はじめに
今回はWindows Server OSのインストールの続きから入っていきます。OSをインストールするにしても事前に導入する際の環境を調査し、それに合わせてインストーラを選び、セットアップしていく必要があり想像以上に大変です。しかし、一度でも構築すれば一つ一つの操作に迷いというものがかなり減ってくるのではないでしょうか。残りのセットアップについても記事にしていきます。
※前回の記事はこちら
→WinSV構築(Windows Server 2022 Datacenterをインストール:前半)
環境
・形態:オンプレミス
・エディション:Windows Server 2022 Datacenter
・CPU:1コア
・メモリ:3GB
・仮想ディスク:60GB
・システム:x86アーキテクチャ 64bit
OSインストール
Windows Serverをインストールするドライブを選択する
Windows Server 2022をインストールする先を選択します。本環境では内蔵のドライブ(容量60GB)にインストールします。新規のドライブにインストールする場合はパーティションの作成が必要になります。表示されているドライブを選択して「新規」をクリックします。
[新規]をクリックするとパーティションの作成になります。[サイズ]にパーティションのサイズを入力して[適用]をクリックします。本環境ではディスクを最大容量まで利用する前提で、デフォルトで表示された容量を設定しています。
[適用]をクリックすると、システム用のパーティションが作成される旨の警告が表示されます。ドライブにデータが入っている場合[OK]をクリックした時点でデータが全て削除されますので、念のために確認を行って下さい。
[OK]をクリックすると、システム用のパーティションと、Windows Server 2022をインストールするためのパーティションの2つが作成されます。パーティション2を選択して[次へ]で先へ進めます。
※選択したドライブにデータが入っている場合、ディスクのフォーマットが必要になりますので、その場合は[フォーマット]を選択して、事前にフォーマットを行った上で、ディスクを選択します。
Windows Server インストール開始
選択したディスクにWindows Serverのファイルがコピーされて、インストールが開始されます。
進捗は、環境によりますが20~30分程度の時間が掛かります。
Windowsの再起動
Windows Server 2022のインストールが完了すると、再起動が必要になる旨、画面に表示されます。
時間が経過すると、自動的に再起動されますが、早く再起動を行いたい場合には[今すぐ再起動]をクリックして再起動を行います。
OSインストール後の手順
Windows Server 2022のインストールまでが完了しました。システムが再起動されるとインストール後のセットアップ準備が始まります。
ここからはインストール後に必要となる手順について紹介していきます。
設定のカスタマイズ
Windows Server 2022の再起動が開始されると、起動シーケンスで、必要な自動処理が開始されます。
起動後に、設定のカスタマイズ画面が表示されます。ここでは管理者ユーザー (Administrator)に対してパスワードを設定します。任意のパスワードを入力して、[完了]をクリックします。
※現場ではパスワードは最終的にお客さんから提示されたパスワード一覧のパスワードを設定しますが、ここでは暫定パスワードを設定しました。
インストール後の設定完了
Windows10やWindows Server 2019でお馴染みのロック画面が表示されます。
CTRLキー、ALTキー、DELETEキーを同時に押してログイン画面を表示させます。
※リモートデスクトップ接続している場合、ロック画面は飛ばせます。(設定次第ではロック画面が表示されるようにできるようです)
ログイン情報を入力する画面が表示されます。設定したパスワードを入力してログインします。
初回のログイン時のみ、自動処理でやや時間がかかりますが、ログインすると、ほぼWindows10と同様のデスクトップが展開されます。
Windows Updateの実行
インストール後に最新のOSビルドまでアップデートを行います。最新ビルドまでOSのアップデートを行います。サーバーの再起動が必要になるアップデートもあることから、一度のWindows Updateで完了しない場合もあります。念のためにWindows Updateは何度か繰り返し実行してみてください。
※不具合状況によっては最新ビルドでないビルドにする必要があります
Windows Update設定画面の表示
Windows Server 2022のWindows Updateは2019と同様、コントロールパネルに表示されません。 Windows Server 2022でWindows Updateを設定するには、左下のWindowsアイコンをクリックして表示される、[設定]アイコンを左クリックします。
表示された[Windowsの設定]画面から[更新とセキュリティ]をクリックすることで設定画面へ移行できます。
Windows Updateの適用
Windows Updateで更新プログラムを適用します。更新プログラムのダウンロードはインターネットへ接続している状態では自動的に始まります。[インストールの準備ができました]と表示されていれば[今すぐインストール]をクリックすることで、更新が始まります。
インストールが完了すると、更新の履歴に完了したプログラムが表示されます。更新を完了して、ビルドが最新になったことを確認して、Windows Updateは完了です。
これでWindows Server 2022 Datacenterのインストールと初期セットアップは完了です。
おわりに
Windows Server OSのインストール設定についてはこれで終わりです。一つ一つの手順を辿っていくと結構なボリュームがありましたが、全体を見渡してみると設定自体はシンプルであることに気づきました。最初の環境準備さえ間違えなければOSインストールはスムーズにできそうです。もちろん、Windows ServerはOSをインストールしただけで正常に動くわけではありません。他のサーバーやクライアント端末と正常に連携するためにネットワークやドメイン設定などする必要があります。サーバーの役割と機能のインストールやサービス設定、ファイアーウォール設定などOS設定だけでも多くの設定があります。今まで2つの構築現場に入りましたが、OS設定は共通している部分が多いので経験していくうちに慣れてくると思います。ただ、OSインストールに関してはクラウドから構築だと、クラウドチームが実施してくれたり、オンプレミスでもテンプレート作る担当の人が実施してくれたりなど機会があまりないかもしれません。私は機会がなかったので記事に残しました。少しでもこの記事がお役に立てたら幸いです。
筆者はWSUSサーバの設計経験、ADサーバの構築経験があるのでそちらについても記事を残せたら良いと思っています。両サーバとも多くの現場で必要としているサーバのはずですのでお役に立つと思います。
投稿者
エンジニアファーストの会社 株式会社CRE-CO 田渕浩之