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OCIのコスト分析機能を使ってコンパートメント単位の利用コストを確認する方法

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はじめに

Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)では、利用中のリソースに対するコストを確認・分析するための機能として、コスト分析(Cost Analysis) が用意されています。

コスト分析を利用すると、OCIコンソール上で以下のような確認ができます。

  • テナンシ全体の利用コスト
  • コンパートメント単位の利用コスト
  • サービス単位の利用コスト
  • 月単位のコスト推移
  • 日単位のコスト推移
  • フィルタ条件を指定したコスト分析
  • 表形式またはグラフによる確認

Oracle公式ドキュメントでは、Cost AnalysisはOCIの支出を追跡・最適化するための可視化ツールであり、集計されたコストデータのチャートや表形式レポートを生成できる機能として説明されています。

本記事では、OCIのコスト分析機能を使って、コンパートメント単位で月単位または日単位の利用コストを確認する方法 を整理します。


1. コスト分析機能とは

コスト分析(Cost Analysis) は、OCIの利用コストをOCIコンソール上で確認するための機能です。

コスト分析では、期間、粒度、表示対象、フィルタ条件を指定して、利用コストを確認できます。

たとえば、以下のような使い方ができます。

利用例 内容
月次コスト確認 1か月単位でコンパートメント別のコストを確認する
日次コスト確認 特定月の日別コスト推移を確認する
サービス別確認 Compute、Block Volume、Object Storageなどサービス別のコストを確認する
コンパートメント別確認 部門、環境、システム単位のコストを確認する
タグ別確認 タグ設計をしている場合、タグ別にコストを確認する

OCIの利用料金を確認する際、請求書だけでは「どの環境で、どのサービスが、どれくらい使われているか」が分かりにくい場合があります。

そのような場合に、コスト分析を利用すると、コンパートメントやサービス単位でコストを確認しやすくなります。


2. 今回確認したいこと

今回は、以下を目的とします。

コンパートメント単位で、月または日単位の利用コストを確認する

具体的には、OCIコンソールのコスト分析画面で以下を指定します。

設定項目 指定内容
レポート コンパートメント別コストの計算
開始日 / 終了日 確認したい期間
粒度 毎月 または 毎日
フィルタ コンパートメント
表示形式 コンパートメント名など

コンパートメント単位でコストを確認できると、以下のような分析がしやすくなります。

  • どの環境でコストが増えているか
  • 本番環境と開発環境のコスト差
  • 特定プロジェクトの月次利用料
  • 日別の急なコスト増加
  • コスト配賦や社内報告用の集計

3. 事前に確認しておきたいこと

コスト分析を利用する前に、以下を確認しておくとスムーズです。

確認項目 内容
ホームリージョン コスト分析や請求関連の操作では、ホームリージョンを確認する
対象コンパートメント コストを確認したいコンパートメント名を事前に確認する
確認期間 月単位で見るのか、日単位で見るのかを決める
分析単位 コンパートメント、サービス、タグなど、どの単位で見るかを決める
権限 請求とコスト管理を参照できる権限が必要

特に、コンパートメントが多いテナンシでは、対象のコンパートメント名を事前に確認しておくと便利です。


4. 手順全体の流れ

今回の操作手順は以下の流れです。

1. OCIコンソールにログインする
2. ホームリージョンを確認する
3. 対象コンパートメントを確認する
4. 「請求とコスト管理」から「コスト分析」を開く
5. レポートで「コンパートメント別コストの計算」を選択する
6. 開始日・終了日を指定する
7. 粒度を「毎月」または「毎日」にする
8. フィルタで「コンパートメント」を選択する
9. 対象コンパートメントを選択する
10. 表示形式を必要に応じて変更する
11. グラフまたは表でコストを確認する

5. OCIコンソールにログインし、ホームリージョンを選択する

まず、OCIコンソールにログインします。

コスト分析を利用する際は、ホームリージョンを確認します。

image.png

ホームリージョンは、リージョン選択メニューから確認できます。

image.png

ホームリージョンを確認することで、請求やコスト管理関連の情報を扱う際の前提を整理できます。


6. 対象コンパートメントを確認する

次に、コストを確認したいコンパートメントを確認します。

OCIコンソールで以下のように進みます。

アイデンティティとセキュリティ
  → アイデンティティ
    → コンパートメント

image.png

コンパートメントは、OCIリソースを論理的に分離・管理する単位です。

たとえば、以下のような単位でコンパートメントを分けることがあります。

分け方
環境別 本番、検証、開発
システム別 基幹システム、Webシステム、分析基盤
部門別 情報システム部、開発部門、事業部門
プロジェクト別 プロジェクトA、プロジェクトB

コスト分析では、このコンパートメントを指定して利用コストを確認できます。


7. コスト分析画面を開く

OCIコンソールのメニューから、以下の順に進みます。

請求とコスト管理
  → コスト管理
    → コスト分析

image.png

コスト分析画面では、レポート、期間、粒度、フィルタ、表示形式などを指定してコストを確認できます。


8. レポート、期間、粒度を指定する

コスト分析画面で、以下を指定します。

レポート:コンパートメント別コストの計算
開始日:確認したい期間の開始日
終了日:確認したい期間の終了日
粒度:毎月 または 毎日

月単位で確認したい場合は、粒度を 毎月 にします。

日単位で確認したい場合は、粒度を 毎日 にします。

image.png

月単位で確認する例

月単位で確認する場合は、以下のようなイメージです。

開始日:2026/03/01
終了日:2026/03/31
粒度:毎月

この場合、指定期間における月単位のコストを確認できます。

日単位で確認する例

日単位で確認する場合は、以下のようなイメージです。

開始日:2026/03/01
終了日:2026/03/31
粒度:毎日

この場合、3月1日から3月31日までの日別コスト推移を確認できます。

日別に見ることで、急にコストが増えた日がないかを確認しやすくなります。


9. フィルタでコンパートメントを選択する

次に、フィルタで コンパートメント を選択します。

画面上にコンパートメントが表示されない場合は、フィルタの一覧を下にスクロールします。

image.png

フィルタにコンパートメントを指定することで、特定のコンパートメントに絞ってコストを確認できます。


10. 対象コンパートメントを選択する

コンパートメントのフィルタ画面では、以下の指定ができます。

名前別
OCID別
パス別

通常の確認では、名前別 を選択すると分かりやすいです。

参照したいコンパートメント名を選択し、最後に 選択 をクリックします。

image.png

コンパートメント名を直接入力して検索することもできます。

コンパートメント数が多いテナンシでは、検索して対象を絞り込む方が操作しやすいです。


11. 表示形式をコンパートメント名にする

必要に応じて、表示形式を変更します。

今回のようにコンパートメント単位で確認する場合は、表示形式で コンパートメント名 を選択すると分かりやすいです。

image.png

表示形式では、以下のような選択肢を利用できます。

表示形式 用途
コンパートメント名 人が見て分かりやすい名称で確認したい場合
コンパートメントOCID 一意のIDで厳密に確認したい場合
コンパートメント・パス 階層構造を含めて確認したい場合

社内報告や月次確認では、通常はコンパートメント名が分かりやすいです。

一方で、同名のコンパートメントがある場合や厳密な突合が必要な場合は、OCIDやパスで確認することも検討します。


12. 利用例1:コンパートメント別の月次コストを確認する

まず、月次のコスト確認です。

確認したいこと

特定コンパートメントが、1か月でどれくらい利用されているか確認したい

設定例

項目 設定例
レポート コンパートメント別コストの計算
開始日 月初
終了日 月末
粒度 毎月
フィルタ コンパートメント
表示形式 コンパートメント名

確認できること

  • 月次の合計コスト
  • 対象コンパートメントの利用傾向
  • 他コンパートメントとの比較
  • 月次報告用の利用額

月単位の確認は、請求確認や社内配賦に向いています。


13. 利用例2:コンパートメント別の日次コストを確認する

次に、日次のコスト確認です。

確認したいこと

特定コンパートメントで、どの日にコストが増えたか確認したい

設定例

項目 設定例
レポート コンパートメント別コストの計算
開始日 確認したい期間の開始日
終了日 確認したい期間の終了日
粒度 毎日
フィルタ コンパートメント
表示形式 コンパートメント名

確認できること

  • 日別のコスト推移
  • 特定日に急増したコスト
  • リソース追加や検証作業によるコスト影響
  • 削除漏れや停止漏れの可能性

日次確認は、コスト増加の原因調査に向いています。

たとえば、ある日を境にコストが増加している場合、その日にComputeインスタンスやBlock Volumeなどのリソースが追加されていないか確認するきっかけになります。


14. 利用例3:コンパートメント内のサービス別コストを確認する

コンパートメントでフィルタしたうえで、サービス単位でコストを見ることも有効です。

確認したいこと

対象コンパートメントの中で、どのサービスのコストが大きいか確認したい

確認観点

サービス例 確認ポイント
Compute インスタンスの稼働台数、シェイプ、停止漏れ
Block Volume アタッチされていないボリューム、バックアップ容量
Object Storage 保存容量、リクエスト、アーカイブ利用状況
Load Balancer 不要なロードバランサの有無
Database シェイプ、OCPU数、ストレージ使用量

コンパートメント単位の合計だけでなく、サービス別に見ることで、どのリソースがコストの中心になっているかを把握しやすくなります。


15. 利用例4:月次報告用にコンパートメント別コストを確認する

社内でOCI利用料を定期的に報告する場合、コンパートメント別の月次コスト確認が便利です。

確認したいこと

部門別、環境別、システム別の月次利用コストを確認したい

活用例

活用場面 内容
月次報告 対象月のコンパートメント別コストを報告する
予算管理 想定予算に対して利用額が超過していないか確認する
社内配賦 コンパートメント単位で利用部門へ費用配賦する
定例レビュー コスト増減の理由を確認する

コンパートメント設計とコスト管理は密接に関係します。

部門別やシステム別にコストを確認したい場合は、あらかじめコンパートメント設計を整理しておくことが重要です。


16. 分析時に見るべきポイント

コスト分析では、単に金額を見るだけでなく、以下の観点で確認すると実務に活かしやすくなります。

観点 確認内容
前月比 前月と比べて増減しているか
日別推移 特定日に急増していないか
サービス別内訳 どのサービスがコストの中心か
コンパートメント別内訳 どの環境・部門のコストが大きいか
不要リソース 停止漏れ、削除漏れがないか
バックアップ容量 Block Volume BackupやObject Storageが増えていないか
継続的な増加傾向 毎月じわじわ増えていないか

特に、日次で急増している場合は、何らかのリソース作成や設定変更が発生している可能性があります。


17. コンパートメント設計とコスト分析の関係

コンパートメント単位でコストを見たい場合、コンパートメント設計が重要です。

たとえば、すべてのリソースを1つのコンパートメントに配置している場合、コンパートメント別のコスト分析はあまり意味を持ちません。

すべてのリソース
  → root compartment

一方で、以下のように分けておくと、コストを把握しやすくなります。

production compartment
staging compartment
development compartment
shared-services compartment

または、システム単位で分ける方法もあります。

system-a compartment
system-b compartment
system-c compartment

コンパートメントはアクセス制御の単位でもあるため、権限設計とコスト管理の両方を考慮して設計することが重要です。


18. コスト分析とコスト・レポートの使い分け

OCIには、コスト分析以外にも コスト・レポート(Cost Reports) があります。

コスト分析は、コンソール上でグラフや表を使って確認する用途に向いています。

一方、コスト・レポートはCSV形式で出力されるため、より詳細な分析や外部ツール連携に向いています。

機能 向いている用途
コスト分析 コンソール上での可視化、スポット確認、月次・日次傾向確認
コスト・レポート CSVダウンロード、詳細分析、外部BIツール連携、請求照合

Oracle公式ドキュメントでは、Cost Reportsはリソース消費に対するコストを示すCSVファイルであり、日次で生成されObject Storageバケットに格納されると説明されています。

まずはコスト分析で傾向を確認し、詳細な突合や自動処理が必要な場合はコスト・レポートを利用する、という使い分けが分かりやすいです。


19. よくある注意点

コストデータには反映遅延がある

コスト分析のデータは、リアルタイムの課金明細ではありません。

利用状況の反映には時間差があるため、直近の利用状況を見る場合は反映遅延を考慮します。

コンパートメント名だけに依存しない

同じような名前のコンパートメントが複数ある場合、コンパートメント名だけでは取り違える可能性があります。

必要に応じて、コンパートメントOCIDやコンパートメント・パスで確認します。

コンパートメント配下のリソース配置を確認する

コストを正しく分析するには、リソースがどのコンパートメントに作成されているかが重要です。

意図しないコンパートメントにリソースが作成されていると、想定と異なるコスト集計になることがあります。

タグ設計もあわせて検討する

コンパートメントだけでは分類しきれない場合は、タグを使ったコスト管理も検討します。

たとえば、以下のようなタグを付与しておくと、後から分析しやすくなります。

environment = production
system = accounting
owner = infra-team
cost-center = 12345

20. まとめ

OCIのコスト分析機能を利用すると、OCIコンソール上で利用コストを可視化できます。

特に、コンパートメント単位で月次または日次のコストを確認することで、以下のような分析がしやすくなります。

月次の利用コスト確認
日次のコスト推移確認
コンパートメント別の費用把握
サービス別のコスト内訳確認
コスト増加の原因調査
社内配賦や月次報告

操作の基本は、以下の流れです。

請求とコスト管理
  → コスト分析
  → レポートを選択
  → 期間を指定
  → 粒度を選択
  → フィルタでコンパートメントを指定
  → 表示形式を選択
  → コストを確認

コンパートメント単位でコストを見たい場合は、コンパートメント設計も重要です。

環境別、部門別、システム別など、どの単位でコストを把握したいかを事前に整理し、その単位に合わせてコンパートメントやタグを設計しておくと、コスト分析をより活用しやすくなります。

まずは月次で全体傾向を確認し、気になるコンパートメントがあれば日次やサービス別に掘り下げて確認する、という使い方がおすすめです。


参考情報

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