本記事はNutanix Advent Calendar 2023 12/11 分の記事です。
前回に引き続き、Sizerネタです。
今回はもう少し細かいところを掘っていこうと思います。
2023年12月11日時点のSizerの状態で執筆していますので、
もしかすると参照タイミングによって、画面が変わっている場合がありますので、ご注意ください。
1.ワークロードタイプの選択
ワークロードの名前の下に、以下の様にワークロードタイプが選択できるようになってます。
これは、様々なシーンでサイジングを考えやすい様に予め用意されているものです。
かなり種類が増えてきたので・・・正直、必要に応じて使ってください、という感じです。
いくつかタイプについてみていきたいと思います。
1-1.Cluster Sizing(RAW Input)
まずは入力タイプのド定番のこちら。
ワークロードのCPUやメモリの合計値をドカッと入れちゃう男気仕様なものです。
大体の仮想基盤これでいいんですが、
合計値を均す形で構成してしまうので、
小規模基盤であまりにモンスターマシンがいる時は注意です。
モンスターマシンがいる場合は、1Node当たりのスペックをよくよく気にして手動でHW構成を調整してください。
ちなみにRatioはよく聞かれますが、別にNutanix特有の話ではないので、
一般的な仮想化として、どの程度オーバーコミット効かせる設計にするかで入れてください。
(めーかーさんが出す情報はあくまで参考値です)
値はお客様もしくは提案する人が想定値として決めてください。
もしくは、Nutanix Collectorの様なツールで現行環境の情報を収集し、
どの程度の稼働率かを把握した上で設定してください。
1-2.Server Virtualization
仮想マシン1台ずつのスペックを指定し、それが何台載るかで入力するタイプです。
細かく入れるならこのタイプ。
あと何台載るかな?をシミュレーションする時には特に便利。
なお、サーバーのプロファイルを選ぶと右側のProfile Infoの値が変わりますが、
結局どれ選んでも手動で修正できちゃうので、
目安値を変える選択肢くらいに思ってもいいかも。
プロファイルは1台当たりの情報なので、お間違えの無いよう。
1-3.Files Storage
Nutanix Files Storageを提案する時に使いたいタイプがこちら。
接続ユーザ数を聞いてきますが、ここはFSVMのスペック=CPUやメモリの必要量を換算するのに使ってます。
沢山つないでくるならちゃんと入れましょう。
あとはFSのトータル容量です。
成長率は必要なら使ってください。
ユースケースの箇所は、重要な選択肢。
Files専用クラスタ(Dedicated)の方がデフォルトで選択されてます。
仮想マシンと相乗りする場合は、for AOS選択してください。
相乗り想定だったのに、ここをDedicatedにしちゃって悲しいパターンはあるあるなので、注意のこと。
2.ワークロードのOption関連
さて、ワークロードタイプ以外の項目も見てみましょう。
最初はDISKの書き込み周りの指定です。
RFに関する指定や圧縮などなどの指定があります。
圧縮の場合は、デフォルトが30%の圧縮を考慮しています。
※30%はあくまで目安で、コミットじゃありません。
考慮しない場合が、運転免許試験の質問じゃないですけど、
圧縮を無効にしますか?という聞き方なので、Yes/Noの選択は注意くださいませ。
次は展開先Clusterの指定の箇所です。
ここでは入力中のワークロードをどのクラスタに属させるか入力します。
明示的にワークロード毎にクラスタ分けたい場合はNewをして、
既にあるクラスタに加える場合は、リストから存在しているものを選択します。
どんどん行きます。
次はSnapshotの項目です。
ここ、デフォルトではNo=使わないになっています。
Snapshotを利用したい場合はここをYesに変更してください。
取得頻度などは、要件によって調整ください。
各値ともデフォルト値が入ってるだけです。
ただし、数量大きくすると、それだけ差分沢山とるのでDISK食います。
適切に要件とすり合わせして設定してください。
さて、Snapshotの下の方を見るとRemote Snapshotの項目があります。
ここは別クラスタにそのSnapshotを転送したい場合に設定すると、
前項で設定したSnapshotデータに基づいて、
別クラスタ側に必要なリソースを計算してくれます。
デフォルトはメインのクラスタ側の値を引き継いでいますが、
別クラスタ側での保持世代を変える設計する場合などには、手作業で変更ください。
そして、もうちょい下まで行くと、DisasterRecoveryのチェックボックスだけがあります。
これはDRとして、ワークロードを別クラスタ側で立ち上げる想定で、
CPUやメモリについても、DR側の必要リソースとして計算に入れることを宣言します。
チェック入れないと、別クラスタのほうはデータのみ保管扱いになるので、
意図してやってるか、注意してくださいね。
最後に一番下にあるBackupの項目。
最初Snapshot関連のもの?と思って、操作してしまいがちですが、
全然違うものが出てきてびっくりする方も多いはず。
ここはNutanix MineとVeeamやHYCUを組み合わせたバックアップソリューションを
構成する場合に選択する場所になっています。
この話をし始めると長くなるので・・・ここでは割愛します。(スイマセン
最後に、現行プロセッサの考慮についてです。
一番下まで来ておいて、一番上まで戻るのかという話ですが、スイマセン。
ワークロードの入力の最初の方にある項目です。
ここ、最初はデフォルト値で入っています。
この様に手動でも選択が可能です。
何のためにあるかというと、SizerではCPUの計算能力のベンチマークであるSpecInt値まで考慮し、
必要なスペックを算出にいきます。
現在使用している環境のCPUが明示的にわかっている場合にはここで選択してやることで、
より精緻な性能差を考慮してサイジングができる、という代物です。
一部、VDIなどでコア数あたりのオーバーコミットなどを厳密に計算してサイジングしたい場合には、
現在選択しているのと同じCPUを選ぶなどして、
計算能力の差を反映させないなどのテクニックもあります。
上手く使ってやってください。
2.ストレージの実効容量を確認する
残りは大したネタじゃないですが、環境のトータル実効値を知りたい場合の参照先。
シナリオのトップ画面で、一番↓の方にスクロールすると、こんな画面があります。
じつはここでストレージの実効容量値がズバリ書いてあるので、便利。
上の表のところで、細かい計算は書いてあるのですが、
RF考慮前の数字が書いていたりして、パッと見とっつきにくいと思うので、
実効容量を把握したい場合にはこちらを参照するとよいかと。
注意点が2つ。
出ている数値はRFやフェイルオーバー分を考慮していますが、
100%利用した場合の数字で書いています。
運用上のバッファをこの数値からちゃんと見ておくことをお勧めします。
もう一つは左側のRFや圧縮考慮のシミュレーション用のパラメータ。
ここを触るのはいいのですが、別シナリオでここを調整していると、
その時の設定が反映されちゃっていたりするので、
意図した設定になっているかは、毎回確認することをお勧め。
3.その他Tips
最後に雑多なTipsです。
シナリオの上の方に最近登場した鍵マーク。
これ実は一度入力したシナリオの変更を不可にするロックです。
よく、参照した際やクローンした際に誤って更新しちゃったという
悲しい事故が起こりがちですが、これで防止できる仕様です。
あと、最近はCloneした時に、Clone後のシナリオへ自動遷移する様になったので、
ベースシナリオを誤って更新しちゃったという事故を防げる嬉しいUpdateもされています。
これで最後。
皆様あまり気にしていないかもしれませんが、
シナリオの上の方にライセンスのエディションや保守期間&レベルなどを選択できるメニューがあります。
ここ、更新されないことも多々ありますが、
BOMに載ってくるライセンスの期間やエディション(HWの方も同様)に影響します。
見積依頼する時に、メールの内容と齟齬があると、受け取る側も疑問に思うことがありますので、
Updateしておいてもらった方が余計な確認入らなくてよいかと思います。
ということで、全2回でお届けしてきたSizer関連の記事でした。
正直、現在のSizerはかなり多機能になっており、
説明し始めるとまだまだ記事が足りない・・・!という状態です。
それだけ便利で高機能なツールがNutanixにはあって、
案件を支援してくれるということなので、ぜひぜひ使ってください。
今回の投稿は以上となります。