MetaのパーソナルAIエージェント「Muse」を日本から使ってみました。
招待コードの記事はたくさん出ているので、この記事では Museに渡される「専用コンピューター」の中身 と、そこで実際に何ができたかを中心に書きます。
確認日:2026年10月26〜27日。自分の環境での値なので、全ユーザー共通とは限りません。仕様は今後変わる可能性があります。
Museとは
Metaが2026年9月8日に公開したパーソナルAIエージェントです。チャットで頼むと、ブラウザ操作・フォーム入力・メール送信などを代わりに進めてくれます。
特徴は、ユーザーごとに専用の仮想マシン(VM)が割り当てられること。アプリを閉じても、Museはそのマシン上で作業を続けます。
日本からの登録
Museは2026年10月23日から日本でも正式に提供されています。北米以外では初めての提供地域で、iOS・Android・muse.aiで使えます。基本機能の多くは無料で、上位のサブスクリプションプランもあります(Metaの公式発表)。日本向けには、メルカリ、マネーフォワード ME、チケットぴあとの連携も進めていくそうです。
自分は次の流れで使い始めました(Pixel / Android)。
- Google Playで「Muse」をインストール
- Metaアカウント(メールアドレス)でログイン
- Facebook/Instagramのアカウントや、電話番号で新規作成することもできます
- そのまま使い始められた
クレジットカードの登録は求められませんでした。 無料プランのままなら、カードなしで試せます。
VMのスペックを確認してみた
Museに頼んで、VM上でコマンドを実行してもらいました。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| OS | Ubuntu 24.04.5 LTS |
| カーネル | Linux 7.0.0 (x86_64) |
| 仮想化 | KVM |
| CPU | AMD EPYC 9D25(VMから見えるのは 2 vCPU) |
| メモリ | 約7.7GiB、スワップなし |
| ホーム領域 | 150GB(使用581MB) |
| ルート(/) | 7.5GB(overlay) |
| Python | 3.12.3 |
| Node.js | v24.22.1 |
| git | 2.43.0 |
| Chromium |
/opt/meta-chromium/chrome(PATHには入っていない) |
$ df -h /home/hatch
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/mapper/rv 150G 581M 149G 1% /home/hatch
$ nproc
2
$ free -h
total used free shared buff/cache available
Mem: 7.7Gi 7.3Gi 179Mi 94Mi 568Mi 418Mi
Swap: 0B 0B 0B
気づいたこと:
- SNSでは「1人100GBのUbuntu」という話が出回っていて、Museに環境を聞いたら「ディスクは約100GB」と答えた、という投稿も見かけました。ところが
dfで実際に測ると、自分の環境ではホーム領域が 150GB でした。AIの自己申告と実測値が違うことがあるので、気になる数字はコマンドで確かめさせるのがおすすめです - 一方、ルートは7.5GBしかないので、大きいものを入れるならホーム側に置く必要があります
- CPUはサーバー向けのEPYCですが、割り当ては2コア。メモリは確認時点で 7.7GiB中7.3GiBが使用中、スワップもなしなので、重い処理を回すと厳しそうです
- ユーザー名は
hatch、OSイメージ名もhatch-imageで、社内コードネームっぽい名前が見えます - Chromiumは
which chromiumでは見つかりませんが、/opt/meta-chromium/chromeにMeta独自の配置で入っていました。Museがブラウザ操作やスクショに使っているのはこれのようです
公式発表によると、このVM(Muse Secure VM)は利用者ごとに隔離されていて、インターネットへのアクセスはMuseとは独立した「Sentinel」というエージェントが管理しているそうです。
Tailscaleが入っていた
意外だったのが、専用のTailscaleクライアントが組み込まれていること(/opt/hatch/bin/tailscale)。ただし通常版とは違い、
- 自分のtailnetにクライアントとして参加するだけ
- 外部からの接続を受けたり、中継したりはできない
- 参加にはユーザーの承認が必要
という制限付きでした。
Claude Codeを入れてみた
普通のUbuntuなら他のAIツールも動くのでは?と思い、Museに頼んでnpmでClaude Codeをインストールしてもらいました。つまり AIエージェントの中で、別のAIエージェントを動かす 実験です。
インストールとログイン
- 最初は
claudeコマンドは入っていなかった - npmでインストール →
~/.npm-global/bin/claude(v2.1.310) -
claude auth login --claudeaiをMuseに実行してもらい、出てきたリンクを自分のスマホで開いて承認、表示された認証コードをMuseに渡す
$ claude auth status
{
"loggedIn": true,
"authMethod": "claude.ai",
"apiProvider": "firstParty",
"subscriptionType": "pro"
}
ログイン自体はあっさり通りました。なお、サブスクリプションでのログインにはClaudeの有料プランが必要です。
認証の承認は必ず自分で行いました。パスワードをMuseに渡すことはしていません。他社のVM上に別サービスのログイン情報が残ることになるので、試す場合は各自で判断してください。
Webページを作らせてみた
Museに、Claude Codeを非対話モードで実行してもらいました。
cd ~/workspace/claude_code_webpage
claude -p "$(cat prompt.txt)" --permission-mode acceptEdits
指示内容は「架空の人物『山田太郎』の自己紹介ページを index.html 1ファイルで作る。趣味・好きな食べ物・今やっていることを載せる。CSSは同じファイル内に書き、外部リソースは使わない。シンプルで読みやすいデザインに」というものです。
結果:
-
index.html(約1.4KB)が生成された - 白いカードに緑のアクセント、項目は定義リスト(
<dl>)で整理されたシンプルなデザイン - スマホ幅を意識した
viewport指定もあり、外部リソースへの参照もなく指示どおり - 頼んでいないのに「※このページは架空の人物の紹介ページです。」という注記まで付けてくれた
面白かったのは役割分担です。Claude Code自身は「ブラウザでの表示確認はしていない」と報告してきたので、Museが python3 -m http.server で配信して、HTTP 200で返ることを確認してくれました。作るのはClaude Code、確認するのはMuse、という形になりました。
Minecraftサーバーは立てられる?
「24時間どこからでも入れるサーバー」をMuseのVMで作れないか聞いてみました。結論は、
- テスト用に動かすことはできる
- ただし公開用のIPやポート、常時稼働が保証されないので、本番運用には向かない
スペック的にも2コア・メモリ余裕なしなので、素直にレンタルサーバーを使うのが良さそうです。
トークンの実情
Settings → General → Usage で確認できます。
- 無料プランには週ごとの上限がある
- 招待で受け取った追加トークンは別枠で表示される
- 自分の画面では追加トークンが 20億 残っていて、有効期限なし
VMの調査、Claude Codeのインストールとページ作成まで、この記事の作業を全部やって無料枠の使用は3%。招待で受け取った20億トークンは手つかずのままでした。普通に使う分には、無料枠だけで十分です。
まとめ
- MuseはチャットUIの裏に、1人1台のUbuntu VM(2コア・約8GB・150GB)を持っている
- ファイル保存・コード実行・Tailscale参加などができる
- Claude Codeのような他のツールも入れて動かせた
- 常時公開するサーバーや重い処理には向かない
- トークンは普通に使う分には十分すぎる
使ってみた感想
正直、かなり便利です。まだ使い始めたばかりで細かいところまでは分かっていませんが、良かった点と気になった点を書いておきます。
良かった点
- チャットで頼むだけで、VMの調査からClaude Codeのインストール、ページの動作確認まで進めてくれた
- 分からないことを推測で埋めず、「確認できなかった」とはっきり言ってくれる
周りで使っている知り合いからも、
- コーディング以外のちょっとした作業なら、無料プランでも使用量がそこまで減らない
- 制限が週単位だけなのが良い
- 目標設定や情報収集まで幅広くできて、日常で使うAIエージェントとしてかなり完成形に近い
といった声を聞きました。
気になった点
- 添付したファイルがMuseに届いていないことが何度かあった
- ログインの承認など、本人がやらないといけない部分は残る(安全面では当然ですが)
招待コード
Museに登録してから48時間以内に、Settings → General の「Redeem invite code」で入力すると、あなたと私の両方に10億トークンが付きます。
- コード:W3MHR3
- 登録:https://muse.ai/join

