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【後編】「また指摘されてしまった...」と思った新人エンジニアへ。 レビューはあなたを強くする

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はじめまして。
株式会社PRUMでエンジニアをしている人見です。
日々、プログラミング学習や実務の中で
つまずきやすいポイントを整理して発信しています。

PRUMについて気になった方は、
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コーポレートサイト


【後編】「また指摘されてしまった…」と思った新人エンジニアへ

― レビューはなぜすれ違うのか ―

image.png


はじめに

前編では、レビューで起きていることを次の5段階のプロセスとして整理しました。

  1. まず 内容が正しいか を確認する
  2. 内容が整理されると 不足情報 が見える
  3. 情報が整理されると 表現の問題 が見える
  4. 表現が整理されると 構造の問題 が見える
  5. 最後に 他の資料との整合 が見える

レビューが何度か往復するのは、単にミスが多いからではありません。

見る視点が段階的に増えていくからです。
レビューとは、解像度が少しずつ上がっていくプロセスでもありました。

では実際の現場では、
レビューはどのように行われているのでしょうか。

後編では、レビューの構造を分解しながら
レビューに対する視点を整理していきます。


現場のレビューは3種類ある

image.png

レビューというと「 良いレビュー 」「 悪いレビュー 」と語られることがあります。

しかし実際の現場では、レビューはもっと混ざり合っています。
多くの場合、レビューは次の3つのどれか、あるいはそれらが混ざった形で行われています。

  • 雰囲気レビュー
  • 作業レビュー
  • 教育レビュー

① 雰囲気レビュー

一番よくあるレビューです。

・「なんか違う」
・「分かりにくい」
・「ここ直してください」

レビュワーは違和感を持っています。
多くの場合レビュワー自身も

「感覚では分かるが、説明は難しい」

という段階だからです。
この状態で行われるレビューが
雰囲気レビューです。

教育学者 Donald Schön は、熟練者の思考を
Reflection in Action(行為の中の省察) と呼びました。

熟練者は作業しながら状況を判断し、
直感的に問題を見つけることがあります。

そのため

「なんとなく違う」

という感覚はあるものの、
それをすぐ言語化できないことがあります。


② 作業レビュー

次に多いのが「こう修正してください」というレビューです。

例えば

・ここは箇条書きにしてください
・この順番に直してください

これは

・締め切りを守る
・成果物を完成させる

という目的では、とても合理的なレビューです。

実際の現場では

教育よりも
まず完成させること

が優先されることも少なくありません。


③ 教育レビュー

最後が教育レビューです。

これは「なぜ問題なのか」を説明するレビューです。

ポイントは次の3つです。

  1. 指摘
  2. 理由
  3. 思考のヒント

例えば次のようなレビューです。

「この説明だと登録条件が読み取りづらいです。
仕様ではメール認証が必須で、電話番号は任意になっています。
条件を箇条書きにすると読みやすくなると思います。」

このレビューでは、修正だけでなく

判断基準そのものが共有されます。


レビューで共有される「暗黙知」

image.png

レビューで共有されるものは、修正方法だけではありません。

多くの場合

  • 説明の順序
  • 情報整理の仕方
  • チームの設計思想

といった
仕様書には書かれていない判断基準です。

レビューとは、こうした
言葉になっていない判断基準を共有するプロセスでもあります。

哲学者 Michael Polanyi は、このような知識を
Tacit Knowledge(暗黙知) と呼びました。

彼は次の有名な言葉を残しています。

We know more than we can tell.

人は「説明できる以上のことを知っている」という意味です。


レビューの本当の目的

レビューの目的はミスを見つけることではありません。
本当の目的は

思考を共有すること

レビュー前は「 新人の思考 」だけですが
レビュー後は「 新人の思考 + レビュワーの視点 」になります。

こうして少しずつ判断基準が増えていきます。
つまりレビューとは

経験者の思考をインストールする仕組み

とも言えます。


最後に

もしレビューで修正が続いたときは

「また直しだ」

ではなく

「まだ共有されていない視点がある」

のかもしれません。

レビューとは
経験者の視点を少しずつ受け取るプロセスでもあります。

その視点が増えていくと、
ある日ふと気づくかもしれません。

自分がレビューを書く側になっている

ということに。


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