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【応用情報技術者試験】マネジメント分野

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はじめに

応用情報の午前試験ではテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つの分野から問題が出題されます。
テクノロジ系の問題が多くを占めますが、今回はマネジメント系の知識を整理しようと思います。

①プロジェクトマネジメント

まず、プロジェクトとはある業務のために編成された期間限定のチームで独自のプロダクトやサービスを創造するために実施する業務のことである。目的を達成するために開始し、目的を達成した時に終了するもの。
そして、プロジェクトマネジメントとは、さまざまな知識やツール、実績のある管理方法を適用し、複数の制約条件を調整しながらプロジェクトを成功に導くための管理活動のことを指す。

プロジェクトマネジメントの手引きとして、JIS Q 21500:2018 というものが存在する。
これは、プロジェクトマネジメントに関する日本産業規格(JIS)で、国際規格である ISO 21500 をベースにしたものであり、さまざまな業種・規模の組織で使用できる、共通のプロジェクトマネジメントのガイドラインとなっている。
そこでは作業の位置づけとして「立ち上げ、計画、実行、管理、終結」の5つのプロセス群に分類されている。
それぞれ、プロセス群とその対応するプロセスは以下である。

プロセスグループ 対応するプロセス
立上げ スコープ、利害関係者
計画 時間、コスト、品質、リスク
実行 資源、調達、コミュニケーション
監視・コントロール パフォーマンスの測定・調整
終結 プロジェクトの成果物の引渡し、教訓の整理

また、JIS Q 21500:2018と並んで出題されがちといわれているもので、 PMBOK(Project Management Body of Knowledge) というものがある。
これは、プロジェクトマネジメントを進めるために必要な知識を体系化したもので、プロセス群を「立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結」としている。そして、知識エリアというものが10つ定められている。ただ、PMBOKガイド第7版ではプロセスベースの標準から原理・原則ベースの標準に移行されたため、10の知識エリアが8のパフォーマンス領域に変更されている。
<8のパフォーマンス領域>
①ステークホルダ
②チーム
③開発アプローチとライフサイクル
④計画
⑤プロジェクト作業
⑥デリバリー
⑦測定
⑧不確実性

具体的に応用情報試験で出題されがちなプロジェクトマネジメントの活動は以下である。

マネジメント領域 活動内容 よく出るキーワード・ポイント
スコープマネジメント プロジェクトで「何をやるか(やらないか)」を明確にする WBS、要件定義、成果物、範囲変更
スケジュールマネジメント 作業順序や期間を計画・管理する ガントチャート、クリティカルパス、PERT、アローダイアグラム
コストマネジメント 費用の見積り・予算設定・コスト管理 EVM(出来高管理)、CPI、SPI、予算超過の判断
品質マネジメント 成果物やプロセスの品質を保証する 品質保証、品質管理、レビュー、テスト、PDCA
リスクマネジメント 将来的な不確実性に対応する リスクの特定・分析・対応計画、発生確率と影響度
人的資源マネジメント チームの編成・育成・モチベーション管理 RACIチャート、職務分掌、チームビルディング
コミュニケーションマネジメント 関係者間の情報伝達・報告 会議、報告書、連絡体制、伝達経路
調達マネジメント 外部委託や契約に関する管理 RFP、契約形態(定額・出来高)、納期管理
ステークホルダーマネジメント 利害関係者の期待・影響の管理 関係者分析、合意形成、報告計画
統合マネジメント 各管理活動を一貫性もって統合する プロジェクト計画書、変更管理、全体調整

②サービスマネジメント

サービスマネジメントとは、ITサービスを構成する「人材、プロセス、技術、サプライヤ・ベンダ」を効果的で効率的に組み合わせて、ITサービスを実施して管理/維持していくことをいう。
サービスマネジメントにも規格があり、その1つとして JIS Q 20000-1:2020 というものがある。
JIS Q 20000-1:2020はサービスマネジメントシステム要求事項といい、サービスマネジメントシステム(SMS)を確立し、実施し、維持し、継続的に改善するための組織に対する要求事項を示したものである。
以下のような内容になっている。

  1. サービスマネジメントシステム(SMS)の構築
    組織は、サービスマネジメントシステムを構築する必要がある。このシステムは、サービスの提供、監視、改善を含むプロセスを規定し、サービスの品質を確保。
  2. リーダーシップとコミットメント
    トップマネジメントがサービスマネジメントシステムに関与し、リーダーシップを発揮することが重要。
  3. 計画と実行
    サービスの設計から運用に至るまで、サービスマネジメントプロセスを計画し、実行しする。の段階で、顧客ニーズの把握、リソースの最適化、サービスレベルの合意(SLA)などが重要になる。
  4. パフォーマンスの評価
    サービスのパフォーマンスを監視し、測定するための指標(KPI)を設定。
  5. リスクと機会の評価
    サービスの提供に伴うリスクや機会を評価し、適切な対応策を講じる。これにより、予期しないトラブルに迅速に対応できる体制を構築する。
  6. 改善
    サービスマネジメントシステムの改善は、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)に基づいて行われる。これにより、サービスの品質や効率が継続的に向上する。

また、ITサービスマネジメント(ITSM)のベストプラクティスを提供するフレームワークで、組織が効率的かつ効果的にITサービスを提供・管理するためのガイドラインを示すものとして、 ITIL(Information Technology Infrastructure Library) というものがある。
最新のITIL v4ではITサービスのライフサイクルを以下の観点でまとめている。

1.サービス戦略(Service Strategy):
 サービスの方向性や提供価値を決定します。
 顧客ニーズの理解、競争優位性の確立、リソースの配分方法などが含まれる。
2.サービス設計(Service Design):
 新しいサービスを設計し、運用に必要なリソース、技術、プロセスを整備。
 サービスレベルアグリーメント(SLA)や、サービスの可用性、セキュリティ要件もこのフェーズで設定される。
3.サービス移行(Service Transition):
 サービスの設計を実際の運用に移行する。
 新しいサービスのデプロイメント、リリース管理、変更管理などが含まれる。
4.サービス運用(Service Operation):
 サービスを実際に提供・運用するフェーズ。
 インシデント管理、問題管理、リクエスト管理など、日々の運用活動が含まれる。
5.継続的改善(Continual Service Improvement, CSI):
 サービス提供の過程で得られたデータを基に、サービスやプロセスを改善していく。
 このフェーズでは、PDCAサイクルを用いて、サービスの品質向上に取り組む。

③システム監査

システム監査とは、一定の基準に基づいてITシステムの利活用にかかわる検証・評価を行い、監査結果の利用者にこれらのガバナンス・マネジメント・コントロールの適切性等に対する保証を与える一連の活動のことである。
システム監査の流れは以下ある。

1.監査計画の作成:
 監査の目的、範囲、監査対象、方法、スケジュールなどを明確にする。
2.情報収集:
 監査対象のシステムや業務プロセスに関する情報を収集する。
 これには、システム構成、運用手順、内部ポリシー、セキュリティ対策などが含まれる。
3.監査の実施:
 実際にシステムを点検・評価し、規定や基準に対する適合度を調査する。
 インタビューや資料の確認、実際のシステムのテストなどが行われる。
4.監査結果の分析:
 収集した情報を基に、システムやプロセスの評価を行い、問題点やリスクを特定。
5.監査報告書の作成:
 監査結果を詳細に報告書としてまとめ、発見された問題点やリスク、改善提案などを経営層や関連部門に提示。
6.改善提案とフォローアップ:
監査報告書に基づいて、必要な改善策を提案し、実施状況を定期的にフォローアップする。

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