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総務省が進める情報流通連携基盤事業とアプリコンテスト

Last updated at Posted at 2013-12-07

どもです

この記事は、Civic Tech (シビックテック)をテーマにした、「Civic Tech Advent Calendar」企画の7日目のための原稿です。他の記事は http://qiita.com/advent-calendar/2013/civictech
の一覧から見れるようになっており、日ごとに記事が増えていく予定です。

オープンデータの取り組みとして、とても興味深いものですので是非に興味をもっていただければと思います。

はじめに

今年の6月に日本政府が世界最先端IT国家創造宣言を閣議決定したこともあり、政府や自治体が持つ行政に関わるデータがオープンデータとして公開されるようになってきました。
総務省でもオープンデータ戦略の推進として様々な実証実験を実施しています。

今回は、オープンデータの利活用を推進するべく、オープンデータ流通推進コンソーシアムと総務省の取り組みの一つである、情報流通連携基盤構築事業とその基盤を利用したアプリコンテストについて紹介したいと思います。

情報流通連携基盤構築事業とは

総務省ではICT(情報通信技術)利活用の促進として情報流通連携基盤をこのように記述しています。

情報流通連携基盤の実現

ブロードバンド市場における環境変化や、東日本大震災で顕在化した「情報の横の連携の重要性」を
踏まえ 主体、分野・領域に閉じない情報流通・利活用のための汎用性のある技術・運用ルール等が
整った環境(情報流通連携基盤)の実現に向けた取組を推進します。
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/

情報流通連携基盤構築事業とは、国や行政が出すオープンデータの利活用を推進するために、オープンデータの記述形式の統一とオープンデータを使ったシステムの構築手法の情報流通連携基盤 外部仕様書を示し、価値あるデータの連携による新事業・新サービスの創出等を図ることを目的とした実証実験の事業です。

統一した基盤(サーバ)を構築する方法を示すことでデータ公開を容易にし、アプリケーションでは統一されたAPIにより自治体間を超えたアプリケーションを開発することが出来ます。

オープンデータ・アプリコンテスト

オープンデータ・アプリコンテストは、情報流通連携基盤構築事業の実証実験の一環として開催され、総務省が行う7つの実証実験でオープンデータ化されたデータを使ったアプリケーション開発コンテストです。

ここで注目すべきことは、政府や自治体が保有するデータがオープンデータとして公開され、これを使ったアプリコンテストを政府が初めて開催するということです。

アプリコンテストで利用するデータはRDFフォーマットでも公開され、このデータはSPARQLクエリを使って検索することが出来るのです。
これは、Webの発明者でありLinked Dataの創始者でもあるティム・バーナーズ=リーが提案するオープンデータのための5つ星のデータでコンテストが開催されるのです。

ここで7つの実証実験についてご紹介したと思います

1.自治体行政情報実証

概要

自治体が保有する様々な行政情報について、オープンデータ化すべきものを、利活用ニーズの高さ等の観点から調査により特定し、オープンデータ化可能なものについては、データ規格の構築を行い、基盤システムに実装してオープンデータ化を実施する。また、ポータルサイトの構築もあわせて実施する。この際、広く地方公共団体に普及展開できるモデルの構築を目指すため、基盤システムは簡易なシステム設計にするとともに、設計思想・手順のドキュメント化、自治体職員向けのデータ変換ツールやマニュアル等を1つのパッケージとして整備する。

オープンデータ化されるデータ(例)

イベント情報 / 医療機関情報 / バス停情報/ Wi-Fi設置場所情報 / AED設置場所情報 / 子育て情報 / 避難所位置情報 等

2.社会資本実証

概要

地方自治体等が保有している社会資本情報や工事実績情報、入札情報等を組み合わせ、関係業者や地域住民等に対し公共事業に関するマーケティング情報、図面(諸元等)データ情報及び通学路における交通安全情報の提供を実現。

オープンデータ化されるデータ(例)

工事実績情報(工事件名、工期、施工場所、工法等)/ 社会資本情報(名称、工法、幅員、建設年次、図面データ、入札情報データ等)/ 苦情・問い合わせ情報(発生日時、発生場所、発生内容等)/ ソーシャルメディア情報(ソーシャルメディアに発信された社会資本に関する情報)

3.観光実証

概要

地方自治体等が保有するモビリティ情報、観光情報、防災情報を組み合わせ、目的の観光スポットまでの最適ルート案内、目的地までの渋滞等の最新交通状況及び現在地から避難所までの避難経路情報等、高度なナビゲーションの提供を実現。

オープンデータ化されるデータ(例)

モビリティ情報(公共交通路線情報、公共交通時刻表情報、公共交通停留所情報、駐車場の満空情報、バス平均移動時間、タクシー平均移動時間 等)/ 観光情報(公共施設情報、旅館情報、物産店情報、観光施設情報 等)/ 防災情報(避難所情報、防災拠点情報、帰宅支援ステージョン情報 等)

4.防災実証

概要

行政機関やライフライン事業者等が保有している防災・災害情報、被害・復旧情報等を組み合わせ、企業BCPの精緻化、行政機関や民間企業等の防災・減災対策への利活用、地域住民に対する防災関連情報の提供を実現。

オープンデータ化されるデータ(例)

地方自治体の保有する情報(施設情報、道路情報、避難所情報、各種ハザードマップ 等)/ 国の保有する情報(XバンドMPレーダ情報(雨量)、過去の災害情報 等)/ ライフライン企業の保有する情報(道路ネットワーク、ライフライン(電気、ガス、通信等)の被害・復旧情報 等)/ その他(統計情報、統計GISデータ、震度予測、津波予測 等)

5.公共交通実証

概要

平成24年度に実施した実証実験をより多くの公共交通機関に展開し、広範囲の公共交通機関の運行情報、駅・停留所の公共交通施設情報等をリアルタイムで提供するとともに、混雑・事故・災害等が発生した緊急時に公共交通機関の利用に不自由をきたしている交通困難者や、地域の公共交通機関利用者に対して、的確な路線選択の支援、公共交通施設内での避難誘導等の機能を提供する。また、その際に問題となる、公共交通情報提供者の権利・責任分界点及び情報利用者が公共交通情報を利用する際の留意事項等の整理も実施する。

オープンデータ化されるデータ(例)

時刻表情報、遅延・運休等情報 / リアルタイムな走行位置情報、運行情報 / 駅・バス停の位置情報 / 東京駅・新宿駅の構内施設情報

6.統計情報・データカタログ実証

概要

ニーズが高く、多様な利活用が想定される統計情報や政府データカタログサイト(試行版)に掲載される各種データについて、同一のAPIで横断的に利用可能となるよう基盤システムを整備するとともに、その他のデータとマッシュアップが可能となる環境を実現する。また、統計情報については、従来は統計表ごとに検索していた、複数の統計表に対する統計情報検索を、情報流通連携基盤共通APIを1回呼び出すことで実現させることにより、統計情報の取得を簡素化することを目指す。

オープンデータ化されるデータ(例)

総務省統計局所管の統計情報(国勢調査、事業所・企業統計調査、経済センサス、社会・人口統計体系等)/ 政府データカタログサイト(試行版)の掲載情報(白書、防災、予算決算・調達情報等)

7.花粉症関連情報実証

概要

国民病とも言われている花粉症の発症や症状の重症度には、花粉飛散量だけではなく、気象状況、大気汚染物質の状況、患者の体調など複合的な要因が影響を与えており、複数の花粉症関連情報の公開や積極的な利活用が花粉症対策に寄与すると期待される。このため、様々な機関が独立して収集・公開している花粉飛散情報、気象情報、大気汚染情報、患者の統計データなどをパッケージとしてオープンデータ化することで、個人・地域に合わせたより精密な花粉症情報の配信を行うことを可能とする。また、その際、プライバシーに関わる花粉症患者症状情報は、花粉症患者本人の同意を得た上で、統計情報としてオープンデータ化を行うこととし、その方法等についても検証する。

オープンデータ化されるデータ(例)

花粉症患者症状情報(統計処理済)/ 花粉飛散量情報 / 気象情報 / 大気汚染情報

最後に

コンテストでは、オープンデータとLODを使ったは面白いアプリケーションが応募されることを楽しみにしています。
正にLODによるデータWebは着実に進んでる気がします。

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