるため、このケースになります。
そうした問題を防ぐために、白黒印刷用には目標の解像度で、くっきりと線を印刷するためのレイヤーと、塗りのレイヤーを分けて作図します。
そして、塗りのレイヤーに対し、Affinityではハーフトーンレイヤーを適用して、2値状態に加工しておきます。
また、文字についても、Affinityではテキストレイヤーのオプションでアンチエイリアスを「強制オフ」に設定します。
このように作図した画像の可視部分を1枚の画像データとして利用します。
色空間
Kindleのペーパーバックでは、画像データにカラープロファイルを埋め込みません。
ただし、表紙のようなカラー印刷の色空間はCMYKになります。
したがって、CMYKでプレビューしつつ色を用意すると印刷結果との色のマッチングが良くなるようです。
なお、赤系統はCMYKで作ると印刷結果に近くなりやすいものの、緑や青系統は画面よりも暗く印刷される傾向があるようです。
研究の余地があります。
おわりに
駆け足でしたが、4回に渡って、VSCodeでマークダウンにより文書を作成し、markdown-preview-enhanced拡張機能を活用してEPUBやpdfを出力し、Kindleの電子書籍やペーパーバックを出版するところまで用途を広げるためのお話をさせていただきました。
引き続き、マークダウンを便利に使っていきましょう!