副業を5年やってきて一番の敵は何かと聞かれたら、迷わず「本業の議事録」と答えます。大げさに聞こえるかもしれませんが、本当にそうなんです。
自分の会社では、会議に出た若手〜中堅が持ち回りで議事録を書く文化があります。週に3〜4本の会議に出ると、議事録作成だけで週3時間くらい持っていかれる。しかも議事録って、会議が終わった直後の「記憶が新しいうち」にやらないと倍の時間がかかるので、定時後の一番頭が冴えている時間帯——つまり副業のゴールデンタイムを直撃してくるんですよね。
正直に白状すると、最初は「録音して後でまとめればいい」と思って放置していました。結果、金曜の夜に1週間分の録音を聞き直す羽目になり、1.5倍速で聞いても2時間消えました。あれは本当に無駄な金曜日だった。この失敗で「後回しは解決策じゃない、作業自体を消すしかない」と腹をくくりました。
そこで試したのがNotionAIです。といっても、最初から上手くいったわけではありません。初日にやったのは、会議の録音をWhisper系のツールで文字起こしして、その全文をNotionに貼り付けて「議事録にまとめて」とだけ指示する方法。出てきたのは、当たり障りのない要約でした。誰が何を決めたのか、次に誰が何をやるのかが全部ぼやけていて、これを上司に出したら「で、結局どうなったの?」と言われるのが目に見えるレベル。AIに丸投げするだけでは仕事にならない、というのを初日に思い知りました。
転機になったのは、指示の出し方を「自分が議事録を書くときの手順」に寄せたことです。自分は議事録を書くとき、まず決定事項を抜き出して、次に宿題(誰が・いつまでに・何を)を整理して、最後に議論の経緯を補足として付ける、という順番で書いていました。なのでNotionAIにも同じ順番で、「決定事項」「ToDo(担当者と期限つき)」「議論の経緯」の3ブロックに分けて出力するよう指示するテンプレートをNotionのページに用意しました。文字起こしを貼ってこのテンプレートを走らせると、8割がた使える下書きが一発で出てきます。
残りの2割は人間の仕事です。具体的には、固有名詞の誤変換の修正(うちの社内システム名は毎回変な変換をされます)と、AIが「決定」と「単なる提案」を混同した箇所のチェック。ここを怠って一度、まだ決まっていない施策を「決定事項」として配信してしまい、関係部署から問い合わせが来て冷や汗をかきました。自動化しても最終確認だけは絶対に飛ばさない、というのがこの一件以来の自分のルールです。
結果として、1本あたり50分かかっていた議事録作成が10分前後になりました。週3時間がほぼ30分に。浮いた2時間半は、そっくりそのまま副業のライティング案件と教材づくりに回しています。月に換算すると10時間。副業を時給換算している人なら、この数字のインパクトは分かってもらえると思います。
やってみて感じたのは、AI活用で大事なのはツール選びよりも「自分の作業手順を言語化できているか」だということです。NotionAIは自分の手順をテンプレート化できたから機能したのであって、丸投げしていた初日のままなら「使えないな」と判断して終わっていたはずです。もし議事録に時間を奪われているなら、まず自分がどういう順番で議事録を書いているかを書き出してみてください。それがそのままAIへの指示文になります。
副業の時間は、捻出するものではなく「奪い返すもの」だと5年やってきて思います。議事録は、その最初の一歩として一番取り返しやすい時間でした。
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