はじめに
こんにちは、ひよこです。ローカル LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)に興味が出てきて調べ始めると、まず名前が挙がるのが、以前の記事で紹介した
最新 LLM をお手軽に実行!ollamaを使おう
です。
たしかに Ollama は便利ですが、実際には「お手軽に LLM を動かす」ための選択肢は他にもいくつもあります。2025 年現在、用途や環境によっては、最初から別ルートを選んだ方が楽なケースも珍しくありません。
この記事では、「Ollama 以外にどんな選択肢があるのか」を目的別に整理します。
🐣 コマンドは
ollamaですが、ツール名としては Ollama なので今回は大文字で統一します
まず押さえる「ローカル LLM の部品」
ローカル LLM 周りの構成は、大まかに次の 3 つに分けられます。
- モデル: 推論の中身になる重みファイル(例: GGUF 形式)
- ランタイム: モデルを読み込み、推論を実行する基盤。CLI やサーバとして動作
- UI / クライアント: チャット画面、RAG、エージェントなどを提供する部分
Ollama は「ランタイム寄り」、LM Studio や GPT4All は「UI まで含めた一式」、AnythingLLM や Open WebUI は「UI + RAG / エージェント寄り」という立ち位置になります。
🐣 よく見る「オンプレミス運用」は「自分で全部管理する」という意味で、ここで言うローカルとほぼ同義です
Ollama の立ち位置
Ollama は、モデルの取得と実行を CLI で扱いやすくしてくれるランタイムです。
公式 API ドキュメント も整備されており、OpenAI 互換(特に /v1/chat/completions)を意識した設計になっています。
一方で、次のような場合は別のツールの方が向いていることもあります。
- 画面でモデルを探して、そのままチャットしたい
- 「ローカル ChatGPT っぽい体験」をすぐに始めたい
- RAG やエージェントを GUI 中心で構築したい
GUI で完結させたいなら
マウス操作で直感的に使いたい場合の代表例です。
LM Studio
LM Studio は、モデル検索からチャットまでを GUI で完結できるデスクトップアプリです。
ローカル API サーバとしても動作し、OpenAI 互換エンドポイント を提供しています。「まず触って、あとから API 連携」という流れを作りやすいのが特徴です。
Jan
Jan もデスクトップアプリで、ローカル API サーバ機能を備えています。内部では llama.cpp を使っており、UI で試した構成をそのままプログラムから呼び出したい場合に相性が良いです。
GPT4All
GPT4All は「ローカルで動くチャットアプリ」としての導線が分かりやすく、設定画面から ローカル API サーバ を有効化できます。GPU がない環境でも試しやすい点が特徴です。
「開発向けの土台」が欲しいなら
アプリ組み込みやサーバ運用を想定する場合です。
LocalAI
LocalAI は「OpenAI API の代替」を明確に掲げた OSS です。REST API を提供し、LLM 以外にも画像生成や音声認識まで含めてローカル実行できます。
vLLM
vLLM は高性能な推論サーバです。OpenAI 互換 API を持ち、GPU 環境でスループットを重視した運用に向いています。
直球で行く方法: llama.cpp と llama-cpp-python
llama.cpp はローカル推論の定番で、CLI や軽量 HTTP サーバが用意されています。
Python から扱う場合は llama-cpp-python が便利です。UI 不要・最小構成で済ませたい場合の定番ルートです。
RAG やエージェントも欲しいなら
AnythingLLM
AnythingLLM は、ドキュメント取り込みによる RAG やエージェント機能をまとめて提供するツールです。
バックエンドとして Ollama や LM Studio を指定できます。
Open WebUI
Open WebUI はブラウザベースの UI で、Ollama などの API を背後に置いて使えます。UI だけを Web に統一したい場合に便利です。
iGPU や NPU を活かしたいなら
- Amuse (AMD): AMD 公式ページ
- MLX-LM (Apple): Apple Silicon 向けフレームワーク
- ChatRTX (NVIDIA): NVIDIA 公式
- Lemonade Server: GitHub リポジトリ
🐣 汎用じゃなくて特定のハードウェア前提で設計されているツールも増えてきた印象があります
どれを選ぶかの判断軸
迷ったときは、次の観点で考えると整理しやすいです。
- 環境: GPU ありか、CPU のみか、NPU を使いたいか
- 目的: チャットだけか、RAG を組みたいか
- 操作感: CLI 重視か、GUI 重視か
- 運用: 個人利用か、サーバ公開か
初心者向けのおすすめルート
- 最短でローカルチャット: LM Studio / GPT4All
- チャットと API 開発を両立: Ollama / Jan
- RAG をすぐ試す: AnythingLLM
おわりに
Ollama は今も強力な選択肢ですが、ローカル LLM の周辺ツールは用途別にかなり分化してきました。
「何をしたいか」を先に決めてから選ぶと、遠回りせずに済みます。
ではまた次の記事でお会いしましょう。