対象読者: Microsoft Discovery App を初めてインストールする方
所要時間: 約10分
参照元: microsoft/discovery - docs/discovery-app
🎉 Microsoft Discovery App は Microsoft Build 2026(2026年6月2日)にて早期プレビュー開始がアナウンスされました。
Microsoft Discovery とは
Microsoft Discovery は、AI を活用した科学・エンジニアリングプラットフォームで、2つの製品ラインがあります。
| 製品 | 提供形態 | ステータス |
|---|---|---|
| Microsoft Discovery | クラウドホスト型(Azure ベース) | GA(2026年6月2日 一般提供開始) |
| Microsoft Discovery App | ローカルファーストの Windows デスクトップアプリ | 早期プレビュー(2026年6月2日〜) |
本ガイドは「Microsoft Discovery App」(デスクトップ版)のインストール手順です。
クラウド版の Microsoft Discovery については Microsoft Learn を参照してください。
Microsoft Discovery App の特徴
Microsoft Discovery App はローカルファーストの Windows アプリケーションで、Azure サブスクリプションやクラウド資格情報なしに、手元のマシンですぐに使い始められます。以下の機能を備えています。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 📚 Bookshelf | 論文・ドキュメント・コードのセマンティック検索可能なナレッジベース |
| 🔧 Tool Catalog | GitHub Copilot / Claude / Cursor に接続できる科学ツール(MCP サーバー) |
| 📋 Tasks | 依存関係を持つ DAG 型タスクグラフ |
| 🤖 Discovery Engines | バックグラウンドで動作する自律エージェント |
| 📓 Notebook | 研究結果の収集・整理・公開用ラボノート |
⌨️ dx CLI
|
全機能をスクリプトから利用可能なコマンドラインツール |
前提条件
必須要件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| OS | Windows(Windows 11 推奨)。macOS / Linux は現時点で非対応 |
| GitHub アカウント | リリースのダウンロードに必要 |
| GitHub Copilot サブスクリプション | 必須。会話・エージェント機能の駆動に使用 |
| ディスク容量 | インストールに約 3 GB + Bookshelf 用の空き容量 |
| ネットワーク接続 | インストール時のみ必要(署名済みコンポーネントの取得)。インストール後はローカルで動作 |
オプション連携
| 連携先 | 用途 |
|---|---|
| Visual Studio Code | サイドバーツリー、Copilot Chat ツール、Agent Plugin ホスト。スタンドアロンでも動作するため任意 |
dx CLI |
インストーラーが自動で PATH に追加。新しいターミナルセッションで利用可能 |
インストール手順
Step 1: インストーラーのダウンロード
- 最新リリースページ を開く
-
Assets セクションから
DiscoveryExpressSetup-x.y.z.exeをダウンロード - (推奨)SHA-256 ハッシュ値を検証:
Get-FileHash .\DiscoveryExpressSetup-x.y.z.exe -Algorithm SHA256
リリースページに記載されたハッシュ値と一致することを確認してください。
Step 2: インストール実行
- ダウンロードした
.exeを 右クリック → 管理者として実行- 管理者実行により
dxCLI と VS Code コンポーネントが全ユーザーに正しく登録されます
- 管理者実行により
- インストーラーのプロンプトに従う(デフォルト設定推奨)
- インストール完了後、Microsoft Discovery が自動起動
💡 スタートメニュー → Microsoft Discovery からも起動できます。
Step 3: サインインと動作確認
- Microsoft Discovery を起動
- GitHub アカウントでサインイン(GitHub Copilot サブスクリプションとの紐付け)
- ターミナルを開き、CLI の動作を確認:
dx --version
dx doctor --workspace .
dx doctor の出力について
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| ✅ 緑 | 正常に動作 |
| ⚠️ 黄 | 軽微な警告(初回インストール直後は正常) |
| ❌ 赤 | 要対応 |
初回インストール時の注意: Copilot へのサインインまたは Azure OpenAI の設定が完了するまで、LLM ルートに関する黄色の警告が表示されます。これは正常な動作です。
初回セットアップと動作確認
ワークスペースの初期化
dx init --workspace C:\work\my-project
dx doctor --workspace C:\work\my-project
初期化後のフォルダ構成:
📁 C:\work\my-project\
└── 📂 .discovery/ ← Discovery の全状態(バージョン管理可能)
├── config.json ← エンジン・モデル・プロバイダー設定
├── bookshelves/ ← インデックス済みナレッジ
├── tasks/ ← タスクグラフ(DAG)
├── notebooks/ ← 研究ノート
└── engines/ ← Discovery Engine 状態
Bookshelf の作成と検証
# 1. Bookshelf を作成(名前を指定)
dx bookshelf create papers --workspace C:\work\my-project
# 2. 作成した Bookshelf の ID を確認
dx bookshelf list --workspace C:\work\my-project
# → 表示例: shelf_abc123 papers Ready
# 3. ドキュメントを取り込み(shelf-id は上記で確認した ID を使用)
dx bookshelf ingest shelf_abc123 C:\papers --recursive --workspace C:\work\my-project
# 4. 検索テスト
dx bookshelf search shelf_abc123 "検索キーワード" --workspace C:\work\my-project
Microsoft Discovery にはローカル埋め込みモデル(all-MiniLM-L6-v2 ONNX)がバンドルされており、API キーなし・オフラインでセマンティック検索が即座に動作します。
VS Code 連携(オプション)
VS Code を使う場合の追加手順:
- 最新の VS Code をインストール
- VS Code を開き、Activity Bar(左側の縦バー)に Microsoft Discovery アイコンが表示されることを確認
- VS Code 内で GitHub Copilot にサインイン
サイドバーの構成
◆ MICROSOFT DISCOVERY
├── 📁 Workspace ← プロジェクトファイル
├── 📓 Notebooks ← Jupyter / Wiki / Brief ノートブック
├── 📚 Bookshelf ← インデックス済みナレッジベース
├── 🔧 Tool Catalog ← MCP サーバー・Agent Plugin
├── 📋 Tasks ← タスクグラフ
└── 🤖 Engines ← Discovery Engine
Agent Plugin Marketplace の設定
VS Code の settings.json に以下を追加:
// settings.json
"chat.plugins.marketplaces": [
// Agent Plugin Marketplace URL
]
利用可能な科学ツール:
| カテゴリ | プラグイン |
|---|---|
| 🧬 生命科学 | BioMCP (PubMed + 臨床試験), RCSB PDB (タンパク質構造), UniProt (タンパク質配列), NCBI Entrez (遺伝子DB) |
| ⚛️ 物理科学・工学 | NASA PDS (惑星データ), OPTIMADE (結晶構造・材料科学) |
| 📄 科学文献 | arXiv (プレプリント), bioRxiv / medRxiv (生物学・医学プレプリント) |
アップグレード
-
最新リリース から新しい
DiscoveryExpressSetup-x.y.z.exeをダウンロード - Microsoft Discovery を終了(VS Code 連携使用時は VS Code も終了)
- 新しいインストーラーを実行
-
.discovery/ワークスペースの状態は保持されます
-
- Microsoft Discovery を再起動し、バージョンを確認:
dx --version
💡 GitHub リポジトリの Releases を Watch → Custom → Releases で監視すると、新ビルドの通知を受け取れます。
アンインストール
- 設定 → アプリ → インストール済みアプリ → 「Microsoft Discovery」を検索 → アンインストール
- (任意)ワークスペースのクリーンアップ:各プロジェクトの
.discovery/フォルダを削除 - (任意)VS Code 連携を使用していた場合:拡張機能パネルで Microsoft Discovery 関連エントリを削除
トラブルシューティング
| 症状 | 対処法 |
|---|---|
| インストーラーが権限エラーで失敗 | 管理者として再実行 |
| サインインできない | GitHub Copilot サブスクリプションがアクティブか確認 |
dx コマンドが見つからない |
新しいターミナルセッションを開く。改善しない場合は下記「dx CLI の手動 PATH 設定」を参照 |
dx doctor で LLM ルート警告 |
CLI 専用の設定のため、アプリ利用には影響なし。CLI で LLM を使う場合は下記「LLM 設定の確認・テスト」を参照 |
| VS Code に Discovery アイコンが表示されない | VS Code を再起動。改善しない場合はインストーラーを再実行 |
| その他の問題 |
dx doctor --workspace . を実行し、出力を添えて Discussions にバグ報告 |
LLM 設定の確認・テスト(CLI 専用・オプション)
この LLM 設定は dx CLI から直接 LLM を利用する場合(dx bookshelf ask 等)にのみ必要です。Discovery App 本体は GitHub Copilot 経由で LLM を利用するため、この設定がなくてもアプリの基本機能は全て動作します。
# 現在の LLM 設定を確認
dx workspace config llm show --workspace C:\work\my-project
# → "(no llm configuration)" と表示される場合は未設定(アプリ利用には問題なし)
# Azure OpenAI を設定する場合(AAD認証)
dx workspace config llm set-azure-openai `
--endpoint "https://<your-resource>.openai.azure.com/openai/deployments/<deployment>/chat/completions?api-version=2024-02-01" `
--workspace C:\work\my-project
# API キー認証の場合
dx workspace config llm set-azure-openai `
--endpoint "https://<your-resource>.openai.azure.com/openai/deployments/<deployment>/chat/completions?api-version=2024-02-01" `
--auth api-key `
--api-key-env AZURE_OPENAI_API_KEY `
--workspace C:\work\my-project
# 接続テスト
dx workspace config llm test --workspace C:\work\my-project
dx CLI の手動 PATH 設定
早期プレビュー版では、インストーラーによる PATH 自動登録が正しく行われない場合があります。dx コマンドが見つからない場合は、以下の手順で手動設定してください。
dx.exe は以下のパスにインストールされます。
%LOCALAPPDATA%\Programs\Discovery App - Preview\<version>\extensions\discovery-app.discovery-app-<version>\dist\dx-cli\dx.exe
手動で PATH に追加する方法:
# dx.exe の場所を確認
Get-ChildItem "$env:LOCALAPPDATA\Programs\Discovery App - Preview" -Recurse -Filter "dx.exe" |
Where-Object { $_.DirectoryName -like "*dx-cli*" } |
Select-Object -ExpandProperty DirectoryName
# PATH に追加(見つかったパスを指定)
$dxPath = "$env:LOCALAPPDATA\Programs\Discovery App - Preview\0.15.0-preview\extensions\discovery-app.discovery-app-0.15.0\dist\dx-cli"
[Environment]::SetEnvironmentVariable("Path", [Environment]::GetEnvironmentVariable("Path", "User") + ";$dxPath", "User")
設定後、新しいターミナルを開いて dx --version で確認してください。
次のステップ
インストールが完了したら、以下を試してみてください。
- 📚 Bookshelf にドキュメントを取り込み、Copilot Chat で質問する
- 📋 タスクグラフを作成し、依存関係を設定する
- 🤖 Discovery Engine を Supervised モードで起動し、動作を確認する
- 📓 Notebook を作成し、研究結果を記録する
詳細は Quick Start ガイド を参照してください。