概要

WSL2で動作しているUbuntu20.04でwindowsで認識したUSBデバイスを使えるようにする。

前提

Windows 11 (ビルド 22000 以降)
x64/x86 プロセッサ（Intel or AMD）
WSL 2
Linux カーネル 5.10.60.1 以上が実行されている

手順

認識させたいディストリが既定に設定されてることを確認する。

> wsl --list
Linux 用 Windows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu-20.04 (既定)
Ubuntu-18.04
docker-desktop-data
docker-desktop

既定になってない場合は、既定に設定する。

> wsl --set-default <ディストリID>

usbipdをインストール

公式リポジトリからmsiをダウンロードしてインストール。

windowsホストでバスIDを調べてWSL2にアタッチする

powershellを管理者権限で実行して以下を実行

> usbipd wsl list
BUSID  VID:PID    DEVICE                                                        STATE
2-6    045e:0990  Surface Camera Front, Surface IR Camera Front                 Not attached
2-14   0411:023a  USB 大容量記憶装置                                             Not attached

バスIDを指定してデバイスをアタッチ

> usbipd wsl attach --busid 2-14

USBデバイスを取り外したい場合はでタッチを実行する

> usbipd wsl detach --busid 2-14

(option)カーネルをリビルドする

デフォルトだとUSBメディアがブロックデバイスとして認識されないので、オプションを追加してカーネルをリビルドする必要がある。

以下の手順をWSL2のUbuntuで実行する。

依存パッケージをインストール

$ sudo apt install -y \
    build-essential \
    git \
    flex \
    bison \
    libssl-dev \
    libelf-dev \
    pkg-config \
    libncurses-dev \
    dwarves

カーネルのソースをクローン

$ git clone https://github.com/microsoft/WSL2-Linux-Kernel.git
$ cd WSL2-Linux-Kernel/
$ cp ./Microsoft/config-wsl .config
$ make menuconfig

コンソールで設定メニューが開くので、

Device Drivers -> USB support -> USB Mass Storage support

の順番で項目を探して、USB Mass Storage supportにチェックを入れる（スペースキーでチェック）
チェックを入れたらSaveしてExit

設定を変更出来たらビルドする

$ make -j $(nproc)

ビルドした vmlinux をWindowsホストにコピーする

$ sudo mkdir -p /mnt/c/wslkernel
$ sudo cp ./vmlinux /mnt/c/wslkernel/

ホストPCのユーザ直下に .wslconfig を作成して先ほど作成したカーネルを指定する

.wslconfig

[wsl2]
kernel=C:\\wslkernel\\vmlinux

WSL2をシャットダウン

> wsl --shutdown

ビルドしたカーネルドライバをインストール

$ sudo insmod ./drivers/usb/storage/usb-storage.ko

powershellからデバイスをアタッチするとUSBメディアが認識されるようになる。
以下の例だとsdfが対象のデバイス

$ lsblk
NAME   MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
loop0    7:0    0 331.6M  1 loop /mnt/wsl/docker-desktop/cli-tools
loop1    7:1    0 302.9M  1 loop
sda      8:0    0   256G  0 disk
sdb      8:16   0 339.8M  1 disk
sdc      8:32   0   256G  0 disk /
sdd      8:48   0   256G  0 disk /mnt/wsl/docker-desktop/docker-desktop-proxy
sde      8:64   0   256G  0 disk /mnt/wsl/docker-desktop-data/isocache
sdf      8:80   1  14.8G  0 disk
├─sdf1   8:81   1   499M  0 part
└─sdf2   8:82   1  14.3G  0 part

Windows11 + WSL2 でUSBデバイスを認識させる

概要

前提

手順

認識させたいディストリが既定に設定されてることを確認する。

usbipdをインストール

windowsホストでバスIDを調べてWSL2にアタッチする

(option)カーネルをリビルドする