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【AI for Science 研究者向け】Azure AI Foundry の AI for Science エコシステム モデルカタログ

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Last updated at Posted at 2026-04-16

はじめに

AI を活用して科学研究を加速する AI for Science(AI4S) の潮流が世界的に広がっています。日本でも文部科学省が 「AI for Science 研究革新プログラム」 を立ち上げ、あらゆる研究分野への AI 導入を推進しています。Microsoft はこのプログラムを支援するパートナーの一つであり、Azure AI Foundry を中心に多数の科学特化ツールを提供しています。

本記事では、2026年4月時点で利用可能な 約75のツール・サービス を以下の6カテゴリに分類し、それぞれの詳細をカタログ形式で紹介します。

カテゴリ 概要 ツール数
1. 基盤モデル(Microsoft Research) MSR が開発した科学特化基盤モデル 8
2. 基盤モデル(パートナー/OSS) パートナー・OSS 由来の科学モデル 18
3. エージェント・ワークフロー 科学 R&D 向けエージェント基盤 11
4. SDK・MLOps・HPC 開発 SDK、GPU/HPC インフラ 17
5. データ・知識基盤 科学データセット、検索・RAG 基盤 8
6. パートナーソリューション ISV・SI 連携ソリューション 13

📝 本シリーズの他の記事もあわせてご覧ください:

AI for Science とは

AI for Science(AI4S) とは、人工知能・機械学習を科学研究の基盤ツールとして組み込み、仮説生成・実験計画・データ解析・理論構築のすべてのプロセスを加速・変革するアプローチです。「AI を研究する」のではなく、「AI で科学研究を加速する」 という点が核心です。

従来の科学研究では、仮説を立てて実験し、得られたデータを人手で解析して次の仮説を立てるというサイクルに膨大な時間がかかっていました。AI4S はこのサイクルの各段階に機械学習を組み込むことで、数週間かかる探索を数時間に短縮したり、人間が見落とすパターンをデータから自動発見したりすることを可能にします。

この考え方は特定の分野に限定されるものではありません。材料科学・生命科学・気象学・素粒子物理・化学など、計算やデータが生まれるあらゆる分野で適用できます。そのため文部科学省をはじめ各国の研究機関が、AI4S を次世代の科学研究インフラとして位置づけています。

主な応用分野

分野 代表的な活用例
材料科学 結晶構造予測・触媒設計・電池材料探索
生命科学 タンパク質構造予測・創薬候補探索・ゲノム解析
気象・地球科学 高精度数値予報・気候変動シミュレーション
素粒子物理 衝突データ解析・異常検出・背景雑音除去
化学 分子生成・反応経路探索・触媒活性予測
数学・計算科学 PDE の Neural Network Solver(Physics-Informed NN)

Microsoft Research による AI4S の実践例

AI for Science が抽象的な概念にとどまらないことを示す好例が、Microsoft Research が公開している一連の研究成果です。

  • MatterGen — 大量の既知材料データを学習した生成モデルで、目的の性質を持つ安定材料の構造を直接生成する。電池材料や熱マネジメント材料など、特定の機能条件を指定して候補を得られる
  • MatterSim — 原子間の相互作用を学習した機械学習ポテンシャルにより、計算コストの高い第一原理計算に代わる高速シミュレーションを実現。MatterGen と組み合わせることで「生成 → 検証」のサイクルを大幅に加速する
  • Aurora — 13億パラメータの大規模基盤モデルで、100万時間以上の気象・気候シミュレーションデータを学習。従来の数値気象予報システムと比較して計算速度は約5,000倍

これらは本カタログで詳しく紹介するツールの一部であり、AI が科学研究そのものを変えつつあることを示す具体的な事例です。

文部科学省 AI for Science 研究革新プログラムについて

文部科学省(研究振興局)が令和7年度補正予算をもとに実施する 「AI for Science による科学研究革新プログラム」 は、人文・社会科学から自然科学まであらゆる研究分野で AI の利活用を加速し、国内の基礎科学研究の国際競争力を強化することを目的としています。

プログラムの2本柱

事業 概要 規模
SPReAD 1000(萌芽的挑戦研究創出事業) 個人研究者向け小口助成。あらゆる分野・AI 未経験者を対象 最大500万円/件、計約1,000件
プロジェクト型 重点5領域における大型チーム研究。AI 基盤モデル開発・AI 駆動ラボ構築 約20億円/件、5領域×3チーム程度

SPReAD は「Science PRomotion and Exploration via AI-Driven discovery」の略称で、AI 未経験でも応募可能な萌芽的・探索的な提案を積極的に対象としています。第1回公募は 2026年4月17日〜5月18日正午 です。

📖 SPReAD 公募の詳細は文部科学省公式サイトをご確認ください:
SPReAD フライヤー

Microsoft による研究支援

Microsoft は文部科学省の AI for Science 研究革新プログラムを支援しています。採択研究者が利用する計算資源として Azure のクラウド GPU 環境 が想定されており、本カタログで紹介するツール群はこのプログラムの研究を加速するためのエコシステムです。

具体的には以下のような形で研究を支えます。

  • Azure AI Foundry Models Catalog — MatterGen、Aurora、AlphaFold2 など科学特化モデルをすぐに試せる環境を提供
  • Azure HPC インフラ — ND H200 v5 / ND GB200 v6 などの GPU クラスタで大規模シミュレーションや基盤モデル学習を実行
  • Microsoft Discovery — Build 2025 で発表されたエージェンティック AI プラットフォームにより、文献調査→仮説生成→シミュレーション→検証のサイクルを自動化(現在 Private Preview のため、利用は招待制の一部ユーザーに限定)
  • Azure Quantum Elements — 量子化学・材料科学に特化したクラウドサービスで、HPC・AI・量子コンピューティングを統合し、分子シミュレーションや材料探索を加速
  • Azure Machine Learning — 実験管理、モデルレジストリ、推論エンドポイントなど ML 研究のコアフローを一元管理(入門ガイドはこちら

1. 基盤モデル(Microsoft Research)

Microsoft Research AI for Science チームが開発した、科学研究に特化した基盤モデル群です。材料科学、創薬、構造生物学、気象予測、計算化学など幅広い分野をカバーし、多くが Azure AI Foundry Labs / Models Catalog から利用可能です。

AI2BMD

項目 内容
対象科学分野 構造生物学(ab initio 分子動力学)
提供元 Microsoft Research Asia
主な用途・機能 タンパク質の分子動力学(MD)シミュレーションを ab initio(第一原理)精度で高速に実行するプログラム。従来の密度汎関数理論(DFT)ベースの MD シミュレーションは計算コストが膨大で小分子にしか適用できなかったが、AI2BMD は等変グラフニューラルネットワーク ViSNet を力場として用い、タンパク質をジペプチド(ジフラグメント)に分割して計算する独自手法により、10,000原子を超えるタンパク質 でも ab initio 精度の MD を実現する。DFT 比で数桁の高速化を達成し、Chignolin(166原子)の全コンフォメーション空間探索を DFT レベルで初めて成功させた。Docker イメージとして配布され、PDB ファイルを入力するだけで前処理からシミュレーションまで自動実行できる。
Foundry/Azure での提供形態 GitHub / Docker 配布(Foundry 非収載)。Azure HPC VM(A100, V100 等)で実行可能
公式 URL https://github.com/microsoft/AI2BMD
発表/GA 時期 Nature 2024年

Aurora

項目 内容
対象科学分野 気象・気候・大気汚染・海洋波
提供元 Microsoft Research AI for Science
主な用途・機能 1.3B パラメータの大気基盤モデル。ERA5、CMIP6、HRES、GFS、CAMS など多様な気象データセットで事前学習し、4種の特化版を提供する。(1) 中解像度気象予報: 0.25°格子で10日間予報、(2) 高解像度気象予報: 0.1°格子(約11km)で10日間予報を1分未満で生成、IFS(ECMWF 数値予報モデル)比 5,000倍高速、(3) 大気汚染予報: NO₂等の5日間予報、(4) 海洋波予報: 波高・波向き予測。従来モデルが変数ごとに個別訓練するのに対し、Aurora は基盤モデルとして汎用的に事前学習したあと少量データでファインチューニングする設計思想が特徴。Planetary Computer Pro と連携し、地理空間データとの統合分析も可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Labs / Models Catalog、Planetary Computer Pro 連携
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/Aurora
発表/GA 時期 Research 2024年6月、Foundry 2025年1月、Nature 2025年5月

BioEmu-1 / BioEmu

項目 内容
対象科学分野 構造生物学(タンパク質動態)
提供元 Microsoft Research AI for Science
主な用途・機能 タンパク質の構造動態(コンフォメーションアンサンブル)を生成する 生成 AI モデル。従来の分子動力学シミュレーションでは、タンパク質の機能的運動(fold/unfold、cryptic pocket の開閉、アロステリック変化など)を捕捉するためにマイクロ秒〜ミリ秒スケールの計算が必要で、スーパーコンピュータでも数週間〜数ヶ月を要した。BioEmu は 単一 GPU で1時間に数千のコンフォメーション構造をサンプリングし、従来 MD の 10万倍高速で熱力学的に妥当なアンサンブルを生成する。相対自由エネルギー誤差は約 1 kcal/mol と高精度。創薬における cryptic pocket(通常は閉じているが薬剤結合時に開く結合部位)の発見や、タンパク質の機能メカニズム解明に有用。GitHub および Hugging Face でオープンソース公開。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Labs / Models Catalog、OSS(GitHub, Hugging Face)
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/BioEmu
発表/GA 時期 preprint 2024年12月、Foundry 2025年2月、Science 2025年7月

MatterGen

項目 内容
対象科学分野 材料科学(無機結晶材料生成)
提供元 Microsoft Research AI for Science
主な用途・機能 新規無機結晶材料の 3D 構造を直接生成する 拡散モデル(Diffusion Model)。従来の材料探索が既知の結晶構造データベースをスクリーニングする「検索型」であったのに対し、MatterGen は 目的の物性を条件として結晶構造そのものを生成する「生成型」 アプローチを採用。組成・対称性(空間群)だけでなく、バンドギャップ、磁気密度、体積弾性率といった 電子・磁気・力学特性を同時に条件指定 して候補材料を生成できる。608,000件 の安定材料データセット(Materials Project, Alexandria)で学習。生成した材料の安定性検証として TaCr₂O₆ の実験合成に成功 しており、AI が発見した結晶構造が実際に存在し得ることを実証済み。
Foundry/Azure での提供形態 Azure AI Foundry Labs / Foundry Models Catalog(研究用途)
公式 URL https://labs.ai.azure.com/projects/mattergen/
発表/GA 時期 Nature 2025年1月、Foundry Labs 2025年

MatterSim

項目 内容
対象科学分野 材料科学(原子論シミュレーション)
提供元 Microsoft Research AI for Science
主な用途・機能 元素周期表全域の材料物性をシミュレーションする 機械学習力場(MLFF: Machine Learning Force Field)。温度 0〜5,000K、圧力 1〜10⁷ 気圧の広範な条件下で、結晶・非晶質・液体すべての相を扱える。従来の DFT 計算は高精度だが計算コストが膨大(1計算に数時間〜数日)で、材料スクリーニングでは数万候補の評価が困難だった。MatterSim は DFT に近い精度を保ちながら 数桁高速に物性予測を実行し、フォノン分散、状態方程式、弾性定数、自由エネルギーなどを高速に計算できる。研究者自身のドメインデータによる ファインチューニングにも対応しており、特定材料系に特化した高精度予測が可能。MatterGen で生成した候補材料の安定性・物性を MatterSim で即座に評価するワークフローが想定されている。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Labs / Foundry Models Catalog
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/MatterSim
発表/GA 時期 arXiv 2024年5月、Foundry 2025年1月20日

RetroChimera(旧 Chimera)

項目 内容
対象科学分野 創薬・化学合成(逆合成予測)
提供元 Microsoft Research + Novartis
主な用途・機能 標的分子の SMILES 表現から 合成経路(反応候補 + 出発原料) を提案する逆合成予測モデル。創薬において、有望な化合物が見つかっても実際にどう合成するかが大きな課題となる。RetroChimera は異なる帰納バイアスを持つ複数モデルのアンサンブルで、単段(1ステップ)と多段(マルチステップ)の両モードに対応。複数のモデルが独立して合成経路を提案し、最も妥当なルートを選択できるため、単一モデルよりも多様で実現可能性の高い経路を得られる。Novartis との共同研究により、実際の創薬プロジェクトで検証済み。MIT ライセンスで提供。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog(MIT License、研究用途)
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/RetroChimera
発表/GA 時期 論文 2024年12月、Foundry 2025年8月

Skala

項目 内容
対象科学分野 計算化学(DFT 交換相関汎関数)
提供元 Microsoft Research AI for Science(OneDFT プロジェクト)
主な用途・機能 深層学習ベースの 交換相関(XC)汎関数 で、密度汎関数理論(DFT)計算の精度を大幅に向上させるニューラルネットワーク。DFT は量子化学計算の標準手法だが、精度は XC 汎関数の選択に大きく依存する。従来のハイブリッド汎関数(B3LYP 等)は高精度だが計算コストが高く、セミローカル汎関数(PBE 等)は高速だが精度に限界があった。Skala は約 27.6万パラメータの軽量ニューラルネットワークで、セミローカル汎関数と同等の計算効率でハイブリッド汎関数級の精度(GMTKN55 ベンチマークで WTMAD-2 = 3.89 kcal/mol)を達成。既存の DFT ソフトウェアに XC 汎関数として組み込むだけで利用でき、Foundry 上では SkalaFoundryClient 経由で API アクセス可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Labs / Models Catalog、SkalaFoundryClient 経由
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/Skala
発表/GA 時期 2025年(arXiv・Foundry Labs)

TamGen

項目 内容
対象科学分野 創薬(ターゲット認識型分子生成)
提供元 Microsoft Research + GHDDI(Global Health Drug Discovery Institute)
主な用途・機能 タンパク質の 3D 構造を入力として新規低分子候補の SMILES を生成する GPT 型化学言語モデル(約 100M パラメータ)。従来の Structure-Based Drug Design(SBDD)は分子ドッキングシミュレーションで候補を評価する「スクリーニング型」が主流だったが、TamGen は標的タンパク質の結合ポケット構造をエンコードし、そこに結合しうる分子を 直接生成 する。結核菌の ClpP プロテアーゼ阻害剤では従来薬比 125倍の活性、SARS-CoV-2 のメインプロテアーゼ阻害剤では 8倍の活性 を持つ化合物の生成に成功。GHDDI との共同研究で、グローバルヘルス領域の創薬にも貢献している。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Labs / Models Catalog
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/TamGen
発表/GA 時期 Nature Communications 2024年10月、Foundry 2025年1月20日

2. 基盤モデル(パートナー/OSS)

Microsoft Research、NVIDIA BioNeMo、Paige.AI、Meta AI 等のパートナーおよびオープンソースコミュニティが開発した科学特化モデル群です。医療画像、デジタル病理、タンパク質工学、ゲノミクスなど、主に生命科学・ヘルスケア分野をカバーします。

AlphaFold2 / Multimer NIM

項目 内容
対象科学分野 構造生物学・創薬
提供元 NVIDIA BioNeMo(DeepMind モデル)
主な用途・機能 Google DeepMind が開発したタンパク質構造予測モデル AlphaFold2 の NVIDIA NIM(NVIDIA Inference Microservice)実装。アミノ酸配列から3次元構造を予測し、CASP14 で GDT-TS 92.4 を達成。Multimer 版は複数鎖タンパク質複合体の構造予測に対応し、BioNeMo Blueprint パイプライン内で MSA NIM や ProteinMPNN NIM と連携して創薬ワークフローを構成できる。NIM コンテナとして提供されるため、Azure GPU VM 上にワンコマンドでデプロイ可能。
Foundry/Azure での提供形態 NVIDIA NIM(Azure AI Foundry からデプロイ)
公式 URL https://docs.nvidia.com/nim/bionemo/alphafold2/latest/overview.html
発表/GA 時期 BioNeMo 2023年、NIM 2024-25年

CXRReportGen

項目 内容
対象科学分野 胸部X線(放射線レポート生成)
提供元 Microsoft Research(MAIRA-2)
主な用途・機能 胸部X線画像から構造化された放射線科レポートを自動生成するマルチモーダル AI モデル。MAIRA-2(Medical AI for Radiology Assessment)アーキテクチャに基づき、現在の画像と過去画像の比較、患者の臨床情報を統合してレポートを作成する。所見の根拠となる画像領域を示す Grounded Findings(所見の位置特定)機能を備え、放射線科医が AI の判断根拠を検証できる。読影業務の効率化と見落とし防止を目的とし、実臨床での利用を想定した設計。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/ai-foundry/how-to/healthcare-ai/deploy-cxrreportgen
発表/GA 時期 2024年10月

E.L.Y. Crop Protection

項目 内容
対象科学分野 農業(作物保護)
提供元 Bayer
主な用途・機能 Bayer の作物保護製品ラベルに関する Q&A に特化した 業界適応型 SLM(Small Language Model)。Microsoft の Phi モデルをベースに、Bayer が保有する作物保護のドメイン知識でファインチューニングされている。農業従事者や販売代理店が製品ラベルの使用方法、安全情報、散布タイミングなどの質問に対して正確な回答を得られるよう設計。汎用 LLM では対応が難しい規制文書や専門用語を正確に扱える点が特徴。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Adapted Industry Models
公式 URL https://blogs.microsoft.com/blog/2024/11/13/microsoft-introduces-new-adapted-ai-models-for-industry/
発表/GA 時期 2024年11月

ECG-FM

項目 内容
対象科学分野 心臓病学(12誘導 ECG 解析)
提供元 Microsoft Research
主な用途・機能 12誘導心電図(ECG)データを入力とする 基盤モデル。不整脈検出、心房細動分類、ST 変化の解釈など、心電図解析タスクに汎用的に適用できる。大規模な心電図データセットで自己教師あり学習により事前学習されており、少量のラベル付きデータでファインチューニングすることで、特定の疾患検出タスクに適応可能。ウェアラブルデバイスからのリアルタイム心電図モニタリングへの応用も想定。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog(Healthcare & Life Sciences)
公式 URL https://aka.ms/health-life-sciences
発表/GA 時期 HIMSS25 2025年3月

ESMFold / ESM-2 NIM

項目 内容
対象科学分野 タンパク質工学
提供元 Meta AI(NVIDIA BioNeMo 経由)
主な用途・機能 Meta AI が開発した大規模タンパク質言語モデル。ESM-2 は約 150億パラメータのタンパク質配列 Transformer で、配列の埋め込み表現を用いてタンパク質の機能・特性予測を行う。ESMFold は ESM-2 の埋め込みを直接3次元座標に変換する構造予測モデルで、MSA(多重配列アラインメント)不要で高速に構造予測できる点が AlphaFold2 との最大の違い。MSA 計算がボトルネックとなる大量配列のスクリーニングや、相同配列の少ない orphan タンパク質の構造予測に有効。NVIDIA NIM として Azure 上にデプロイ可能。
Foundry/Azure での提供形態 BioNeMo Service / NIM on Azure
公式 URL https://developer.nvidia.com/blog/build-generative-ai-pipelines-for-drug-discovery-with-bionemo-service/
発表/GA 時期 BioNeMo 2023年〜

GigaTIME

項目 内容
対象科学分野 デジタル病理
提供元 Microsoft Research + Providence + University of Washington
主な用途・機能 通常の H&E(ヘマトキシリン・エオシン)染色 の全スライド画像(WSI)から、21チャネルの多重蛍光免疫染色(mIF)画像を仮想的に生成 するモデル。実際の mIF 染色は高コスト・高手間で、1スライドあたり複数の抗体パネルと複雑な染色プロトコルが必要となる。GigaTIME は標準的な H&E 画像から免疫細胞の種類や分布を推定可能にし、腫瘍微小環境の解析を大幅に効率化する。研究段階の病理 AI として Foundry Labs で実験的に利用可能。
Foundry/Azure での提供形態 Azure AI Foundry Labs
公式 URL https://labs.ai.azure.com/projects/gigatime/
発表/GA 時期 2025年

MedImageInsight

項目 内容
対象科学分野 放射線・病理・眼科・皮膚科(14モダリティ)
提供元 Microsoft Research / Nuance
主な用途・機能 14種の医療画像モダリティ(X線、CT、MRI、超音波、眼底、皮膚、病理等)に対応した 医療画像埋め込みモデル。Florence 系 Vision-Language Transformer をベースに、医療画像の特徴ベクトルを生成する。(1) Zero-shot 分類: ラベルなしで新しい疾患カテゴリの画像分類、(2) 類似画像検索: 症例データベースからの類似症例検索、(3) OOD 検出: 学習データ分布外の異常画像の検出、(4) ドリフト監視: デプロイ後のモデル精度劣化の検知。ファインチューニングにも対応しており、自施設のデータで精度を向上できる。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute(fine-tuning 対応)
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/MedImageInsight
発表/GA 時期 HLTH 2024年10月、fine-tuning 2025年3月

MedImageParse (2D)

項目 内容
対象科学分野 X線 / CT / MRI / 超音波 / 皮膚科 / 病理
提供元 Microsoft Research
主な用途・機能 テキストプロンプトで対象領域を指定するだけで医療画像のセグメンテーションを実行するモデル。「肺の右下葉」「腫瘍領域」などの自然言語入力で関心領域を抽出でき、従来のピクセルレベルのアノテーション作業を大幅に軽減する。複数のモダリティ(X線、CT、MRI、超音波、皮膚画像、病理画像)に対応し、モダリティごとに個別モデルを用意する必要がない汎用設計。臨床研究における領域計測や定量解析の前処理として活用できる。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/MedImageParse
発表/GA 時期 2024年10月

MedImageParse 3D

項目 内容
対象科学分野 CT / MRI 3D ボリューム
提供元 Microsoft Research
主な用途・機能 MedImageParse の 3D 拡張版。NIfTI 形式の 3D 医療画像ボリューム(CT および MRI)を入力とし、テキストプロンプトベースで 3D セグメンテーションを実行する。臓器セグメンテーション、腫瘍体積計測、手術計画のための解剖構造抽出など、3次元的な空間理解が必要なタスクに対応。2D 版と同様にテキスト指示で対象を指定でき、スライスごとの手動アノテーションという膨大な作業を自動化する。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/MedImageParse3D
発表/GA 時期 HIMSS25 2025年3月

MSA NIM

項目 内容
対象科学分野 バイオインフォマティクス
提供元 NVIDIA BioNeMo
主な用途・機能 MMseqs2 ベースの高速多重配列アラインメント(MSA)サービス。AlphaFold2 や OpenFold 等の構造予測パイプラインでは、入力配列に対するMSA生成が計算ボトルネックとなる(HHblits で数十分〜数時間)。MSA NIM は GPU アクセラレーションと最適化アルゴリズムにより、従来比 約5倍の高速化 を実現。BioNeMo Blueprint パイプラインの一部として、構造予測の前段処理を自動化する。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / NIM
公式 URL https://docs.nvidia.com/nim/bionemo/latest/overview.html
発表/GA 時期 2025年

OpenFold2 NIM

項目 内容
対象科学分野 構造生物学・創薬
提供元 NVIDIA BioNeMo + OpenFold Consortium
主な用途・機能 AlphaFold2 の PyTorch 完全再実装 である OpenFold の NVIDIA NIM 版。アミノ酸配列から3次元構造を予測し、RMSD95 約 0.96Å の高精度を達成。DeepMind のオリジナル(JAX 実装)に対し、PyTorch ベースのため研究者によるカスタマイズ・デバッグが容易で、NVIDIA GPU 向けに最適化された推論パフォーマンスを提供。Azure AI Foundry から NIM コンテナとしてデプロイ可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / NVIDIA NIM
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/Openfold3_1_2_0-NIM-microservice
発表/GA 時期 Build 2025年5月

OpenFold3 NIM

項目 内容
対象科学分野 構造生物学・創薬
提供元 NVIDIA BioNeMo + OpenFold Consortium
主な用途・機能 AlphaFold3 の手順に準拠した オープンソース版の生体分子複合体構造予測モデル。タンパク質だけでなく RNA やリガンド(低分子)を含む複合体の3次元構造を予測できる。AlphaFold3 はライセンスの制約(学術利用限定)があるが、OpenFold3 はより柔軟なオープンソースライセンスで提供される見込み。NIM コンテナとして Azure 上にデプロイ可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / NVIDIA NIM
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/Openfold3_1_2_0-NIM-microservice
発表/GA 時期 2025〜2026年

PRISM

項目 内容
対象科学分野 デジタル病理(H&E WSI)
提供元 Paige.AI + Microsoft Research
主な用途・機能 病理全スライド画像(WSI)のスライドレベル解析モデル(558M パラメータ)。Virchow タイルエンコーダで抽出したパッチ埋め込みを集約し、Zero-shot でのがん検出・サブタイプ分類・診断レポート自動生成を実行する。従来のスライドレベル分類ではスライドごとに大量のアノテーション付き学習データが必要だったが、PRISM はタイル埋め込みの集約学習により、ラベルなしでもがんの有無判定やサブタイプを推定できる。診断レポートの自動生成機能では、病理医の記載スタイルに沿った所見テキストを出力する。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute(研究用途)
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/Prism
発表/GA 時期 論文 2024年5月、Foundry 2024年10月

ProteinMPNN NIM

項目 内容
対象科学分野 創薬・タンパク質工学
提供元 NVIDIA BioNeMo
主な用途・機能 タンパク質の 3Dバックボーン構造からアミノ酸配列を逆設計する Graph Neural Network。Baker Lab が開発した ProteinMPNN の NIM 実装。通常のタンパク質設計では「配列→構造」の方向で設計するが、ProteinMPNN は「構造→配列」の逆方向で、所望の3D構造を安定に折りたたむ配列を生成する。RFdiffusion で生成したバックボーン構造に対して ProteinMPNN で配列を設計し、RFAA で複合体構造を検証するといった 設計パイプライン の一部として使われる。NIM 実装により推論が最適化され、大量の配列候補を高速に生成可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / NVIDIA NIM
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/ProteinMPNN-NIM-microservice
発表/GA 時期 Build 2025年5月

Prov-GigaPath

項目 内容
対象科学分野 腫瘍病理(Whole-Slide)
提供元 Providence + Microsoft + University of Washington
主な用途・機能 1.3B パラメータのパッチエンコーダ + LongNet によるギガピクセルスケールの病理画像基盤モデル。171,189枚の WSI(Providence 医療システム由来)で自己教師あり学習されており、がんサブタイプ分類、mutation prediction(遺伝子変異予測)、pathomics(病理定量解析)で SOTA を達成。従来モデルは WSI を小パッチに分割して処理する際のグローバルコンテキスト喪失が課題だったが、LongNet の導入によりスライド全体の長距離依存性を捕捉できる。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/Prov-GigaPath
発表/GA 時期 Nature 2024年5月

RAD-DINO

項目 内容
対象科学分野 胸部X線
提供元 Microsoft Research + Mayo Clinic
主な用途・機能 DINOv2 方式で事前学習された医療画像 Vision Transformer(ViT)。胸部X線画像に特化したバックボーンエンコーダとして、分類・セグメンテーション・レポート生成といった下流タスクの特徴抽出に使用される。Mayo Clinic との共同研究で臨床データを用いた検証が行われ、Nature Machine Intelligence に掲載。汎用の ImageNet 事前学習モデルと比較して、医療画像タスクでの転移学習性能が大幅に向上。CXRReportGen や MedImageInsight の内部バックボーンとしても活用される。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / Managed Compute
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/models/microsoft-rad-dino
発表/GA 時期 論文 2024年1月、Foundry 2025年3月

RFdiffusion NIM

項目 内容
対象科学分野 創薬(de novo タンパク質設計)
提供元 NVIDIA BioNeMo
主な用途・機能 Baker Lab が開発した タンパク質バックボーン構造を拡散モデルで新規生成する RFdiffusion の NIM 実装。自然界に存在しないタンパク質のバックボーン(主鎖)構造を、目的の機能(標的タンパク質への結合能など)を条件としてゼロから設計する。たとえば、特定の受容体に結合するバインダータンパク質のバックボーンを生成し、ProteinMPNN で配列を設計するワークフローが標準的。NIM 実装により従来比 約1.9倍の高速化を達成。2024年ノーベル化学賞受賞の Baker 教授のラボが開発した計算タンパク質設計の中核ツール。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog / NVIDIA NIM
公式 URL https://docs.nvidia.com/nim/bionemo/rfdiffusion/latest/overview.html
発表/GA 時期 Build 2025年5月

Virchow / Virchow2

項目 内容
対象科学分野 デジタル病理
提供元 Paige.AI
主な用途・機能 大規模自己教師あり学習による病理画像タイルエンコーダ。Virchow は 150万スライド、Virchow2 は 310万スライド で学習された ViT モデルで、WSI の各パッチ(タイル)から高精度な特徴ベクトルを抽出する。これらの埋め込みは PRISM や Prov-GigaPath などのスライドレベルモデルの入力として使用される。病理画像 AI のバックボーンとして、がん検出・サブタイプ分類・予後予測など幅広い下流タスクの基盤となる。Paige.AI は世界初の FDA 認可デジタル病理 AI 企業。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Models Catalog(Paige パブリッシャ)
公式 URL https://ai.azure.com/catalog/publishers/paige
発表/GA 時期 Virchow 2024年1月、Virchow2 2024年

3. エージェント・ワークフロー

科学研究のための AI エージェントプラットフォーム、マルチエージェント SDK、およびオーケストレーション基盤です。Microsoft Discovery を中心に、科学者と AI エージェントが協働する次世代の R&D ワークフローを構成します。

Azure Quantum Elements

項目 内容
対象科学分野 計算化学・材料科学(HPC + AI + 量子)
提供元 Microsoft Quantum(Nathan Baker リード)
主な用途・機能 クラウド HPC、AI モデル(MatterSim 等)、量子コンピューティングを統合する化学・材料科学向け計算プラットフォーム。(1) Generative Chemistry: MatterGen 等を用いた候補材料生成、(2) Accelerated DFT: AIアクセラレーションによる高速 DFT 計算、(3) Copilot: 自然言語での計算ジョブ制御。Microsoft 自身の研究で 3,200万候補 から新規バッテリー材料(リチウム使用量70%削減)を発見した実績がある。現在は Microsoft Discovery のバックエンド計算層として統合が進行中。
Foundry/Azure での提供形態 Azure 上マネージドサービス。Microsoft Discovery のバックエンドとして統合進行
公式 URL https://quantum.microsoft.com/solutions/azure-quantum-elements
発表/GA 時期 2023年6月発表、2025年以降 Discovery 統合

Discovery Knowledge Engine (GraphRAG)

項目 内容
対象科学分野 クロスドメイン科学
提供元 Microsoft Research + Discovery
主な用途・機能 Microsoft Discovery の中核コンポーネントである グラフベースの知識推論エンジン。LLM を使って、社内の R&D データ(実験記録、プロプライエタリデータ)と外部の科学文献を結ぶ 関係性グラフを自動構築する。単なる情報検索ではなく、矛盾する理論の対比、前提条件の比較、実験結果の整合性確認まで可能。すべての推論に出典と推論ステップを完全トレースし、研究者が AI の判断根拠を検証できる。GraphRAG 自体はオープンソースとして GitHub で公開されており、Azure テンプレートも提供されている。
Foundry/Azure での提供形態 Microsoft Discovery 内蔵。GraphRAG 自体は OSS
公式 URL https://www.microsoft.com/en-us/research/project/graphrag/
発表/GA 時期 GraphRAG 2024年2月(OSS 化 7月)、Discovery 統合 2025年5月

Foundry Agent Catalog

項目 内容
対象科学分野 分野横断(科学含む)
提供元 Microsoft + パートナー
主な用途・機能 事前構築された AI エージェントサンプルの公開カタログ。Healthcare Agent Orchestrator などの科学系サンプルを含む、用途別のエージェント設計パターンとコードサンプルを集約。研究者やエンジニアは、これらのサンプルをベースに独自のドメイン特化エージェントを構築できる。foundry-samples GitHub リポジトリでコードが公開されている。
Foundry/Azure での提供形態 Microsoft Foundry 内
公式 URL https://github.com/azure-ai-foundry/foundry-samples
発表/GA 時期 2025年

Foundry Agent Service

項目 内容
対象科学分野 分野横断
提供元 Microsoft
主な用途・機能 AI エージェントをホスティングする マネージドサービス。OpenAI Responses API 互換のインターフェースを提供し、Tracing(実行追跡)、Memory(永続記憶)、A2A Tool(Agent-to-Agent 連携)に対応。科学エージェントを含むあらゆるカスタムエージェントを Azure 上でスケーラブルに運用できる基盤。エージェントの実行ログを Azure Monitor で監視し、プロダクション環境での信頼性を確保する。
Foundry/Azure での提供形態 Azure Foundry マネージド
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/ai-foundry/agents/
発表/GA 時期 Preview 2025年5月、GA 2026年3月(GTC)

Foundry IQ

項目 内容
対象科学分野 科学文献検索含む
提供元 Microsoft
主な用途・機能 Citation-backed(出典付き)の次世代 RAG サービス。SharePoint、OneLake、ADLS(Azure Data Lake Storage)、Web ソースから文献やデータを取り込み、すべての回答に出典を付与してエージェントに供給する。科学文献の検索・要約において、hallucination(幻覚)のリスクを低減し、研究者が出典を逐一確認できる。通常の RAG との違いは、チャンク単位ではなく文書構造を理解した上で citation を付与する点。
Foundry/Azure での提供形態 Microsoft Foundry preview
公式 URL https://devblogs.microsoft.com/foundry/
発表/GA 時期 Ignite 2025(preview)

Healthcare Agent Orchestrator

項目 内容
対象科学分野 腫瘍学(cancer care)・放射線・病理・ゲノミクス
提供元 Microsoft Health & Life Sciences + MSR
主な用途・機能 腫瘍ボード(tumor board)ワークフローを支援するマルチエージェントオーケストレーター。Radiology Agent(画像読影)、Pathology Agent(病理診断)、Patient History Agent(患者履歴)、Clinical Trials Agent(臨床試験検索)、Orchestrator Agent(全体統合)の5つの専門エージェントが Semantic Kernel の Group Chat 機能で協調動作する。Teams / Word との統合、FHIR / Azure Health Data Services(AHDS)連携により、実臨床ワークフローに組み込み可能。オープンソースとして GitHub で公開。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Agent Catalog、OSS(Azure-Samples/healthcare-agent-orchestrator)
公式 URL https://github.com/Azure-Samples/healthcare-agent-orchestrator
発表/GA 時期 Build 2025年5月19日

Medical Research Agent

項目 内容
対象科学分野 医学・医療文献
提供元 Microsoft H&LS + Discovery
主な用途・機能 Microsoft Discovery と同じ グラフベース知識エンジン を使用し、信頼性の高い医学ジャーナルの文献を統合検索・要約する専門エージェント。PubMed、Cochrane、主要医学誌などの信頼ソースからエビデンスに基づくガイダンスを提供し、研究者や臨床医が最新のエビデンスに迅速にアクセスできるよう支援する。Healthcare Agent Orchestrator の一部として動作し、がん治療などの複雑な臨床判断を支援する。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Agent Catalog(Healthcare Orchestrator 内)
公式 URL https://www.microsoft.com/microsoft-cloud/blog/healthcare/2025/05/19/developing-next-generation-cancer-care-management-with-multi-agent-orchestration/
発表/GA 時期 2025年5月19日

Microsoft Agent Framework

項目 内容
対象科学分野 科学含む全分野
提供元 Microsoft Foundry(Semantic Kernel / AutoGen 後継)
主な用途・機能 Semantic Kernel と AutoGen の後継として統一された OSS マルチエージェントフレームワーク。.NET と Python の両方に対応し、MCP(Model Context Protocol)、A2A(Agent-to-Agent)、OpenAPI といった標準プロトコルとの互換性を備える。グラフベースワークフロー でエージェントと決定的関数をデータフローで接続し、ストリーミング、チェックポイント、Human-in-the-loop、タイムトラベル(過去状態の巻き戻し)が可能。Azure Functions / Durable Task 上でのホスティングに対応し、科学計算ワークフローを含むあらゆるマルチエージェントシステムの構築基盤となる。GitHub で 9,500+ Star を獲得。
Foundry/Azure での提供形態 Microsoft Foundry 中核 SDK。FoundryChatClient で Foundry モデル利用
公式 URL https://github.com/microsoft/agent-framework
発表/GA 時期 GA 2025年10月、RC 2026年2月

Microsoft Discovery

項目 内容
対象科学分野 化学 / 材料 / 創薬 / 半導体 / ライフサイエンス / エネルギー
提供元 Microsoft Strategic Missions + Azure
主な用途・機能 科学者と specialized AI agents(AI ポスドク) が協働するエンタープライズ向け agentic R&D プラットフォーム。Microsoft Build 2025 で発表された。(1) Graph-based Knowledge Engine: 社内 R&D データと外部科学文献を統合する関係性グラフで、矛盾理論の対比や前提条件の比較が可能。出典と推論ステップを完全トレース。(2) Specialized Discovery Agents: 自然言語で専門性を定義可能(例: 「分子物性シミュレーション専門家」「文献レビュー専門家」)なAIエージェント群。Copilot がこれらを orchestrate。(3) 拡張性: 顧客やパートナーの計算ツール、モデル、知識ベースをカタログに追加可能。実績として、PFAS 不使用のデータセンター冷却液プロトタイプを 約200時間・36.7万候補のスクリーニングで発見し、4ヶ月以内に合成に成功。GSK、Estée Lauder、PNNL 等と共同革新中。
Foundry/Azure での提供形態 Azure HPC + Foundry 上。private preview(TechSpark 経由で段階展開)
公式 URL https://azure.microsoft.com/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 Build 2025年5月19日、Ignite 2025 BRK182 更新

Semantic Kernel SDK samples

項目 内容
対象科学分野 医療 / ライフサイエンス等
提供元 Azure AI Foundry samples team
主な用途・機能 Microsoft Agent Framework / Semantic Kernel を用いた エージェントサンプル集。(1) SOP Forge Agent: 標準作業手順書の自動生成、(2) Contract Analysis Agent: 契約書分析、(3) Healthcare Multi-Agent Orchestrator: 医療マルチエージェントのリファレンス実装、など。各サンプルにはコード全文、設定手順、デプロイガイドが含まれ、科学研究向けエージェントの開発テンプレートとして活用できる。
Foundry/Azure での提供形態 foundry-samples GitHub
公式 URL https://github.com/azure-ai-foundry/foundry-samples
発表/GA 時期 2025年

Specialized Research Agents

項目 内容
対象科学分野 材料 / 創薬 / 化学合成等
提供元 Microsoft Discovery
主な用途・機能 Microsoft Discovery 上で動作する 科学特化型 AI エージェント群。自然言語で専門性(specialty)を定義でき、たとえば「Planner(研究計画立案)」「Knowledge Reasoning(知識推論)」「Hypothesis Formulation(仮説構築)」「Candidate Generation(候補生成)」「Simulation(シミュレーション実行)」「Literature Review(文献レビュー)」といった役割を持つエージェントを構成できる。Copilot がこれらのエージェントをオーケストレーションし、研究者のプロンプトに基づいて適切なエージェントを選択・連携させる。使用するツールやモデルの指定、他エージェントとの協調方法も自然言語で定義可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry Agent Catalog で拡張可、Discovery で統合
公式 URL https://azure.microsoft.com/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

4. SDK・MLOps・HPC

AI モデルの開発・評価・デプロイのための SDK 群、GPU / HPC バーチャルマシン、ジョブスケジューラ、ネットワーキングインフラです。科学計算ワークロードの実行基盤となります。

Azure AI Evaluation SDK

項目 内容
対象科学分野 全分野
提供元 Microsoft
主な用途・機能 AI モデルとエージェントの品質を定量評価する Python SDKazure-ai-evaluation)。Groundedness(根拠性)、Coherence(一貫性)、Relevance(関連性)、Safety(安全性)など多軸の品質メトリクスを提供し、バッチ評価・継続的評価に対応。Azure Monitor 連携によりデプロイ後の品質劣化を自動検知する。科学エージェントの応答品質評価や、RAG パイプラインの精度測定に活用可能。Foundry ポータルの GUI からも実行できる。
Foundry/Azure での提供形態 Python SDK(azure-ai-evaluation)、Foundry ポータル
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/ai-foundry/how-to/develop/evaluate-sdk
発表/GA 時期 GA 2026年3月

Azure AI Foundry SDK (azure-ai-projects)

項目 内容
対象科学分野 全分野
提供元 Microsoft
主な用途・機能 Azure AI Foundry のリソースを統合的に操作する 開発 SDK。Agents(エージェント)、Inference(推論)、Evaluations(評価)、Memory(永続記憶)を単一パッケージで提供し、Python / .NET / JavaScript / Java の4言語に対応。科学モデルのデプロイ、推論 API 呼び出し、評価パイプラインの構築、エージェントの作成・管理をプログラマブルに実行できる。REST API もあわせて提供され、言語に依存しない統合も可能。
Foundry/Azure での提供形態 pip / npm / NuGet / Maven + REST API
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/foundry/how-to/develop/sdk-overview
発表/GA 時期 REST API GA 2026年2月、SDK 2.0 GA 2026年3月

Azure Batch

項目 内容
対象科学分野 大規模並列計算 / レンダリング / モンテカルロ / MPI
提供元 Microsoft
主な用途・機能 大規模な並列・HPC ジョブをクラウド上で実行する マネージドジョブスケジューラ。VM プールの自動作成・スケーリング、HPC / GPU VM サイズの選択、MS-MPI / Intel MPI 対応により、数百〜数千ノードの並列計算を Azure 上で実行できる。Azure Data Factory(ADF)連携でデータパイプラインの一部としてバッチジョブを組み込み可能。科学シミュレーション(MD、CFD、モンテカルロ等)の大規模並列実行に適する。
Foundry/Azure での提供形態 マネージド PaaS
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/batch/batch-technical-overview
発表/GA 時期 既存 GA

Azure CycleCloud Workspace for Slurm

項目 内容
対象科学分野 全科学 HPC
提供元 Microsoft
主な用途・機能 CycleCloud 8.8.1 ベースの HPC クラスタオーケストレーション環境。Slurm / PBS / LSF ジョブスケジューラに対応し、大学・研究機関のオンプレミス HPC と同じ操作感で Azure 上に HPC クラスタを構築・運用できる。PMix v4、Pyxis / enroot(コンテナ実行)、Prometheus + Grafana(モニタリング)、Entra ID SSO(シングルサインオン)、Open OnDemand(Web ポータル)を統合。MI300X GPU にも対応しており、AI/HPC ハイブリッドワークロードの実行基盤となる。
Foundry/Azure での提供形態 Azure Marketplace / CLI
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/cyclecloud/overview-ccws
発表/GA 時期 GA 2024年7月、2025年12月強化

Azure HBv4-series

項目 内容
対象科学分野 CFD / FEA / EDA / MD / 地球科学 / 気象
提供元 Microsoft(AMD EPYC Genoa-X)
主な用途・機能 HPC 向け CPU 特化 VM。最大176コア(AMD EPYC Genoa-X)、768GB DRAM、L3キャッシュ 2,304MB(3D V-Cache で帯域5.7TB/s)、実効メモリ帯域 1.2TB/s。400Gb/s NDR InfiniBand 搭載で 50,000+ コアの MPI ジョブに対応。CFD(流体力学)、FEA(有限要素解析)、MD(分子動力学)、気象数値予報など、メモリ帯域とインターコネクト性能が律速となる HPC ワークロードに最適。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM
公式 URL https://azure.microsoft.com/blog/azure-hbv4-and-hx-series-vms-for-hpc-now-generally-available/
発表/GA 時期 GA 2023年8月

Azure HX-series

項目 内容
対象科学分野 EDA / Nastran / 地震処理
提供元 Microsoft(AMD EPYC Genoa-X)
主な用途・機能 HBv4 の 2倍メモリ(1.4TB) を搭載した大メモリ HPC VM。176コア、3D V-Cache、NDR InfiniBand を備え、HBv3 比で +5.7倍のパフォーマンス。大規模な FEA メッシュ、EDA レイアウト、地震データ処理など、インメモリで大量データを保持しながら計算するワークロードに適する。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/virtual-machines/sizes/high-performance-compute/hbv4-series
発表/GA 時期 GA 2023年8月

Azure Machine Learning

項目 内容
対象科学分野 全分野(大規模学習・ファインチューニング)
提供元 Microsoft
主な用途・機能 マネージド MLOps プラットフォーム。ND H200 v5 等の最新 GPU VM でのマネージド学習・推論、オートスケーリングコンピュート、Prompt Flow 連携を提供。科学モデルのファインチューニング(MatterSim のドメイン特化学習等)や、カスタムモデルの大規模学習に使用する。SDK v1 は 2026年6月に EOL のため、SDK v2 への移行が推奨される。
Foundry/Azure での提供形態 Azure マネージドサービス
公式 URL https://techcommunity.microsoft.com/blog/azure-ai-foundry-blog/azure-machine-learning-now-supports-large-scale-ai-training-and-inference-with-n/4446428
発表/GA 時期 既存 GA、ND H200 統合 2025年

Azure Maia 100

項目 内容
対象科学分野 Azure OpenAI / Copilot 学習・推論
提供元 Microsoft(TSMC N5)
主な用途・機能 Microsoft が自社設計した AI 専用アクセラレータ SoC105B トランジスタ、約820mm² ダイサイズ、4× HBM2E(64GB、帯域 1.8TB/s)、Ethernet 4.8Tbps を搭載。Azure OpenAI Service や GitHub Copilot のバックエンドとして、大規模 LLM の学習・推論を Azure データセンター内で実行する。NVIDIA GPU と補完する位置づけで、Microsoft の AI インフラの TCO 最適化に貢献。Maia SDK により最適化プログラミングが可能。
Foundry/Azure での提供形態 Azure データセンター内部利用
公式 URL https://azure.microsoft.com/blog/azure-maia-for-the-era-of-ai-from-silicon-to-software-to-systems/
発表/GA 時期 Ignite 2023年11月、稼働 2024年

Azure Maia 200

項目 内容
対象科学分野 大規模 AI 推論
提供元 Microsoft(3nm)
主な用途・機能 Maia 100 の次世代版。3nm プロセスで製造され、10+ PFLOPS FP4 / 5+ PFLOPS FP8 の演算性能を実現。最大 6,144 アクセラレータ / クラスタ のスケールアウトに対応し、大規模 LLM の推論ワークロードを処理する。Maia SDK preview により開発者がカスタムオペレータを実装可能。米国データセンターから先行展開。
Foundry/Azure での提供形態 Azure データセンター展開(US 先行)
公式 URL https://news.microsoft.com/source/emea/features/maia-200-microsoft-ai-accelerator-azure/
発表/GA 時期 Ignite 2025

Azure ND GB200 v6

項目 内容
対象科学分野 フロンティア AI・科学
提供元 Microsoft Azure(NVIDIA Grace Blackwell)
主な用途・機能 NVIDIA Grace Blackwell アーキテクチャの フラッグシップ GPU VMNVL72 ラックスケール構成(72 Blackwell GPU + 36 Grace CPU、18 VM / ラック)で、ラックあたり 1.4 EFLOPS(FP4) の演算性能を提供。各 GPU に HBM 192GB、NVLink 1.8TB/s × 4 のインターコネクト。大規模 LLM の学習・推論や、科学基盤モデル(Aurora 等)の学習に使用される最上位インフラ。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM(ラックスケール 18VM / NVL72)
公式 URL https://techcommunity.microsoft.com/blog/azurehighperformancecomputingblog/accelerating-the-intelligence-age-with-azure-ai-infrastructure-and-the-ga-of-nd-/4394575
発表/GA 時期 Preview 2024年11月、GA 2025年

Azure ND GB300 v6

項目 内容
対象科学分野 フロンティア AI
提供元 Microsoft Azure(NVIDIA Blackwell Ultra)
主な用途・機能 NVIDIA Blackwell Ultra 世代の 次世代 GPU VMQuantum-X800 800Gb/s NDR InfiniBand を搭載し、GB200 v6 をさらに超えるスケールでの分散学習に対応。OpenAI 向けの大規模クラスタが既に稼働中。科学計算におけるフロンティアモデル学習の将来的なインフラ基盤。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM
公式 URL https://techcommunity.microsoft.com/blog/azurehighperformancecomputingblog/
発表/GA 時期 Ignite 2025

Azure ND H100 v5

項目 内容
対象科学分野 AI 学習・HPC
提供元 Microsoft Azure(NVIDIA H100)
主な用途・機能 8× NVIDIA H100(80GB HBM3) を搭載した GPU VM。NVLink 4.0(900GB/s GPU 間帯域)、4× 400Gb/s Quantum-2 CX7 InfiniBand、96 vCPU Intel Xeon。大規模モデルの分散学習、科学基盤モデルのファインチューニング、大量推論ジョブの実行に使用される。A100 世代の ND96 v4 に対して約2〜3倍の学習スループット向上。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM(ND96isr_H100_v5)
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/virtual-machines/sizes/gpu-accelerated/ndh100v5-series
発表/GA 時期 GA 2023年8月

Azure ND H200 v5

項目 内容
対象科学分野 大規模 LLM 推論 / 学習
提供元 Microsoft Azure(NVIDIA H200)
主な用途・機能 8× NVIDIA H200(141GB HBM3e / VM、合計 1,128GB)を搭載。H100 比で HBM 容量が75%増、メモリ帯域が +43%(4.8TB/s)向上。LLAMA 3.1 405B のようなメモリバウンドな大規模モデルで +35%のスループット向上。MatterSim や Aurora など、科学基盤モデルの学習・推論においてもメモリ容量増の恩恵が大きい。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM(Standard_ND96isr_H200_v5)
公式 URL https://azure.microsoft.com/blog/microsoft-launches-latest-azure-virtual-machines-optimized-for-ai-supercomputing-the-nd-h200-v5-series/
発表/GA 時期 Ignite 2024年11月、GA 2024年後半

Azure ND MI300X v5

項目 内容
対象科学分野 LLM 推論(大容量 HBM)
提供元 Microsoft Azure(AMD Instinct)
主な用途・機能 8× AMD Instinct MI300X を搭載した GPU VM。VM あたり HBM 1.5TB(H100 の約2.3倍)、メモリ帯域 5.3TB/s。Infinity Fabric 4、3.2Tbps InfiniBand を備える。ROCm ソフトウェアスタック対応。大容量 HBM を活かした大規模モデルの推論に特化し、NVIDIA GPU と異なるソフトウェアエコシステム(ROCm/HIP)を活用する研究者向け。
Foundry/Azure での提供形態 Azure VM(Standard_ND96isr_MI300X_v5)
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/virtual-machines/sizes/gpu-accelerated/ndmi300xv5-series
発表/GA 時期 GA 2024年5月21日(Build)

Foundry Local

項目 内容
対象科学分野 全分野(オンデバイス科学アプリ)
提供元 Microsoft
主な用途・機能 ローカル環境 / エッジデバイスで AI モデルを推論実行するランタイム。OpenAI 互換 API を提供し、ONNX Runtime / WinML / Metal バックエンドの自動最適化により、GPU / NPU / CPU を適切に選択して推論する。Phi、Qwen、Mistral、DeepSeek、Whisper 等のモデルに対応。Python / JavaScript / .NET / Rust の SDK が用意されており、クラウド接続なしでの推論が必要な実験現場(フィールド計測、ラボ装置連携等)での活用を想定。
Foundry/Azure での提供形態 SDK(Python / JS / .NET / Rust)+ ネイティブランタイム
公式 URL https://devblogs.microsoft.com/foundry/foundry-local-ga/
発表/GA 時期 Preview 2025年5月、GA 2025年内

NVIDIA Quantum-2 / X800 InfiniBand

項目 内容
対象科学分野 HPC / AI(GPU 通信、MPI / NCCL、GPUDirect RDMA)
提供元 NVIDIA(Azure 採用)
主な用途・機能 Azure の GPU / HPC VM に組み込まれた 高速インターコネクト。HBv4 / HX / ND H100 / H200 / MI300X / GB200 では Quantum-2(400Gb/s NDR InfiniBand)、GB300 では X800(800Gb/s) を搭載。MPI / NCCL 通信の高速化、GPUDirect RDMA によるゼロコピー GPU 間データ転送に対応し、分散学習や大規模 HPC ジョブの通信ボトルネックを解消する。
Foundry/Azure での提供形態 Azure GPU / HPC VM 組込
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/virtual-machines/sizes/gpu-accelerated/nd-gb200-v6-series
発表/GA 時期 2022年〜、X800 は 2025年

Prompt Flow

項目 内容
対象科学分野 全分野
提供元 Microsoft
主な用途・機能 ビジュアルグラフで LLM、プロンプト、Python ツールをオーケストレーションする LLMOps ツール。ノードベースのフローエディタで、入力処理→LLM 呼び出し→後処理→出力の一連の処理を視覚的に構築できる。バッチ実行(大量入力の一括処理)、評価(Groundedness 等のメトリクス自動計算)、モニタリング(デプロイ後の品質追跡)に対応。科学文献の要約パイプライン、実験データの自動分類、RAG ベースの知識検索システムなどの構築に活用できる。Foundry ポータル / Azure ML / VS Code 拡張 / OSS として利用可能。
Foundry/Azure での提供形態 Foundry(classic)/ Azure ML / VS Code 拡張 / OSS
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/ai-foundry/how-to/flow-develop
発表/GA 時期 OSS 2023年、継続更新

5. データ・知識基盤

科学データセット、地理空間データプラットフォーム、医療データ基盤、ベクトル検索・RAG 基盤など、AI モデルの入出力を支えるデータレイヤーです。

Azure AI Search (vector/hybrid)

項目 内容
対象科学分野 科学文献 RAG / マルチモーダル
提供元 Microsoft
主な用途・機能 ベクトル検索とキーワード検索を統合したハイブリッド検索エンジン。HNSW / exhaustive KNN アルゴリズムによるベクトル検索、統合ベクトル化(モデル呼び出しを組み込んだ自動エンベディング生成)、マルチモーダル検索(テキスト + 画像)に対応。科学文献の意味検索、実験レポートの類似文書検索、RAG パイプラインのリトリーバルバックエンドとして使用される。Microsoft Discovery の Knowledge Engine や Foundry IQ のバックエンドとしても活用可能。
Foundry/Azure での提供形態 Azure マネージド
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/search/vector-search-overview
発表/GA 時期 vector GA 2023年、統合ベクトル化 GA 2024年

Azure Cosmos DB Vector Search

項目 内容
対象科学分野 LLM 長期記憶・セマンティック検索
提供元 Microsoft
主な用途・機能 グローバル分散 NoSQL データベースにベクトル検索機能を統合したサービス。DiskANN(ディスクベース近似最近傍検索)、quantizedFlat、HNSW インデックスに対応。Cosmos DB for NoSQL / MongoDB vCore で利用可能。99.999% SLA のグローバル分散アーキテクチャにより、科学エージェントの長期記憶ストア、セマンティック検索、実験データの埋め込みインデックスなど、低レイテンシかつ高可用性が求められるワークロードに適する。
Foundry/Azure での提供形態 Cosmos DB for NoSQL / MongoDB vCore
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/cosmos-db/
発表/GA 時期 NoSQL GA 2024年

Azure Health Data Services

項目 内容
対象科学分野 医療相互運用(臨床 / 画像 / IoMT)
提供元 Microsoft
主な用途・機能 医療データの標準規格に準拠した マネージドデータ基盤。(1) FHIR サービス: HL7 FHIR R4 準拠の臨床データ API、(2) DICOM サービス: 医療画像(CT / MRI / X線等)の保存・検索・取得、(3) MedTech サービス: IoMT(医療 IoT)デバイスデータのリアルタイム取り込み、(4) De-identification サービス: PHI(保護対象医療情報)の匿名化。HIPAA / HITRUST 準拠。Healthcare Agent Orchestrator との連携で、FHIR データをエージェントが直接参照できる。なお、旧 API for FHIR は 2026年9月に廃止予定。
Foundry/Azure での提供形態 マネージド PaaS
公式 URL https://azure.microsoft.com/products/health-data-services
発表/GA 時期 GA 2022年、API for FHIR は 2026年9月廃止

Azure Open Datasets

項目 内容
対象科学分野 ゲノミクス / 気象 / 公共 / 地理空間
提供元 Microsoft
主な用途・機能 Azure Blob Storage 上で無償公開されている 科学データセット集。(1) Genomics Data Lake: Human Reference Genomes(GRCh37/GRCh38)、ENCODE エピゲノムデータ、ClinVar バリアントデータ、Open Targets 創薬標的データ等、(2) 気象データ: NOAA ISD(観測データ)等、(3) 地理空間データ: 都市境界、人口統計等。研究者が大量のゲノムデータをダウンロードせずに Azure 上で直接分析できる。なお、Genomics 系データセットは 2025年後半に非推奨(deprecation)告知済み。
Foundry/Azure での提供形態 無償 Azure Blob Storage(Genomics 系は 2025年後半非推奨)
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/open-datasets
発表/GA 時期 GA 2019年、Genomics は 2025年5月 deprecation 告知

Microsoft GraphRAG / LazyGraphRAG

項目 内容
対象科学分野 論文・私有文書のナレッジグラフ RAG
提供元 Microsoft Research
主な用途・機能 LLM を使って文書コーパスから 知識グラフを自動構築 し、グラフベースの RAG(Retrieval-Augmented Generation)を実現する OSS フレームワーク。通常のチャンクベース RAG では把握できない文書全体にわたるグローバルクエリ(「この300論文全体の主要テーマは何か?」)に対応する コミュニティ要約 機能が特徴。LazyGraphRAG はグラフ構築コストを大幅に削減する軽量版で、高品質な回答を低コストで実現。Microsoft Discovery の Knowledge Engine はこの技術をベースにしている。
Foundry/Azure での提供形態 OSS(github.com/microsoft/graphrag)、Azure テンプレート
公式 URL https://www.microsoft.com/en-us/research/project/graphrag/
発表/GA 時期 論文 2024年2月、OSS 化 7月、LazyGraphRAG 2024年11月

Microsoft Planetary Computer

項目 内容
対象科学分野 気候 / 農業 / 森林 / サステナビリティ
提供元 Microsoft
主な用途・機能 120以上の公開地理空間データセット(合計 50PB) をホストする地球観測データプラットフォーム。STAC(SpatioTemporal Asset Catalog)カタログにより、Landsat、Sentinel-2、MODIS 等の衛星画像データや、気候・土地被覆・生物多様性データに Python / API でアクセスできる。JupyterHub 環境(Dask クラスタ付き)が無償 preview で提供され、データのダウンロードなしにクラウド上で分析可能。気候変動研究、農業モニタリング、森林減少追跡、サステナビリティ評価に活用されている。
Foundry/Azure での提供形態 無償 preview(計算は Azure 従量)
公式 URL https://planetarycomputer.microsoft.com
発表/GA 時期 2021年 preview、継続運用

Microsoft Planetary Computer Pro

項目 内容
対象科学分野 エネルギー / 農業 / 小売 / 都市計画
提供元 Microsoft
主な用途・機能 Planetary Computer の 企業向けエディション。民間組織が保有する独自の地理空間データを STAC 準拠で取り込み、GeoCatalog で管理・配信できる。ArcGIS(Esri)統合、WMTS API(地図タイル配信)、Copilot 連携による自然言語での地理空間データ分析に対応。Aurora(気象基盤モデル)との統合により、気象予測と地理空間データの融合分析が可能。エネルギー企業の施設最適配置、農業のフィールド分析、小売の立地分析などに活用。
Foundry/Azure での提供形態 Azure ネイティブ public preview(East US / NC US / W Europe)
公式 URL https://azure.microsoft.com/products/planetary-computer-pro
発表/GA 時期 2025年5月19日

pgvector on Azure PostgreSQL / Cosmos DB

項目 内容
対象科学分野 科学文献埋め込み / 画像類似検索
提供元 Microsoft(OSS pgvector)
主な用途・機能 PostgreSQL の ベクトル検索拡張 pgvector を Azure マネージド PostgreSQL 上で利用可能にしたサービス。VECTOR 型カラム、IVFFlat / HNSW インデックス、cosine / L2 / 内積の距離関数に対応。Azure AI Vision や OpenAI の埋め込みモデルとの統合により、科学文献の意味検索、医療画像の類似画像検索、実験データのクラスタリングなど、既存の PostgreSQL アプリケーションにベクトル検索を追加できる。Cosmos DB for PostgreSQL でも利用可能。
Foundry/Azure での提供形態 Flexible Server、Cosmos DB for PostgreSQL
公式 URL https://learn.microsoft.com/azure/cosmos-db/postgresql/howto-use-pgvector
発表/GA 時期 2023年〜

6. パートナーソリューション

ISV(独立ソフトウェアベンダー)、SI(システムインテグレーター)、研究パートナーによるソリューション群です。Microsoft Discovery との統合や Azure インフラ上での実行に対応しています。

Accenture Global Laboratory Reinvention

項目 内容
対象科学分野 ラボ自動化・lab-in-the-loop
提供元 Accenture
主な用途・機能 Microsoft Discovery プラットフォーム向けの システムインテグレーション(SI)サービス。「Laboratory of the Future(未来のラボ)」戦略のもと、AI エージェントとラボ自動化装置を統合し、実験の自動化・データ収集・分析のサイクルを加速する。研究者が仮説を立て、AI エージェントが実験計画を生成し、自動化装置が実験を実行し、結果を知識グラフにフィードバックする lab-in-the-loop ワークフローを構築する。
Foundry/Azure での提供形態 パートナー契約
公式 URL https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 2025年

Benchling R&D Cloud

項目 内容
対象科学分野 バイオテック・生物学 R&D
提供元 Benchling, Inc.
主な用途・機能 バイオテクノロジー研究向けの クラウド ELN(電子実験ノート)/ LIMS(ラボ情報管理システム)。分子生物学ツール(プラスミド設計、プライマー設計、配列アノテーション)、サンプルレジストリ(試薬・サンプルの管理・追跡)、Benchling Connect(ラボ機器からのデータ自動取込)を統合。Microsoft Entra ID による SAML / OAuth 認証に対応し、Azure 環境との SSO 統合が可能。バイオテック・製薬企業を中心にグローバルで広く採用されている R&D プラットフォーム。
Foundry/Azure での提供形態 SaaS + Microsoft Entra Gallery アプリ統合
公式 URL https://www.benchling.com/
発表/GA 時期 Entra 統合済、継続

Capgemini Cambridge Consultants

項目 内容
対象科学分野 lab-in-the-loop
提供元 Capgemini
主な用途・機能 Capgemini 傘下の Cambridge Consultants の深層技術 IP を活用した、Microsoft Discovery 向け SI サービス。物理 AI、生物 AI の専門知識と「lab-in-the-loop」知的財産により、R&D 集約型産業に向けた Discovery プラットフォームの導入・カスタマイズを支援する。製薬、化学、エネルギーなどの分野で、予測モデリングやデータ駆動型実験設計の導入を加速。
Foundry/Azure での提供形態 パートナー契約
公式 URL https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 2025年

Certara Phoenix Cloud / Certara.AI / D360

項目 内容
対象科学分野 薬物動態モデリング・規制文書
提供元 Certara, Inc.
主な用途・機能 製薬業界向けの PK/PD(薬物動態 / 薬力学)モデリングプラットフォーム群。(1) Phoenix Cloud: クラウドベースの PK/PD モデリング・シミュレーション、(2) Certara.AI: GenAI を活用した規制当局提出文書(NDA / BLA 等)の自動生成、(3) D360: 統合サイエンス分析プラットフォーム。ISO 27001 準拠。製薬企業が臨床試験データの解析から規制当局への申請書類作成までをカバーでき、Azure インフラとの連携により大規模データ分析に対応。
Foundry/Azure での提供形態 SaaS + オンプレ、Azure インフラ連携
公式 URL https://www.certara.com/software/phoenix-pkpd/phoenix-cloud/
発表/GA 時期 継続 GA

Dotmatics Luma / ELN / Prism

項目 内容
対象科学分野 R&D 全般(ELN / LIMS・低分子・生物)
提供元 Dotmatics(Siemens 傘下)
主な用途・機能 科学データ管理の 統合プラットフォーム。(1) Luma: 構造化・非構造化科学データの統合管理基盤、(2) ELN / LIMS: 電子実験ノートとラボ情報管理、(3) Vortex: 分子データの可視化・分析、(4) SnapGene: 分子クローニング・プラスミド設計、(5) GraphPad Prism: 統計解析・グラフ作成、(6) Geneious: バイオインフォマティクス配列解析。2025年に Siemens が買収し、エンジニアリングデータとの統合が進む。Entra ID SSO 対応で Azure 環境とのシームレスな認証統合が可能。
Foundry/Azure での提供形態 SaaS + Azure ID 連携
公式 URL https://www.dotmatics.com
発表/GA 時期 Luma 2023年10月、Siemens 買収 2025年

Estée Lauder Discovery 連携

項目 内容
対象科学分野 スキンケア材料
提供元 Estée Lauder + Microsoft
主な用途・機能 Microsoft Discovery プラットフォーム上で 新規スキンケア材料の発見を加速 するパートナーシップ。Estée Lauder が約80年にわたり蓄積した自社 R&D データ(処方、評価データ、原料特性等)を Knowledge Engine に統合し、AI エージェントが新成分の探索・評価・処方最適化を支援する。同社の R&D 責任者は「自社の研究データは競争優位の源泉であり、Discovery プラットフォームはそのデータの力を解放する」と表明。
Foundry/Azure での提供形態 Discovery
公式 URL https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

GSK Discovery 連携

項目 内容
対象科学分野 創薬(parallel prediction & testing)
提供元 GSK + Microsoft
主な用途・機能 グローバル製薬大手 GSK と Microsoft の Discovery プラットフォームを活用した創薬共同革新。BioNeMo NIM と統合し、標的同定→候補生成→in silico 検証の parallel prediction & testing(並列予測・試験)ワークフローを構築。AI による分子設計と計算化学的検証を並行して実行し、従来の逐次的な創薬プロセスを根本的に加速する。GSK の広範なデータ資産と Microsoft の AI インフラの融合により、新薬の発見速度と精度の向上を目指す。
Foundry/Azure での提供形態 Discovery
公式 URL https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

NVIDIA ALCHEMI

項目 内容
対象科学分野 材料発見(candidate / property mapping)
提供元 NVIDIA
主な用途・機能 NIM 形式で提供される材料科学向け AI 推論サービス。候補材料の同定、物性マッピング、合成データ生成など、材料発見の各段階で AI 推論を実行する。Microsoft Discovery との統合により、Discovery の知識エンジンが材料科学の文献・データベースから得た知見と ALCHEMI の推論結果を組み合わせて、より効率的な材料スクリーニングを実現する。MatterGen / MatterSim と補完的な関係にあり、NVIDIA GPU インフラ上での推論最適化が施されている。
Foundry/Azure での提供形態 Azure + Discovery 統合
公式 URL https://www.nvidia.com/en-us/industries/research/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

NVIDIA BioNeMo NIM microservices

項目 内容
対象科学分野 タンパク質 / 分子 / 医用画像
提供元 NVIDIA
主な用途・機能 創薬・ライフサイエンス向け AI モデルを NIM(NVIDIA Inference Microservice) として統合提供するマイクロサービス群。ProteinMPNN(配列設計)、RFdiffusion(構造生成)、OpenFold2/3(構造予測)、AlphaFold2(構造予測)、ESMFold(MSA 不要構造予測)などを含む。各モデルは NIM コンテナとしてパッケージ化されており、Azure AI Foundry 経由で ND GB200 v6 等の GPU VM にワンコマンドでデプロイ可能。BioNeMo Blueprint として、複数の NIM を組み合わせた創薬パイプライン(配列→構造予測→バインダー設計→評価)のテンプレートも提供。
Foundry/Azure での提供形態 Azure AI Foundry 経由 NIM、ND GB200 v6 VM
公式 URL https://blogs.nvidia.com/blog/microsoft-build-agentic-ai-innovation-cloud-pc/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

NVIDIA Clara Parabricks

項目 内容
対象科学分野 ゲノミクス(NGS 2次解析)
提供元 NVIDIA
主な用途・機能 次世代シーケンサー(NGS)データの2次解析を GPU アクセラレーション で高速化するソフトウェアスイート。DeepVariant(ディープラーニングベースのバリアントコーラー)の GPU 実装をはじめ、BWA-MEM2 によるアラインメント、HaplotypeCaller、Mutect2 等の主要ツールを GPU 化。30× WGS(全ゲノムシーケンス)を 10-25分 で処理可能(CPU のみでは数十時間)。Azure NC / ND GPU VM 上で NGC コンテナとして稼働し、Azure Marketplace からもデプロイ可能。ゲノム医療の大規模コホート解析や臨床シーケンスの高速ターンアラウンドに活用。
Foundry/Azure での提供形態 NGC コンテナ + Azure GPU VM、Marketplace でデプロイ可
公式 URL https://docs.nvidia.com/clara/parabricks/
発表/GA 時期 v4系 2023-25年、最新 v4.7

PhysicsX (Discovery 統合)

項目 内容
対象科学分野 物理シミュレーション
提供元 PhysicsX
主な用途・機能 物理ベースの AI 基盤モデルを提供する英国スタートアップ。航空宇宙、半導体、エネルギー、自動車などの産業で、CFD(流体力学)、FEA(構造解析)、熱解析等の物理シミュレーションを AI で高速近似する。Microsoft Discovery との統合により、Discovery の知識エンジンと PhysicsX の物理 AI を組み合わせた設計最適化ワークフローを構築。CEO の Jacomo Corbo は「Discovery は科学発見とエンジニアリングを加速するソフトウェアインフラの次の時代を定義する」と評価。
Foundry/Azure での提供形態 Discovery 内
公式 URL https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

Schrödinger Platform / LiveDesign

項目 内容
対象科学分野 創薬(低分子・バイオロジクス・材料)
提供元 Schrödinger, Inc.
主な用途・機能 物理ベース分子モデリング + 機械学習 を統合した計算化学プラットフォーム。(1) FEP+: 自由エネルギー摂動計算による結合親和性の精密予測(製薬業界のゴールドスタンダード)、(2) Glide: 分子ドッキング、(3) Maestro: 統合 GUI、(4) LiveDesign: チーム間での分子設計データの共有・管理。Azure HPC / GPU VM 上で大規模な FEP+ 計算を実行でき、数百〜数千の化合物バリアントの結合親和性を並列評価可能。NVIDIA との提携によりGPU最適化が進んでおり、Azure の ND H100/H200 VM での実行に対応。
Foundry/Azure での提供形態 Azure HPC / GPU VM 経由実行
公式 URL https://www.schrodinger.com/platform/
発表/GA 時期 既存、NVIDIA 提携 2020年〜、Azure GPU 対応継続

Synopsys (Discovery 統合)

項目 内容
対象科学分野 半導体設計
提供元 Synopsys
主な用途・機能 世界最大の EDA(Electronic Design Automation)ベンダー Synopsys の AI 搭載設計ソリューションを Microsoft Discovery に統合するパートナーシップ。チップ設計ワークフローの再構築により、設計探索空間の拡大、レイアウト最適化の自動化、設計検証の高速化を目指す。半導体設計は「最も複雑で高リスクな科学技術的取り組みの一つ」であり、Discovery の知識エンジンと Synopsys の EDA ツールを組み合わせることで、設計者の生産性を大幅に向上させる。SVP の Raja Tabet が統合を主導。
Foundry/Azure での提供形態 Discovery 上
公式 URL https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
発表/GA 時期 Build 2025年5月

まとめ

本記事では、Microsoft が Azure AI Foundry を中心に提供する AI for Science 向けツール・サービス約75件を6つのカテゴリに分類して紹介しました。

カテゴリ別サマリ

カテゴリ ツール数 代表的なツール 主な対象分野
基盤モデル(MSR) 8 MatterGen, Aurora, AI2BMD 材料科学, 気象, 計算化学
基盤モデル(パートナー/OSS) 18 AlphaFold2, ESMFold, Virchow 構造生物学, 創薬, 医療画像
エージェント・ワークフロー 11 Microsoft Discovery, Agent Framework R&D 全般, 研究自動化
SDK・MLOps・HPC 17 Azure AI Foundry SDK, CycleCloud, ND H200 実験管理, 大規模学習
データ・知識基盤 8 Azure AI Search, Planetary Computer 科学データ, RAG
パートナーソリューション 13 Schrödinger, NVIDIA BioNeMo, Benchling 創薬, ゲノミクス, 半導体設計

活用のポイント

  1. 段階的に始める — まず Azure AI Foundry Models Catalog で事前学習済みモデルを試し、推論 API で成果を確認してからファインチューニングに進む
  2. エージェントで研究ワークフローを自動化 — Microsoft Discovery や Foundry Agent Service を使い、文献調査→仮説生成→シミュレーション→検証のサイクルを短縮する
  3. HPC インフラを活用 — 大規模な分子動力学シミュレーションや気象予測には、ND H200 v5 / ND GB200 v6 + CycleCloud で Slurm クラスタを構築する
  4. パートナーソリューションと組み合わせる — Schrödinger、Benchling、NVIDIA BioNeMo NIM などの専門ツールを Azure 上で統合し、エンドツーエンドのパイプラインを構築する

今後の展望

Microsoft は Build 2025 で Microsoft Discovery プラットフォームを発表し、科学 R&D の エージェンティック AI 化を本格的に推進しています。今後は以下のような発展が見込まれます。

  • マルチモーダル科学エージェント: 論文テキスト、実験画像、分子構造、遺伝子配列など異種データを横断的に処理するエージェントの高度化
  • リアルタイム実験連携: ラボ機器や IoT センサーとの連携により、実験データのリアルタイム解析と次実験の自動提案
  • 規制対応の強化: FDA/EMA 申請に必要な GxP 準拠のトレーサビリティ機能の拡充

📝 本シリーズの他の記事もあわせてご覧ください:

References

[1] Transforming R&D with agentic AI: Introducing Microsoft Discovery - Microsoft Azure Blog, 2025-05-19

[2] MatterGen: a generative model for inorganic materials design - Microsoft Research Blog, 2025-01-09

[3] Aurora: A Foundation Model of the Atmosphere - GitHub, 2025

[4] AI2BMD: AI-based Ab Initio Biomolecular Dynamics - GitHub, 2024

[5] Microsoft Agent Framework - GitHub, 2025

[6] Azure AI Foundry Models Catalog - Microsoft, 2025

[7] Microsoft Planetary Computer - Microsoft, 2025

[8] NVIDIA and Microsoft Build Agentic AI Innovation - NVIDIA Blog, 2025

[9] Azure CycleCloud Workspace for Slurm - Microsoft Learn, 2025

[10] Azure AI Foundry AI for Science ツール一覧 - Microsoft Azure, 2025

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