はじめに
インプリムのhmineです。
ふだんはOSSのノーコード・ローコード開発ツール「プリザンター」に新機能を追加をしています。
今回現地参加したイベント
2025/2/22(土)(2日目/最終日)に駒澤大学で開催された「オープンソースカンファレンス2025 Tokyo/Spring」に現地参加しました。
Open Source Conference(通称:OSC)は20年前から行われている、オープンソースソフトウェアに関わるコミュニティと企業が一体になって開催されるイベントです。(※イベントの説明文は「OSCクロニクル」のページを参考にしました。)
主目的としてイベントの協賛企業として参加し「Pleasanter Users Group」のブース出展を行いました。
私個人としては技術情報の収集や、講師としての参加という面でも勉強になる一日でした。
ブース出展 Pleasanter Users Group
今回、左右にプリザンター Users Community 様のブースと、ラモ・テクノロジー 様のブースが配置され、とても賑やかな現場となりました。
プリザンターのGitHubはこちらです👇
データベースについての学び
展示の合間を縫って個別にブースへ伺いました。
MyNA(日本MySQLユーザ会) 様
今回のOSCでは、後述の講演のご手配をいただき大変お世話になりました。
日本PostgreSQLユーザ会 様
Firebird日本ユーザー会 様
PostgreSQLのスケーラビリティ向上に関して最近の動向、組み込みDBMSの世界観等についてお話をうかがいました。
PingCAP株式会社 様
大量のデータや高トラフィックのアプリケーションに適した分散型データベース「TiDB」について伺いました。
- 後日、PleasanterをTiDBで起動する検証記事をアップしてくださいました。
実験結果から、現在のところ(2025年2月時点)、プリザンターの公式な起動手順でTiDBを使用することはできず、多少の工数をかけてプリザンター本体を改修する必要があるということがわかりました。
主にCodeDefinerのデータベース作成・マイグレート処理について、非互換なSQLを修正する必要がありそうです。
※今回はMySQLでデータベースを構築後TiDBに移行し、起動してくださったそうです。
プリザンターの機能追加の考え方では、現在のところ、3種類のデータベースで可能な限り同じ動作をするように開発を進めています。
ニーズによっては、互換データベースを含めて製品の強みに特化した機能開発を検討するのも興味深いと思いました。
プリザンターの利用者様のニーズでは、プリザンター運用開始後の次のステップとして、AIとの連携で更なる業務効率化を図りたい…という需要がありそうです。
(つい先日公開されたAI連携の記事です!)
講師として参加しました
今回私は、MyNA(日本MySQLユーザ会) 様のご厚意で『Webアプリ「プリザンター」のMySQL/PostgreSQL/SQLServerマルチ対応』の講師を務める機会をいただきました。
〈講演内容サマリ〉
- 御礼 ~MyNA 様(日本MySQLユーザ会 様)とのつながりご紹介
- プリザンター入門
- プリザンターの本質はWebデータベース
- 汎用性、速さ、環境選択の自由 を重要視している
- Webアプリケーション概説
- なぜWebアプリケーションで開発するのか?
- Webフレームワークとプリザンター
- DBとプリザンター
- マルチDB基盤の解説
- プリザンターのSQL検証と、残る課題
プリザンターのマルチDBの実行基盤はかなり整理されていると思います。
一方で、発行されるSQLの管理については改善の余地があります。
私が実際にMySQL対応を担当した4か月間は、「生SQLの互換性を検証する大変さ」を実感しました。
これから先は「アプリケーションから発行されるSQLを担保し続ける=保守する大変さ」を背負うことになる…といったお話もしました。
ユーザー様に向けた機能追加はもちろんですが、開発者視点によるアプリケーション基盤の将来について、継続的に改善を進めていきたいと考えるこの頃です。
プリザンター開発コミュニティができました。
私と同じように、
- データベースの製品の強みを生かした使い方を提案したい方
- アプリケーション基盤を提案したい方
そして、
- プリザンターが好きな方
我こそはと思う方のご参加をお待ちしています!
ありがとうございました!
駒澤大学様、関係者の皆さま、ありがとうございました!
とても楽しい一日でした。