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OCI の契約を解説 2024年時点

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この記事は技術的な記事では無く、契約関係を解説するものです。

#目的
OCI : Oracle Cloud Infrastructure の契約について、建て付けなどを解説します。
約款(アグリーメント)、売買契約(オーダリングドキュメント)、ポリシーの関係と役割を解説します。

OCI契約に関しての文章

  • Oracle Cloud Services contracts
    image.png
    オラクルの契約関係はすべてこちらで公開されています。
    国・言語を選択することで、Activeな Agreement・ポリシー が表示されます。

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CSA: Oracle Cloud Service Agreement が中心にあり、各ポリシードキュメントを参照しています。
OD: Ordering Document では、契約金額が定義され、サービスの価格や取引方法が記されています。
この2つが契約時にFixedされ、契約を為します。
ポリシー群は参照されているだけですので、契約にはバインドされません。

CSA: Oracle Cloud Service Agreement

CSAによりクラウド利用の基本部分を締結します。途中で勝手に変わることはありません
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サービスの基本約款です。基本契約と呼ぶ人もいます。
オーダー締結前にAgreementに同意いただき、契約締結となります。Agreementは契約時のものが適用されますので、途中で勝手に変わることはありません
ここにより、各仕様書・各ポリシーを参照しており、組み合わせます。
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書いているとき(2024.07.15)の最新は v062223 です。
このCSAは日本語で最新が提供されています。

OD: Ordering Document

ODによって、利用金額や条件等を契約することができます、途中で勝手に変わることはありません
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注文書サマリーページには、クレジット期間、クレジット数量、クレジット総額が含まれます。

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利用可能なすべてのOracle Cloud Infrastructure(OCI)サービスのリストです。顧客の利用可能なユニバーサル・クレジットの消費に使用される、関連するネット単価が記載されています。
(A)サービス名称
(B)メトリック :おおよそは時間での料金が記されています, e.g., ‘OCPU Per Hour’
(C)契約時の定価のListPriceの単価が記されています DiscountのパーセンテージがSKUごとに記されています。顧客のRateCardで利用可能なすべてのサービスが記されており、このあとに利用可能になったサービスにも自動的にカテゴリーごとの値引率が適用され利用出来るようになります。
(新しいサービスの単価はこちらに掲載されます https://www.oracle.com/jp/cloud/price-list/ )
(E)サービスユニットのネット単価が記されています
(F)超過料金(Overrage)でのネット単価が記されています。もし記載が無い場合は(E)と同額です。

注文に関連するサービス期間の終了時にユニバーサルクレジットを購入せず、サービスの利用を継続する場合は、Pay as You Go料金で毎月後払い請求されます。補充時には、価格はその時点のリスト価格となります。

契約レートとは、Annual FlexにおいてOrder Documentに記載されている各サービスのレート
契約期間中は、契約レートが適用されます(価格変更の影響を受けない)

サードパーティー製品を利用したサービスでは、例外となり、レート変更の可能性があります (Not Discount Eligible Cloud Services)
Oracle Cloud Infrastructure – Compute - Windows OS
Oracle Cloud VMware Solution (※時間課金のみ)
レート変更の場合には、 最低30日前までに通知されます

Service Descriptions に記載

クラウドサービスのカテゴリー

12のクラウドサービスカテゴリー(カテゴリーディスカウントとも呼ばれる)で構成されている。
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Service Descriptions

サービス仕様書、と呼んでます。

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サービス、制限、特徴、機能、および含まれるコンポーネント/モジュールについて説明した、各クラウドサービスに関連する文書です。各サービスの説明には、購入オプションとは別に、サービスを説明する固有のパーツ番号があります。
各サービスでの利用条件は Service Descriptionで更新されていきます

クラウドサービス毎に Service Descriptions があります。
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日本では下記2つを見ていれば良いと思います。

Database@Azureのサービスのみ、別の組立てになっています。Google Cloud との取組も発表されていますが、恐らくは別の Service Descriptions になると予想してます。

Service Descriptions ではそのSKUについての解説を記載しています。一部料金に関係する仕様もあり、期間コミットのSKUです。
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今までは30日前に価格変更の可能性がありましたが、2024.6にアップデートされ、コミットのSKUではその契約期間中は価格変更が発生しないことが記されています。

Oracle Cloud Hosting and Delivery Policies

クラウドサービスに関しての具体的なポリシーが記させています。法務担当の方でもそこまで読まないレベルです・・・。

https://www.oracle.com/contracts/docs/cloud_hosting_delivery_policies_jp_5023328.pdf

Hosting and Delivery Policies document に含まれるもの:

  • Oracle Cloud Security Policy
  • Oracle Cloud Service Continuity Policy
  • Oracle Cloud Service Level Objective Policy
  • Oracle Cloud Change Management Policy
  • Oracle Cloud Support Policy
  • Oracle Cloud Suspension and Termination Policy

##Pillar Documents
正式名称 「Oracle PaaS/IaaS Public Cloud Services Pillar Document」
Oracle PaaSおよびIaaS Public Cloud ServicesのOracle Cloud Hosting and Delivery Policiesを補足するものです。
SLA/Oが記されてます。 ここに記載が無い場合は、Hosting and Delivery Policiesに準じます。

SLO 99.95%以上

Data Processing Agreement

データ処理に於ける個人情報の取り扱いなどを記している文章。
image.png
サービス契約に規定されたサービスの提供のために、プロセッサーとしてお客様のためにオラクルが個人情報を処理する場合に適用されます。

まとめ

エンタープライズレベルの企業では契約書の査読はありますが、担当者レベルが抑えるべきポイントが分かりにくいというものがあります。この記事によりその助けになれば幸いです。

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