はじめに
Linuxを業務で利用する際に障壁になるのが 黒い画面 (Shell)であることは間違いありません。
いきなりこの黒い画面で何ができるのか分からず頭も手もフリーズしてしまうというのは誰しもが通る道です。
このShellというモノは本当に万能で、様々なプログラムが走る土台となっています。
そして勿論、WindowsのExplorerやMacのFinderと同じようにディレクトリ(フォルダと同義語です)を行き来し、ファイルを作成したり削除したりすることができます。
本記事では、Shell上でディレクトリを行き来し、ファイルやディレクトリを作成・削除してみる例を示します。
いざShellの中へ
とりあえず、Linuxの黒い画面(Shell)を開いてみましょう。
windowsな方はWSLを、macな方はターミナルを開いてください。
WSLまで辿り着けない方は、 GCP Cloudshell を使ってください。無料で使えます。
GCPが嫌な人は AWC CloudShell を使ってください。やっぱり無料です。
注意: Windowsの方へ、コマンドプロンプトとPowerShellはここでは取り扱いません。。
pwd(ここはどこ?)
Explorer/Finderを使う場合でも、「このディレクトリはどこにあるんだろう...」というのはまず気になると思います。
このときに利用できるのが pwd
コマンドです。
pwd
と入力し、エンターキーを入力してください。
hikaru ~ $ pwd
/Users/hikaru
なるほど、今は Users
ディレクトリ配下の hikaru
ディレクトリにいるということが分かりました。
ls(このディレクトリにはどんなファイルがあるの?)
このディレクトリの場所はわかりましたが、何が含まれているのかは全く分かりません。
このときに利用できるのが ls
コマンドです。
ls
と入力し、エンターキーを入力してください。
hikaru ~ $ ls
Applications Desktop Documents Downloads Library Movies Music Pictures Public Workspace
なるほど、このディレクトリにはApplications, Desktop, ..., Workspaceのディレクトリ or ファイルがあるんだな、というのが分かりました。
ファイルかディレクトリかを見分けたい場合
ファイルかディレクトリかを見分けたい場合は -F
オプションを使います。
フォルダは末尾に /
が付きます。
hikaru ~ $ ls -F
Applications/ Desktop/ Documents/ Downloads/ Library/ Movies/ Music/ Pictures/ Public/ Workspace/
今表示されているものはすべてディレクトリであることが分かります。
隠しファイルを表示したい場合
隠しファイルを表示したい場合は -a
オプションを使います。
hikaru ~ $ ls -a
.bash_profile Applications Desktop Documents Downloads Library Movies Music Pictures Public Workspace
リスト表示で出したい場合
リスト表示で出したい場合は -l
オプションを使います。
hikaru ~ $ ls -l
drwxr-xr-x+ 25 hikaru sample 800 4 4 16:13 ./
drwxr-xr-x 6 root root 192 11 17 11:33 ../
srwxr-xr-x 1 hikaru sample 0 4 2 00:27 Applications
...
オプションを組み合わせたい場合
上記の -
から始まるオプションは任意に組み合わせることができます。
ls -a -F -l
や ls -aFl
など。
他のプログラムでもよく使う技 なので、覚えておいてください。
hikaru ~ $ ls -a -F -l
drwxr-xr-x+ 25 hikaru sample 800 4 4 16:13 ./
drwxr-xr-x 6 root root 192 11 17 11:33 ../
srwxr-xr-x 1 hikaru sample 0 4 2 00:27 .bash_profile
srwxr-xr-x 1 hikaru sample 0 4 2 00:20 Applications/
...
cd(ディレクトリを移動したい)
現在のディレクトリが分かって、どのようなディレクトリがあるかが分かったら、次は当然ディレクトリを移動してみたくなります。
このときに利用できるのが cd
コマンドです。
たとえば、 Downloads
ディレクトリに移動したい場合は cd Downloads
と入力し、エンターキーを入力してください。
また、ディレクトリを移動したことを確認するために、 pwd
コマンドも実行してみましょう。
hikaru ~ $ cd Downloads
hikaru Downloads $ pwd
/Users/hikaru/Downloads
1つ上のディレクトリへ移動したい
配下にいるディレクトリへの移動方法は分かりました。
それでは、現在のディレクトリの1つ上の階層のディレクトリへ移動するにはどうすればいいでしょうか?
上のディレクトリは ..
で表現します。
cd ..
を実行してみましょう。合わせて pwd
も実行し、ディレクトリを移動できたことを確認しましょう。
hikaru Downloads $ pwd
/Users/hikaru/Downloads
hikaru Downloads $ cd ..
hikaru ~ $ pwd
/Users/hikaru
また、2つ上の階層のディレクトリへ移動する場合は、 cd ../..
で移動できます。
../
を重ねれば重ねるだけ上の階層へ移動できます。
hikaru Downloads $ pwd
/Users/hikaru/Downloads
hikaru Downloads $ cd ../..
hikaru /Users $ pwd
/Users
ディレクトリのショートカット
以下のディレクトリのショートカットは頻用するので覚えておきましょう。
ショートカット | 意味 |
---|---|
. |
今のディレクトリ |
.. |
1つ上の階層のディレクトリ |
~ |
ホームディレクトリ |