意図的にメモリリークを起こすためのPHP組み込み関数

小ネタですが、カレンダーの穴埋めということで。

あまり知られていませんが、PHPには次のような組み込み関数が用意されています。

leak

(PHP >= 5.0.0 ?)

void leak( [int $num_bytes = 3] )

$num_bytesのメモリ確保を行う（勝手には解放されないのでメモリリークになる）

leak_variable

(PHP >= 5.4.0)

void leak_variable(mixed $variable [, bool $leak_data = false] )

$variableの参照カウントを増やす（勝手には減らないのでメモリリークになる）

といっても、この関数は大半の人の手元では動かないと思います。これはPHPを--enable-debugつきでビルドしたときだけ有効になります。

$ php -v
PHP 5.6.15 (cli) (built: Dec  8 2015 08:29:42) (DEBUG)
Copyright (c) 1997-2015 The PHP Group
Zend Engine v2.6.0, Copyright (c) 1998-2015 Zend Technologies
    with Zend OPcache v7.0.6-dev, Copyright (c) 1999-2015, by Zend Technologies
    with Xdebug v2.3.3, Copyright (c) 2002-2015, by Derick Rethans
$ php -r 'leak();'
[Tue Dec  8 08:44:41 2015]  Script:  '-'
/var/tmp/php-build/source/5.6.15-debug/Zend/zend_builtin_functions.c(1443) :  Freeing 0x10319E0A8 (3 bytes), script=-
=== Total 1 memory leaks detected ===
$

このように、leak関数を呼び出すと--enable-debugで有効になるメモリリーク検出機構が働いて、どんなメモリリークが起きたか教えてくれるというわけです。

この関数はメモリマネージャの改造をしたりするときに便利らしいです（moriyoshiさん談）。