0
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【検証】ITストラテジスト合格論文をChatGPT-5に添削させたらB評価だった話

Posted at

(1)はじめに

ITストラテジスト試験(午後Ⅱ)は、3つの設問(ア・イ・ウ)に沿って論文形式で回答し、経営課題→企画→対応策の流れを論理的にまとめる力が求められます。
評価ランクはA〜Dの4段階。Aが合格ラインです。

私は今年、この午後Ⅱ論文でA評価=合格しました。
そこでふと思いました。

「合格論文をChatGPT-5に添削させたら、やっぱりA評価になるのか?」

なお、事前に「これは合格論文です」とはChatGPT-5に伝えていません
あくまで通常の添削依頼として入力しました。

…結果は残念ながら(?)、「B(合格水準まであと一歩)」評価
この記事では、そのやり取りと分析結果を共有します。

合格の証跡
01_合格結果.jpg

(2)この記事の対象者

  • ITストラテジスト試験(午後Ⅱ)を受験予定の方
  • 記述式試験対策に生成AIを活用したい方
  • ChatGPT-5の実用事例に興味がある方

(3)実験の目的

  • 合格論文に対してAIがどのような評価をするかを検証
  • 試験準備においてAI添削がどこまで有効かを調査

(4)実験の準備

  • 使用モデル:ChatGPT-5(有料プラン)
  • 入力データ
    1. 採点基準(IPA公式)
    2. 出題論旨(合格発表近くになると公開されているもの)
    3. 問題文全文
    4. 実際の自分の解答(設問ア→設問イ→設問ウ)※IPAへの開示請求で入手(詳細は後日別記事で公開予定)

今回は1設問ごとに送信し、最後に総合評価を求めました。
午後Ⅱ論文のような長文を一度に入力すると、AIが全体を細かく読み込まず、部分的な印象で評価してしまう可能性があります。
そこで、文章のつながりが多少薄れるリスクを承知の上で、設問ア、イ、ウごとに分割して順番に評価してもらう方式を採用しました。


(5)実験の流れ

  1. 採点基準・出題論旨を送信
  2. 問題文を送信
  3. 設問アを送信 → GPTが部分評価
  4. 設問イを送信 → GPTが部分評価
  5. 設問ウを送信 → GPTが総合評価&全体講評

実験で使用したプロンプト

実際にChatGPT-5へ送った最初の指示は以下の通りです。


あなたはITストラテジスト試験(午後Ⅱ)の採点官として行動してください。
これから、
1. 採点基準
2. 出題論旨
3. 問題文
4. 私の解答(設問ア・イ・ウ)
を順番に送ります。

各設問を送るごとに、その設問単体での評価コメントをください。
すべての設問を送り終えたら、総合評価と講評をお願いします。

評価はIPAの採点基準(A〜D)に沿って行い、強み・不足点・改善提案を明確にしてください。


(6)GPT-5が出した総合評価

  • 想定ランク:B(合格水準にあと一歩)
  • 評価コメント(要約)
    • 強み:テーマの一貫性、技術の具体性、役割分担や投資額の明示
    • 弱み:数値的裏付けが少ない、A社とB社課題の因果関係が弱い、成果の描写不足、誤字あり

「もっと伸ばせる部分」を重視しており、“減点する箇所がない論文=A評価”を基準に見ている印象

02_gpt5による評価.jpg


(7)考察

なぜ合格論文でもB評価?

  • GPT-5は安全圏Aではなく「さらに高得点を狙えるか」を基準に評価している
  • 減点の幅が人間の採点官より大きく、人よりも明確な減点法で厳密に評価している印象
  • 試験官は要求事項を落とさなければAを付けるという意見もあるが、AIは小さな不足や曖昧表現も容赦なく減点対象にする
  • AIは細かい誤字や抽象的な表現にも厳しい

AI添削のメリット

  • 試験前のブラッシュアップに有効
  • 表現の滑らかさや誤字脱字の指摘が人間より厳格
  • 論理構造や不足要素の見える化が可能

AI添削の注意点

  • AI評価=試験合否ではない
  • 実務感や受験者の経験はAI評価ではやや過小評価される傾向

(8)まとめ

  • 結論:合格論文であっても、GPT-5は容赦なく「伸びしろ」を指摘してくる
  • 試験活用のポイント
    • 本番前にAIで弱点を洗い出し → 改善案は取捨選択して活用
    • 数値や波及効果を意識するとAI評価は上がりやすい
      • ※これはAIだけでなく、人間の採点官にも有効
  • 今後の応用
    • 過去問答案の自己添削
    • グループ学習でAI評価を比較
    • 試験以外の業務提案書や企画書の改善にも応用可能

今回の実験で改めてわかったのは、AIは人間の試験官よりも“理想的な論文像”を求めるということ。
だからこそ、「合格するため」だけでなく、その先の上位評価を狙うトレーニングにも最適です。

AIの添削は確かに厳しく、不安になることもありますが、合格論文でもがっつり指摘されるので、多少の減点コメントは気にしなくていいと思います
安心してフィードバックを受け取り、次のステップに活かしていきましょう。


おまけ

  • 実は合格論文だったんだよと言った結果
    03_gpt5に打ち明けた際.jpg
    褒めてくれてかわいい。
0
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?