Oracle Cloud Infrastructure (OCI) のComputeインスタンス運用において、インフラストラクチャのメンテナンスや障害対応時の挙動を正しく理解することは必須です。
特に、インスタンスの自動復旧に関する設定を誤ると、リカバリ後にインスタンスが停止状態となり、計画外のサービス停止を引き起こすリスクがあります。
本記事では、このサービス可用性に直結する最も重要な設定について、設定箇所と挙動を解説します。
1. メンテナンスとインスタンスリカバリの仕組み
OCIでは、物理ホストのメンテナンス(再起動移行など)や障害が発生した場合、インスタンスを健全な別のホストへ自動的に移動し、復旧(リカバリ)させようとします。
このリカバリプロセスが完了した後、インスタンスを自動で起動させるか、または停止状態のまま維持するかを決めるのが、本記事で解説するライフサイクル状態のリストア設定です。
2. サービス可用性に直結する重要設定
この設定は、インスタンス詳細画面の編集 > 「可用性構成」 セクションにあります。
設定項目:リカバリ後のライフサイクル状態の制御
「インフラストラクチャのメンテナンス後にインスタンスのライフサイクル状態をリストアします」
このチェックボックスの状態によって、リカバリ後のインスタンスの挙動が決定します。
設定の挙動と運用リスク
| 設定状態 | メンテナンス完了後のインスタンスの状態 | 運用上の結果 |
|---|---|---|
| チェックあり(推奨/デフォルト) | 元々実行中だったインスタンスは、自動的に再起動し実行中に戻る。 | サービスの自動復旧が実現し、計画外のダウンタイムを防げる。 |
| チェックなし(非推奨) | 元々実行中だったインスタンスでも、リカバリ完了後停止状態(Stopped)のままになる。 | 運用者が手動で起動操作を行うまで、サービス停止が継続しリスク発生。 |
注意事項:設定の適用とリスク管理
- この設定を解除(チェックなし) にするのは、クラスタリング構成など、自動起動が運用上不都合な特定のケースに限定されます。
- 通常、継続稼働が求められる本番インスタンスでは、この設定は必ずチェックをオン(デフォルト) にして、可用性を確保してください。
3. ライブ移行のオプション設定(併せて確認)
このリカバリ設定とは別に、インスタンスのメンテナンス時の移行方法を指定するオプションもあります。
| オプション | 動作内容 |
|---|---|
| OCIに最適な移行オプションの選択(推奨) | ライブ移行(無停止移動)を優先し、不可の場合は再起動移行など最適な方法をOCIが自動選択します。 |
| 可能な場合にライブ移行を使用 | ライブ移行を試行し、失敗した場合は再起動移行に切り替えます。 |
| オプトアウト | ライブ移行を拒否し、通知を受け取り、ユーザーが期限内に手動で再起動(計画停止)を行います。 |
安定運用のためには、移行オプションをOCIに委ねつつ、セクション2のライフサイクル状態のリストアが確実に有効化されていることが重要です。
まとめ
OCIのCompute運用において、サービス可用性を確保するための必須事項は以下の通りです。
- 設定箇所: インスタンス編集画面の「可用性構成」
- 推奨設定: 「インフラストラクチャのメンテナンス後にインスタンスのライフサイクル状態をリストアします」は必ずチェックをオンにしてください。
インスタンス作成時や設定変更時には、この重要設定を必ず確認し、計画外のサービス停止を未然に防ぎましょう。
参考リンク
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