はじめに
2025年6月9日付けの AWS アップデートにて、Amazon Connect が統合顧客ビューのプロファイルエクスプローラーをリリースしました。このアップデートは既存の Amazon Connect Customer Profiles(顧客情報の集約サービス) の追加機能であり、顧客情報を自由にカスタマイズしたビューを作成することができます。AI による顧客概要もビューに含めることができるため、特定の顧客の傾向やアプローチについても一目で把握することもできます。今回は実際にプロファイルエクスプローラーを触ってみたので所感についてご紹介します。
Amazon Connect launches profile explorer for unified customer views
セキュリティプロファイルの有効化
まずはセキュリティプロファイルの[お客様のプロファイル]で Profile explorer にチェックを入れます。その後、ログインし直すとお客様のプロファイルタブにプロファイルエクスプローラーが追加されます。
プロファイルエクスプローラーを開く
新しく追加されたプロファイルエクスプローラーを開くとホーム画面に顧客の概要と Customers が表示されます。これでエージェント Workspace を介さなくても顧客プロファイルを閲覧することができますね。ただし、Customers はデフォルトで「最新のプロファイル」が選択されており、これを「すべてのプロファイル」に変更すると顧客プロファイルが表示されなくなりました。Customer ID を検索することで顧客プロファイルが表示されるため、現時点では一覧を見る際は「最新のプロファイル」を選択する必要がありそうです。
ビューの編集
Customers から対象の顧客のフルネームをクリックするとビューが表示されます。次に右上のウィジェットを追加から「デフォルトのウィジェット」と「カスタムウィジェット」を追加できます。デフォルトのウィジェットでは生成AIの概要や顧客情報などを追加することができ、カスタムウィジェットではテーブルやグラフを追加することができます。
今回はビューにCustomer information、Gen AI summary、Contacts を追加してみました。ウィジェットはドラッグアンドドロップで簡単に移動できます。残念ながら Gen AI summary はまだ日本語対応されていませんでした。また、タブも複数追加できるため、自由にカスタマイズができそうです。
Gen AI summary の内容
- 英語
Customer profile shows limited recent activity and engagement. The customer has 0 assets, 0 orders, and 0 email deliveries or SMS messages. They have contacted the call center 0 times, with an average call duration of 1.369 minutes and 42.86% of calls abandoned. This indicates potential service dissatisfaction and risk of churn.
AI suggestion: Reach out to this customer to understand their needs and concerns. Identify opportunities to re-engage them through personalized offers, service upgrades, or loyalty program incentives. Monitor their activity closely and address any signs of dissatisfaction to mitigate churn risk.
- 日本語
顧客プロフィールでは、最近のアクティビティとエンゲージメントが制限されています。この顧客は、0件の資産、0件の注文、0件のEメール配信またはSMSメッセージを保有しています。コールセンターへの問い合わせは0回で、平均通話時間は1.369分、通話放棄率は42.86%です。これはサービスに対する潜在的な不満と解約リスクを示している。
AIの提案 この顧客に接触し、ニーズと懸念を理解する。パーソナライズされたオファー、サービスのアップグレード、またはロイヤルティプログラムのインセンティブを通じて、再契約の機会を特定する。顧客の行動を注意深く監視し、不満の兆候があれば対処して解約リスクを軽減する。
AI の提案として、この顧客に対してどうアプローチしていけばよいかアドバイスが記載されている点はとても実用的だと思いました。内容についてもおおむね合っています。
おわりに
今回は Amazon Connect のプロファイルエクスプローラーについて簡単に触ってみました。計算属性やケースなどを使えば、より直観的に顧客情報を整理することができ、顧客への理解がより深まると思いました。