Maven の導入と Hello World!
目的
Maven で Java プログラムをビルド・実行するシンプルな開発環境を構築します。
実現すること
ローカル環境 (Ubuntu) に Java のプログラムをビルド・実行するツール Maven をインストールします。
技術背景
Maven とは?
こちらを展開してご覧いただけます。
Maven
Maven は、Java プロジェクトをビルドするためのオープンソースのツールです。
以下は、Maven の主な特徴とメリットです。
特徴
-
プロジェクトの構造と依存関係を XML ファイルに定義し、ビルドプロセスを自動化することができます。
-
プロジェクトの依存関係を自動的に解決し、必要なライブラリをダウンロードしてビルドに含めることができます。
-
ビルド時にテストを自動実行することができます。
メリット
-
ビルドプロセスの自動化により、ビルドの一貫性を確保することができます。
-
依存関係の解決とライブラリのダウンロードを自動化することにより、開発者が手動でライブラリをダウンロードする必要がなくなります。
-
標準的なディレクトリ構造と命名規則を使用するため、他の Maven プロジェクトとの親和性が高くなります。
-
様々なプラグインを提供しており、ビルドプロセスに組み込むことができるため、柔軟性があります。
開発環境
- Windows 11 Home 22H2 を使用しています。
- WSL の Ubuntu を操作していきますので macOS の方も参考にして頂けます。
WSL (Microsoft Store アプリ版)
> wsl --version
WSL バージョン: 1.0.3.0
カーネル バージョン: 5.15.79.1
WSLg バージョン: 1.0.47
Ubuntu
$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 22.04.1 LTS
Release: 22.04
Java JDK ※ Java JDK の導入と Hello World!
$ java -version
openjdk version "11.0.17" 2022-10-18
OpenJDK Runtime Environment (build 11.0.17+8-post-Ubuntu-1ubuntu222.04)
OpenJDK 64-Bit Server VM (build 11.0.17+8-post-Ubuntu-1ubuntu222.04, mixed mode, sharing)
※ この記事では基本的に Ubuntu のターミナルで操作を行います。
Maven インストール
存在確認
$ mvn -version
コマンド 'mvn' が見つかりません。次の方法でインストールできます:
※ 以下省略
インストール
$ sudo apt update
$ sudo apt install maven
※アンインストールする場合
$ sudo apt remove maven
バージョン確認
$ mvn -version
Apache Maven 3.6.3
Maven home: /usr/share/maven
Java version: 11.0.17, vendor: Ubuntu, runtime: /usr/lib/jvm/java-11-openjdk-amd64
Default locale: ja_JP, platform encoding: UTF-8
OS name: "linux", version: "5.15.79.1-microsoft-standard-wsl2", arch: "amd64", family: "unix"
Maven を Ubuntu にインストールすることが出来ました。
"Hello World" を表示する手順
プロジェクトフォルダの作成
※ ~/tmp/hello-maven をプロジェクトフォルダとします。
$ cd ~
$ mkdir -p tmp/hello-maven
$ cd ~/tmp/hello-maven
Java ファイルの作成
$ mkdir -p src/main/java/com/example
$ vim src/main/java/com/example/HelloWorld.java
ファイルの内容
※ パッケージを "com.example" としています。
package com.example;
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello World!");
}
}
pom.xml (Maven) ファイルの作成
$ vim pom.xml
ファイルの内容
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<project xmlns="http://maven.apache.org/POM/4.0.0"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="http://maven.apache.org/POM/4.0.0 http://maven.apache.org/xsd/maven-4.0.0.xsd">
<modelVersion>4.0.0</modelVersion>
<groupId>com.example</groupId>
<artifactId>hello-maven</artifactId>
<version>1.0</version>
<name>hello-maven</name>
<properties>
<java.version>11</java.version>
<project.build.sourceEncoding>UTF-8</project.build.sourceEncoding>
</properties>
<build>
<plugins>
<plugin>
<groupId>org.apache.maven.plugins</groupId>
<artifactId>maven-compiler-plugin</artifactId>
<version>3.8.0</version>
<configuration>
<source>${java.version}</source>
<target>${java.version}</target>
</configuration>
</plugin>
</plugins>
</build>
</project>
ディレクトリ・ファイル構成
$ tree
.
├── pom.xml
├── src
│ └── main
│ └── java
│ └── com
│ └── example
│ └── HelloWorld.java
ビルドと実行
ビルド
※ target/hello-maven-1.0.jar ファイルが作成されます。
$ mvn clean install
実行
$ java -classpath target/hello-maven-1.0.jar com.example.HelloWorld
出力
Hello World!
ターミナルに "Hello World!" と表示することが出来ました。
まとめ
- Ubuntu に Maven をインストールして、シンプルな Java 開発環境を構築することが出来ました。
- より実践的な Java WEBアプリ・サービスの作成の手順として、Spring MVC WEBアプリの Hello World!、Spring MVC REST WEBサービスの Hello World! 記事に続きます。