Arduinoやブレッドボードを使った電気工作はハンダを扱う必要がなく簡単で楽しいのではありますが、それでも初心者にとっては電線の扱い方や接続の仕方が課題となりがちだと思います。ここでは、電線のつなげ方について、まとめておきます。
なお、ここでは電気工事士の資格が必要な工作は想定していません。ACアダプター(出力電圧12V以下、出力電流5A以下)から下流側での工作であり、また、流す電流は通常数百mA程度、モーターへの給電の場合のみ数A程度を想定します。
電線
いくつか基礎知識として知っておくべきことがあります。
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安全に流すことができる電流値に限界がある。もちろん太い方がたくさん流すことができる。
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「より線(撚り線)」の電線と「単芯」の電線がある。
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低電位側(GND側)は黒や青、緑といった色調の電線を、また、高電位側は赤やオレンジなど暖色系の色を用いる。
私がよく使っているのは、次の電線です。
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導体直径0.65mmの単芯線(単線)
- 共和ハーモネット H-PVC 0.65mm
- サンコー SHW-S
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オスメスジャンプワイヤ
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ビニル並行コード
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リボンコード
- たくさんの色の電線が並行にくっついた電線で、信号線を長距離繋げるのに便利です。0.3SQのものや0.12mmのものを使っています。
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工具
電線を工作するのに次の道具を使っています。
- ストリッパー、ベッセル 3500E-2
- ストリッパー、ホーザン 225mm P-958
- 精密ドライバセット(プラス、マイナス)
- 精密ドライバよりは大きめの、小型のドライバ(プラス、マイナス)
ストリッパーは電線の被覆を剥くのに使っています。ドライバは、間違ったサイズのものを使うとネジの頭を潰してしまいかねないので、ちょうど良いサイズのものを選ぶようにしなければなりません。必然的に、いくつかのサイズのドライバを常備することになります。

また、電線を少し細工することがあります。例えば、より線の電線は、ストリッパで被覆を剥いた後、より線をバラバラにならないようによってから使いますが、それでもバラバラになることがあり、もしそのうちの一本が隣の電線と接触したりすると、ショートが起きて、最悪の場合には火災の原因ともなります。そうならないようにするには、電線の被覆を剥いた部分をハンダで処理するのが確実です。といいつつも、丁寧に作業すれば、ハンダ付けをしなくても安全に接続することができます。
とはいえ、とはいえ、パーツの中には自分ではんだ付けすることが必須のものも多々あります。ちょっと大変かもしれませんが、挑戦するのも良いと思います。
- テスター、マルチメーター
電圧、抵抗、電流など、測定する場面は多々あります。電池なしでも動くアナログ式テスターも魅力的ですが、デジタル式のテスター(マルチメーター)も比較的安価に入手できます。黒い端子はCOMに、また、赤い端子は測定項目やレンジに応じて指定の端子につないで使います。使い終わったら電源を切りましょう。

電線をつなげるための小物
いろいろ便利なものが市販されています。
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ブレッドボード
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スプリング式コネクタ
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差し込みコネクタ
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ターミナルブロック
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φ5.5mm DCジャックメス
このほかにもいろいろあると思うので、探してみると良いでしょう。
考えてみれば、水を扱う時もさまざまな太さの管やホースを使い、それらは規格のコネクタで別の管などに接続されています。そう思うと、電気も水も似たようなものかも知れません...。
なお、流すことができる電流は、ブレッドボードについては多くの製品で500mA程度のようです。制御用の信号等では十分ですが、モーターなどたくさん電流を消費する装置を接続する場合は注意が必要です。スプリング式コネクタや差し込みコネクタはもっと大きな電流を流すことができますが、海外の製品を通販で購入した場合はメーカーが示している許容電流を鵜呑みにしない方が良いかも知れません。接続部が熱を持ったりしていないか、十分に注意しましょう。安全に関わりますので。
電線(より線、撚り線)を撚るときの回転方向
電線の切断面が目の前にあるとします。撚るとき、その断面を回転させますが、時計回りと反時計回り、二つの回転方向が考えられます。多くの場合どちらでもよいと思いますが、反時計回りにするよう癖をつけておくことをお勧めします。第二種電気工事士の試験で電線をネジに巻いて固定する技術が出題されることがありますが、そのときには、ネジを締めるに従って、撚った電線が解けないように配慮する必要があります。そのときに、反時計回りが正解となります。
電源につながった配線の扱い
下の写真、なんとなく怖くありませんか?

電線のプラスの端子とマイナスの端子が露出して、もしもここが接触したら、ショートして火花が散ります。
下のように、コネクタを利用して接触しないようにしておくと良いでしょう。

ハンダはしない?不要?ブレッドボード工作の信頼性
それから、作ったものを長期間使用する時に、果たしてブレッドボードでつなげた配線で信頼できるのか,
気になるでしょう。配線の仕方によっては、例えばブレッドボードに刺さっている線に常に引っ張り抜くような力が働く場合は、配線が知らないうちに抜けてしまうことがあります。自然に抜けることがないように、配慮する必要があります。
また、接触不良が多いのは、オスメスを接続するジャンプワイヤです。接続するためのピンと電線との接続部分が弱いらしく、見た目に大丈夫なのに正しく動かないという状況に、結構遭遇します。
私自身はブレッドボードやここで紹介したコネクタを使った工作で、結構信頼性高く動作するものを作ることができると感じています。ただし、私の場合は作品を使うのはせいぜい数年です。そして、その間にもやはりブレッドボードでの漏れ電流に起因することが疑われる事象に遭遇することがあります。5年あるいは10年といった運用を考える場合は、ブレッドボードはおすすめではないと考えた方がよいでしょう。
その時にはユニバーサル基盤を使って半田付けをしつつ自作するか、あるいは、外部の業者に製造を委託するのだと思います。
それから、ブレッドボード工作とは関係ありませんが、実際のところは、この手の作業に慣れてきて、あれもやりたい、これもやりたい、というようなことになってくると、ハンダづけが必要な場面に出くわすことも多々あります。私のプロジェクトの中ですと、Arduino Pro MiniやTwelite Dip、TPL5110など、ピンを自分でハンダづけして完成させることが前提で販売されているものが結構あります。販売者側がピンをはんだ付けした完成品も販売されていることがありますが、値段が高くなりますし、物によってはピンづけされた完成品が見つからない場合もあります。








