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NIMサーバー備忘録

Last updated at Posted at 2023-07-07

はじめに

NIM = ネットワーク・インストール・マネージャーの略で、AIX環境で使います。
NIMを使うと色々便利なことがあります。
たとえば、バックアップやリストアがオンラインで実行できたり、NIMサーバー上に配置したアップデート・イメージ(lpp_source)を使ってAIXをアップデートできたり、などなど。
特に、AIXのLPAR数が多いときには重宝します。

一方、個人的には最近あまりNIMサーバーを使っていなかったので、細かい使い方をすっかり忘れていました。
そこで、「あれ、どうやるんだっけ?」と思って探してしまった情報を備忘録的に書いておこうと思います。

mksysbをリストア&TL/SP更新するとき、「マイグレーション・リストア」が使えるのか?

AIXのマイグレーションとは?

AIXのマイグレーションとは、AIX 7.1から7.2への移行のように異なるバージョンへアップグレードすることを言います。

NIMを使ったAIXのマイグレーション
https://www.ibm.com/docs/ja/aix/7.3?topic=installing-migrating-aix

NIMサーバーがない場合、AIX導入メディアから起動してマイグレーションを行う必要がありますが、NIMサーバーがあればネットワーク・ブートしてマイグレーションを行うことができます。

Q9. NIMでマイグレーションをするときの手順は?
https://www.ibm.com/support/pages/power-systems-aix-faq%E9%9B%86-nim#Q9

マイグレーション・リストアとは?

すでに導入済みのAIXのマイグレーションだけでなく、mksysbにバックアップを取ったAIXをリストアしながらマイグレーションすることもできます。これを、マイグレーション・リストアと言います。このとき、BOSINST.DATAの"INSTALL_METHOD = migrate"にして、mksysbのリストアを実施します。

mksysb マイグレーション
https://www.ibm.com/docs/ja/aix/7.3?topic=aix-mksysb-migration

どうしてこういう手段が用意されているかというと、移行前のバージョンのAIXをサポートしていない新しいハードウエアへリストアしたいとき、リストアと同時にマイグレーションが必要になるからです。マイグレーション・リストアの実行時には、移行後の新しいAIXのSPOTで起動するため、移行前のバージョンをサポートしていないハードウエアへもリストア可能なのです。
ちなみに、この記事でも使っています。

AIX 5.3をPower Systems Virtual Server上に移行インストールしてみる(移行後はAIX 7.2)
https://qiita.com/hiroyuki_z_tanaka/items/bf5b0de4062db9d047f6

TL/SP更新に使えるか?

この方法は、mksysbをリストアしつつTL/SPを更新する(AIXのバージョンは同じ)場合にも使えるような気がします。
が、結論からいうと、同じAIXのバージョンのTL/SP更新には使えません。
デバッグモードで起動するとわかりますが、マイグレーションリストアでは移行前後のAIXのバージョンを比較していて、同じだとエラーになるようになっています。

mksysbリストアと一緒にTL/SP更新を行いたいときには、BOSINST.DATAに"INSTALL_METHOD = overwrite", "INSTALL_DEVICES_AND_UPDATES = yes"を設定してリストアを行います。

bosinst.data control_flow スタンザの説明
https://www.ibm.com/docs/ja/aix/7.3?topic=file-bosinstdata-control-flow-stanza-descriptions

TLアップグレード時、導入メディアとFix CentralからダウロードしたTLのどちらを使うべきか

TLアップグレード時、導入メディアとFix CentralからダウロードしたTLのどちらを使うべきでしょうか。どちらも使うことができますが、奨励はFix CentralからダウロードしたTLを使う方法のようです。

Updating to a new Technology Level or Service Pack
https://www.ibm.com/support/pages/updating-new-technology-level-or-service-pack

実際、やってみると新しい導入メディアには含まれないファイルセットがあったりします(たとえば、「古い」Javaの最新ファイルセットは、新しい導入メディアには入っていないことがありました。そのため、アップデートしたのに"oslevel -s"の出力が目的のTL/SPまで上がってなかったりすることがあります)。

一方、Fix CentralからダウンロードしたTLアップデートでは、spotが作れないようなので要注意です。

lpp_source リソースの使用:spotを作る時のlpp_sourceにはsimages属性が必要
https://www.ibm.com/docs/ja/aix/7.2?topic=resources-using-lpp-source-resource

ちなみに、lpp_sourceにはファイルセットを追加することもできます。この方法を使って、ESSからダウンロードした導入メディアとFixCentralからダウンロードしたTLアップデートをマージして、simages属性のあるlpp_sourceを作ることもできます。

2023/12/1追記:同じレベルのベースメディアとアップデートメディアを結合するのはNGだそうです。Base filesetとUpdate filesetが混ざっちゃうからかな?
https://www.ibm.com/docs/en/aix/7.3?topic=resources-using-lpp-source-resource
Note: Do not combine an lpp_source resource that was created from a technology-level base media with images from the same technology-level update media.

Q10. NIMでアップデートをするときの手順は?
https://www.ibm.com/support/pages/power-systems-aix-faq%E9%9B%86-nim#Q10

まとめ

ここに書いたことは、日頃からNIMサーバーを使って運用されている方には、当たり前のことかと思います。が、たまーにしかNIMサーバーを使わない身としては、結構忘れがち・・・。こうして記事にしておいて、また忘れた時に参照したいと思います。

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