概要
2019年8月(半年以上前ですが)に、「AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト」(以降SAA) に 973点(合格ライン720点)で合格できましたので、そのための勉強方法を共有します。
2020年3月にSAA試験が改訂されるため、今後はあまり参考にならないかもしれませんが...。
学習開始前の状態
SAA試験学習前の状態は以下の通りでした。
経験
- ITエンジニア・アーキテクト 15年目
- 主にJavaアプリケーション(Web、バッチ)の開発、標準化、アーキテクチャ設計に関わることが多い
- バージョン管理・リリース管理の整備、自動ビルド・デプロイの構築なども担当
- インフラは学習目的でアプリケーションサーバやDBを構築することはあるが、業務で構築を担当した経験はあまり無い
- ネットワークの知識・経験は無し
AWSの知識
- EC2が登場したときに、EC2を個人的に利用(業務での利用経験は無し)
- あとはWebでAWSの最新情報を眺める程度
その他
- Docker, Kubernetesの基本は理解している → ECS, EKS, Fargateなどはすんなりと理解できた
- Git(GitHub, GitLab), SVN, Jenkinsなどは普段から使用 → CodeCommit, CodeBuild, CodePipelineなどはすんなりと理解できた
- Web(主にはてブ)でアーキテクチャ、アプリケーションフレームワークなどの技術情報を継続的に収集
学習の流れ
資格取得に際して、以下のような流れで学習を実施しました。以下、その詳細を記載していきます。
# | 内容 | 実施時期(全て2019年) |
---|---|---|
1 | 試験範囲・内容の確認、合格体験記の調査 | 4月〜5月 |
2 | 書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」の学習 | 6月初旬〜7月初旬 |
3 | 公式模擬試験の受験 | 7/20 |
4 | 書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」2周目 | 7/21〜8/15 |
5 | 黒本模擬試験の実施 | 8/16 |
6 | 書籍「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」の学習 | 8/17〜8/18 |
7 | 書籍「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」2周目 | 8/19 |
8 | Udemy模擬試験#1、#2の受験 | 8/19〜8/20 |
9 | 全体復習 | 8/20 |
10 | 本番試験受験 | 8/21 |
#1:試験範囲・内容の確認、合格体験記の調査
当たり前ですが、試験の前準備として、試験範囲・内容を公式ページで確認しました。
また、これは非常に重要な要素ですが、Web上の各種の合格体験記を調査し、どのような方法・書籍で学習するかを検討しました(先達の情報はとても大事)。
このとき、なるべく最近の合格体験記を参考にすることが重要です。
私が受験したのは2019年で、その前年の2018年に試験が改訂されていたので、それ以降の体験記を重視しました。
(2020年3月に再度改訂されるため、この記事の価値を半ば否定していますが)
主に参考にした合格体験記は以下です。
- 15日間勉強してAWS ソリューションアーキテクト アソシエイト試験に合格した
- 3週間でAWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト-とったので、勉強法などまとめてみる
- AWS認定11冠制覇したのでオススメの勉強法などをまとめてみる
#2:書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」の学習
まず手始めに、2019年4月に刊行された書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」で学習を実施しました。
約1ヶ月をかけて、通勤中や平日の帰宅後、土日祝日などに少しずつ読み進めていきました。
このときの読み方は、全てのページの重要単語を暗記するつもりでじっくり読むというスタイル。
300ページ程度の書籍でしたが、まとまった時間が取れなかったこともあり、読了に1ヶ月を要しました。
当書籍では、AWSで提供されているサービス・機能別に記載されており、AWS SAA対策本としては一般的な構成と思います。
当書籍の著者は、他にも多数のAWS技術書を執筆していることから、内容の信頼性も高いと考えました。
CodeCommitなどのCodeXXXシリーズに関する説明が割と詳しく書かれていましたが、他の書籍などに付属の模擬試験ではあまり出てこない分野のように思います。
巻末に模擬試験(30問)が付いているのですが、解説が非常に詳しく参考になります。
#3:公式模擬試験の受験
2,000円でAWS公式の模擬試験をオンラインで受験することができるので、1冊読み切った後に受験してみました。
公式模擬試験は25問構成です(本番は65問)。
受験後に全体の正答率、および、分野別の正答率が表示されますが、問題個別の正解・不正解は表示されません。
他の方の体験記にもありますが、問題文を後で見返すことができないため、のちの復習のために、問題ごとにスクリーンショットを取り、後で正解・不正解をチェックすることが重要と思います。
これはこの模擬試験に限った話ではなく、他の模擬試験においても、回答は全てExcelなどで記録し、間違えた問題、理解があやふやだった問題についてはメモを残し、本番直前に復習できるように準備しました。
公式模擬試験の正答率は以下の通りでした。
十分に合格圏内であったため、この時点でかなり油断していました。
#4:書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」2周目
上記の#2で1回読んだ書籍の2周目の学習を実施しました。
学習にあまり時間が取れなかったこともあり、2周目にもかかわらず約3週間の時間を要しました。
公式模擬試験でハイスコアだったことによる油断もあったと思います。
#5:黒本模擬試験の実施
内容はあまり読まなかったのですが、AWS SAA対策本で最もメジャーな1冊であった書籍「徹底攻略 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト教科書」(通称:黒本)を買っていたので、この本の巻末に付属の模擬試験を実施しました。
問題数は65問で、本番試験と同じです。
結果は45問正解 (正答率:69%)。
AWS公式の模擬試験よりも難易度が高く、正答率は合格圏外でした(正答率70%〜72%で合格と思われる)。
WebでAWS公式の模擬試験について調べると、本番に比べると難易度が低く、正答率が85%以上で本番の合格圏内という情報があり、焦り始めました。
#6:書籍「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」の学習
黒本の模擬試験では、1冊目に選んだ書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」に記載の無かった問題もあり、1冊だけに依存することは危険と判断しました。
この時点で受験まで1週間を切っていましたが、新たに書籍を調査し、書籍「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」を購入しました。
(黒本で学習しなかったのは、書籍の構成が個人的にあまりなじまなかったため)
この書籍は、2019年8月時点で最新の書籍であり、かつ、アクセンチュアの社内で多数のAWS SAA合格者を出している育成メソッドに基づく書籍とのことで、2冊目として適していると考えました。
1冊目として学習した「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」との違いとしては以下のような点があります。
- AWS Directory Service、セキュリティ系サービス(Amazon Guard Duty, AWS Shieldなど)、Config、Trusted Advisorなどに関する記載がある
- 巻末の模擬試験が65問と本番同等
土日の2日間で集中的に読み込み読了。
巻末の模擬試験は89%の正答率でした。
1冊だけに頼ると、著者の好みや得意な領域などにより、カバー範囲に偏りが出る可能性があるため、2冊以上を参照することが重要と思います。
#7:書籍「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」2周目
書籍「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」を短期間で読んだため、内容を少しでも定着させるために2周目学習を実施しました(1日で実施)。
#8:Udemy模擬試験#1、#2の受験
本番形式の問題にさらに慣れるため、Udemyで提供されているAWS-SAAのコース「これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(初心者向け21時間完全コース)」の模擬試験を受験しました。
AWS-SAAの講義ビデオ(21時間分)とともに、模擬試験(各65問) 3回分が提供されており、これを目当てに受講しました(通常価格は12,000円ですが、キャンペーンで89%OFFでした。割と頻繁にキャンペーンされています)。
全3回分でしたが、時間不足で2回分のみ受験。
いくつかの問題は回答に疑問が残りましたが、それぞれ以下の点数を獲得しました。
1回目 : 76%
2回目 : 73%
合格ラインとしてはギリギリでしたが、ここまでで計5回分相当の模擬試験を受けたことになり、ある程度の自信を持って試験に望む準備ができました。
#9:全体復習
学習した2冊の書籍全体を再度流し読みすることに加え、模擬試験で残したメモを読み返し、間違った問題や回答に自信がなかった問題の復習を実施しました。
#10:本番試験受験
本番試験は、キオスク端末と呼ばれる、オンラインカメラ越しに試験官が監視するPC端末で受験しました。
試験官は受験者の様子をチェックしており、両手が見えない状態になると手を机の上に出すような指示が出ます。
試験官とのコミュニケーションは日本語で可能でした(英語のみという場合もある模様)。
常時監視されている、ディスプレイが高い位置にあり見上げる状態になる(高さ調整可能だったかは不明)、マウスを持っていない手も常時机に置いていなければならないといった状況により、非常に窮屈な状態での受験でした。
130分(実質的には回答チェック含めて100分程度で終了)の試験であったため何とか耐えられましたが、できればキオスク端末での受験は避けた方がよいと思います。
まとめ
合格までに実施した学習内容は以下の通りです。
以下の2冊を一通り読む(それぞれ2週する)。
以下の模擬試験を受ける。
- AWS公式模擬試験 (25問)
- AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト 付属模擬試験 (30問)
- 徹底攻略 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト教科書 付属模擬試験 (65問)
- Udemy これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(初心者向け21時間完全コース) (65問 ✕ 2)
- この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集 付属模擬試験(65問)
AWS Black Beltを視聴する、実際にAWSの各種サービスを触って手を動かすといったことはしなかったため、実務面でのスキルはあまり付かなかったように思います。
ただ、AWSが提供するサービス群にどのようなものがあるかとか、他のクラウドサービスを利用する場合にAWSのあれねといったかたちでの理解が早くなるなど、知識の拡充・整理はできたかなと思います。
学習教材が非常に充実しており、かつ、取っておいて損の無い資格と思いますので、ぜひ取得してみてください。