はじめに
11月14日の第5回 コンテナ型仮想化の情報交換会@大阪 - connpassで、さくらのクラウドの2万円分クーポン券を頂きました。ありがとうございます!
何に使おうかなと思っていたのですが、packer - VirtualBox用のCentOS base boxを作ってGitHub Releasesで共有する - Qiitaのコメントに書いたようにGitHub releaseにVagrant boxファイルを追加するのが以前は出来ていたのが出来なくなっていることに気づきました。
そこで、Google DriveやOneDriveでboxファイルを公開するのも試してみたのですが、Vagrant Cloudに公開用のURLを登録しても、 vagrant up
がうまく動きませんでした。
Quotas - Google App Engine — Google Cloud PlatformによるとGoogle App EngineのBlobstoreなら無料枠で5GBまで使えるので、Blobstore Go API Overview - Go — Google Cloud Platformを少し発展させたウェブアプリを作ってみたのですが、ダウンロードの転送量が無料枠だと1日1GBなのでboxを2回ダウンロードしたら超えてしまいます。ダウンロードするたびにお金がかかるのは嫌なのでボツとしました。
ということで、さくらのクラウドでboxファイルを配布するようにセットアップしてVagrant Cloudに登録してみることにしました。
さくらのクラウドでCoreOSを試してみた
せっかくなので勉強のためCoreOSを試してみることにしました。
サーバの作成・削除|さくらのクラウド|さくらインターネット公式サポートサイトの「2.ディスク」の「アーカイブ選択」で「CoreOS 367.1.0 (stable)」というのが予め用意されているのでそれを選びました。
「4.ディスクの修正」では
* 「管理ユーザのパスワード」を設定
* 「ホスト名」を設定
* 「公開鍵」の下のラジオボタンで「入力」を選び、テキストエリアに自分が使用している公開鍵の内容をコピペ
しました。
私はUSキーボードのMacBookを使用しているので「6. その他のオプション」の「仮想サーバ上のキーボードをUS配列として設定する」チェックボックスにチェックをつけました。
サーバを作成して起動したら、登録した公開鍵に対応する秘密鍵を使って core
ユーザでssh出来る状態になっていました。楽ちんです。
一度 shutdown -r now
で起動した後に確認したら、CoreOS Stableの現時点での最新版444.5.0になっていました。
core@naruh ~/docker $ ls -l /etc/*release
lrwxrwxrwx 1 root root 31 Jul 13 08:18 /etc/lsb-release -> ../usr/share/coreos/lsb-release
lrwxrwxrwx 1 root root 30 Jul 13 08:18 /etc/os-release -> ../usr/share/coreos/os-release
core@naruh ~/docker $ cat /etc/os-release
NAME=CoreOS
ID=coreos
VERSION=444.5.0
VERSION_ID=444.5.0
BUILD_ID=
PRETTY_NAME="CoreOS 444.5.0"
ANSI_COLOR="1;32"
HOME_URL="https://coreos.com/"
BUG_REPORT_URL="https://github.com/coreos/bugs/issues"
core@naruh ~/docker $ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=CoreOS
DISTRIB_RELEASE=444.5.0
DISTRIB_CODENAME="Red Dog"
DISTRIB_DESCRIPTION="CoreOS 444.5.0"
DNSの正引き、逆引き設定もしてみた
私がvalue-domainで保有している naruh.net というドメインをvalue-domainの管理画面で naruh.net の正引きをこのサーバのIPアドレスに対応させました。
その後、DNS逆引きレコードを変更する|さくらのクラウド|さくらインターネット公式サポートサイトの手順に従って逆引きの設定を行いました。
生成されたcloud-configを見てみた
#cloud-config
coreos:
units:
-
command: restart
name: coreos-setup-environment.service
-
command: restart
name: systemd-networkd.service
-
command: start
content: "[Unit]\nDescription=timezone\n[Service]\nType=oneshot\nRemainAfterExit=yes\nExecStart=/usr/bin/ln -sf ../usr/share/zoneinfo/Japan /etc/localtime\n"
name: timezone.service
ssh_authorized_keys:
- ssh-rsa …(略)…
hostname: …(略)…
users:
-
name: core
passwd: …(略)…
write_files:
-
content: "[Match]\nName=e*\n\n[Network]\nAddress=XXX.YYY.236.91/24\nGateway=XXX.YYY.236.1\nDNS=XXX.YYY.0.3\nDNS=XXX.YYY.0.4\n"
path: /etc/systemd/network/10-static.network
date
コマンドを実行したらJSTになっていたのですが、タイムゾーンは timezone.service
の ExecStart
で設定しているんですね。
また、公開鍵、ホスト名、ユーザのパスワードをなんらかのエンコードしたものもこのファイルに書かれていました。
(ちょっと自動で)さくらのVPSにCoreOSを入れるメモ - Qiitaの記事にcloud-configで固定IPアドレスを設定する方法が書かれていましたが、こちらでは少し違った方法で実現されていました。
docker-enterの作成と~/.bashrcの修正
CoreOS Stable 444.5.0に含まれるdockerのバージョンは1.2.0なので、 docker exec
が使えません。 nsenter
はあるのでdocker - nsinit が上手く行かなくて困っていたら nsenter があまりにもあっさりだった件 - QiitaとCoreOS で起動中のコンテナの中に入る - Qiitaを参考に以下のようにdocker-enterを作りました。
#!/bin/sh
sudo nsenter --target $(docker inspect --format '{{.State.Pid}}' $1) --mount --uts --ipc --net --pid
PATH環境変数を設定するため~/.bashrcを変更したいのですが、初期状態では /usr/share/skel/.bashrc へのシンボリックリンクになっていました。
core@naruh ~/docker/nginx $ ls -l ~/.bashrc
lrwxrwxrwx 1 core core 28 Jul 13 08:18 /home/core/.bashrc -> ../../usr/share/skel/.bashrc
そこで、シンボリックリンクを消して、ファイルをコピーしてから編集しました。
core@naruh ~/docker/nginx $ rm ~/.bashrc
core@naruh ~/docker/nginx $ cp /usr/share/skel/.bashrc ~/.bashrc
# /etc/skel/.bashrc
#
# This file is sourced by all *interactive* bash shells on startup,
# including some apparently interactive shells such as scp and rcp
# that can't tolerate any output. So make sure this doesn't display
# anything or bad things will happen !
# Test for an interactive shell. There is no need to set anything
# past this point for scp and rcp, and it's important to refrain from
# outputting anything in those cases.
if [[ $- != *i* ]] ; then
# Shell is non-interactive. Be done now!
return
fi
# Put your fun stuff here.
export PATH=$HOME/bin:$PATH
最後の1行を追加しました。
Docker Hubにあるnginxのオフィシャルレポジトリを試してみた
Docker Hub Registry - Repositories of Docker ImagesのOfficial Repositoriesからnginx Repository | Docker Hub Registry - Repositories of Docker Imagesに進んで説明を読みます。
manifest fileによると、Dockerfileのレポジトリはnginxinc/docker-nginxにあります。
docker-nginx/Dockerfile at master · nginxinc/docker-nginxで内容が確認できます。
FROM debian:wheezy
MAINTAINER NGINX Docker Maintainers "docker-maint@nginx.com"
RUN apt-key adv --keyserver pgp.mit.edu --recv-keys 573BFD6B3D8FBC641079A6ABABF5BD827BD9BF62
RUN echo "deb http://nginx.org/packages/mainline/debian/ wheezy nginx" >> /etc/apt/sources.list
ENV NGINX_VERSION 1.7.7-1~wheezy
RUN apt-get update && apt-get install -y nginx=${NGINX_VERSION} && apt-get clean && rm -rf /var/lib/apt/lists/*
# forward request and error logs to docker log collector
RUN ln -sf /dev/stdout /var/log/nginx/access.log
RUN ln -sf /dev/stderr /var/log/nginx/error.log
VOLUME ["/var/cache/nginx"]
EXPOSE 80 443
CMD ["nginx", "-g", "daemon off;"]
debian:wheezyのイメージにnginxのmainlineの公式レポジトリからapt-getでインストールしています。
また、 /var/log/nginx/access.log
と /var/log/nginx/error.log
をそれぞれ /dev/stdout
と /dev/stderr
にシンボリックリンクすることで docker logsコマンドでログを見られるようにしています。こういう方法があるんですねー、勉強になります。
nginx.confを変更したいのでカスタムイメージを作成
nginx.confに server_tokens off;
の設定を追加するため、カスタムイメージを作成しました。まず作業用のディレクトリを作ります。
mkdir -p ~/docker/nginx
以下のファイルを作成しました。
#!/bin/sh
docker build -t naruh/nginx `dirname $0`
FROM nginx
MAINTAINER Hiroaki Nakamura <hnakamur@gmail.com>
ADD nginx.conf /etc/nginx/nginx.conf
user nginx;
worker_processes 1;
error_log /var/log/nginx/error.log warn;
pid /var/run/nginx.pid;
events {
worker_connections 1024;
}
http {
include /etc/nginx/mime.types;
default_type application/octet-stream;
log_format main '$remote_addr - $remote_user [$time_local] "$request" '
'$status $body_bytes_sent "$http_referer" '
'"$http_user_agent" "$http_x_forwarded_for"';
access_log /var/log/nginx/access.log main;
sendfile on;
#tcp_nopush on;
keepalive_timeout 65;
#gzip on;
server_tokens off;
include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
}
nginx.confはコンテナ内にあったデフォルトの内容に server_tokens off;
の1行を追加しただけです。
#!/bin/sh
sudo docker run --name nginx -d -p 80:80 -v /data:/usr/share/nginx/html:ro naruh/nginx
/data
ディレクトリを作って所有者を core
ユーザに変えてそこにnginxで公開するファイルをパーミション644で置きます (640だと403 Forbiddenになりました)。
あとはdockerイメージを作成して実行するだけです。
./build.sh
./run.sh
まとめ
さくらのクラウドで予め用意されているCoreOSのアーカイブイメージを使うことで簡単にセットアップできました。ありがとうございます!
Vagrant Cloudには以下の名前でCentOS 7.0と6.6のイメージを登録しておきました。ご活用ください。ただし都合により将来消すかもしれませんのでその点はご了承願います。