はじめに
突然ですが、みなさんエディタ何使ってますか?
私はここ数年ずっと Cursor を使っていたんですが、最近ふと気づいたんです。「あれ、Cursor の機能、全然使ってなくない?」と。
AI補完もチャットも、気づけば別のターミナルで Claude Code を直接叩いてるし、Cursor 特有の拡張機能で「これがないと困る」と思えるものが正直なかった。だったら VSCode に戻ってもいいんですが、それもなんかつまらない。
「なんかこう、かっこいいエディタないかな」と調べていたら出会ったのが Zed です。
使っていいなって思ったところを紹介します。
そもそもZed ってなに
まず名前がかっこいい。Zed。3文字。良き。しかも Z からはじまるのもいい。
ブログでも公式サイトでも、大体どこにも書いてあるのが「Rust で書かれているから爆速」という話。
そのまま諸々の表現を借りると、こんなようなことが書いてます。
GPU アクセラレーションによるレンダリングを採用していて、起動は一瞬で、ターミナルも内部的に Alacritty(これも Rust 製の高速ターミナル)のバックエンドを使っている。
実際使ってみると、遅いとは思わないけど、そもそも速さが足りないって思ったことあんまり無いので、正直わかりませんw
ただ、今の操作感だと、Terminal 開いたときとか、長い行数を CLI で起動した Claude Code にコピペで貼る時とかは、確かに桁違いで早いかも、あとファイル開く時も。
画面分割ウインドウ配置が良き
これ好き。
エディタの右上をクリックすると、縦分割・横分割がさっと選べる。VSCode でも左右はできると思いますが、Zed だと、左右だけでなく、下だったり、上だったり、どこでもエディタを分割できます。
やってる感増すなぁ。
そして、Terminal も同様に左右上下に分割できます。これも上下いけるっていいよね。全然別物ですが、tmux 入れたり、他でも上下いけますが、デフォルトでできるの好きだなぁって思います。
ちょっと分割箇所だけが中心になっちゃってますが、縦にも割れてます。
あと、ターミナルにタブが作れます。Cursor や VSCode だとターミナルは下のパネルに開くだけですが、Zed ではターミナルがエディタのタブと同じ扱いになっていて、複数のターミナルをタブで切り替えたり、コードのタブと並べて配置したりできます。
ちゃんと右側のタブが Terminal になってるでしょ?
ACP で 好きなAIエージェントを持ち込む
Zed の大きな推しポイントの一つが ACP(Agent Client Protocol) です。
これは AIコーディングエージェントとエディタ間の通信を標準化するオープンプロトコル です。
Zed にはこの ACP が組み込まれていて、対応するエージェントならどれでもチャット欄から使えます(Claude Code も Gemini CLI もだよ)。
生まれた経緯について目にしたときは、そんな印象的なことなのに Zed 使ってる人周りにいなくて、私も知らないんだって思って。不思議でした。
もともと Google の Gemini CLI チームが Zed のターミナル上でエージェントを動かしていたところ、「ターミナル経由だと表示を流すくらいしかできないけど、エディタともっとちゃんと連携できたらいいよね」という話になり、Zed と Google が一緒に設計したのが ACP です(参考: Bring Your Own Agent to Zed)。その後 JetBrains も参加を表明していて、Zed だけのローカルな仕組みではなく、エディタ横断のオープンな標準になりつつあるのかもしれません。
何がうれしいかというと、ターミナルで Gemini CLI や Claude Code を普通に開いて使ってると思うんですが、チャット欄からも同じエージェントが使えるんです。
対応しているエージェントも豊富で:
- Claude Code(Anthropic)
- Gemini CLI(Google)
- Codex CLI(OpenAI)
- Aider
- Goose(Block)
などがレジストリに登録されています。
しかもエージェントの切り替えが簡単で、チャット欄のドロップダウンからサッと変えられます。
サッと
Cursor でも API キーを設定すれば様々なモデルは使えますが、あくまで Cursor の機能として使う形になります。一方 Zed は、Claude Code や Gemini CLI といった外部エージェントをそのまま持ち込んで使えるので、あんまりそういうことできるって感覚なかったので、へぇー、すごって思って。
なのでまだいいますが、
あんまり使ってるって聞いたことないの?って更に不思議な気持ちになりました。
ターミナルで直接動かすのと何が違うの?
正直、できること自体はほぼ同じです。ただ、Zed の ACP 経由ならではの体験がいくつかあります。
まず、チャット欄で @ メンションでファイルやシンボルをコンテキストとして渡せます。あと渡せる対象ですが、別スレッドの内容を渡すというのもできて、他でもできるんでしたっけ?珍しいなと思いました。
そしてエージェントに作業させるときに、Follow っていう機能があり、ちょっと違う体験できるなと思いました。
- チャット欄でエージェントに指示を出す
- 作業中 -- Follow 機能で見守る。チャット欄の左下にあるクロスヘアアイコンをクリックしておくと、エージェントがファイルを読んだり編集したりするたびに、エディタが自動でそのファイルにジャンプしてくれます。ターミナルだとログが流れていくだけですが、Follow を有効にしておけばエージェントが今どのファイルを触っているのかがリアルタイムで開かれたり、追記されたりが見えて、自分が操作しているのと似た感覚になります
-
作業後 -- Review Changesでまとめてレビュー。エージェントが完了すると、チャット欄のメッセージ直上に「3ファイル、+25行 -10行」みたいなサマリーバーが表示されます。そこの
Review Changesボタン(Shift+Ctrl+R)を押すと、全変更がマルチバッファの diff として一覧表示されて、変更の塊(ハンク)ごとに受け入れ(Keep)・拒否(Reject)を選べます
「ここの変更は採用するけど、ここはやり直してほしい」みたいな取捨選択がエディタ上でできるのは、ターミナル直接にはない体験ですね。
とはいえ、ぶっちゃけ「チャットが同梱されてる + エディタとの連携が少し賢い」くらいの温度感です。劇的に変わるわけではないですが、地味に快適ではあります。
ACP 経由でできること・できないこと
ただし、ACP 経由の外部エージェントと Zed ネイティブの AI 機能では、使える機能に差があります。ざっくりまとめるとこんな感じです。
| 機能 | Zed ネイティブ(API キー / Zed Pro) | ACP 経由(Claude Code 等) |
|---|---|---|
| チャット欄での対話 | 可 | 可 |
インライン編集(Ctrl+Enter) |
可 | 不可 |
| 過去メッセージの編集 | 可 | 不可 |
| スレッド履歴の再開 | 可 | 不可 |
| チェックポイント | 可 | 不可 |
| CLAUDE.md 等の設定ファイル対応 | N/A | 可 |
| サブエージェント | 限定的 | 可 |
つまり、ACP 経由だとチャット欄での対話やファイル編集はできるけど、インライン編集やスレッド管理系の機能はまだ使えません。逆に、CLAUDE.md や Gemini.md によるプロジェクト単位の指示やサブエージェントの活用は ACP 側の強みです。
個人的には、普段から Claude Code をターミナルで使っている身としては ACP 経由で十分ですが、「エディタ上でサッとコードを書き換えたい」という使い方なら、ネイティブ機能を使う方が合っていると思います。
ちなみに、「API キーに課金するのはちょっと...」という方は、Ollama をセットアップしてローカルでモデルを動かすという手もあります。Zed は Ollama を公式にプロバイダーとしてサポートしていて、例えば Gemma 4 あたりを Ollama で動かして設定すれば、Inline Assistant もローカルで使えるんじゃないかなと。まだ私も試せていないので、そのうちやってみたいところです。
マルチバッファ -- 検索結果をそのまま編集できる
これ、初めて使ったとき「えっ」ってなりました。
Cmd+Shift+F でプロジェクト全体を検索すると、検索結果が編集可能なバッファとして表示されます。VSCode だと検索結果を見て、個別にファイルを開いて、該当箇所を探して修正...という流れですが、Zed では検索結果画面でそのまま編集して保存すると、元のファイルに反映されます。
検索するとファイル一覧と、キーワードが見れるようになってて、そのまま修正可能。
そして、このファイル検索もめちゃ早い。
リファクタリングで変数名を一括で変えたいとか、複数ファイルにまたがる修正をしたいときに、圧倒的に手数が減ります。ちなみにこの機能、VSCode のリポジトリでも要望として issue が上がっているんですが、まだ実装されていません。
何度もしつこいですが、なんでみんなつかってないの?って、この文章書いてる時も思ってきてまして、なんでだろ? Cursor 使いこなしてないって言うとそれまでですが。
Syntactic Selection -- 構文ツリーベースの選択
Opt+上下 で、構文ツリーに基づいた選択の拡大・縮小ができます。
例えば関数内の引数にカーソルを置いて Opt+Up を押すと、引数 → 引数リスト → 関数呼び出し → 文 → ブロック...と、構文的に意味のある単位で選択範囲が広がっていきます。Opt+Down で逆に狭められる。
Edit Prediction (Zeta) -- 補完とは違う「編集予測」
Zed 独自の機能として Edit Prediction というものがあります。内部では Zeta と呼ばれているモデルで、GitHub Copilot のような「コード補完」とは少し違います。
Copilot は「次に書くコード」を予測しますが、Zeta は「次にやりそうな編集操作そのもの」を予測します。例えば、ある関数の引数を変更したら、その関数を呼び出している別の箇所の修正も提案してくれる、といった具合です。
現時点ではベータ段階で月2,000回まで無料。7Bモデルベースなので精度には限界がありますが、使ったことないのと、あんまりない機能なので、どっかで活用してみたいですね。
コラボレーション機能
これはまだ試せていないんですが、Zed にはリアルタイム共同編集と音声チャットがエディタに内蔵されています。
Google Docs のように複数人が同時に同じファイルを編集できる。しかも音声チャットまで内蔵されているので、Zed だけでペアプログラミングが完結します。VSCode の Live Share 的な機能が、外部拡張なしで最初から使えるイメージです。
チームで使う機会があれば、改めて試してみたいところです。
まとめ
正直なところ、「Cursor の AI 機能を使いこなしている」という人には Zed への乗り換えメリットは薄いかもしれません。だって Cursor の AI は Cursor で使うでしょうからね。
でも、ご紹介した ACP 経由で Zed で使うって方法もありますよ。ACP サポートしているようなので。
ただ、私のように「結局 AI はターミナルで直接叩いてる」「エディタ自体の速さや操作感を重視したい」「特定のエディタの AI に縛られたくない」という人には、Zed はかなりしっくりくると思います。
| 観点 | 所感 |
|---|---|
| 速さ | はやい! |
| AI 連携 | ACP でエージェントを自由に選べるし、Gemini CLI とかチャット欄でできるのなんか使い道ありそう |
| 操作感 | マルチバッファ、各種画面分割などかゆいところに届いてる感がある |
| 拡張性 | そんなに多くないので、どうしても使いたい拡張機能があれば Zed でみてみたらいいと思う |
| 見た目 | 良い。テーマも豊富 |
名前もかっこいいし、本当に Zed っていいと思うよ。
以上、Zed に乗り換えてみた話でした。気になった方はぜひ試してみてください。






