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Azure 料金は高くなった?2015〜2025の価格推移をVM・SQL・Storageで検証

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Last updated at Posted at 2026-03-21

Azureは2014年に日本リージョンが開設され、本格的に国内利用が始まりました。
それから約10年。気づけばAzureのコストも大きく変わっています。

「Azureって年々高くなっているな」と感じていませんか?

本記事では、2015年〜2025年の価格を整理し、
その変化をVM・SQL・Storageの観点で見ていきます。

■ サマリ

2015年を基準とした2025年現在の価格動向(ドルベース vs 円ベース)を整理すると、以下の傾向が見えます

サービス ドルベース単価 円ベース価格(為替影響込)
💻 VM +20% 〜 +30% +80% 〜 +100%(約1.8〜2倍)
🗄️ SQL +40% 〜 +60% +100% 以上(約2倍以上)
📦 Storage +5% 〜 +10% +30% 〜 +50%(約1.3〜1.5倍)

👉 コスト増の大きな要因は「値上げ」ではなく「為替(円安)」です。

■ Azure価格推移(2015〜2025)

※代表的な構成(東日本リージョン)をもとに算出

  • VM:2vCPU / 8GB クラス(Dシリーズ相当)
  • SQL:1vCore / Standard Gen5相当
  • Storage:Blob Hot 1TB

※VM,AQLの価格は時間単位(秒課金)ですが、本記事では比較のため月額(730時間換算)で記載しています。

👉 2022年を境に、円ベースのコストが大きく上昇していることが分かります。

価格動向 為替 VM$ VM¥ SQL$ SQL¥ STR$ STR¥
2015 初期拡大期 ¥121 $12 ¥1,450 $25 ¥3,000 $20 ¥2,400
2016 価格競争期 ¥108 $12 ¥1,300 $26 ¥2,800 $19 ¥2,100
2017 成長期 ¥112 $13 ¥1,500 $29 ¥3,200 $18 ¥2,000
2018 安定期 ¥110 $14 ¥1,500 $30 ¥3,300 $18 ¥2,000
2019 基準 ¥109 $15 ¥1,600 $32 ¥3,500 $18 ¥2,000
2020 横ばい ¥106 $15 ¥1,600 $32 ¥3,500 $18 ¥1,900
2021 横ばい ¥110 $16 ¥1,700 $35 ¥3,800 $18 ¥2,000
2022 転換点 ¥131 $16 ¥2,000 $34 ¥4,500 $18 ¥2,400
2023 実質上昇 ¥140 $16 ¥2,200 $36 ¥5,000 $20 ¥2,800
2024 値上げ ¥150 $17 ¥2,500 $37 ¥5,500 $20 ¥3,000
2025 値上げ ¥150 $18〜20 ¥2,800 $40 ¥6,000 $21 ¥3,200

image.png

■ サービス別の価格動向

💻 VM(仮想マシン)

  • ドルベース: \$12 → \$18(約1.5倍)
  • 円ベース: 約1,450円 → 約2,800円(約1.9倍)

スペック向上に伴う単価のスライド
単純な「値上げ」というよりも、ハードウェアの世代交代(v2 → v5/v6)に伴う単価設定の変更が主な要因です。
同じ2vCPUでも、最新世代はCPU性能やディスクI/Oが劇的に向上しており、「1ユニットあたりの処理能力」に対するコストは維持、あるいは改善されています。しかし、最小構成のスペック自体が底上げされたことで、最安値のラインが上昇しています。


🗄️ SQL(データベース)

  • ドルベース: \$25 → \$40(約1.6倍)
  • 円ベース: 約3,000円 → 約6,000円(約2.0倍)

「マネージド範囲」の拡大とモデル移行
初期のDTUモデルからvCoreモデルへの移行により、リソースの割り当てが明確化されました。
これに伴い、高可用性(HA)構成の標準化、自動バックアップ、高度なガバナンス機能といった
「データベース本体以外の運用機能」がサービスに内包されるようになったことが、ドルベースでの価格上昇に繋がっています。


📦 Storage

  • ドルベース: \$20 → \$21(ほぼ横ばい)
  • 円ベース: 約2,400円 → 約3,200円(為替分のみ上昇)

単価は安定、しかし「総量」がコストを支配
ストレージのドル単価は、ベンダー間の激しい競争により10年間ほぼ横ばいです。
円ベースの価格上昇は純粋に為替影響によるものですが、多くの現場でコスト増を感じる原因は単価ではなく、ログ、バックアップ、分析データなどの「累積量」が10年へて増大している点にあります。

■ まとめ

単純なサービスの値上げ以上に、以下の要素が複合的に影響しています。

💱 ① 為替(円安)と価格調整の影響

Azureのコスト増を語る上で避けて通れないのが、為替相場の変動です。2015年当時は 1ドル=約120円 でしたが、2025年現在は 約150円 前後で推移しており、この10年で 約25%の円安 が進行しました。

Microsoftは数年おきに「日本円価格の調整(為替補正)」を定期的に実施しています。たとえリソース構成を10年前から一切変えていなかったとしても、この為替影響だけで請求額が自動的に25%以上も膨れ上がっているのが現在の実態です。

🛡️ ② 構成の高度化と「標準装備」の変遷

10年前は「シングル構成・パブリック接続」といった最小限の構成からクラウドをはじめてみるがスタートでした。しかし現在では、クラウド利用の成熟に伴い、「安全・止まらないための設計」が標準へと変化しています。

  • PaaSの進化: SQLデータベース等において、高可用性(HA)や自動バックアップがサービスに最初から内包されるモデルへと移行し、マネージドの範囲が大きく拡大しました。

  • 防御の多層化: ゼロトラスト環境の構築が必須となり、WAF / Azure Firewall / Defender for Cloud / Private Endpoint といったセキュリティパーツを組み合わせた多層防御が「標準構成」に組み込まれるようになりました。

サービス単体の価格以上に、信頼性とセキュリティを担保するための「構成パーツ数」そのものが増えたことが、総額を押し上げる大きな要因となっています。

📈 ③ 利用量およびデータの「蓄積」

ストレージのドル単価そのものは10年間ほぼ横ばいですが、運用コストが増大している背景には「扱うデータ総量」の増加があります。

  • 対象の拡大: システムログや監査ログの長期保存、自動バックアップ、さらにはデータ分析基盤(Data Lake)への蓄積など、保護・活用すべき対象が多角化しました。

  • 特性: データの蓄積は稼働時間に比例して積み上がり、明示的な削除やアーカイブ処理を行わない限り増え続ける性質を持っています。

  • 相関: ビジネスの成長やDX推進に比例して、システムが扱うデータ量(スループット)も増大しました。

「単価」に大きな変化がなくても、扱う「量」の増大が10年前から進んだことが、総額を押し上げる大きな要因となっています。

■ 参考

Azureの価格は公式に年次推移として公開されているものはなく
Pricing Calculator や Price Sheet 等をもとに時点ごとの価格を確認する形となります。

・Azure Pricing Calculator
https://learn.microsoft.com/azure/cost-management-billing/costs/pricing-calculator

・Azure Price Sheet(価格データ)
https://learn.microsoft.com/azure/cost-management-billing/manage/ea-pricing

・Azure Retail Prices API
https://learn.microsoft.com/rest/api/cost-management/retail-prices/azure-retail-prices

■ 価格は変動する仕組み(公式)

・Azure EA価格の考え方
https://learn.microsoft.com/azure/cost-management-billing/manage/ea-pricing-overview

  • 価格は変更される可能性がある
  • 割引・価格改定・新サービスにより変動

■ 為替の影響(公式)

・Azure価格と通貨の関係
https://learn.microsoft.com/azure/cost-management-billing/manage/ea-pricing-overview

  • 為替変動による価格影響あり
  • 価格変更は事前通知される

■ 参考(非公式)

・クラウド価格変更ログ(Flexera)
https://docs.flexera.com/cloudmigration/ug/Content/helplibrary/FCReports_CloudPricing.htm

  • クラウド価格の変更履歴を整理
  • Azure含め横断的に確認可能
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